「【”おばあちゃんは屋根に上った・・” 癌患者に対する米中の考え方の違いを、若き女性がカルチャーギャップに悩む姿を通して表現した作品。中国のゴッドマザーの生き方、気合にも敬服した作品でもある。】」フェアウェル NOBUさんの映画レビュー(感想・評価)
【”おばあちゃんは屋根に上った・・” 癌患者に対する米中の考え方の違いを、若き女性がカルチャーギャップに悩む姿を通して表現した作品。中国のゴッドマザーの生き方、気合にも敬服した作品でもある。】
ー 米中の、癌患者への余命宣告方法 ー
・米国:医者から余命宣告をキチンと行い、患者自身が残りの人生を悔いなく過ごすように考えさせる。それが、米国風の思い遣り。
・中国:余生を心穏やかに過ごしてもらうために、癌患者には告知しない。それが、中国風の思い遣り。
■印象的な事
・ビリー(オークワフィナ)は幼き頃、家族と共に中国を離れて米国で育った。当然、思想は米国風。だが、中国に居るナイナイ(チャオ・シュウチェン)の事は大好き。
目指していた奨学金支給対象から外れたことを知らされ、意気消沈する中、そのナイナイが、肺癌で、余命僅かと診断されたという事実が電話で伝えられる・・。
息子二人を含めた親族で考えた事は・・、従兄ハオハオとアイコ(日本人らしい・・)との結婚式を口実に一族を中国に集める事であった。
だが、ビリーは“貴女は表情に出るから・・”と米国に残されるが、ナイナイが心配で中国に独りで帰国してしまう・・。
ーここからの、ビリーの米中の考え方に悩む姿(食欲がない)、ナイナイを気遣う姿をオークワフィナが絶妙に演じている・・。-
・ハオハオとアイコの結婚式の祝辞で、ナイナイの息子が母親での溢れんばかりの気持ちを吐露して、泣いてしまうシーン。
ー嘘を付くのは難しいよな・・。その相手が、母親ならば尚更であろう・・。-
・咳が止まらないというナイナイを病院で診察した医者のコメント
中国語では”軽い風邪ですよ・・”
英語で尋ねるビリーには英語で、”末期癌で・・・”
ー不謹慎であるが、笑えるシーン。又、米中の余命告知の考え方の違いが良く分かるシーンでもある。ー
・ナイナイの診断書をコピー機で”偽造”する家族の姿。
ー嘘を付くのは大変だなあ・・。-
・理由はどうあれ、中国、日本、米国で暮らしていた大家族が25年ぶりに集合し、交流し、ナイナイを想い、一つになっていく様。
ーナイナイは、矢張りゴッドマザーだなあ・・。-
<ナイナイの”何を成し遂げたかではなく、どう生きたかが大切”と言う言葉と、一向に衰えぬ食欲と気力。
ビリーは逆にナイナイから生きる気力、気合を貰い、悩んでいた心を切り離すかのように気合を込めて”ハッ!!”と自ら活を入れるのである・・。
エンドロールで流れた”事実”にも、(この話は実話ベースである)ゴッドマザーは偉大なり!と感じった作品。>