劇場公開日 2020年10月16日

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「映画は映画」みをつくし料理帖 オッサンさんの映画レビュー(感想・評価)

5.0映画は映画

2020年10月18日
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NHK版の黒木華が良かったからこの作品には期待していない・・・という記述が目立つけど、それはヤボというもの。
映画版では澪の母親代わり芳のセリフの中にしか登場しない、芳の夫で天満一丁庵の主・故嘉平衛や種市が、澪の才能を見抜き当時としては珍しかった女性を料理人として抜擢したのと同様、角川春樹自身が薬師丸ひろ子や原田知世を抜擢し、そして原作者の髙田郁の才能に惚れ込み彼女とこの作品を世に送り出したことを考えれば、たとえどんなに良くても評価の定まっている黒木華で撮ることは、野村宏伸演ずる鶴屋の常連客のセリフではないが、はなっから「ありえねぇ」話なのだ。映画はあくまでも映画。テレビドラマとは違うのだ。
そしてその角川の期待に見事に応えたのが松本穂香であり、出演が決まった頃はほぼ無名であった奈緒で、また作品の世界同様、ベテラン俳優陣がシッカリと彼女たちを支え切った。

私も原作やドラマ版が大好きでこの作品に期待して観たのだが、セリフも説明の部分も少なく、最初の試写会ではこの作品の良さが良くわからなかった。でも二度目を観て、役者の目の表情にセリフ以上の意味が込められており、この作品の奥深さを感じた。是非二度以上を観ていただきたい作品だ。

オッサン