劇場公開日 2022年5月27日

「空中戦へ連れてって!」トップガン マーヴェリック N.riverさんの映画レビュー(感想・評価)

5.0空中戦へ連れてって!

2022年6月3日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

だが、乗り心地は五の次。
怪物エンジンとひたすらランデブーの二時間半。

前作のあらすじをざっくりおさらいして挑むも、
見どころはそんなこんなの因縁ではなかったように思う。
当時キラキラしていたF14、トムキャットも骨董品。
時は流れて戦闘機も進化、
その臨場感あふれるドッグファイトがとにかく目玉で、見ごたえ抜群だった。
自身、その昔、その手のシュミレーションゲームを楽しんでいたこともあり
背後の取り合い、ミサイル回避、フレア射出、速度と旋回のRと高度のせめぎ合い
本当に手に汗握って見ることができた。

話によれば合成ではなく、演者は本当に飛んで撮影したらく、
狭いコクピット内のカメラをセルフィ―よろしく
自分でスイッチ入れつつ演技したとか。
ゆえに地上に降りて確認するまでどう映っているのか分からないという
リアルを追求したがゆえのかなり変則的な撮影だったらしい。
しかし奇をてらっただけでなく、
それが正解であることは本編を見れば一目瞭然だろう。
ドキュメンタリーを見ているかのような圧巻の仕上がりには
演者の、演者を越えた体当たりの挑戦に脱帽しかない。
(同じ戦闘機乗りの自衛隊員が見たらどう思うのか、感想を聞きたいほど)

F1がらみの作品も好んで見るが、
あのエッジの利いた機動性の数倍上を3次元でこなす乗り物なんて
人が乗る物じゃないな。
思えるくらいの迫力は、たぶんしばらく塗り替えられることはないだろう。
(ところどころ「ファースト・マン」を想起させる場面があったが、意識してのことか?)

しかし、だからといって物語部分が貧弱かと言えばそうでもない所が憎い。
出会いに別れ、対立、葛藤、笑える箇所も間に、間にあり、
二時間半などあっという間で、むしろ足りない。足りなさすぎる。もったいない。
(特に疑似親子の脱出劇辺りは、これぞ映画的なワクワク感がたまらなかったな)

本当にこれまで見た作品で、トムクルーズ作品にはずれはない。
どうなってるんだ?!
今回も、もれなく大満足!

追記:
監督が「オブリビオン」と同一。まるでテイスト違いに、公開前は興味を持ったのも鑑賞の動機。
そうか、言われてみれば「空間」の撮り方が、板の上の右往左往ではない撮り方が、
上手いからもんどりうつドッグファイトが素人にも分かりやすかったのかと振り返る。
グッジョブ。

N.river