スウィング・キッズ

劇場公開日:

スウィング・キッズ

解説・あらすじ

K-POPグループ「EXO」のD.O.が主演を務め、タップダンスチームが人種やイデオロギーを超えてダンスで絆を深めていく姿を描いた韓国映画。日本でもリメイクされた大ヒット作「サニー 永遠の仲間たち」のカン・ヒョンチョル監督作で、ビートルズやデビッド・ボウイ、スウィングジャズのスタンダードナンバーであるベニー・グッドマンの「シング・シング・シング」など名曲の数々が物語を彩る。1951年、巨済島捕虜収容所に新しく赴任してきた所長は、対外的イメージアップのために戦争捕虜でダンスチームを結成するプロジェクトを計画する。収容所一番のトラブルメイカーであるロ・ギス、4カ国語を駆使する通訳者ヤン・パンネ、行方不明になった妻を捜す民間人捕虜のカン・ビョンサム、ダンスの実力を持ちながら栄養失調の中国人捕虜シャオパン、前職はブロードウェイタップダンサーの黒人下士官ジャクソンが集まり「スウィング・キッズ」が結成された。そんな寄せ集めダンスチームにある公演の話が舞い込む。D.O.がロ・ギス役を演じるほか、ブロードウェイミュージカルの最優秀ダンサーに授与される「アステア賞」の受賞者であるジャレッド・グライムスがジャクソン役を演じる。

2018年製作/133分/PG12/韓国
原題または英題:Swing Kids
配給:クロックワークス
劇場公開日:2020年2月21日

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映画レビュー

4.0純粋に何かに情熱を注げることが最も難しくて尊い

2020年2月28日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

ともすれば歴史やイデオロギーの深刻な側面に陥りがちなストーリーをあくまでタップの音色に満ちたリズミカルなドラマに仕立て上げた手腕に感服する。捕虜収容所内はいわば世界の縮図だ。複雑で重々しい関係性が交錯し、あらゆる個性が仲間の視線によって縛られる中、メインとなる5人の男女だけはタップダンスを通じて別の世界を見つめる。それは彼らにしか見ることができない唯一無二の景色だ。

その純粋で脆弱で非暴力的な存在、そして彼らのステージこそが、力強いメッセージとなって響いていく巧さ。周防作品や矢口作品でもよく見られる「リアルに習得された技」が卓越した映像の強度となって胸を打つ。スウィングすることで足元の困難や壁を軽妙に飛び越えつつも、彼らは腹の底から「自分は自分でありたい」と叫び続けていたのかもしれない。混沌とした世界では純粋に情熱を注ぐことがもっとも難しくて、尊い。その意味について考えさせられる力作だ。

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牛津厚信

5.0大国のイデオロギーに翻弄された人々

2025年3月31日
PCから投稿
鑑賞方法:VOD

朝鮮戦争の事を韓国人達にきくと、大国の冷戦の代理戦争だったと言う。
米ソという大国のイデオロギーと世界の覇権争いのせいで、アジアの同じ民族が殺し合い分断された。
そんなことがなければ、友達で隣人同士だっただろう人同士が、アカだ、米帝の犬だ、と憎しみあい殺しあう。

実際この巨済収容所は存在し捕虜同士のバトルや殺戮事件がおきたそうだ。

映画では、民主主義の自由をアカに教えてやり米のダンスを踊らせるのを記者や世界に見せるという米のプロパガンダにより、米で差別されてる黒人兵の指導で捕虜のタップダンスチームをつくらされる。
指導が米の黒人、ダンスチームのメンバーが、中国人、朝鮮戦争で北から逃げてきたら間違われて捕まった北朝鮮の市民、パンパンと悪口いわれた女性で日帝支配時代に満州にいた朝鮮人(のちの朝鮮族といわれた)、北朝鮮の兵士。
朝鮮は2つに分断されたと言われるが、実際はまだある。
韓国と北朝鮮。日本の統治時代に満州にいた朝鮮人が中国北部に取り残され現在は中国北部に住む中国市民で朝鮮族と言われる人達。韓国で朝鮮族は今は差別されてる。

言葉が通じなかったり人種も違う、思想も違う同士がダンスで会話していく。タップダンスはお互いのかけあいによる会話みたいなダンスだと思うけど。

戦争や冷戦がなければ、朝鮮の隣人で、友達でダンス仲間だっただろうに。
それはアメリカ人も同じだ。

アメリカの白人による黒人差別やアジア人差別もひどい。
イエローモンキーと呼ばれ人間扱いされないアジア人差別の様子や、家族を養うためにアメリカ兵の情婦になろうとしてる朝鮮人女性。日本の敗戦後の米の占領時代とかぶる。

戦争で家族と引き裂かれて泣く北の人達の苦しみもかわいそう。

戦争やイデオロギーや思想統制や表現の自由を奪われ、ダンスや音楽を奪われても、それでもダンスや音楽から離れられない。
爆発しそうな自分の感情をダンスにぶつける。

ダンスや音楽は戦争もイデオロギーも超える。
戦争で殺伐とした人達に人間の心を取り戻してくれる。
ダンスや音楽がもともと好きな朝鮮半島の人達には、ダンスと音楽は切っても切り離せない文化だ。

だが結局冷戦のイデオロギーのせいで悲劇が…。

米の有名ダンサー、KPOPアイドルでEXOのD.O.のダンスがうまいのはうなずけるが(KPOPとダンスは違うけど)、演技派のオ・ジョンセがダンス踊ってたのにびっくりした。

映画の構成やストーリー、少しセピア色で50年代のレトロなムードの映像、何度もあるダンスシーン、戦争やイデオロギーで翻弄されるそれぞれの人生、史実をもとにした捕虜収容所内で殺戮シーン。

監督は、なぜ同じ民族同士が憎しい殺しあうようになったのか、韓国人は反共思想を教育され、最近北をアカと悪口言う韓国人が増えたので、同じ人間同士考えてほしいとこの映画を作ったそうだ。

非常によい作品だった。
ぜひ見てほしい

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estrella

5.0超好き

2025年3月28日
iPhoneアプリから投稿

雨の中踊る2人の男たちの姿が勇ましくてちょっぴり滑稽で熱い何かがあって大好き

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蔵王

3.5めちゃくちゃいいやんけ…

2023年4月6日
iPhoneアプリから投稿

寄せ集め集団が、輝く姿に弱いのよ。

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JYARI

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