国家が破産する日のレビュー・感想・評価
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官僚が汚いのは世界共通
1997年、韓国が国際的信用を失って国家破産= デフォルト(債務不履行)しかかったものの、IMFの支援で救済された裏を描いたエンタメで、実に面白かった。
冒頭に、「事実をベースにしたフィクション」と銘打つだけあり、実際に対立したのはアメリカとIMFで、韓国財務省事務次官と韓国銀行の通貨対策チームではないはずとか、演出的な改変はいくつもあったり。
本作内でIMF路線を進めた、「富裕層だけ救って、自分だけ儲け、国民は死んでもいい」という官僚と政治家の姿は、アメリカ発の発想であり、今の日本にも重なるなぁと、背中が痒くなる部分もあった。
また、2006年にも金融危機があったし、昨今の日本との摩擦も背景には国内の政権への不満があって敵を作らないと維持できないのかもと察したし、韓国の経済と政治には色々あるなと思った次第。
ただ、この左的な政府批判内容をストレートに信じるほどウブではないよ。うん。
立場や価値観の差で、人間の数と同じだけ正義は多様なのだし。
さすが演劇の国、だけどこの国はどうなる?
淡々と事実を並べているようで、本の一部の政府内の良貨(人)の葛藤、庶民の苦悩、危機をうまく乗りきれる人が描かれていて、ドラマになっている。悲しいのは今もこの国は、指導者がほとんど国民を置き去りにしているように見えること。だからこの映画を今造ったのだろうなと思う。
それにしても、俳優の名演!たまらない。
どんな時も不公平に出来ている
夏に公開された「工作 黒金星」と本作品「国家が破産する日」を今年は大変に楽しみにしていました。
韓国を震撼させた1997年の通貨危機の裏側を暴いた、史実に基づくお話・・・・・
正直、夏に公開された「工作 黒金星」にも驚きましたが、本作品「国家が破産する日」も大変にショッキングな内容でした。
冒頭に、通貨危機が予測されてからの話の流れは大変に緊張感があり、日本のバブル経済崩壊を経験している者としては、周りがたちまちおかしくなって感じに、私自身30年前も話ですが、リアルにあの頃が蘇って来ます。
しかし、どんな時も不公平に出来ているんですね。
この話が本当なら、韓国政府は20年前と今とではまるきり変わっていない・・・・・何時まで韓国国民を騙し続ければ気が済むのでしょか・・・・
OECD、IMFの支援など、普段あまり馴染みのない事が出てきますが、しかし、勉強になるな・・・・
毎度言うようですが、映画製作では、韓国は凄いと言うしかないですね・・・・・・
正気、大変にスリリングに出来ていて、また製作側は正直に本作を丁寧に作り上げている。
非常に素晴らしかった。
池井戸潤のドラマのようなスカッとする大逆転はない(事実だから)
韓国経済のことをよく理解しないまま鑑賞したが、あまり気にせず楽しむことができた。韓国の官僚や財界がダメダメで未曾有の経済危機を引き起こした程度の理解で大丈夫だと思う。
この映画は3つの視点で描かれる。韓国銀行の役人、経済危機を利用して儲けようとする投資家、そして実際に苦しむ中小企業の社長。メインは官僚たちで、他の視点は貧富の対比って感じかな。投資家グループは物語の背景説明にうってつけだし、中小企業の社長は苦しんだ韓国民の代表として描かれてて当時の息苦しさみたいなものが伝わってきた。
でも、政策として何が正解だったのかはよくわからない。でも、また同じことを繰り返すよ!という警鐘も鳴らしてて興味深い。
でも、映画として面白かったのかというとそこまで高い評価はできないかな。スカッとしない終わり方(事実をもとにしているから仕方ないのだが)だからかも。
20年以上前の韓国の通貨危機に関して事実をベースにしたフィクションだけど面白い。
20年前以上の韓国の通貨危機に関して事実をベースに作られたフィクション。
ヒロインはとてもカッコいいけど、所属する組織のトップに直接話せない地位にいる人が活躍するのはさすがにフィクションとしか言えませんね。
通貨危機に際し、立場を利用して私腹を肥やす高級役人、国の行方を憂う官僚、危機を冷静に見通す優秀な企業人と目の前の現実に目をそむける企業人、日々の暮らしのなかの一般庶民、財閥と零細企業、IMFと背後にいるアメリカ、といろんな人・組織が絡み合って物語が進みます。
韓国がIMF管理になって倒産、失業者の大量発生とかなりキツイ状況になったのは知識としては聞いていましたが、わかりやすく作ってあるので特別な知識が無くても大丈夫です。
骨太だが分かりやすい
非常に骨太。1997年の話だが、政治家や官僚がどうやって国を売り渡して自分たちだけが豊かになったのかを、できるだけ分かりやすく描いている。
とにかく憤りがストレートに伝わってくるし、それでも分かりづらくならないよう庶民の生活を交えて描いており、エンターテイメントとしても一級品。
さて翻って我が国ではIMFなどを交えないままで小泉政権以降で同様に国を売り渡してきた訳だが、これほどキチンと描くことが出来るかどうか…どっちがより深刻か…?
日本語タイトルも「デフォルト」でよかったかも
韓国映画はあまり見たことが無いけど、日本映画よりハリウッドに近く基本に忠実できちんと笑わせ・泣かせ・考えさせ・すっきりさせてくれるという印象がある。本作もそういう印象で娯楽映画としてよくできていたと思う。官僚話が主体となっているんだが、景気がいいころやIMF後にやってきた暗い時代の韓国の庶民の生活についてはほとんど知識が無く、この映画を見て少し興味が沸いた。
日本が恩着せがましいって言われたヤツ
1997年に韓国で起きた通貨危機の話。
出来事は既知で結果はわかっている中で、どんな生臭い足掻きやドロドロしたものをみせてくれるかと思っていたけど、スカしたり格好つける方がメインで泣いてる人も必死な描写はあまりなし。終いには陰謀?
ドラマとしての面白さはあまり感じられなかった。
22年後で締めているけれど、来年韓国はどうなるんだろうねぇ…。
嘘や改ざんが行われている、今観る映画です。
タイトルの「国家が破産する日」は、1997年12月3日に韓国政府が
国際通貨基金 (IMF)とアジア開発銀行からの550億ドルの緊急支援
協定を締結した日を表しています。
2001年8月、韓国は、IMFからの借入金を完済しました。
2005年、韓国は、アジア開発銀行からの借入金を完済しました。
韓国政府は、ドル/ウォンレートの数値が上がり、韓国製品のドル建て
価格が安くなり、韓国の大企業が韓国製品を輸出し、利益を得て、借金
を返済しました。
パク・デヨン財務局次官の見通しが当たったということになります。
ハン・シヒョン通貨政策チーム長は、通貨危機を救えなませんでしたが、
通貨危機による混乱の見通しは当たりました。
「国家が破産する」という意味は、政府が国債に関する返済の義務
を放棄し、返済しないという状態になることです。
政府がインフレーションにより国債に関する返済の義務を事実上の
放棄することも国家破産と考えられています。
日本人は忘れてしまったもしれませんが、第二次世界大戦後の
日本政府は、国家が破産した状態でした。
この映画では、韓国政府が嘘をつき、事実を隠ぺいしたことが描かれ
ています。
第二次世界大戦中の日本政府も、嘘を発表し、事実を隠ぺいしたことで
敗戦し、国家が破産しました。
この映画は、金融用語が多く理解するのは大変です。
金融用語は、パンフレットに説明があるので、金融用語に詳しく
ない人は、パンフレットを鑑賞前に読んでおくと良いです。
人間関係は、多く描かれていないので登場人物に感情移入はしに
くいです。
人間関係は、パンフレットに説明があるので、パンフレットを
鑑賞前に読んでおくと良いです。
ドル/ウォンレートと外貨準備高が所々で表示されます。
ドル/ウォンレートの数値が上がれば、1ドルのドル建ての韓国国債を
返済するのに多くのウォンを必要とします。
ドル/ウォンレートの数値が上がらないようにするためには、
外貨準備高のドルを売却して、ウォンを購入するという為替操作
を行うことになり、外貨準備高は減ることになります。
外貨準備高がなくなれば、ドル/ウォンレートの数値が上がり、
ドル建ての韓国国債を返済することができなくなり、国家破産となる
ということです。
韓国政府を信用するのであれば、ドル建ての韓国国債は返済せずに、
再投資されて、ドル建ての韓国国債を購入するので問題にはなりません。
韓国政府を信用しないのであれば、ドル建ての韓国国債をドルにした
方が良く、ウォンを売り、ドルを購入した方が良いということになります。
だから「信用」が重要になってきます。
国の「信用」は、米国の格付け会社が決めています。
国の経済は国債を発行し、国債を購入する人は米国の格付け会社が
決める格を見て、国を信用し、国の国債を購入することで成り立っ
ています。
米国の格付け会社が決める格が決定的に重要になるということです。
商品を購入し、販売するミドパ百貨店は、商品を販売するまで現金
を得ることはできません。
ミドパ百貨店は、製造会社から手形決済を使用して、商品を購入し、
販売した後で、現金を製造会社に支払うことができます。
ミドパ百貨店が倒産し、手形を不渡りになれば、製造会社は現金を
得ることはできなくなり、原材料を仕入れた代金、製造にかかる
社員への賃金等を支払うことができなくなります。
経済は、お金を貸して、返済することで成立しています。
お金を相手に貸した後で、お金を貸した相手が返済できなくなれば、
経済は成り立たないということです。
お金を相手に貸す場合に、相手にどの程度の返済能力があるかを確認
した上で、与信(信用供与)し、お金を貸さなければならないという
ことです。
返済能力があるかを確認せず、与信し、お金を貸して、返済できなく
なれば経済が破綻するということです。
当たり前のことに感じますが、当たり前のことが当たり前でなくなり、
バブルが発生し、バブルがはじけることを繰り返してきています。
「チューリップ・フィーバー 肖像画に秘めた愛」、「ウォール街」、
「ウォール・ストリート」、「マネー・ショート」や
「インサイド・ジョブ 世界不況の知られざる真実」という金融映画を
鑑賞するとよくわかります。
この映画を観て、金融映画に興味を持ったなら、上記の映画を鑑賞する
ことをお勧めします。
この映画では、韓国等の通貨危機がなぜ起きたのかについては
描かれていません。
韓国等の通貨危機は、米国が短期金利を引き上げたために、
韓国のウォンを売り、米国のドルを購入し、ドルで短期金利の
上がった米国の国債を購入することで韓国から金利を上げた米国
に資金が移動したから発生しました。
米国が短期金利を引き上げた理由は、失業率が下がり、
インフレーションが発生し、バブルが起きるのを回避したためです。
現在は、米国は失業率が下がり、インフレーションが発生し、バブルが
起きるのを回避するために短期金利を再び引き上げ始めています。
韓国政府は、外貨準備高を4000億ドルと公表していますが、また嘘を
発表していて、2000億ドル以下、最悪500億ドルとも言われています。
ドル/ウォンレートの数値は、1,100程度から上がり始め、1,200程度
まで上がった後、1,150程度まで下がっています。
韓国政府は、外貨準備高のドルを売り、ウォンを購入するという為替操作
を行っている可能性があります。
理由は、韓国のドル建ての借入金のうち、短期債務は1200億ドル程度と
言われ、ドル/ウォンレートの数値が上がると、ドル建ての借入金の返済
が困難になるからです。
「光州5・18」、「タクシー運転手 約束は海を越えて」、「弁護人」、
「1987、ある闘いの真実」、「共犯者たち」や「スパイネーション/自白」
でも韓国政府が嘘を発表していたことが描かれています。
近い将来、1997年と同じ状態に韓国がなる可能性があるということです。
日本政府は、韓国政府と通貨スワップを結ぶべきではありません。
日本でも、貧富格差が拡大し、非正規雇用、外国人労働者により賃金が
低下するという現象は確実に起きていますが、ゆっくりと進行させている
ため目立たないだけです。
パンフレットは、よくできているので、映画を理解したい人にはお勧めできます。
とても良かった…
飛行機で鑑賞。
実際に起きた韓国の通過危機をもとにしたお話で、
銀行の人間、政府、子会社の社長や一般市民の3つの視点からってのがすごーくわかりやすくて良く出来ていた。
IMFのこともよく知らいくらいだったけれど、
この映画を観て韓国だけじゃなくて、日本のことも考えるいいきっかけになると思う。本当にすごく観やすいし面白いので若い人にとくに観て欲しいと思った映画。
やっぱユ・アインは巧いわ!!!
7月に機内で鑑賞。
韓国の通貨危機に翻弄される人々の話が幾つか並行して展開されるという内容。
史実なので結末は判っていますが、脇で進められる話も面白いので見て損はないと思います。
内容については見てのお楽しみですので敢えて語りませんが、この映画は役者さんの演技もかなり見ものです。
主演?のキム・ヘスはいつもながらの安定の演技力で見せてくれますが、秀逸なのはユ・アイン。
純朴な青年から極悪人まで何をやらしても毎回お見事な彼ですが、今回の演技も狂気じみていてゾクゾクさせてくれます。
ユ・アインの演技を見るだけでも一見の価値はあると思います。
余談ですが、、、この映画の公開される頃にはK国に再度通貨危機が起こっているかもしれませんね。
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