「様々な糸で織りなされている布のような作品」糸 山田晶子さんの映画レビュー(感想・評価)
様々な糸で織りなされている布のような作品
中島みゆきのヒット曲「糸」と言えば、「縦の糸はあなた 横の糸はわたし 織りなす布は いつか誰かを 暖めうるかもしれない」という歌詞が真っ先に出てくる。となると、2人が織りなす布(物語)を連想する。
本作では、織りなす布(物語)が主人公の「2人」だけでは成立しないところに意外性がある。糸と比喩される人は何人も存在し、縦の糸が誰で、横の糸が誰なのかという判断は、本作を見る者に任せる形になっているが、想像以上に後味が良い。
劇中では、中島みゆき「ファイト!」が度々出てきて、皆んなが励まし合う人間らしいドラマになっている。
番宣でも噂の菅田将暉と小松菜奈は、平成元年生まれの高橋漣と園田葵を演じており、2人の出会いのシーンは特に印象的で、その後、再会するたびに見る者にとっては心が揺らいでいく。
本作は、平成から令和まで「短いようで長い」スパンで描かれているところも見所で、時間の流れで変わる現実を実感し、終盤で初めて「縦糸と横糸で織りなされた布(物語)」に感動させられる。
葵の前向きである強さと女性らしい引きのシーンを演じた小松菜奈は、少し今までの役柄とは違う分、賞を狙える女優の1人だと感じた。
mimaさん
コメントありがとうございます!
「愛し合っているはずなのにすれ違ってしまう」ことほど切ないことはないです。
この映画は、主演2人だけでなく、周りの力が大きく影響しているので(中島みゆきの)『糸』という歌がより沁みました。
映画上映から時を経て、またこのように感想が共有できることを嬉しく思います。
アマプラで観ましたが 確かに同感です
辛口コメントが散見されますが
私はこの2021年の年末に「糸」という作品に出会えて良かった
涙腺が崩壊しました 感情移入も
細かいことはどうでもよいのです
中島みゆき世代ですが「糸」の歌と作品 マッチしていました
西尾八千代 さま
コメント(修正)、ありがとうございます!
私は、中島みゆきさんの大ファンなのに、大事なところを間違ってしまい、お恥ずかしい限りです。
修正いたします。
とても感謝しております!
今後ともよろしくお願いします。