「少年の熱演」異端の鳥 オクやんさんの映画レビュー(感想・評価)
少年の熱演
ポーランド人作家イェジー・コシンスキの原作小説を読み終えた直後、チェコ出身のバーツラフ・マルホウル監督は「これは私が・・・」とつぶやいたそうだ。しかもそのつぶやきから完成まで11年。脚本作りに3年。少年が成長する過程を実際に撮らなきゃいけないので、それに2年と、まぁ気の長くなるような映画である。
にしても、1人の少年を、よくぞここまで過酷に描けたのは、ある意味感心する。実際、ヴェネツィア映画祭ではその残酷さで退場者続出だったらしいが、自分が見た劇場では誰1人、途中で帰る者はいなかった。そこまで魅せられる程の内容ではないが、全く言葉を最後まで発せなかった主人公の体当たりの熱演があってこその作品である。
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