劇場公開日 2021年2月19日

  • 予告編を見る

「グッとくるけどお涙頂戴じゃない難病モノ」ベイビーティース よしさんの映画レビュー(感想・評価)

4.0グッとくるけどお涙頂戴じゃない難病モノ

2021年2月20日
Androidアプリから投稿

ROMANCE (part 1) 乳歯と煙草(屋内喫煙)。癌にかかったミラ&勘当されたモーゼス、住む世界も年齢も違う2人の甘酸っぱくほろ苦い恋模様。それは難病モノが大好きな日本人には遺伝子レベルで馴染みのありそうな題材、しかも不良少年。けど、それを繊細な感性と演技演出で持ってして描くことで、すごく新鮮に感じられた。観客はこの話がどこへ向かい、最終的にはどうなるか想像がつきながらも、見せ方の上手さもあって、そう単純にはいかない。
BREAKTHROUGH 例えば、屋上でミラが置いてきぼりにされるシーンなんて、置き去りにするモーゼス役トビー・ウォレスが個人的にジョシュ・ハートネットを彷彿とさせる顔だからか、『ヴァージン・スーサイズ』のフィールドで迎える朝を思い出したくらい。彼はヴェネツィア映画祭で新人賞にあたるマルチェロ・マストロヤンニ賞(『ヒミズ』で染谷将太と二階堂ふみが獲ったアレ)受賞と言うからお墨付き。
JUST ANOTHER DIAMOND DAY だけど主人公2人にミラの両親役、四者四様皆良い。キャラクター描写がそれぞれ深い、しっかりとバックグラウンドを感じさせる。カットのつなぎ方とかたまにジャンプカットっぽくなるのもドキュメンタリーっぽさ出していたかも。精神科医の父親役ベン・メルデルソーンのファンで良かったとしみじみ思った。『君の名前で僕を呼んで』のマイケル・スタールバーグとはまた違うかもしれないけど、作品を見終わった後のこの…あの感じ。胸しめつけられる。脚本における柱じゃないけど、毎シーンのように出る説明タイトル文字情報に、時折観客に向けられる視線。

THE BEACH
余韻を噛みしめるエンドロールまで良い。

とぽとぽ