フェアウェルのレビュー・感想・評価
全80件中、41~60件目を表示
とてつもない距離を埋める家族愛があった
中国🇨🇳で生まれアメリカ🇺🇸で育ったというルル・ワン監督が自身の体験に基いて撮った作品とのこと。
祖国を離れてアメリカ🇺🇸で暮らす主人公のビリーは祖母の余命が短いと知りに両親と中国🇨🇳へ。父の兄一家も中国を離れ日本🇯🇵で暮していた。
親戚が一同に会しおばあちゃんと過ごす愛おしい時間をじっくりと描いた。そして知る今作のタイトルの意味。
この距離、そして別れは現代社会が抱える悲劇の一つなのだろうか。
ビリーを演じたオークワフィナが強烈な印象を残した。
タイトルなし
予告で受けた印象とは、だいぶ雰囲気が異なる作品だった
もっと重い感じを交えながら、コミカルに進む作品かと思ったけれど、そうでもなく
比較的、軽い感じで進んだように感じた
(実話ベースということで、最後のワンシーンに思わずよい意味で笑ってしまった)
この作品は、もう会えない家族や、今離れて暮らす家族を持つ人なら、
胸に響いてくるものがきっとあると思う
そして、最後かもしれないと思いながら、会う気持ちも
本当は、いつだって、誰とだって、次は約束されてなどいないけれど、
ずっとそんな風に思い続けてなど生きていけない
それが、余命宣告と離れた距離によって、目の前に突きつけられ続ける
家族それぞれが、それと向き合う時間
別れのつらさが、ラスト近くの祖母の様子で突き刺さってきた
私もかつて、祖父母宅から帰るとき、似たような風景があった
今、思い出してみると、あの頃は当たり前の、でも子供ながらに、これが永遠ではないことを知っていたから、どこかに切なさや苦しさが紛れ込んでいた、あの瞬間
それを思い出して、胸が詰まった
それにしても、ビリーが祖父のことを語った後の夜のシーン、あれは…
大国になりつつある中国の自信と揺らぎ
大切な家族と永別することの寂しさ、思いやり、優しさ。大切に思うからガンの告知をせず、孫の結婚式を装って一族が集まる。わかりやすい物語。
別の視点で書く。
お祖母さんの言動は自信に満ちている。その姿は大国になりつつある中国を思わせる。
一方で、ホテルの従業員は主人公のビリーがアメリカから来たと知ると、中国とアメリカ、どちらがいいかを聞く。自信があればそういう問いはしない。アメリカ人は自国を中国と比較しないだろう。豊かになった中国の自信と、自信の揺らぎのようなものを感じた。
結婚披露宴の会場はあか抜けず、昭和の日本の結婚式場のようだ。まだまだあか抜けないながら、しかし着実に豊かになっている中国の生活感も見えた。
ガン告知すべきか?ではなく、祖母ナイナイを堪能する映画
祖母が末期ガンのため、孫の結婚式を口実に中国に親族が集まる。アメリカから久々に中国に戻ってきたビリーは、祖母にガンの告知をしないことに不満を覚える…。
ガン告知についての考え方は文化の問題ということがよくわかる。家族感や死生観の問題だ。告知した方がいいというビリーと、知らせない方がいいという親族。どちらも祖母のことを思ってのこと。ただ、本人に知らせないためにそこまでするか!ってところが少し笑えた。
でもやっぱりこの映画で印象に残るのは、祖母を通した中国の文化だ。太極拳らしき踊りや結婚式場での揉め事、日本人嫁のアイコに対するホンネ、墓参り、結婚までの交際期間のくだり。結構強烈だった。
個人的には亡くなった母を連想させるシーンがいくつかあって苦笑い。文句や小言を言いながらも、周りに人が集まって来てたよななんて思い出に浸ることができた。
そして衝撃のラスト!そうなんかい!
ハマる人とハマらない人がハッキリわかれそうなこの映画。中途半端な評価になってしまった。隣で観ていた女性が思いっきりすすり泣いてて、あー人によってはここまで泣けるんだ、なんてことを考えてしまった。
え? 終わり?
予告ではもっと
中国とアメリカの文化の違いや
人の生死観について
アレコレ考えたりする物語かと思いきや
そんなにぶつかりもせず
ただただ
静かに
なんか
終わってしまった……。
で?
となった
(ラストは良かったと思ったものの)
世界中の人たちに見て欲しかったんだね!
日本映画がチャレンジできてない、強い信念、を感じる映画です。あー!日本映画人は情けない!と今更ながら思います。
この映画で見るべきは、世界中の人たちに、中華の文化、思想、アイデンティティを、感じて欲しいと思って、作られているという点です。
若手がつくる多くの日本映画は、日本人の中のコアな観客にむけて、自己中なメッセージを、J-POPのように、つくってますね。
韓国や中国は、世界とコミュニケートしようとしてる。
この映画が評価されるのは、そこです!
映画は、エンターテイメント、アート、メディアですから・・・。
おばあちゃんに会いたくなる。
肺がんで余命3ヶ月と診断されたナイナイに本当の病名を告げず隠して、ナイナイに会うために孫の結婚式を開催する家族の話。
.
A24と中国がコラボということで、中国でもオシャレに撮るんですよね。今まで見た中国映画の中で、1番自分の知らない中国を見れたし、今ノリに乗ってる中国の様子が優しいタッチで描かれるのが嫌味がなくていいですよね。
.
そして、私にはおばあちゃんという存在はもういないから無性におばあちゃんに会いたくなった。小さい時に親戚がたくさんおばあちゃん家に集まってくるあの感じいいよね。特に母方の方は私が留学してる間に亡くなったんだけど、最後のおばあちゃんが見送るシーンが自分の出国の日に見送りに来てくれたおばあちゃんと被って、めちゃくちゃ泣けたな。
.
でも病名を告げない問題は納得いかなくて。理由は自分の余命を知ると病気より恐怖に負けて死んでいくから。さらに東洋の考えでは1人の命は集団のものと考えるから、らしい。後者の考えについては、日本は東洋だけど私は全く理解できなかったな。どっちかというと社会主義の考えでは?1人のものは皆のものって考えだよね?間違ってたらすんません。
.
しかも1人の命は集団のものなら本人だって含めて考えさせろよと思うんだが、イマイチずっとこの死を知らせないってことに納得がいかないまま終わった。。絶対知らせなくても病状が悪化してくに連れて気づくと思うんだよな。
.
最後のシーンは私の涙を返せって思っちゃったよ(笑)6年も生きたのは単純に医者がやぶ医者だったんじゃとか思っちゃうよね〜.
山あり谷ありの映画ではない
期待せずに観たが、意外に面白かった。劇中に文化差、自身のルーツ、家族愛、個人の尊重などがちりばめられ、それらに対する葛藤だったり、愛だったり、様々な感情を大袈裟に描くのではなく、淡々と描かれていたのが良かった。
ストーリーの普遍性に真正面から挑む覚悟
フィクションというものは、常に鑑賞者との違いを前提に物語を構成するものと私は考えています。美男美女や、超現実などが分かりやすい例ですね。この映画も当然全ての人が共感できる設定とはなっていません。しかし、そこは全然問題では無いのです。そもそも色々な立場の人間が集まるということを前提に、その人間の感情や行動に共感してしまうのです。考えれば、全ての人間は自分以外の状況に共感できるわけがありません。しかし、この映画を鑑賞すれば、おばあちゃんの癌の告知をめぐるやりとりを誰しも非常にリアルに想定してしまうでしょう。そこには徹底したリアリティが存在します。それは当然ながらただそれ自体を描けばいいわけではなくて、現実を鑑賞者に想起させる必要があります。孫にとにかく食べて欲しいおばあちゃんや、嫁姑間の複雑な愛情、日本人である我々は通訳の方の片言具合にクスッとさせられながらもあまりに肉薄したリアリティに没入を免れ得ません。
普遍的なテーマを徹底的にリアルに描いた力作だと感じました。
個人的には、叔父さんの結婚式でのスピーチに胸が締め付けられ、思わず泣きました。あと空港へ向かうシーンの宗教歌?に感動しました。また取るに足らないことを小難しく書く悪癖が出てしまいました。自分でも何を言ってるかよくわからないので読み返しません。観賞後の感動のままに一気に書いたのでめちゃくちゃですね。しかし、このまま公開することをお許しください。
読んでいただきありがとうございます😊
#79 あんまり共感出来ない
祖国を離れた中華系アメリカ人から見た中国感がめっちゃ出てる。
美國と日本に息子を送り出す母親の気持ちはどんなものだろう。
移民が珍しい日本人には理解不能だ。
余命わずかなことを本人に告知しないのは30年くらい前の日本みたい。
西洋と東洋は違うって言ってるけど、中国が違うだけじゃないの?
話題のバイリンガル女優・水原碧衣さんは笑えるほど日本人的で、海外に長く住んでて日本人っぽい癖を良く見てるのが伺えた。
おばあちゃんは元気!
はじめのウソのテロップでおばあちゃんを騙すんだと思っていました。
終盤になってなんかおかしいと感じ、もしかしたら主人公が騙されていたのかなと思っていたら、ラストショットで元気なおばあちゃんが現れました。ギリギリセーフでした。
淡々とした家族と文化の物語
アジア系女優として初めてオークワフィナがゴールデングローブ賞の主演女優賞を受賞した「フェアウェル」。本作はルル・ワン監督の実体験を元にした家族の物語である。
東洋と西洋の文化の違いをどう受け止めていくのか、が恐らく設定されたテーマであるのだが、これが日本人たるわたしの目を通したときに「どちらの文化にも立てない...」というもどかしさを感じる。いや私だけなのかもしれない。私はナイナイを中心としたあの家族程の情の濃さは持たぬが、かといってニューヨーカーの様に個を確立したい意識も持っていないのである。逆にその曖昧さを突きつけられる形になった。
親戚一同が集まって食卓を囲む。隠し事を抱えながら語り合う。時に緊迫した空気になる。日本だと割と過去のそれと感じるし、私自身、もうそこにある情をある程度鬱陶しいと思っていた世代だ。だから...ぶっちゃけてしまうと感情移入がしにくかった。
個人的にはこれが「優しい嘘」なのかどうかもわからない。日本の文化だと以前なら告知しないことは割と普通の選択肢だったはずで、アメリカだとそれはイリーガルなのか、というのはちょっとびっくりした。残された時間をどう過ごすかを決められると思うのか、知らないことで恐怖からの解放をめざすのか。
舞台は中国だから当然のように後者が選ばれて、だからこそオークワフィナ演じるビリーと父は苦悩するのだが、恐らく私がアメリカ的価値観を理解していないのと、完全に没入できていない所為でここが迫ってくるようでこないのであった。経験もあるのかも知れない。似たような経験をしないと真に分からないのかもしれない。無理に分からせようとしないこの映画の姿勢には、だからこそ共感できる。幾らでも感動物語にできる題材を、それでも淡々と描く姿勢。
オークワフィナは非常に抑制の効いた演技をしていた。こういう演技ができるひとなのか!という新鮮な驚きがあった。
ナイナイの強引さと共存する圧倒的な包容力。ビリーに最後かける台詞がものすごく沁みた。
ちなみに大叔母さんの役は本当にルル・ワン監督の大叔母さんだそうで、確かにあの役、本人じゃないとできない何かが滲んでたなと感じる。衣装も自前だそうだ。あの帽子も自前...!
何か起こるわけではない物語だ。しかしこのなんでもないような家族の物語、のようなものが貴重なのだと感じた。
ちなみに唯一日本人キャストだった水原碧衣さんは、演じているというよりリアルにどこに居場所があるか分からない感じの佇まいで良かったが、MENSAの会員だそうで。天才じゃん。全然感じさせなくてよかった(褒めている。ナイナイに頭悪いって言われちゃうし)。
【ささやかなドンデン返し】
このちょつとインターナショナルな家族に軽い気持ちで会いに行ったらみたらどうだろうか。
家族や知人、友人を癌で亡くした人も沢山いるだろう。
僕は、父親を癌で亡くしている。
肺の小細胞癌で、判ってから3ヶ月だった。
ただ、80過ぎの父親は、精密検査の結果を自分独りで車を運転して聞きに行って、家族を連れてくるように言う医者に、自分は癌なんだな!と問い詰めて、結果を確認してから、もう寿命だ!と言って自宅に帰ってきたそうだ。
それまで病気らしい病気をしたことがなかったので、狼狽しただろうにと思うが、よく事故も起こさず帰ってきたなと感心した。
僕は、あまり父と折り合いが良くなかったが、お墓は母親が亡くなってから、僕達の便利なところに作るので良いからと、とても因習に拘る父親とは思えない合理的な言葉を聞いて驚いたのを覚えている。
肺の小細胞癌は喫煙者に特徴的な癌とも言われているが、お見舞いに来る親戚や友人などに、喫煙は止めろ、アフラックに入った方が良いぞと言っていたと聞いて、なんともモヤモヤした気持ちにもなった。
父は、ヘビースモーカーだった。
ここからネタバレを含みます。
↓
僕はナイナイは、理解していたのだと思う。
自分の夫もそうして見送ったのだ。
気が付かない方がおかしい。
おまけに、深刻な顔をした子供や孫やらが大挙して集まって来るのだ。
だから、気が付かないふりをして、皆をそれぞれの場所に見送ったのだ。
中国では、癌だと分かると、恐れで死んでしまうのだと言っていたが、そんなことはない。
密かに理解して、元気のように振る舞い、頑張っているのだ。
ビリーは、見送ってから泣くナイナイの姿を車の後部ガラス越しに見て、それに気が付いたのだ。
だから、それに応えようとして、ニューヨークの街で、ハッ、ハッと。
しかし、ちょっとしたドンデン返し…、ハッ、ハッの数も一段と増えていて…。
このちょっとだけインターナショナルな家族に皆が映画館に会いに行けたら良いのにと思う。
珍墓参りに…目が点になりましたぁ👀
アメリカと中国の個人の命の価値観の違いに
主人公ビリーの葛藤と悩みが深まる
英語、中国語…ちょっぴりの日本語と言語も違えど家族の祖母への想いと愛情は小さな混乱の中でも皆同じとビリーは気付いて行く…
アジア系女優で初のゴールデングローブの主演女優賞を手にしたオークワフィナの焦りと苛立ち不服顔が爽晴れな表情に変化するラストは実に見事!
そして音楽!中国語で歌われている洋楽ポップスの名曲達がめちゃくちゃセンス良く新鮮で爽やかにさえ聴こえました!
シンプルなテーマではあるがルル・ワン監督の丁寧で冴えた創りに心が温まりました
良いホームドラマ。
完全に肩透かしを喰らいました。
生活文化の違いから何か生まれるドラマかな?
と思ったら、違いました。
とても丁寧に一つの家族のある事件を描いた
ホームドラマでした。
が、故に、これを題材にした理由がいまいち
わからないんだよな。
ドラマティック要素ないんだもん。
ま、それが狙いなのかな?
ならばさ、もっとさ、家族の描きようが
あった気がする。
おばあちゃんっ子だった僕にはジンとくるシーンは
ありましたが、、、。
ビリー役の方、よかったです。
なんか、ラストのカットで全て良しとしてませんかねー?製作陣。
全80件中、41~60件目を表示