国家が破産する日のレビュー・感想・評価
全66件中、41~60件目を表示
新聞記者
韓国映画という視点から楽しみにしていました。「新聞記者」で日本人女優が主演しなかったという点から韓国映画に興味を持ちました。 正しく認識していたと感じた点 国家(軍もといえるかもしれない)は国民を守らない。 国家は大企業を優先する。 IMFはアメリカの傀儡。 といった点でしょうか! 日本はアメリカの属国と言われて久しいですが、昨今、多くの日本人が認識してきているように感じます。これからますます日本人(日本国)が貧しくなり、どのような道を歩み、行き着く先はと考えると、とてもとても参考になる観て良かった1本でした。 すでに日本は韓国に追い抜かれていると感じていますが皆さまは如何でしょうか?
素晴らしい映画です!
ちょっと難しい、硬い映画かなと思って観に行ったけど、とても素晴らしい映画でした! 経済問題の難解さは、ストーリーの中で素人にもわかるようにうまく解説されていて、経済問題と人間ドラマをうまく織り交ぜながら展開されていくストーリーに、2時間どっぷり引き込まれました。 キム・ヘス扮する韓国銀行(日本の日銀みたいなもの?)のエリート行員、ユ・アイン扮する危機を逆手にとって大儲けしようとする投資家、ホ・ジュノ扮する真面目で実直な中小企業の経営者。これら全く異なる立場の3人が巻き込まれていく形で、1997年の韓国IMF通貨危機を描くという大胆な構成力。そして1つ1つのエピソードは、綿密に練られた脚本と俳優陣の確かで熱のこもった演技で、見る者に説得力を持って迫ってくる。 韓国映画、凄いなあ!と感嘆させられました。 「タクシー運転手」、「1987、ある闘いの真実」、そしてこの「国家が破産する日」と、評価が難しい近現代史に、韓国映画界は果敢に挑んでいる。隣国の日本は?これは作り手だけの問題ではなく、観る側の問題でもあるのじゃないかと、こんなに素晴らしい映画なのに、休日でも空席の多い映画館を見渡して、改めて感じました。 1人でも多くの日本人に観てもらいたい映画です。他人事ではない問題として、様々なエピソードは迫ってきます。私自身は、ホ・ジュノ演じる中小企業経営者が金策に窮する中で、借金先の1つである社長さんが、「借金の取り立てに来たんじゃないよ」と言いながら、「お互い頑張って難局を切り抜けよう」と言って栄養ドリンクを差し出す場面で、涙が溢れてしまいました。
韓国の金融危機の退屈な記録
金融危機になり、IMFが介入し、混乱したが、徐々に回復した。 ただそれだけのはなし。 危機回避の緊迫感無し、実際に起きていただろう混乱の切迫感なし。 何となく、知っている事実がダラダラと続き、発見も気づきも感動も無かった。
他人事ではない!
1997年に韓国が、IMFの配下に入った話
3人の視点で描かれている。
金融アナリスト、韓国銀行の債権リーダー、町工場の経営者。
国は、政府は、大企業と己しか守らない。
これは、日本にもおこりうる話。
いやそお遠くない。
韓国映画初の「通貨危機」を描いている。
過去にも1970年代のオイルショック、1987年のブラックマンデー、2007年の世界金融危機などの金融危機というのは世界各国で起きているが、国の経済崩壊は静かに音を立てずにひしひしとやってくるということ。 当時の韓国も誰も国が危ないなんて思っていなかった。逆にバブルで映画でも描かれている通り社員には、他の会社に移らないようにと、ほいほいお金を渡すありさまで日本で言えばバブル期を思わせる。 見えなかったのか、見えないようにしていたのか…不安を抱えながらも国が安心だと言っていることを信じることしかできない。信じるしかないという国民。 わかっていても軌道修正をかけられず不のサイクルに陥っても、国民にはプロパガンダで経済的に潤っているように見せかけたり、安心だと言い聞かせる。 この映画でも国民には金融危機に発展するまで政府からは知らされなかった。 スタイリッシュさはあるが、決してエンターテイメントにはしておらず、ひしひしと迫る緊迫感を演出していて、ラストも決してハッピーエンドにはならない。 映画である程度のことを説明してくれているから、無知識で観ても理解はできるが、より楽しむには事前に韓国通貨危機について調べておいてから観るといいかもしれない。 久しぶりに何回か観たい作品に出合った。
デフォルトってこう言う感じ?って分からせる映画!
凄いリアリティ!実際の大統領の画像が使えるのが凄い!肖像権は大丈夫かな?と心配になりますが、韓国にはタブーは無いのでしょうかね?ストーリーはフィクションとノンフィクションが入り混じって話が進み、韓国の中小企業が如何に潰れて行くか?IMFは何をやって韓国政府はその時にどう対応したのかを丁寧に描いています。細かい描写や態度、振る舞いの表現が絶妙で、日本映画にも是非見習って欲しいですね!
描き方がうまい
アジア通貨危機で韓国がIMF管理下に入ったときに、裏側で何が起きてたかって話なの。
「通貨危機はどうして起きたのか?」って原理を説明されても解んないんだよ。なんか、その辺のセンスなくて。
それでも「大変なことが起こったんだな」ってドラマで見せてくのがうまい。町工場は大変なことになっちゃうし、一発当てる奴は大儲けするし。ここの描き方がうまいなと思った。
政府高官も、国の独立性を保って危機を打開しようとする一派と、これを契機に構造改革をしよう(ついでに私服も肥やそう)という一派に分かれんのね。主人公は独立性を保つ派なんだけど、政治力の差で負けてしまうの。
どんどん負けてくんだけど、それでも最後まで使命を貫こうとするところがカッコよかったな。
韓国って、ソウル五輪の頃は絶好調な感じで「いずれ日本を抜く」と言われてたんだけど、この頃、存在感が薄い気がすんだよね。それは通貨危機あたりにターニングポイントがあったのかなあと思いながら観たから、面白かったよ。
経済は密室で作られている。
映画の見方は色々あるものでして、今作を観て「ざまーみろ」と発言する方もいらっしゃるはず。現在の日韓関係の情勢が情勢だけに、そういう意見もわからなくもないが、同じアジア圏の国なのだから、いつ日本に飛び火してくるかもわからない。これを単なる隣国の悲劇としてとらえることも可能だが、もう一歩進んで、日本ではどうなるんだろ?と考える方が正しい見方かと思います。
国家が破産するというのはどういうことなのか。考えたくもないけど、第二次大戦後に国債が紙切れになってしまったという話は有名だ。そうした破産状態を選択するか、IMFに財政管理を委ねるかという危機的状況が国民に知らされることなく、密室による会議で進行していたという物語。実話ベースなだけに空恐ろしいものがあったけど、日本においてもいつこのような状況が起こるかわからない。IMFに頼ることになると、大企業だけ救って(ただし上位100社のうち11社を倒産させろと言われる)、中小企業は無視。そして外国資本を受け入れやすく(7%から50%)するなどといった提示を受けるのだった。
そんなIMFの専務理事が登場したとき、「あ、ヴァンサン・カッセルに似てるな」と感じたのですが、まさしく本人でした。若い金融コンサルタントのユン・ジョンハクに従う年配の投資家もロバート・デ・ニーロに似てるぞ!と思ったのですが、さすがにそれはなかったみたいです。
ストーリーは、韓国銀行のハン・シヒョンが経済危機を察知し、政府高官を交えて対策班のチーム長となって活躍する筋がメインであり、独自に株価とウォン下落から危機を予測した経済コンサルタントの話と、大手百貨店と契約を結んでぬか喜びしていたガプスの物語が同時進行する。特に経営コンサルタントの描き方はある意味ギャンブルのような投資家サスペンスみたいで興奮するし、ドルの為替相場が毎回テロップで書かれているのも面白い。
しかし、真の社会派要素はIMFの提案受入れをするとどうなるのか?といった点。シヒョンが労働者や零細企業経営者の立場になって考えている点、外資が流入して韓国文化を失ってしまう点など、また、シヒョンが破産させようと提案するも却下され、もし破産していた場合に現在どうなっていたのかも気になるところだ。
3つのストーリーのうち、シヒョンとガプスが兄妹だったという意外性や、自殺者が激増したという事実、現在の様子なども描かれているのですが、憤りや脱力、マイナスの感情しか沸かないほど重苦しい映画でした。そんな映画が好きなんですけど・・・
久しぶりの韓国映画は 1997年の通貨危機となった 事実ベース...
久しぶりの韓国映画は 1997年の通貨危機となった 事実ベースを基に進むお話し。 当時の韓国の状況はほとんど記憶に無く どんな事が起きていたのか 興味深々でしたが、 幾つかの立場で登場する人物達が 危機をどう乗り切るか、 この危機をどうとらえ生き抜くかを 描きながら通貨危機に突入する様が 解りやすく描かれていて 派手さは無いのですがサスペンス感も あるストーリー展開で引き込まれました 状況が悪化してゆく所は 日本のバブル崩壊時代と重なりましたが この作品を観る限り、そのスピードの 速さはかなりの深刻度合いだったようです 登場人物は脚色されているようですが 大きな渦に巻き込まれる人々の 苦しみの中にみせる温かさ 最後まで自分自身の直感を信じる姿 国にとって最善の道は何なのかを問い 間違ったことはただそうとする姿勢 この混乱の中で実際そういう人々が 存在したんだろうな、いや存在して欲しい という願いみたいなものがあり脚色の良さに繋がっている気もしました 対しどんな国にもどんな時代にも 私欲にまみれた人々はいるんですね… 主張は理解出来るんです 国の構造を変えようとする主張は。 それを何の為にするのかなんでしょうね そういう人々によって国の方向性が 決められてしまう怖さは今の日本でも 同じなんでしょうね 出来ればユ・アインさんみたいな 鋭さと全てを疑いながら自分を信じる 気概があったら生き残れそうですが 無理やな(笑)
【虚構の経済繁栄の脆さを、1997年の韓国通貨危機を題材に冷徹な視点で描き出す作品。現代日本への警鐘として捉えるべき作品でもある。】
1990年代後半の韓国通貨危機をシビアな視点で描く韓国ポリティカルムービー。 <通貨危機の到来を予測した人々の行動> ・ある銀行マン(女性)は国民の行く末を案じ、様々な手を打とうとする・・ ・ある野心家の金融コンサルタントは自らの世界を変えるチャンスと捉えある行動を起こす ・政府財務局長官は事実を知りながら、韓国経済の仕組みそのものを変える機会と捉え、当初、国民にはIMFに救済は求めないと言いながら秘密裡にIMFと交渉を行う。 ・IMF専務理事はアメリカを抱き込み(抱き込まれ?)、韓国に矢継ぎ早に提案を突きつける・・。 何も知らない韓国 中小企業の人々はウォンが暴落していく中、短期間で苦境に陥っていく・・・。そしてそれは大企業にまで波及し・・。 <20年後の韓国の姿を描いたラストシーンが怖ろしい。ほとぼり冷めるとどこの国も同じ道を辿っていくのだろうか。我が国はどうであろうか?この映画が他山の石となるだろうか。私は背筋が寒くなった・・。>
官僚が汚いのは世界共通
1997年、韓国が国際的信用を失って国家破産= デフォルト(債務不履行)しかかったものの、IMFの支援で救済された裏を描いたエンタメで、実に面白かった。 冒頭に、「事実をベースにしたフィクション」と銘打つだけあり、実際に対立したのはアメリカとIMFで、韓国財務省事務次官と韓国銀行の通貨対策チームではないはずとか、演出的な改変はいくつもあったり。 本作内でIMF路線を進めた、「富裕層だけ救って、自分だけ儲け、国民は死んでもいい」という官僚と政治家の姿は、アメリカ発の発想であり、今の日本にも重なるなぁと、背中が痒くなる部分もあった。 また、2006年にも金融危機があったし、昨今の日本との摩擦も背景には国内の政権への不満があって敵を作らないと維持できないのかもと察したし、韓国の経済と政治には色々あるなと思った次第。 ただ、この左的な政府批判内容をストレートに信じるほどウブではないよ。うん。 立場や価値観の差で、人間の数と同じだけ正義は多様なのだし。
さすが演劇の国、だけどこの国はどうなる?
淡々と事実を並べているようで、本の一部の政府内の良貨(人)の葛藤、庶民の苦悩、危機をうまく乗りきれる人が描かれていて、ドラマになっている。悲しいのは今もこの国は、指導者がほとんど国民を置き去りにしているように見えること。だからこの映画を今造ったのだろうなと思う。 それにしても、俳優の名演!たまらない。
どんな時も不公平に出来ている
夏に公開された「工作 黒金星」と本作品「国家が破産する日」を今年は大変に楽しみにしていました。 韓国を震撼させた1997年の通貨危機の裏側を暴いた、史実に基づくお話・・・・・ 正直、夏に公開された「工作 黒金星」にも驚きましたが、本作品「国家が破産する日」も大変にショッキングな内容でした。 冒頭に、通貨危機が予測されてからの話の流れは大変に緊張感があり、日本のバブル経済崩壊を経験している者としては、周りがたちまちおかしくなって感じに、私自身30年前も話ですが、リアルにあの頃が蘇って来ます。 しかし、どんな時も不公平に出来ているんですね。 この話が本当なら、韓国政府は20年前と今とではまるきり変わっていない・・・・・何時まで韓国国民を騙し続ければ気が済むのでしょか・・・・ OECD、IMFの支援など、普段あまり馴染みのない事が出てきますが、しかし、勉強になるな・・・・ 毎度言うようですが、映画製作では、韓国は凄いと言うしかないですね・・・・・・ 正気、大変にスリリングに出来ていて、また製作側は正直に本作を丁寧に作り上げている。 非常に素晴らしかった。
まあまあだった
経済の問題は絵にならないので映画と食い合わせがよくない。国民から金をかき集めていたのは記憶に残っているのでどんな場面になるのかわくわくしていたら映像にはなかった。手形決済のデパートがひどい。
池井戸潤のドラマのようなスカッとする大逆転はない(事実だから)
韓国経済のことをよく理解しないまま鑑賞したが、あまり気にせず楽しむことができた。韓国の官僚や財界がダメダメで未曾有の経済危機を引き起こした程度の理解で大丈夫だと思う。 この映画は3つの視点で描かれる。韓国銀行の役人、経済危機を利用して儲けようとする投資家、そして実際に苦しむ中小企業の社長。メインは官僚たちで、他の視点は貧富の対比って感じかな。投資家グループは物語の背景説明にうってつけだし、中小企業の社長は苦しんだ韓国民の代表として描かれてて当時の息苦しさみたいなものが伝わってきた。 でも、政策として何が正解だったのかはよくわからない。でも、また同じことを繰り返すよ!という警鐘も鳴らしてて興味深い。 でも、映画として面白かったのかというとそこまで高い評価はできないかな。スカッとしない終わり方(事実をもとにしているから仕方ないのだが)だからかも。
勉強になりました
経済にまったく疎い自分にとっては難しかった。所々で経済に関する説明的シーンがあるが、そのユ・アインが投資家に韓国経済の現状を説明するシーンでもうついていけず。。
それでも韓国映画によくある権力者の腐敗が描かれてたりして映画としてそれなりに面白かった。(最終的に銀行のトップになっている政府高官は竹中平蔵を想起してしまった。)
どうでもいいけど、先日観た『8番目の男』といい、最近教育的な映画ばっかり観てるなあ。
20年以上前の韓国の通貨危機に関して事実をベースにしたフィクションだけど面白い。
20年前以上の韓国の通貨危機に関して事実をベースに作られたフィクション。 ヒロインはとてもカッコいいけど、所属する組織のトップに直接話せない地位にいる人が活躍するのはさすがにフィクションとしか言えませんね。 通貨危機に際し、立場を利用して私腹を肥やす高級役人、国の行方を憂う官僚、危機を冷静に見通す優秀な企業人と目の前の現実に目をそむける企業人、日々の暮らしのなかの一般庶民、財閥と零細企業、IMFと背後にいるアメリカ、といろんな人・組織が絡み合って物語が進みます。 韓国がIMF管理になって倒産、失業者の大量発生とかなりキツイ状況になったのは知識としては聞いていましたが、わかりやすく作ってあるので特別な知識が無くても大丈夫です。
骨太だが分かりやすい
非常に骨太。1997年の話だが、政治家や官僚がどうやって国を売り渡して自分たちだけが豊かになったのかを、できるだけ分かりやすく描いている。 とにかく憤りがストレートに伝わってくるし、それでも分かりづらくならないよう庶民の生活を交えて描いており、エンターテイメントとしても一級品。 さて翻って我が国ではIMFなどを交えないままで小泉政権以降で同様に国を売り渡してきた訳だが、これほどキチンと描くことが出来るかどうか…どっちがより深刻か…?
全66件中、41~60件目を表示