「記録から記憶へ」サヨナラまでの30分 Masuzohさんの映画レビュー(感想・評価)
記録から記憶へ
いつもの月曜メンズデーだしなんか観よか的に
かいつまんで鑑賞
謎ラリー映画オーバードライブの生意気主人公と
ライバルレーサーですね
感想としては
すいませんナメてました非常に良かった
ただ惜しい所もありました
メジャーデビュー直前にメンバーとケンカしたまま
不慮の事故死を遂げたバンドECHOLLの
リードボーカル宮田アキ
彼の使っていた古ぼけたテープレコーダーを
独りになれる隠れ家で拾ったのは
心を閉ざした就活生窪田颯太
そこから奇妙な出会いが始まります
テレコを再生した時間だけアキは颯太の身体を借りられ
アキはバンドが解散してしまった理由を聞くために
颯太の身体で動き回りますが当然相手にされません
そこで勝手に組んだライブに飛び入りして歌うことで
アキが入り込んだかのようなパフォーマンスで
周囲を感動させ(実際入り込んでるんだけど)
颯太をボーカルとしてひとまずECHOLL活動再開を決意
ただピアノのカナだけはライブハウスに来ていたものの
相変わらず意に介しません
身体を貸した颯太も苦手な面接などを陽キャラのアキに
やってもらうことを条件に身体を貸すことを了承します
あとはアキの歌声に絆されたのもあるでしょう
颯太は入れ替わってる間傍観し続ける事で
アキ自身や仲間との関係について徐々に理解していきます
そうして颯太とバンドメンバーや徐々に打ち解けてきた
カナとの距離は(アキが入り込んだ事で)縮まり
ふとしたキッカケで颯太も個人的に触れていたピアノ
繋がりでカナとの距離が一気に縮まります
するとテレコ再生で入れ替われる時間が徐々に
短くなっている兆候にアキが「気が付き」ます
その後ECHOLLは野外フェスのステージを確保
カナに参加を呼びかけるべくテープに録音した曲を
届けようとしますがカナは聞こうともせず
アキを思い出すのが辛くて拒絶していたことを明かし
颯太も心を閉ざした理由を打ち明け距離は更に接近
その様子を複雑な気持ちで見つめるアキは密かに
録音動作しているテレコにも「気が付き」ます
その後カナは歌詞とコードの紙が入ったテープを聞き
筆跡?からも颯太がアキそのものである確信を持ち
練習スタジオに姿を見せ問いただします
そこで颯太は僕はアキじゃないとスタジオを
飛び出していきます
その後颯太にアキによってテープが上書きされて
自分が消えゆくかもしれない事を打ち明けますが…
ここです
この作品ここがダサい
颯太はアキやメンバーによって
自分に変化が起こっていることや入れ替わる時間が短く
なっていることも自覚している描写は十分で客にも
伝わっているはずなのになぜ解説タイム作っちゃうかなと
そんなら冒頭のアキが死ぬまでの部分をもっと細かくやるべきでした
細かなとこをバンドのメンバーが説明するハメに
なっちゃってましたからね
颯太はアキが消えてしまうことも知っていたし
アキの存在にカナが気が付いたこともしまったと思ったし
自分のカナへの恋心にも気が付いてしまったはず
そしてアキに消えて欲しくない気持ちも強くなっているのは
そこまでの描写で十分わかっていましたから
もっと客を信用して欲しいなと思ってしまいました
あとアキにテレコの仕組みを理解させてしまうのは
ちょっと違うかなと
彼は天真爛漫で居続けるべきでした
とはいえそこからもストーリーは見事でした
最後のライブステージ
最後の入れ替わりでアキが颯太としてECHOLLの
今後を皆に託すシーンは覚悟が伝わってきて感動しました
ただ前述の天真爛漫キャラを押し通していたら
もっと破壊力があったと思います
そして最後の歌の途中でアキは消えてしまいますが
元に戻った颯太はそのまま曲をアキの分も歌い上げ終わります
良い終わり方じゃないですか
なんか筋を殆ど書いてしまいましたが
ECHOLL結成から解散の部分を端折ってしまった事や
自分らの描写を信用しきってない解説タイムのダサさは
気になりましたが全体の完成度は高いです
ラブストーリーというよりひたすら
バンドメンバーの友情ストーリーじゃないでしょうか
少女漫画雑誌の読切シナリオのようにも感じました
北村匠海も正直髪型と言いBase Ball Bearの小出祐介に
見えてしょうがありませんでしたが良い声してますね
こないだのティーンスピリットのエル・ファニングに
全然負けてなかったですよ
これは予想外の良作
おすすめです