ジョジョ・ラビットのレビュー・感想・評価
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ナチスドイツをおとぎ話で包んだ名作
この残酷な時代背景を好き放題ユーモアいっぱいに描きそしておとぎ話化した本作は、不思議な魅力にあふれ、まさにお見事のひと言だ。人間の全ての感情が本作には盛り込まれていると思う。
そして登場人物が皆すごく個性的で、ちょっとした仕草や表情等々全くもって目が離せない。主役から脇をかためる役者まで、本当にみどころ満載の演技だ。
トリッキーな作風だけに好みは分かれるかもしれないが、個人的には迷うことなくどストライク。言語が英語というところは正直少々ひっかかったが、この役者でこの作品なのでこれでよし。実に何度でも繰返し観たくなる作品だ。
ポップなテイストにズシンとくる戦争の現実
心優しい、主人公のジョジョ
お母さんのスカーレットヨハンソンも美人で陽気で
反骨精神のある強い女性
ジョジョは合宿でうさぎを殺せずバカにされたし、ユダヤ人の女の子を匿ってて、見つかれば家族や自分も縛り首だけど、戦争が終わればそんな価値観も全部ひっくり変える。
本当にこの平和な時代に産まれて良かったと、心から思える作品でした。
ワイティティ監督自ら演じたヒットラーは、ポップで陽気で、子供っぽくて面白かった。
この作品を観てる間、大爆笑もしたし、大号泣もして、なかなか忙しかったです笑笑
サムロックウェル が本当に良かった!
サムロックウェル の映画観たくなっちゃいました!
こんないいやつの役もすれば、グリーンマイルみたいな最低な役もする、本当に名優ですね!
オカンがヨハ子っていいよな
国を想うにどんだけ捻じ曲がった思想でも
それがイイと思ってしまうんだよな。戦争って。
というか人間はそんなもんなんでしょう。
しかしジョジョは戦争反対!ではなく
ヒトが好き、動物が好き、オカンが好き
と戦争時代を背景にしながら
人間もいいとこあるよ、と。
ほんのりさせる作品でした。
70点
アレックスシネマ大津 20200123
こんな素晴らしい映画があったなんて!
ナチスドイツ政権下で自分の信念を貫き、
ユダヤ人や子供たちを守る、ドイツ人の大人たち感動です。
人として、自分という1人の人間として、
何をしたいか、何をするべきか。
たとえ死ぬことになろうとも、貫くべきは自分の信念。
ナチスドイツの戦時下を露骨に描きつつも、
コメディ要素ありで、ポップなテイストも好きです。
「今日もまた生き延びた、それでいい」
明日死ぬかもしれない、そんな厳しい世の中でも、明るく今を楽しく、自分に正直に生きる人たちに、生きる希望をもらいました。
戦争に行く男、家を守る女、大人、青年、子どもたち、
戦時下のそれぞれの戦いと生き延び方が描かれてるのもいい。
私もたくさんの大人に守られながら
子供から青年、そして大人になったのだなと思うと
周りの人への感謝が溢れます!
私もまた、今日を生き延びよう。
ハイル・ヒトラー、ガイズ!
とても良くできた、いい映画でした。学徒動員されたナチス狂信者の少年の目から見た終戦直前のベルリンの物語。
コメディタッチで笑えるシーンは多いですが、内容は深く感動的です。
臆病な少年の心に去来する、ヒトラーへの忠誠心、戦地に赴いたという父親への想い、ユダヤ人への差別、反ナチの人たちが広場に吊るされた意味、母親への愛と軋轢、淡い恋心...うまく織り込まれていました。
ナチスに対しては徹底して風刺的に描かれていて、訓練の初めに教官がハイル・ヒトラー、ガイズ!なんて適当に軽薄にあいさつしちゃう。この設定も笑えていい。
母親(S.ヨハンソン)と教官の大尉(S.ロックウェル)のキャラクターとてもいいし、両俳優の演技が見事にハマっていて素晴らしかった。デブのお姉さんのキャラも良かった笑。ヒトラー役は監督自らが演じていて、これもよかった。
ジョジョがロボットの着ぐるみで鍋釜の供出を依頼しに街を回ってるシーン。ドイツでも鍋釜の供出があったんだなあ、なんて感慨をもって観ていたら、ジョジョは母親を見かけてしまう。母親はジョジョとは気づかない。ちょっとした伏線になっていて、うまくできてるなあと思いました。
独語版の「抱きしめたい(ビートルズ)」や「ヒーロー(D.ボウイ―)」も良くハマってました。
自分的には「クローンの散歩」と「クルミの意味」がツボで大笑いしました。
少年の淡い憧れと恋心の美しさ、戦争や迫害のバカらしさ
戦地が自分のすぐそばに迫ってくるまで、街ややりとりは戦時下とは思えないくらいポップに描かれている。
ユダヤ人の少女との出会いからの展開も、まるでおとぎの国の住人に出会ってしまったかのようなどこかほんわかとした空気感すらある。淡い恋心の描写も、蝶で描かれたりしていて、子どもらしくとても愛らしい。もちろん、警察が家に来て…のところのシーンはとても緊迫感があって心臓バクバクしたけど…!笑
終盤の合戦のシーンが結構良かった。自分もジョジョと一緒に、地獄の世界の中にいるかのような感覚になった。スローになる演出が効果的だったと思う。
軍事訓練も、ヒトラーの存在も、なんとなく絵空事のようだったし結構ポップだったので、見知った顔が次々と死んでいく現実を一気に見せられて、やっと戦争というものの実態を見た気がした。ジョジョもあれをみて、戦争万歳なんてとても言えなくなったのではないかな。
ホロコーストのことも、ジョジョにとっては絵空事や御伽話のような話だったけど、自分の目でみて実態がわかってたら、「ホロコースト万歳」なんてとても言ってられなくなったよね。
「制服を着ていないと仲間に撃たれるから」とドイツ軍の制服を着て、ドイツ軍が降伏したあとは「ここから逃げろ」とドイツ軍の制服を脱がされたのが印象的だった。
一瞬で立場が裏返る滑稽さというか、争いの馬鹿らしさみたいなものを感じた。
ユダヤ人かそうじゃないかなんて、たったそれだけの違いで虐殺までに至る、馬鹿らしさ。
私にとっては、ヒトラーってもちろんそんな身近な存在ではないけど、ジョジョや当時を生きたドイツの人々は、いつも眼にするし意識しているとても身近でクールなら存在だったんだろうなぁと。街の人やジョジョが、日常会話の中でヒトラーの名を出すのが新鮮で、そんなに当時の日常を垣間見れた気がして、面白かった!
子ども目線
子供主演映画にはハズレが少ないと勝手に思ってる。
今回も当たりだ。
最初は熱狂的なナチスかっこいいな、と雰囲気に流されて
憧れてるだけの純朴な少年が、
邪念に狂わされることなく
真っ直ぐな目で現実を見据え、
むしろ体制に迎合する大人たちより
しっかりと自分の頭で考えて判断している。
少女も難局を知恵で乗り切り
エンタメ(戦争を描きながら!)としても面白い。
見せしめ処刑は子供の目の高さでの
視界で、それがまたいい効果を生んでいる。
ラストもはっきりと言葉にしなくても
互いに通じる空気とノリ、
どれほどに二人が仲が良いかという証。
やたらと気持ちをセリフで説明するような演出とは
雲泥の違いで大変良い。
名作とまでいえないかもしれないけど
秀作である。
ドイツ版ポケットの中の戦争
ガンダムファンなら誰もがこの作品を連想せずにはいられないだろう。
少年の視点から見た戦争…という展開はまさにこれだ。
しかしポケットの中の戦争と異なるのは、現実に起きている終戦間際のドイツ領内の地獄絵図とは違い。その大半が少年の妄想が入り混じった"ポップな戦争"が描かれている点だろう。そしてイマジナリーフレンドのヒトラーと少年の掛け合いを軸に、コミカルに描かれている点も非常に個性的だ。
少年の目線を貫いているからこそ、現実のナチズムの残虐性はほどほどに、ポップで明るくストーリーは進んでいき、クライマックスまでスムーズに見ることができる。
この点は戦争を題材とした作品として賛否われるところであろうが、私は評価したいと思う。これは戦争を軽視しているわけではなく、あくまでもあの時代に熱狂した当時のドイツ少年に向き合っての演出だったのではないかと思う。
戦争を悲劇として扱うのは簡単だが、そうではない別の切り口で戦時下の日常を描いたことにこそ、本作の真の価値がある。
…などと小煩い事をグダグダ語ったが。
ようはエンタメ作品をとしても戦争映画としても非常にバランスの取れた作品なのだ。
単純に一本の映画として非常に面白く、それでいて見終わった後にしっかり余韻に浸れる。
これで十分だと思う。良作だ。
笑っていいのか…
主人公は、ヒトラーを信奉するナチの少年。凄い設定だが、基本はコメディ。
笑っていいのか、心配になるぐらい強烈なブラックな笑い満載で、結局笑ってしまう(^_^;)
ちょいちょい出てくる主人公の友達ヨーキーが良いアクセントになって、さらに笑わせてくれる(^^)b
ちょっと「ライフ・イズ・ビューティフル」を思い出した。
魂が震える
まさかここまでの傑作とは!!
ヒトラーを敬愛する少年の成長を母親や謎の少女など周りの大人たちとの交流から描く、ユーモアと感動溢れる愛の物語✨
一語一句心に刻み込みたい名言、名シーンの連続
ラストは今まで観た映画で一番号泣した😭
こんなに感動と心から溢れ出す静かな嬉しさで大号泣したラストはない
スカーレット・ヨハンソンの役柄と演技が凄すぎて偉大過ぎてずっと泣いてました!!
サム・ロックウェルも相変わらずズルい。憎たらしいほどかっこいい!!
スカヨハ演じる母の言葉
『どんなときでも恋するのよ』
恋や愛は戦争中でも関係なくするということ以上に深い意味を感じて本作で一番好きな名言の一つです😭
愛は最強
全てを経験せよ 美も恐怖も 生き続けよ 絶望が最後ではない
主人公のジョジョは軍人を目指すもその道を断たれる
教育と環境が作り出した自分の中のナチが空想の中のヒトラーとして描かれていく
そんな中ひとりのユダヤ人と出会い、ジョジョは自ら経験をしていく
キャラクターに愛着がわき
その後の描写で戦争に対する悲しさが自ずと引き出される
多くの人が愛を持っているが、環境が過ちを産む
戦争により人種などのくくりに囚われていただけで、中身は同じ人間
ジョジョの思うユダヤ人はジョジョの頭の中にしかいなかった
戦争映画でここまで引き込まれたのは初めて
自由になったらまず何をするか?
ただ音楽を楽しみ、踊る
それができる幸せ
靴ひも
コロナになり、解熱してやっと配信を観たのがこちら。劇場で観た時は、さして感動しなかったが、妻から是非もう一度観るように言われ鑑賞。確かにナチスの悲惨な事実を、このような(ちょっとした)コメディタッチで描いたこの映画は凄い。そして、靴ひものインパクトに感動。
ちなみに4回目ワクチン終わったあとでも、コロナは相当つらかった。
少年の成長
第二次世界大戦の終盤のドイツの町で暮らす少年の戦時下で少年の成長が描かれています。
題材てきに重い話ですが、空想のヒトラーの過激な思考にも対応し成長する様は伝わりやすく、よかったです。
大尉との兼ね合いがすきです。
サム・ロックウェルが
「スリー・ビルボード」に続いて重要な役で出ています。
私にとってはとても好きな作品になりましたが、賛否両論あるそうですね。
見終えて、みんなが思うことは「ヨーキー○○○○○○○○ね」だと思います。
第2次世界大戦下の子供の視点からのナチスドイツ。 ナチスに心酔して...
第2次世界大戦下の子供の視点からのナチスドイツ。
ナチスに心酔していた子供が戦争を見て、体験し、ユダヤ人の女性に恋をして、愛を知り成長していく。
強気でいながらも臆病で優しいジョジョが可愛らしい。一緒子供の純粋な目から見た戦争はとてもメッセージ性が強く思える。そして、戦争という重いテーマであるのにかかわらず、コミカルにユーモアに溢れた視点で描かれていて新鮮に思えた。ヨーキーも可愛くておもしろい。芯のある母親、スカーレット・ヨハンソンも良かった。
場面ひとつひとつが暗いイメージでなく、絵画を見ているような芸術的に観えるのがまた素敵でした。
少年の目を通して見るナチスの栄枯盛衰
『ライフ・イズ・ビューティフル』と『アンネの日記』をミックスしたようなお話なのに、テイストは『イングロリアス・バスターズ』に近い。全体を通して、タイカ・ワイティティの味付けが行き届き、極限状況や絶望をすごく薄めてある。そして、乾いた笑いや大人との関係性が、時に美しく、時に哀しく胸に響く。それは必ずしもリアリティだけが観衆の心に訴える手段ではない、という監督のこだわりに思える。
たとえばジョジョだけに語り掛けてくるヒトラーは実体として存在していながら実は少年の心の声を強調するためのスピーカーに過ぎない。ナチズムという運動体が少年の心にどのように届いているのかを表現するためのひとつの手段なのだ。監督自らがヒトラーに扮し、当時の子供たちがいかに戦争によって歪んだ価値観を植え付けられていたかを一瞬で説明できるうまいやり方だ。まるでピノキオにくっついてくるジミニー・クリケットだ。少年にとってはヒトラーは悩みをなんでも打ち明けられる親友で、最も遠い存在のはずが、すごく身近にいる。
そしてユダヤ人に抱いている誤解や偏見も、あくまでコメディのテイストで語り掛ける。ユダヤ人の少女に「どうして角が生えていないんだ?」と、大真面目で質問する少年を怒ったり呆れたりすることなく「まだ子供だから。20歳になったら生えてくる」なんて軽口で片付けてしまう。非常にデリケートな問題を、鮮やかな切り口で見せ、一つのファンタジーとして成立させてしまう手腕は見事だ。
その細部にわたるまで実に様々な味付けが行き渡っているのがわかる。少年のセリフはドイツなまりっぽく聞こえる英語を使うが、サム・ロックウェル演じる出世コースを外れてやさぐれている軍人はこてこてのヤンキー英語を喋っているように聞こえる。大けがを負ったジョジョの傷跡も、あえて痛々しさを出さないようひっかき傷程度にしか映してない。母親とのファンタジックなつながりや、家族構成も必要最小限にしか描いていない。それなのに、靴ひもを結んであげるシーンでは思わず涙が溢れてしまうほど残酷で哀しく美しい。
アカデミー賞にノミネートされたスカーレット・ヨハンソンの、これほど豊かな表情の母親ぶりもとても新鮮だった。それを引き出したのも、監督の功績の一つと言えるだろう。結末のあっけなさだけはもう少し何とかしてほしかったが、とてもよく出来た少年の成長物語を見ることができた。満足だ。
2020.1.27
少年と愛と崇拝の物語🇩🇪
凄く面白かったー!!観てて楽しい作品です!!
少年の葛藤と時代背景からは想定できないユーモアが含まれており、心に響くシーンが印象的でした。
幅広い層におススメの作品だと思います😁
劇場版優しい世界
盲目的にアドルフヒトラーを崇拝する10歳の少年ジョジョが自宅に隠れ住んでいたユダヤ人の少女エルサと出会い、少しずつ変化していく様子を描いた愛と勇気に満ちた感動作。
第92回アカデミー賞において脚色賞を受賞した今作は人類史上最悪の出来事を信じられないほどポップでカラフルに描きつつコミカルでシニカルな演出で表現された予想外な感動作だった。
中でもひときわ存在感を放っていたのがジョジョの母ロージーを演じたスカーレットヨハンソンだった。
かつての優しかったジョジョに戻ってほしいと切に願う母役として愛に溢れた演技を見せる一方、反ナチス運動を根気よく続けていく芯の強い女性像も見事に表現し、近作にあたる『マリッジストーリー 』と同様に彼女の一つのキャリアハイを堪能できる素晴らしい存在だった。
またジョジョの上官役のキャプテンKを演じたサムロックウェルも素晴らしい演技を披露していた。
戦前から退いた高慢な指導官の印象を最初は持っていたが、話が展開するにつれロージーに頭が上がらなかったり、実は優しい一面もあったりと人間味溢れる存在でジョジョの成長を不器用に見届ける人物を好演。
オスカーを受賞した『スリービルボード』のディクソン同様に彼の代表作と言える存在感だった。
また監督兼俳優としてアドルヒトラーを演じたタイカワイティティも独特の存在感だった。
常にコミカルにジョジョの良き友として居続けた一方、ジョジョの思想が次第に自らの思想と離れていくにつれ、顕著になっていく怒りの姿勢と命令口調の怒号で隠していた本物のヒトラーの素顔を垣間見せる演技が見事だった。
MCUデビュー以降引っ張りだこの彼が賞レースでも戦える作品を送り出してきたことも印象的だった。
長々と書いてしまったがトーマシンマッケンジーが最高に美人だからとにかく見てほしい笑。
あとヨーキーに友達になってもらいたい笑。
シリアステーマのコメディ
演出はコメディの手法ですが、テーマは反ナチでシリアス。
相反する二つの要素がうまく融合しました。映像センスも最高水準です。
しかしヒトラーが監督とは知らなくてびっくり。
導入部のカッコよさとラストの詩情がとてもよいです。
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