シークレット・スーパースターのレビュー・感想・評価
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母の愛
そんなに評価される作品なの?
皆さんかなりの高評価ですけど、それほどまでの作品なの?
だって、ストーリーは至って王道。
感動物語を教科書通りに作りましたという内容ですよね?
主人公の歌唱力は素晴らしいけど、特筆できるのはそれくらい。あと、主人公の弟が将来楽しみなハンサムくんくらいか?
ラストはちょっと捻ってみましたという感じだけど、捻り方が無理矢理過ぎて、ありえねぇ〜という感じ。
映画の観客は主人公の経緯を知ってるから理解できるけど、あの場面の映画の中の人達は何も知らないのだからあのリアクションはあまりにも不自然だろ?
至って普通の感動物語なんだから、ラストも教科書通り王道のクライマックスで良かったんじゃないの?
……と思うのは、自分だけ?
結末がわかっていても、感動
お母さんありがとう
泣けたわ~~
身分制度、男女差別の歴史が長かったインドという国で。
女性も夢を見てはいけませんか?
母親たち、娘たちは幸せになってはいけませんか?
と問いかけてくるお話。
子の立場としては、「お母さんありがとう」という気持ちでいっぱいになりますね。
主人公の父親が、昔のインドによくいたらしき「女性は所有物、家政婦や奴隷以下で、妻は性欲処理とストレス晴らしには殺してもかまわない、娘は家に金を入れるために金持ちに嫁がせる道具」と思ってるDV野郎、って胸糞の悪い設定。
天才的歌とギターが上手い娘が、「歌手になりたい」と夢を口にすれば、妻(母)を殴り蹴り、腕を折る。
どうしたら、この地獄から脱出できるか?と苦悩する娘…
この作品の脚本に惚れた、「国宝」「インドの良心」と言われる、人権肌のスーパースター役者&プロデューサーのアーミル・カーン様が、「人間の屑だが、少女を助けようと努力する作曲家」という、本当に難しい役に挑んでいます。
主人公は本当に美声。
(ただふっくらインド美人なため、外見は日本人ウケしにくいかもしれないけど)健気なので、観てるうちにその辺が気にならなくなります。
面白かった、って一言では、言い表せない良さがありました。
女性の地位がまだまだ、まだまだ低い!
インド映画でアーミル・カーンが出ていれば、もうハズレなし!
この映画は歌手を目指す女の子が主人公なので
インド映画、気になるけど歌とダンスが長そうなので
ちょっと二の足を踏んでると言う方にも
歌のシーンにちゃんと物語としての必然性があるので
全く苦にならずスルスルと観られます。
15〜6歳の少年少女の初々しい初恋も絡んでいて、
ああなんて可愛いらしい〜〜〜
正直ちょっと綺麗事っぽいところもあるけど
暑いし、ややこしいもの観たくない!という方や
初インド映画!と言う方には特にオススメです。
で、月に8回程映画館に通う中途半端な映画好きとしては
主演インシア役のザイラー・ワシームとその家族を全面に押し出し
アーミル・カーン自身はお笑い担当に徹していて、
ともすれば、暗い気分に落ち込んでしまいそうな話を
良い感じで希望の持てる作品に方向転換してくれてます。
ここ数年アーミル・カーンが出演してる作品は
社会問題をなんとか良いように導こうとする映画ばかり。
今回も男尊女卑すぎる家庭の中で、
自分の夢を父親に潰されそうになってる少女と
なんとか子供の夢だけは支えてやろうとする母の葛藤。
「海よりも深い母の愛」と日本でも比喩されますが
そこはインドでも一緒なんですね〜
ああ、お母さん、産んでくれてありがとう〜〜(号泣)
夏休みだし、改めて自分のお母さんへの深い感謝を〜〜
そして、主人公インシアに恋する少年チンタン役の子が
また良い感じに一所懸命さとダメな感じが混ざってて
なんか堪んないです〜〜(笑)
@もう一度観るなら?
「早く映画館に行かないと観られないかも」
何気ない表現に泣かされる
一体いくつのシーンでこみ上げるものを抑えたのかわからなかった。
現実に今あるの? っと思えるような、お父さんの精神的、社会感覚が恐ろしいまでに気持ちを締め付ける中、主人公の音楽への真っ直ぐな気持ちと、それを支える周りの人々に感動しまくりでした。
いつも明るいふるまいを持つお母さんの語られなかった過去、ノートブックでの弟の姉への純真な思いやりの気持ち、「しきたり」の中で寡黙に生きてきたおばあさんの歴史、もうダサダサとも思える少年の女の子への気持ちの表現などなども、キューッとするものをくれる。
そんな中ずーっとマイペースで明るさとひょうきんで通してくれるアーミル・カーンのお陰で、流れてしまう涙を堪えることができたこと、最後の表彰のシーンまで、期待通りなサクセス・ストーリーなのに、ここまで気持ちを動かしてくれるのかと、新しいインディア映画の表現にこれからも期待です。
アーミル・カーン最高だな
主演のザイラーはレスリングもできるし、歌も歌えるんだなあ。少女の心の動きの表現が素晴らしい。しっかりしているつもりだが、していない若さがとてもよくわかる。
お母さんが良かった。お父さんの怖さ加減も良かった。
ボーイフレンドのへこたれない感。素敵だ。
シャクティの元での歌手デビューまでのぶっつけ本番ぶりは若干リアリティを削いだが、アーミルの唯我独尊が面白い。
そして、やはりエンディングが興味深い。
この映画はコメディだぜ。
女性の人権とか母性愛の強さとか人間の強さとか夢を大切にとかそんな偉そうなことを言いたい映画じゃないすよ。
単なるおふざけ映画でCDも売りたいぜ。という照れ隠しのようなアーミルのノリがとても好きだ。
今回は突然みんなが歌い出すインドミュージカルも無いからより万人ウケするだろう。もっと多くの映画館でロードショーして欲しい。
カーストの終焉
思春期の少年少女の音楽サクセスストーリーの映画はいくつか観た。2015年のイギリス映画「Sing Street」や2015年のフランス映画「La Fammille Belier」(邦題「エール」)などである。しかしイギリスやフランスの子どもたちが遭遇する困難と、インドの田舎の子どもたちが遭遇している困難とでは、かなり質が違うようだ。
台詞はほぼヒンディ語と思われるが、度々英語が混じる。日本人が英単語を混ぜるように使うのではなく、丸々一文が英語だったりする。愛の告白も英語だ。言語は文化そのものだから、言語が混じるのは文化が混じるということだ。それはいいことだと思う。文化は放っておくと衰退するから、常に変化が必要だが、他文化との交流は変化の引き金になる。インドは多民族国家であり多言語国家だから、文化交流は国内でも盛んである。インド経済が凄まじい発展を遂げているのはそのあたりにも一因があるだろう。
本作品の主人公インシアは学校へ通える身分だから、カーストは最下位ではなさそうだ。ニカブを着るところを見るとイスラム教の家庭である。父親は日本の家父長制度のように封建主義で暴君ぶりを発揮する。対する母親はどこまでも優しいが、優柔不断で独立心がなく父親の横暴に抵抗できない。インシアをインスゥと呼んで可愛がる。
ヒンドゥ教ではないのでリーインカーネーションの場面はないが、代々受け継いだ家庭の伝統がある。どちらかと言えば女性の人権を認めないその伝統にインシアは反発し、抜け出そうとしている。そのあたりまでがこの映画の前提として知っておくといいと思う。
インド映画の俳優女優はみんな歌が上手い。本作品も例外ではなく、インシアの歌はとても上手である。しかし歌が上手な人はこの世にごまんといる。テレビ東京の「カラオケ☆バトル」を見ていると、日本国内だけでも歌の上手い人が沢山いることがわかる。しかし歌が上手いだけでは売れないし食っていけない。本作品もそのあたりは解っていて、映画音楽としての歌が売れたことになっている。だが肝心のその映画が売れたシーンがない。もう少し時間が伸びてもいいから、その映画が大評判になったシーンがいくつかあれば、映画としてよりリアルになっただろうと思う。
本作品は歌のうまい女の子が成功するだけの話ではなく、現代インドが抱えるカーストの問題、女性の地位の問題を隠しテーマとして伝えている。先日観た「SIR」(邦題「あなたの名前を呼べたなら」)という映画は、カーストの世襲の問題が正面から扱われていた。21世紀も20年近く経過して、異なる文化と宗教が入り混じったインドにおいても、実質的な女性解放の時代、それにカーストの終焉の時代を迎えたのかもしれない。
主演のザイラー・ワシームは18歳。性格のいい主人公を楽しそうに演じている。柔らかくて声量のある歌は聞いていてとても気持ちがいい。個人的にはサラ・オレインを思い出した。アーミル・カーンのコメディタッチの演技もおかしくて、150分があっという間だった。
感動して泣けた!
久しぶりに素直に感動して泣けた映画でした。主人公のインシアは男尊女卑の家庭で鬼のような父親と優しい母親と弟と一緒に貧しいながらも楽しく暮らしてます。父親から母親への激しいDVや貧乏生活、学校での体罰など主人公のインシアをとりまく環境は厳しいのですが彼女の優しさと聡明さと抜群の歌の上手さが救いとなります。ヒロイン役のインシアがちょっとポッチャリしているのも(でも可愛い)ボーイフレンド役が貧相過ぎるのも(でもカッコ良い)インシアをスーパースターにする手助けをする落ち目の音楽プロデューサー、シャクティがムチムチボディでイマイチ、ウザくてエゴイスト(でもとても良い人)なのもとても味があって良かった(^^)
主役はお母さん??
面白過ぎる。
シークレット・スーパースター (2017)
本日の映画はこれ!
誰にでもお勧めできる笑えて泣ける名作映画の登場です。
『きっと、うまくいく』のアーミル・カーンが製作・出演したインド特有の社会問題も描いた人間ドラマ。
文句なく今すぐ見るべき映画です。
確かに都内で2館だけの上映は寂しいですが、今公開中の映画の中でもNo1の面白さ。
見て良かったと誰もが言える映画。
予告を見ると少女の歌手へのサクセストーリーに見えますが実はインドの女性差別や社会教育問題も絡めて
家族愛がテーマの真面目な物語。
ボリウッド映画にしては派手な踊りも音楽も控えめなのも初心者向けで楽しめます。
インドの名優アーミル・カーンの出演でこの作品が世界スケールの娯楽作品になってます。
上映時間はやや長めですから水分を控えてじっくり最後までご覧ください。
EDクレジット映像も笑えて必見です。
直球、だからこそ胸に刺さる
インド映画のおもしろいところは、自国の問題を浮き彫りにした作りにあると思います。「きっと、うまくいく」や「PK」、「パッドマン」同様、今回は女性軽視が主軸で、時勢にもあった作品でした。
ハリウッド映画では、不必要なまでに表現されている「女尊」ですが、あちらはただ声が大きいだけで、あまり心に響くことはなく、食傷を禁じ得ません。
しかし今作は、主人公やその母親が、父親に逆らえないという状況をこれでもかと見せつけてくれるため、とても感情移入がしやすかったです。気持ちのいいラストには、しっかりと泣かされました。
女性差別に関しては、ハリウッドよりもボリウッドに軍配といった感じでした。LGBTも、もしかしたら?
感動による号泣率はかなり高め。
リアルな現状を映し出し、希望を打ち出す物語
ムスリムの女性がインターネット上に動画をアップする事が現代社会で物議を醸し出している。
イランでダンス動画をアップした女性が逮捕されたというニュースは、日本に伝えられたので記憶に新しいが、もっと他にもこういった例はあると思う。(この例はヒジャブを付けていなかったことも問題視されていたが)
イスラム戒律に厳格な国や地域の場合、家族だけならまだしも、親戚までもが非難されたりする場合もあるくらい大変な問題に発展すると聞いた事がある。
数年前に観た、ソニータというイランのドキュメンタリーでも、対象者のアフガニスタン人の女の子は全てを犠牲にする覚悟でYouTube に自分の歌をアップする。
今回の主人公も同様に、容易で無いこの問題に立ち向かう。
戒律を守る為のエスカレートするハラスメントなど、ムスリムだからこそ考えられる様々な困難が起こるのがリアルで辛いのだが、本当に辛いのは1番現実を知っている母親だろう。
すべてを捨てる覚悟の母子愛は涙無しには直視出来ないもので、腹がすわった母親のあの表情に拍手を贈りたい。
余談だが、ソニータについて、ドキュメンタリーだけにどこまで本当だったのか?あの戒律の厳しい国でその後はどうなったのか?実は気になっていたので調べてみた。
ミュージシャンとしての彼女のSNSは今も日々更新されて、アフガニスタンの映画祭でソニータが上映されるという近況も確認できた。
こんなニュースから、現実にもムスリム女性の選択肢は増えて、一本しかなかった道は枝分かれしはじめたんだろうと嬉しく思う。
心をわしづかみにされた!
濃くてクサくてハートウォーミングな、実にインド映画らしい作品
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