ジョジョ・ラビットのレビュー・感想・評価
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ユーモラスな中に
この作品は脚本、監督、演出、子役が素晴らしい!!ユーモラスな中に洗脳、集団心理、戦争、差別等の様々な問題を織り込ませた秀作。悲しいシーンもあるし、多くを考えさせられるけど、適度なスリル感とエンドも含めた幸福感が心地よく感じれた。
ライトなテイスト
描きつくされてきたテーマだろう。
観るたびに心が落ち込み、陰鬱な気分で映画館を出ることばかりだった。
こんな平坦な気持ちで終わったのは初めてだろう。
序盤はナチに洗脳された能天気な少年が延々と映し出され、冗長だ。
中盤もユダヤの少女を匿っているのが明らかになるものの想定内で、テンポは変わらない。
潮目が変わるのは吊り下げられた母親の姿からだが、それでもソフトでマイルド。
心がギュッと痛んだり、涙したりすることはなかった。
ナチとユダヤ人の問題というよりは、少年の成長物語。
ちょっと笑ってしまうようなエピソードが挿入され、
心通い合った親友や粋な教官が少年をサポートしてくれて心がほんわか温まる。
ユダヤ人少女に徐々に惹かれていく姿には、心が疼く。
悪くはないのだが、もう一声!の観は否めない。
差別の滑稽さ、哀しさ
もともと関心度は高くなかったのだけど、たまたま時間があったので鑑賞。 ジョジョは子どものころに、過ちに気がつけて幸せだった。 他国や他民族を、蔑視し、迫害するのが正義と洗脳された人々は不幸な目に合う。
子供視線のユーモアと今までに無いアプローチで戦争の愚かさを問いかけ...
子供視線のユーモアと今までに無いアプローチで戦争の愚かさを問いかけてくる。ジョジョをはじめ登場人物の表情が豊か。ラストのリルケの詩が素敵だった。
濃縮された心の解放
これはあかん。オープニングで掴まれて、シニカルな笑いに身を任せて油断していたら、号泣の泉に投げ落とされました。 センスの良さで戦時中の悲惨さにフィルターをかけている分、もう途中から自分がどんな表情で向かい合ってるのかわからなくなりました。言葉にならない。
ジョジョは大人の男になれましたね
「ナチス思想を信仰する少年が主人公」という前情報だけ知っている状態で鑑賞。日本でもナチスについてはあまり知らない人が多いですが、海外ではナチスに対する批判的な意見が多くて話題に出すのも憚られるそうです。日本と諸外国とのナチスに対する意識の違いの要因としては日本が戦時中はドイツと友好国だったからという歴史的背景があるんだと思います。 映画に話を戻しますが、ナチス信仰の少年ジョジョが主人公でありながら作品自体は非常にコミカルで面白く鑑賞できますし、映画の後半ではジョジョがナチス思想に疑問を持ち始めるため、この映画自体はむしろナチスに批判的な主張が盛り込まれているように感じます。映画序盤のジョジョは受動的に刷り込まれた知識だけを盲信する子供の状態でしたが、後半では自らが見聞きしたり体験したことから能動的に考え行動できる大人の男になりました。ナチの思想へのアンチテーゼを唱えつつ、「ナチの思想からの脱却」を通じて一人の少年の成長を描いているのは上手い演出だったと思います。 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 第二次世界大戦中のドイツ、10歳の少年ジョジョは「空想上の友達がヒトラー」というくらいナチス思想を盲信していた。一人前の兵士になるために青少年集団「ヒトラーユーゲント」に参加するも、ウサギを殺すように命じられたのに心優しいジョジョはそれができず「ジョジョラビット」という不名誉なあだ名をつけられたり、手榴弾の投擲訓練で大怪我を負ったりと散々な目に遭う。実戦に向かないジョジョは兵士でなく街のポスター貼りなどの軍務の雑用をしながら過ごしていたが、ある日自宅の亡くなった姉の部屋に隠し扉があるのを発見し、扉の中で母親が密かに匿っていたユダヤ人の少女と出会う。 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ この作品は第92回アカデミー賞の脚本賞に輝いた作品です。当然ながら、脚本が本当に本当に素晴らしい。脚本賞に選ばれたと知っても特に驚きはありません。「そりゃ脚本賞取るよね」と思いました。それくらい、随所に散りばめられた伏線やユーモアや細かな言い回しの妙が光ります。 また、その脚本を最大限に際立たせる映像演出も素晴らしかった。 多くのシーンで「主人公ジョジョの視点の高さのカメラアングル」が使われており、これが主人公ジョジョの目線から見た戦争とナチスを描く本作に絶妙にマッチしています。また、この映画の一番の衝撃的シーンでもある「お母さんの靴」のシーン。直前に登場したジョジョがお母さんと一緒に歩くシーンと全く同じ構図なのに、ここまで印象が変わってしまうとは。思わず息を呑むような恐怖感と絶望感がありました。 靴紐も結べなかった一人の少年が大好きな女の子を守れる勇気ある一人の男性に成長する物語として非常に楽しむことができました。戦争映画ですがグロテスクな戦争シーンはありませんし、ナチスを題材にした映画ですがナチスを礼讃するような表現も(皮肉をこめた表現を除いて)出てきません。映画の題材を見て敬遠している方でも楽しめる内容になっていると思いますので、あらゆる人にオススメしたい映画です。
イタリア映画「ライフ・イズ・ビューティフル」に雰囲気が似ている?
コミカルなシーンや悲しいシーン、登場人物の優しさや、悲しみの中のハッピーエンドは、「ライフ・イズ・ビューティフル」と同じ様な雰囲気に感じました。 「ライフ・イズ・ビューティフル」に共感した人にはお勧めです。
ヨコハマのお姉ちゃんとガンダムプラモとジョジョラビット
自分が歳をとって変わったからなのか、時代がそうなったのか。“親戚づきあい”というのがめっきり薄くなった。令和になったのを機に仕事以外の年賀状もやめにしたので、いよいよこれで慶弔のみの関係になるんだなぁとも思う。 でも子どもの頃は親戚の家に行くとか親戚が家に来るって、けっこう楽しみなイベントだった。ある年の夏休みに「ヨコハマのお姉ちゃん」が家に何泊かで来ることになって、僕は有頂天だった。 “あぶない刑事のふるさとYOKOHAMA”からやって来た6歳年上のヨコハマのお姉ちゃんは、オシャレで、優しくて、美人だった。とにかく構ってもらいたくて僕ははしゃいでいた。 でも残念ながら僕には5歳年上の兄貴がいた。6歳年上のヨコハマのお姉ちゃんは、6歳も年下のコドモと遊ぶより、同年代の兄貴とテニスをしたりボーリングに行ったり、喫茶店でアイスコーヒーを飲んだりすることを楽しんでた。その全部に僕はついていったけど、兄貴は露骨に僕をうっとおしがった。わかっていたけど僕は全部についていった。テニスは全球空振りして、ボーリングは全球ガータだった。喫茶店では兄貴とヨコハマのお姉ちゃんが隣同士に座って、僕は対面側にひとりで、バニラアイスの乗ったコーラを飲んだ。僕はアホのように楽しそうにしてたけど、心のなかでは兄貴死ねと思ってた。 ヨコハマのお姉ちゃんが横浜に帰る日、兄貴がいない時に、僕のおでこにチューしてくれた。そして誕生日プレゼントだよって「1/100リアルタイプガンダム」のプラモデルをくれた。ものすごく嬉しかったけど、ヨコハマのお姉ちゃんが帰ってしまった寂しさのほうが大きくて泣いた。後日作ろうと思った1/100リアルタイプガンダムのプラモデルは、「お前が作るとヘタだから」ということで兄貴が作ってしまって、また泣いた。口に出して言うと殴られるから、心のなかで兄貴死ねと思った。 その兄貴が27歳でほんとに死んだ時、葬式に来てくれたのが、たぶんヨコハマのお姉ちゃんと会った最後だったような気がする。子どもの頃の記憶と変わらず、オシャレで優しくて美人で、そして素敵な紳士の奥様になっていた。それ以降は年賀状だけが横浜と愛知県を往復した。その年賀状も平成とともにやめにする。 『ジョジョ・ラビット』という映画は、観た人みんなに褒められるに相応しい、良い映画だと思う。戦争の独裁に思いを馳せたり、スカヨハの母親像に胸を打たれたり、褒められるべきところがたくさんある映画だ。 その中で僕にはやっぱり、「あれくらいの歳の男の子が、あれくらい年上のお姉ちゃんに恋をする話」として、懐かしいキュンキュンを味わった。全球空振りでガータだった僕からみれば、ジョジョはずいぶん立派な戦士だったと思う。 あのラストシーンのあと、ふたりはどうなっていったのかな。映画はイイところで終われるから、美しいよね。
感染するのは若者たちなのだ・・・
ドイツ国民がすべてナチスを支持していたわけではない。 そんな当たり前の事が理解できていないようだった。 ポピュリズムなどというものは女子供が憧れのスターやアイドルに熱狂することから始まるかのようだ。ヒトラーはアイドルだったんだろう。 10歳の少年は判で押したようにヒトラーに狂い猛進する。 母親を殺されて、初めて気付くのだ、なんて酷いことをする人間なんだ・・・と。 それにしても、あの教育担当のドイツ将校は素敵だった。今まで思いつかなかったよ。ナチスの軍人であの抜けた生き方を登場させ、しかも監督自らが演じてしまっている。 子供が成長していく過程を第二次世界大戦とクロスさせた映画などと言わせたくない。 ドイツの庶民感覚目線で描かれた映画なんだろう。この映画は・・・・素敵だった。
いまひとつ乗り切れなかったけど・・・
言われたこと、教わったことを正しいと判断することが普通である少年時代。そしてそれに正直に突き進んでいく。それは決して罪ではない。まだ無垢なだけなのだ。 そんな主人公が関わる周囲の多くの大人たちの話や、戦争中ならではの辛い体験、ユダヤ人少女の関わりなど、自らの経験によって少しづつ考えが動き出す。前へ、後ろへ、横へ。 そしていよいよ、自分で考え自分で判断し行動できる、ちょっぴり大人へと成長の歩みを始める。そんな様子を温かく見守る映画館の観客たち。なんかとってもホッコリ。優しさ溢れる作品だ。 でも正直言うと、全体を通したテンションに加え、いまいちピンとこない部分も多々有り、ちょっぴり退屈してしまった。評判ほどには感動できなかった自分が残念。
靴紐、ダンス、蝶々、ドイツ語の歌
ナチス少年ジョジョの成長物語。
いや、ハリウッド映画でよくあるけど、英語圏外が舞台で英語を話すのにやっぱり違和感を覚えてしまう。でも、ドイツ語の映画だったら全然違う印象になってたかもしれないけど。
ブラックコメディなのかと思ったが、それよりもジョジョ少年の成長物語として楽しんだ。ナチス政権下のドイツの異常性を描きつつ、自由とは?生きるとは?ってことを訴えかけてきた。意外とマジメなお話だった。
序盤の変な感じが受け入れがたかったんだけど、お母さんの亡くなるシーン(これはかなり印象に残る衝撃シーン)の辺りから引き込まれてしまい、そしてラスト!脱出計画とDAVID BOWIEのHEROS(のドイツ語バージョン)、それに合わせて踊る二人に心が揺さぶられてしまった。
ファンタジックな感じもするが、少年の成長物語として見事な映画だった。やられた。
エンドロールの選曲まで儚く美しい
戦時中のドイツで、ナチスに盲目の10歳の少年が、生きるとは、愛とは、強さとは、なにを信じるのか…を学んでいく映画。 美しく、明るく、強く、重たい。 印象に残るシーンが多かった名作。余韻が大きく、鑑賞後も熱が冷めなかった。 観ているこちらも、思わず一緒に心躍るシーンから始まり、笑えて、わくわくして、でも心を痛めて、涙して…喜怒哀楽が全て詰まっているが、それが無理矢理ではない展開。 途中、イスの上に乗って父親を思わせる身長で母親と踊る構図…なんだかぐっときて、とても印象的だったなあ。 過去に何がありジョジョは捕らわれていたんだろうか? 間違いなく、また観たいと思える作品だった。 個人的には、今まで観た中で1、2をあらそう傑作!
少年は初めて世界を自分の目で見てみた
いきなり「ハイル・ヒトラー!」を叫ぶ少年の姿に面食らってしまう。ヒトラーを空想の友人として崇める少年を主人公にした物語だなんて、冗談でやるには悪趣味すぎるし、本気でやるにも綱渡り過ぎるなんとも危険な設定。好意的に取れば「挑戦的」だけれど、考えようによっては「不道徳」と言われても仕方がない。私自身、そのシリアスな設定と喜劇的なタッチのバランスにずっと居心地の悪いような気分を覚え、どうやって受け取るべきかと迷うようなところがあった。ブラックジョークと笑えばいいのか、不謹慎と怒ればいいのか。ただちゃんと最後まで映画を見れば、なるほどしっかりとしたテーマのある良い映画だと思えた。ブラックコメディのように始まった映画も、最後はフィールグッドムービーのような終点に落ち着いた、というような感じか。
少年はそれまで決して自分の目で世界を見ていたわけではなかったと言えるだろう。誰かから「世界はこうである」と言われていたのを鵜呑みにしたまま、それまで疑問を抱くことがなかった。そんな少年が、愛する母親がユダヤの少女を自宅に匿っていることを知り(さながら「アンネの日記」を裏表紙から読むような視点)、実際にユダヤの少女と交流を重ね、少しずつ世界を自分の目を見るようになっていく。そしてそれまで妄信していた価値観に疑問を抱き、今度は自分の価値観で世界を見つめていく、そういう少年の成長のドラマなのだ。ひとりの少年の目を通じて、ナチス支配下の世界がどういう社会だったかを描き、その社会の見え方が少年の価値観の変化によって変わっていく様子がとてもドラマティックだと感じた。
主役のジョジョを演じたローマン・グリフィン・デイヴィスがまたいい表情をしてくれて良かった。普通に見れば十分美少年なのだけれど(歪な歯並びもある意味すごくイギリス人らしい)、一度台詞を放ち表情を動かし始めるとこれが実にユニークでファニー。ずいぶんと面白い子役を見つけ出したものだと嬉しくなる。と同時に、すっかり母性愛の人となったスカーレット・ヨハンソンが作品を母なる愛で包み込む。若いころはセクシーでちょっと生意気な感じのする女優だった彼女が「マリッジ・ストーリー」も併せてすっかり母を演じるようになったことがやけに感慨深いと同時に、この作品の母であり、物語の母であり、母という存在を象徴するものとしてう靴しく君臨していてとても良かった。
最初は胸がざわざわするようなもやもやするような気がしていたものの、ラストシーンでぎこちないダンスをする少年少女の姿に心の解放を感じ「良い映画だった」とすっと思えた。
サム・ロックウェルが良い
ナチスをかなり皮肉ったコメディだけど、チャップリンの時代から、色々ナチスを皮肉る映画はたくさんある、デビット・ボウイが大好きなので、うまく使われてるとは思った。兎に角サム・ロックウェルの常にゲイのパートナーとかいる辺りも良かった。
コメディタッチでストーリーが展開されるので軽い気持ちで観始めた。だ...
コメディタッチでストーリーが展開されるので軽い気持ちで観始めた。だが見ていると何か訴えかけて来るものが・・・ 信念と現実が違ったときどういう風に進むべきか考えさせられた。
全503件中、261~280件目を表示