「夢を叶える熱量とワクワク感を教えてくれる作品です♪」前田建設ファンタジー営業部 マツマルさんの映画レビュー(感想・評価)
夢を叶える熱量とワクワク感を教えてくれる作品です♪
以前からアニメ・漫画の世界の建造物を実際に作ったとしたら?と言う事をきちんと見積もりを出して、発表していた「前田建設」の名前は知っておりましたが、一過性の話題程度に思っていたのが、ま さか映画になるとはと驚き、興味が出て、鑑賞しました。
で、感想はと言うと、結構好きです♪
細かい所の演出も行き届いていて、面白い。
劇中でも言ってましたが、古い作品なので細かい所での辻褄が合わない部分も多々あるのに、よくここまで細かく拘ったもんだと呆れる感じで感心しました。
馬鹿馬鹿しい事を真面目にやると鬱陶しくて、熱いと言う事を映像化してますw
最初に細かい事を書くと、広報グループ長のアサガワ役の小木博明さんとチカダ役の本多力さんの演技がちょっといちいち暑苦しくて鬱陶しいw
ここまでの熱量が無いと企画として成立しないと言う思いは分かるけど、正直引いてしまう。
熱き思いが皆を引っ張ると言うよりも逆にやる気を削いでしまう感じなので、好みはあるかと思いますが、もう少し押さえた方が良かったのではと思います。
また、このマジンガーZの格納庫を作ろうと言う最初のきっかけがちょっと不明瞭。
一貫して弓教授からの依頼とありますが、“何故マジンガーZの格納庫なのか?”と言う所を明確にして欲しかったかなと。スタートが現実とファンタジーの境を曖昧にするとどうも乗り切れない感じがします。
いわゆる企業の広報活動の一貫なので、
「実際に作らない物を実際に作る様に見積もりを出すなんて馬鹿馬鹿しい」
「そんな遊びみたいな事に業務時間を割くなんて体力のある大会社だから出来る事」
なんて言い出したら切りがない訳で、広報活動の一貫として考えるととても素晴らしいアイデアかと思います。
実際にこう言った遊び心の柔らかアタマで広報活動をしている企業は結構あって、アニソン風の社歌で話題になった「日本ブレイク工業」やタクシーとは全く無縁の動画をアップしている「三和交通」なんかも柔らか頭で企業バリューを上げています。
ただ、それを考え付いても実行に起こすのが大変で、だからこそ片手間でやったモノはどこかやっつけ仕事になっていて、ネットではあらゆるエンターテイメントが無料で溢れているから、すぐに見抜かれる。
劇中にあるマジンガーZを横にスライドさせる事に気付いて、新たに練り直してそれを実行するこだわりも素晴らしいです。
大人の事情で“そこまで拘る事はないんじゃない?”と言う気持ちは飛び出てくる所を“とにかくやるならとことんやろう!”と言う精神が気持ち良い♪
これを現実で大手の企業がやっているのが素晴らしい。勿論、楽しい事ばかりではないと思うけど、楽しそう♪
マスコットキャラクターの前田くんも良い♪
パナソニックの前身のナショナル時代のマスコットキャラクターの「ナショナル坊や」を思い出しましたw
ストーリーの流れが明瞭で分かりやすい。
あんまり変なちゃちゃも入らないので変にグダる所も無い。
また、細かい部分での台詞回しや動作がツボにハマります。脚本担当の上田誠さんは劇団「ヨーロッパ企画」の作・演出を担当されていて、細かい所での演出が上手い。ある意味映画っぽくなく、演劇っぽいのが良い感じ♪
台詞にならない呟きの様な台詞も演劇チックでなんか好き♪
ラストのアサガワが社内でデスラー総統と対峙する場面のバックの階段はZの形を意識しているかと思うんですがどうなんだろう?深読みしすぎかなと思ったりしますが、そんな事を連想させてくれる楽しさがこの作品にはあります♪
エンドロールも遊び心があって好きだなぁ。
ファンタジー営業部の紅一点、エモト役の岸井ゆきのさんが良い♪
昨年公開された「愛がなんだ」でも主演を勤められてますが、良い感じのボケ具合の可愛さなんですよねw
作者の永井豪先生がゲスト出演してますが、使い方も好き♪ 雑な感じですがw、絶妙なリリーフチョイスかと思います。
高杉真宙さん演じるドイと上地雄輔さん演じるベッショがちょっとキャラが被る感じで勿体ないかな。
機械グループ部長でベテラン社員のフワを演じる六角精児さんが登場すると一気に進展が加速していくんですが、面白さが増すんですよね。
でもダムに見学に行くとか、ダムの水流調整の内部見学なんて、何処か「タモリ倶楽部」みたいな感じがしますw
デスラー総統が実写で出るのにはちょっと違和感。
ここは足元だけ写して、デスラー総統の声優の伊武雅刀さんに台詞だけ発してもらう方が良いかとw
楽しませる所だけでなく、盛り上がる所とグッと来る所もきちんと用意されていて、全ての見積りが完了し、格納庫からマジンガーZが“マジン、ゴー!”の台詞から登場するシーンには、少し泣いてしまいました。
子供の頃に見た憧れのスーパーロボットの登場を大人になって実現すると言う試みは馬鹿馬鹿しいと言えば、馬鹿馬鹿しいけど、幼き頃に抱いた夢を実現する心意気に感動。これこそ浪漫でしょう!
願わくは前田建設のビルから見えたホバーパイルダーが飛び立つ際に、兜甲児役のオリジナル声優、石丸博也さんに“マジン、ゴー!”と叫んで欲しかったなぁw
夢を叶える事の楽しさ、難しさ、素晴しさを真っ直ぐに描いていて、何よりも夢を実現する熱量の高さの大事さと、それを実現するワクワク感が大切さを教えてくれながら楽しめる作品かと思います。
こう言う作品が製作される事で、邦画の根っ子がどっしりとしてくると思うし、楽しいのも良い。
お薦めの良作です。是非是非♪
りっぱあさん
コメントありがとうございます。
人それぞれの感想があるかと思いますが、同感して頂き、またお褒め頂きまして、ありがとうございます♪
細かい所まで拘って作られた作品かと思いますので、最後は石丸博也さんの“マジン ゴー!”は聞きたかったですね。
それがあればもう大満足だったと思いますが、…水木一郎さんの歌うエンディング曲の「ぼくらのマジンガーZ」まで欲張ってしまいそうですw
また、お暇がありましたら、覗きに来てくださいね♪
激しく同感ですw
私も石丸さん登場に期待するしてました
最近では兜甲児役は断ってた石丸さんですが〜マジンゴー〜!位なら依頼したら断ってなかったのでは(笑)
あしゅら男爵が柴田秀勝さんってのが良かったですねー!
素晴らしいレビューありがとうございます♫