「基本的には馬鹿馬鹿しいコスプレ劇(パロディにもなっていない)。新解釈というより「おちょくっている」に近い。ただところどころ見所はあり。」新解釈・三國志 もーさんさんの映画レビュー(感想・評価)
基本的には馬鹿馬鹿しいコスプレ劇(パロディにもなっていない)。新解釈というより「おちょくっている」に近い。ただところどころ見所はあり。
①先ずは映画にする必要があったのかどうか。個人的には渡辺直美の芸や小栗旬の腹芸(腹踊りではないです)を大スクリーンで観れたのは楽しかったが、合戦シーンやアクションシーンなど本場中国映画(三國志ものに限らず)に較べれば恥ずかしいくらいで、大スクリーンで更にその貧弱さが目立つ。②絶世の美女(中国古代四大美人のひとり)の貂蟬に渡辺直美を持ってきたのは単に笑いを取るためだろうが(でも渡辺直美は不美人じゃないぞ)、当時の美人の規格を出して来たのはなかなか上手いと思った(それに対する大泉洋の反応はくどくて興醒めだったが)。しかしふっくらしているのが美人の規格だったのは古代日本の話で古代中国でも美人は細面だったぞ。踊りのシーンは笑いを堪えられなかったし、最後変装を解いて広瀬すずになってブス呼ばわりされた時は一応首尾一貫していたし、渡辺直美の皮がそのままにしてある、というのも個人的には好きだが、所詮楽屋落ちレベルの話で、面白くない人には全く面白くないだろう。③前後の話の進め方は大して面白くないが、諸葛孔明(というかこの場合は黃夫人)の読み通り風向きが変わる名シーンは流石に胸が熱くなった(直ぐ後のシーンがつまらないのでこれまた直ぐに冷めたが)。黃夫人の存在を大きくしたのは面白い解釈だと思うが、貂蟬も黄夫人も史実の人物ではないので、『新解釈三國志』ではなく『新解釈三國志演義』でしょう。橋本環奈はビッチ役で光るのがよくわかった。④大泉洋、佐藤二郎、ムロツヨシは他のところ(バラエティーや映画)でやっているのと変わらないので観て直ぐに新鮮味がなくなって飽きるし、TVで見てる芸を映画館まで来て観たいとは思わないと監督は思わなかったのかしら。芝居らしきものをしてるのは小栗旬くらい。山田孝之のコメディ演技はほぼ初めて見たので一応面白かったけど。⑤岡田健史は、役は孫権があの世から怒ってくるようなスカな役だったが、スクリーン映えがするのがわかってこれからが楽しみ。⑥エンドロールの福山雅治の歌は映画と合っていない。監督かプロデューサーに頼まれて取り敢えず作ったのかしら。総じて身内で面白がるために作った感が強くて一個の万人の鑑賞に耐える商品になっているとはとても言えない。⑥もっと★が少なくても良いのだが、ご贔屓の渡辺直美に免じて(彼女が出ていないシーンは殆んど笑えなかった)底上げしてます。