「【ゲイである事を人前でも隠さずに振舞える様になる若き男性の気持ちの変容を素直に描き出した、ボーイズラブストーリー。】」WEEKEND ウィークエンド NOBUさんの映画レビュー(感想・評価)
【ゲイである事を人前でも隠さずに振舞える様になる若き男性の気持ちの変容を素直に描き出した、ボーイズラブストーリー。】
今秋、「荒野にて」で、少年が独り立ちしていく姿を鮮やかに描いたアンドリュー・ヘイ監督の2011年発表作。
日本では今秋、上記作品とともに劇場公開された作品。
全く知らなかったが、今作は”ゲイ映画の流れを変えたと言われる作品”だそうである。
確かに、「アナザー・カントリー」のように美少年同士の密やかな恋をロマンティックに描いているのだが、(今作では、”髭を生やした美青年”)性描写がかなり生々しく映し出されている。
社会的に”カムアウト”(今作では、”カミングアウト”ではなくこの言葉が二人の口から語られる)出来ないラッセルと、高校時代に「眺めの良い部屋」を観て自慰行為に耽る様を友人に見られて以来、隠すことなくゲイとして生きて来たグレンとが、ある週末出会い、たった二日間だが濃密な時間を過ごす様を描いたこの作品の魅力は、
・二人の会話する姿や会話の内容
・二人が見つめ合う姿や触れ合う姿(自転車で二人乗りをするシーン)
・ラッセルと愛し合ったグレンが帰る後ろ姿を14階の部屋から映し出す3度のシーン
など、同性愛を特別視するすることなく、愛し合う二人の二日間の姿を丁寧に描いている事であろう。
特に両親がいないラッセルに対し、”俺が父親だと思って話せ”というグレンのラッセルに”父親”として語る言葉は素晴らしい。
<劇中、度々二人に浴びせられる”ゲイ”という言葉に、徐々に臆することのない姿勢に変わっていくラッセルの姿が印象的な作品>
<2019年12月6日 刈谷日劇にて鑑賞>
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