死体語りのレビュー・感想・評価
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初めてのブラジルホラー
思ってたより気持ち悪くて面白かった。
自分が不倫してたくせに、一切悪びれなく祟ってくる嫁の執着。とばっちりを受けたとはいえ、嫁側に同情心は一切起きない。逆に子供犠牲にしていいんかい!ってツッコみたくなるくらい。
ラスト、何が悲惨って、何も悪いことしてないララさんが被害受けまくるのが可哀想で可哀想で。父親が子供達から離れざるを得ないのは、まぁ自業自得かな。
指輪ホラー物語
前半部分が狂気じみていて面白い。とにかく死体の造形や解剖シーンがグロくてやばいくらいなのですが、そんなのへっちゃらな死体安置所職員のステニオが死体たちと会話する。ある時、死体の一人スージョがステニオの妻オデッテが浮気していることを告げるが、怒ったステニオはスージョの兄貴を使って浮気相手を殺すという計画を思いつく・・・
まぁ、浮気相手ジャイミを殺すだけだったのに、現場を目撃したオデッテも殺されてしまう。多分、オデッサまで殺すことは考えていなかったのだろう。ステニオの悲痛な叫びと慟哭が証明していると思う。
そんなこんなで後半は悪霊となったオデッテが次々と罠を仕掛けてステニオを追いつめていくストーリー。ジャイミの娘ララも父が殺され母は病気で倒れたことによって、ステニオの息子エドソンと娘シサに親近感を覚えて優しく接するようになる。しかし、オデッテの呪いは止まるところを知らない。ステニオへの復讐のみならず、自分の子供たちをも恐怖のどん底にたたき落とすのだ。
死体と話すことができるんだから、殺人事件なら警察に通報すれば一躍ヒーローになれると思うのにそうしないステニオ。そして中盤には「死体の秘密をバラすと、死ぬ」などと忠告を受けたりする。呪いの恐怖感よりも、息子の愛を勝ち取れるかどうかが気になって、後半は怖さを感じない。それより若い娘ララとどうにかなっちゃうんじゃないかと、エロい面でハラハラさせられたりするのです。かわいそうな子供たち・・・特に誕生日プレゼントが〇〇だったなんて、トラウマ級だろうに。
南米ホラーがきてるの?
冒頭のいきなりのおしゃべりタイムで「ああコレ面白いやつ」認定。理由とか原因とか大事じゃないことは、すっぱり削ぎ落とす潔さがよい。
死体さんたちはあんまり怖くない。むしろギャングが怖い。ゴア描写は解剖シーンを除けば(解剖は業務ですから)比較的マイルドかな。
がああなってこうなってからはターミネーターばりのしつこさで勝てる気がしない。
肉食系グイグイ熟女と草食系ひかえめ乙女の対比がいいです。
個人的には最後まで設定が生きるようなことがあればもっと良かったんですが。
ワケありの死者達がベラベラ喋る、因果応報がパンパンに詰まったブラジリアンホラー
サンパウロ市の遺体安置所に勤める監察医助手のステニオは死者と話すことができるという特殊能力を持っていた。次から次へと運び込まれるのはワケありの連中ばかり、彼らから最後の言葉を聞いてささやかな親切を施す毎日。ある日運び込まれた遺体から妻オデッチが近所のパン屋の主人ジャイミと不倫をしていることを知らされたステニオは怒りを募らせ、越えてはならない一線を越えてしまう。
原題を直訳すると”死体は語らず”。真逆の邦題を付けるっていうのは『ゼロ・グラビティ』以来じゃないでしょうか。しかし本作では邦題の方が正解、運び込まれるのは当然全員ブラジル人なので全員がまあよく喋ります。頭が割れていたり手足が千切れてたりするのに普通にペラペラ話すので正直ちっとも怖くないですし、正直これをホラーと呼んでいいのかどうかも疑わしいです。それでも本作が面白いのが主人公のステニオとお亡くなりになった人々がほぼ全員クズだということ。因果応報のミルフィーユを腹一杯食わされる感には岩塩多めのラテンフレイバーがパンパンに詰まっています。
メジャーな大作にはよく出てくるリオに対して、サンパウロは画面映えするランドマークがないからかいつもガン無視を食らっているわけですが、『ストリート・オーケストラ』や『狼チャイルド」がそうだったように、エゲツない人間ドラマの舞台には最適。最低の人間が散々な目に遭う様を目の当たりにしながら、死人と会話出来ない己の無能さに安堵を覚えます。全然万人受けしない作品ですが、これぞブラジルっていうあるあるはきっちり捉えているちゃんとした映画でした。あとこれに気づいている日本人はほとんどいないと思いますが、ノンクレジットで『ストリート・オーケストラ』の主演だったラザロ・ハモスが一瞬だけ出てきます。
死体とおしゃべりしたい
性悪妻の逆恨み大暴走!
しっかりできないステニオは大困惑!
「死者」ではなく、本当に「死体」と話す能力なのね。
死亡時の傷と解剖の跡でボロボロになった肉体のまま、お目々キョロキョロお口パクパクして喋る死体達のインパクトが好き。めちゃくちゃフィジカル。
遺体安置所という舞台ならではの様々な死体が見られるのも嬉しかった。
画力の強さはピカイチ。
死体の声に耳を傾きながら働くステニオ。
その特殊能力をバンバン活かして何かするわけでもなく、うだつの上がらない雰囲気が全身から出ていて、この後に起こる不吉を示唆しているようだった。
家では愛する妻に疎まれ行きつけのバーでも疎まれ、日々のフラストレーションがチクチクと身を刺してくる。
ダイナマイトボディに厚化粧の妻が本当に性格悪くてイライラした。
なんでこんな女に執着できるのか…。
子供なんてどうでも良いと言わんばかりの態度と、色に狂った様子が気持ち悪い。
しかしその憎悪と憤怒のパワーは絶大。
パワータイプの恐怖現象攻撃がどんどん起こって楽しかった。
もう何がしたいのか何を望んでいるのか、よく分からなかったけれど。
とにかくステニオを苦しめたい!の一心でめちゃくちゃやってくる嫌がらせ感よ。
地味に引きずる怖さがあって、家でシャワー浴びる時ちょっとビクビクしてしまった。
せっかく面白い能力の設定があるのに案外普通のオカルトホラーに収まってしまったのは少し残念。
だいぶ引っ張ったわりにラストも弱く、尻すぼみ感は否めない。
序盤はかなりワクワクしたんだけどな。
子育てと結婚についての難しさを実感するホラーだった。
好き合って一緒になったはずなのに、どうしてこうなってしまうのか。子供にとっての正しさとは何なのか。何が一番幸せなのか。
ひたすらに二人の子供がかわいそうだった。
ララの言葉を聞き取った人の見せ方がたまらなく好き。
ホルマリン漬けのシーンも好き。
能力は災いのもと
死体と会話出来る不思議な能力を持つ法医学研究所勤務のステニオが、死体から聞いた話が切っ掛けで行動を起こし巻き起こって行く話。
死体と会話という作品はいくつかあるけれど、妄想ではなく実際に会話が出来るという設定で話がスタート。
ギャングの弟の唐突な告白とか、呪いがどうとか、何だか怪しげな設定が載っかっていく。
性格もヴィジュアルも魅力がないのに(個人的見解ですw)、何故かモテモテ設定な嫁の浮気から上手く繫げて行ったと思ったら、突然超絶ホラーな展開に。超有能だったのねw
色々と出来る怨霊なのに、何故か直接やらなかったり回りクドく迫ってくるばかりだったり、思いのあるものって言ったら家そのものもそうだし子供だって…とツッコミどころ満載。
大きな音で驚かすところもなんかタイミングが変だし、本がおかしいのか、翻訳がおかしいのか、両方なのか、良くわからないけど言ってることもズレていたり支離滅裂だったりで受け入れられなかった。
”A deadman's secret is a deadly secret.” 前半だけなら、☆5
映画のオープニング・クレジットが終わるや否やどこかに向かう救急車の場面となり、2人の救急救命士の会話から、彼らが向かっているのが、病院でなく、死体安置所(AKA:morgue)という事がわかる。そして着いていきなり............の会話?
Is the dick wash here? (笑い声)
This one won't peep anymore. Piece of cake.
............................................
Bro got Swiss-cheesed.
なんていかにもブラジル人らしいステレオタイプの冗談ばかりで人をくったような働きぶりだけれども、すみません、ブラジルの方。謝るなら書くなってか?そのお相手をしているのが、死体安置所(the City's Forensic Office)で主に夜勤で死体の解剖所見を行っている主人公のステーニョ。
You're a sucker!
Unlike me, who enjoyed life as I pleased.
Way better than you, and you know why?
Cause while you're in here washin' stiffs,
..............................................................Come again?
上記のセリフは、誰が言っているのかと言うと死体さんです。そうステーニョの別の顔は、死んだ人たちの生の声を聴くことができる能力を備えていること。この映画を面白くして欠かせない設定で、同じような内容のものをすぐに思い浮かぶのが、モルグに運ばれ、死体ロッカー(AKA:crypt)に置かれた死体が 主人公に ”HELP ME” と言った瞬間に1日前に主人公がタイムスリップをして事件を解決する物語を描いたアメリカFOXテレビで放送された「TRU CALLING(2003)」。また最近の人体解剖の映画としては、監督自ら遺体安置所を入念なリサーチをしたといわれている映画「The Autopsy of Jane Doe(2016)」が挙げられると思う。余談として、人体解剖の載っている雑誌としては、タイの屋台や出店や雑貨店で普通に売られている”191 MAGAZINE Thai Sex And Violence Magazine” 通称:191(警察への緊急電話番号と同じ)や"アチャーガム"という雑誌。個人的には、あまり思い出したくはない......。その内容はというとカワイ子ちゃんの裸と一緒に検死台で頭蓋骨を輪切りにされ、脳みそ丸出しの遺体やガス中毒か毒や薬物を飲んで亡くなった遺体などをモザイク無しで載せているキモイ雑誌も存在する。最初見たときドッヒャ~ッとしかなかった。
シナリオとしては、夜勤明けに雑貨屋で酒をひっかけてから帰るステーンニョ。金がないのかいつも付けにしようとして店のおやじジェイムから煙たいことも言われる。しかも家に帰れば帰ったで、嫁さんのオデーテからは”臭い”なんて言われて相手にもしてもらえない毎日を過ごしていたステーンニョ。ある日、死体ちゃんから秘密の情報を得た彼は、してはならないことをしてしまう。
A dead man's secret is a deadly secret.
Now you're marked.
生々しいギミックを使ったゴア表現、特に死体の解体や死体の血を洗い流す映像が画面からも死臭が漂うのではないかと思わせる凄惨な場面のオンパレード。しかし..........⁉
この映画、始めの40分までのところは、スリラーとして非常に興味の沸く作り方をしているのにもかかわらず、その40分を境に映画のテイストが変わり、ただのjump-scares horror映画(突然の大きな音と映像の変化で観る人を驚かせ手法を用いたホラー映画)に成り下がってしまっている。あくまでも個人的意見なので、そのようなホラーが好きな方からすれば見る価値があるのかもしれない。
1部の評論家の意見として参考になるのか?..............
芸術や音楽にスポットライトを当てているウエブサイトで、そのサイトの目標として芸術の世界で限界を超えようとしているのにもかかわらず過小評価されているジャンルやアーティストを紹介することをモットーにしている。 Boston Hassle
熱烈ファンのレビュー:The Nightshifter (2018) dir. Dennison Ramalho
「この映画をすべて通して、”死体語り”という映画は、ECコミックが持っていた恐怖、辛辣なユーモア、そしてはらわたを描くホラーとして魅了している。」(ECコミック:1940~50年かけてのアメリカの漫画雑誌。心理学者による”暴力やホラーなどの描写が子どもたちを非行に走らせるとして”規制の対象となった。)個人的意見として聞き流してほしいのだけれども、この意見は前半の40分のところまでで、後半にもゴアな表現が描かれてはいるが、かなり違ったありふれたという言葉が合いそうな描写となっている。
CineVue
設立の目的として映画の世界からのより多様であまり知られていないリリースされた映画のいくつかにスポットライトを当てて、支持する独立した映画サイト。
#LFF 2018: The Nightshifter review より
「説得力のある主役の演技、独創的なシナリオ、そして社会的背景のおかげで成功し、サンパウロは並外れたレベルの暴力に満ちた都市として紹介されている。」
後半は悪霊と化した奥さんのオデーテから逃げ回る情けない人に成り下がり、しかも子供も彼女の為に震え上がっているのに何もいい手立てを打たず、悪霊の感情?を逆なでするだけ逆なでするためにだけに奔走をして、大激怒を食らう何とも言えないステーンニョさんです。ラストは......"猫に小判"・"豚に真珠"・"馬の耳に念仏" など日本にはいいコトワザがあるように、何故、神は彼にこのような素晴らしい能力を与えたのか信じられない行動をとって映画は終わりを迎えます。
amazon.comではprimeビデオとして英語吹替で配信されている。
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