ジョナサン ふたつの顔の男のレビュー・感想・評価
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どんなスリリングな展開になるんだろうと期待して見ていたらいつの間に...
どんなスリリングな展開になるんだろうと期待して見ていたらいつの間にか静かに終わってしまった…。
本当はジョンが計画的に乗っ取ったんじゃないか、ドクターはジョンに手を貸してたんじゃないか、最後に残ったのは本当にジョンなのか、いろいろ想像が広がるけど真実はわからないから結局消化不良。
マットボマーがちょい役すぎて驚いた。
見終わった後に不思議な余韻が残る
観客は常に昼の人格目線で夜の人格のジョンの事を知れるのは昼のジョナサンの見るビデオメッセージと第三者からの言葉がほとんど、お互いに顔を合わせる事はないが誰よりも近い関係の兄弟。この視点を絞った見せ方のお陰で、ジョナサンにより近い感覚で物語に入っていける。
私ジョンの感じけっこう好きだったので、彼の生活も見たかったwただこの知りたいけど知れないヤキモキ感とアイツ良い奴なんだろなって想像させるところも話の肝なんでしょう。
自分が認知出来ない自分がいる時間て恐怖もありつつ常に1人じゃない安心感もあるのかも。愛情や競争心や悩みだったり全ての感情に常に相手に居て欲しい気持ちと邪魔に思う気持ちの両側面が同居してしまう感じを体験できて不思議な気分になりました。
ビデオ越しのアンセルの演技が別人で演じ分けが上手いせいで二重人格の説得力が半端なかった。浮世離れした話なのにこの切替の見事さでありそうな事に思えてきてしまう。
全体通して無機質で地味で静かな印象の映画だけれど、この静かに物事が進んで行く感じが常に自分の知らない時間を抱えている主人公の世間から浮いている感じにに合っていて妙にしっくりきて良かったです。
ありそうでなさそうな…
結末がどうなるのだろうと思いながら見ました。双子の兄弟や大親友の恋人を奪ってしまい、後々トラブルになってしまう、それが自分の二面性、もう一人の自分達同士で起きてしまっている。そりゃ、怒るだろうし、もう一人の自分が惹かれる人物なら、もう一人の自分も惹かれて不思議じゃない。しかし、一日を半分分け合って生きていたら、現実に起きていたら、体は持たないな。掛かりつけの医者も当然体は持たない。昼の生活を送る自分の方が色んな面で有利だけど、こんな規則正しい生活はかえって支障をきたしかねない。アンセルはナイーブで壊れそう、やがてトラブルに発展する役はハマり役。ラスト、結局夜の自分が昼の自分を追いやり勝ってしまうのは残念。共存してほしかった。フランス語を話せるのは昼の方なので譲ったとする見方もあるのかな。恋人を昼と夜で分け合うなんて考え方は最低だろうけど、うまく行くにはと一瞬考えてしまった。
昼のジョナサンが好き
ビデオメッセージによるやり取りは面白い設定だと思ったし、昼と夜とで分けてあるのでわかりやすい。しかし、展開がちょっと眠気を誘うようなもので、せめて設計事務所に侵入する様子なんかを描いてくれていたら・・・と。
ドラマなんかで「自分に嘘はつくな!」という台詞はよくあるが、この別人格に対して嘘つき合戦になるなんてのは面白い。まぁ、相手が必要となるので秘密さえ打ち明けられれば、別人格について訊くことこともできよう。また、人格だけが死ぬなんてことは普通の人には考え付かないと思うのですが、喧嘩したり議論するのもビデオを通しての1日おき。かなり辛そうだった。
この手のサスペンスにはやはり大事件が必要かな?淡々としすぎているし、夜のジョンが鬱になるなんてのも博士の台詞だけだし、ラストのタクシー運転手が理解しすぎているのも納得いかなかった・・・
自分が消える
自分の存在が消えることを怯えて、抗っていたジョナサンが、自分が消えていくことを受け容れる。その心情のグラデーションというか、変化をするすると伝える演技がとても自然で、違和感なく見られたのがよかった。エルゴート君の演技力、だと思いますが凄いですね。
ハッピーエンド、なのかしらと考えさせられる奥行きもあります。
崩壊と侵食
WOWOWシネマで鑑賞。
正反対な性格のふたつの人格が、昼夜の決まった時間に入れ替わる。入れ替わっている間は他方に記憶が引き継がれないので、その時の出来事をビデオレターに残す…
様々なルールを定め、ルーティンをこなす日々。しかし、日常はひとつの嘘が呼んだすれ違いによって崩れ去り、次第にジョンの人格がジョナサンを侵食し始める…
生まれた時から体を共有して来たジョナサンとジョン。
なんでも語り合える親友と云うか、お互いのことを心底から理解している家族と云うか…。そんな関係性のふたりに、互いに知らない秘密の部分が生じてしまったことで、歯車が狂ってしまいました。あとはガラガラと音を立てて崩壊…
相手の苦しみが痛いほど分かるのに、直接話を聞いてやれないし、抱き締めることも出来ない…。いちばん近くにいるのに、と云うもどかしい感じが切なかったです…
最終的にどちらの人格となったのか?―ジョンだと名乗っていたけど、フランス語のラジオを理解している風だったし、結局はジョナサンが残ってジョンが消滅したのか…?
[余談]
主にジョナサンの視点から描かれていたので、B面みたいにジョン視点の物語も観てみたいなと思いました。
遊び心のあるクラシック曲を聴いているような感覚の作品
まずアンセル・エルゴートが巧い。ここまでの嵌まり役はいないんじゃないかって思わせるほどだが、なぜか危うく魅せられるのもまんまと演出に乗せられているのかもしれない。
「サーチ」「ギルティ」と並ぶ魅せる映画として評価が高かったので、すこし期待して観ましたが、たしかに面白い!と感じた。
主人公ジョナサンは透明感があり神秘的な印象を与えるが、規則正しくきれい好きでテーブルの配置や食事もそつがない。しかしラストへ向けてそれがどことなくぎこちなく歪に見えてくる。ジョンとジョナサンを外見で分けるのが髪型だが、ジョンのときはボサボサで乱雑、ジョナサンのときはきれいに整い、しっかりブラシのかかった状態だ。しかしここも整っていれば整っているほどに不自然さにあふれ、最初はきれいな感覚を抱くが、観ているうちにそれが苦しくなってくる。ジョンのボサボサ頭の方が自然体に見える。ラストではジョナサンが「消えて」しまうわけだが、不自然さからの解放としての捉え方をすれば、それでよかったように思う。
人間はどこかズルくていい加減で時にウソをつくのだが、だから人間のよさも同時に併せ持つことができる。それを正直に実行していたのがジョンで、それを隠すためにルールと規則正しさに自分を見出していたのだが、本当はただ蓋をしていただけだったのはジョナサン自身が一番わかっていた。だからこそ、エレナへほんとうの気持ちを言えた時の感慨深さは言い知れぬものだったのではないだろうか。
また一方ジョンは自然体で自由奔放に生きているように見えるが、その実心の奥底では苦しみや葛藤に悩み、鬱になっていく。しかしながら、それは人間であればこその悩みだとするメッセージが心に響いた。それこそが自然な姿と言っているように聞こえてきたのはぼくだけなのか。
本当のことを話すのは案外大変だな
映画「ジョナサン ふたつの顔の男」(ビル・オリバー監督)から。
二重人格、多重人間をテーマにした作品はいくつもあるが、
ふたりがお互いの存在を認識し、情報交換しあう設定は、
意外と新鮮な感覚で観終わった。
予告編で見つけたキャッチコピーは、
「もうひとりの僕は 12時間のあいだ 一体何をしているのか」
この作品をワンフレーズで表現していた気がする。
作品の中で見つけた台詞から選ぶとすれば、
「本当のことを話すのは案外大変だな」だった。
私たちの人生、全て正直に話すことが良いとは限らない。
「自分史」だからといって「浮気・不倫」のことまで
文字に残して、大騒ぎになった人も知っている。
誰にだって、一つや二つくらい、秘密があって当然だし、
それを、隠し事はしないって約束だろう、と責められても
息苦しくなることは主人公も理解していただろうに。
「1つの体に複数の意識が存在する」ことは、
映画のように、人格が入れ替わる極端な設定でなくても、
「性同一性障害」の人をはじめ「LGBT」の人たちは、
常に意識していることかもしれないな、と感じた作品。
「午前7時と午後7時の12時間ごとに切り替わる生活」
意識的に試してみたら、どんな生活が待っているだろうか。
宣伝とは違ったねぇ…
うーん、これはどう見れば良いのだろうか…
少なくともスリラーというカテゴリーの作品ではないよね?
1つの身体に二つの人格、お互いに守ってきたルールが破られたことで、お互いへの想いや嘘などが散見し始めることによって主人公に大きな変化が訪れるという作品なわけで…
想像していたのとは違うけど、ジョナサンがどういう運命に辿り着くのか気になってしまいなかなか見いってはいける作品ではありました。
人が持つ欲望、嫉妬、嘘、怒り、後悔などの感情が巻き起こすであろう関係の変化を二重人格というツールを使って描き出した作品って感じ?
ジョナサンはジョンという別人格と共に暮らす青年。彼らはお互いに12時間毎に交代し、ビデオに記録を残し合って問題なく生活していたのだが…
昼間はジョナサン、夜はジョンが生活をしており、その時間に起こったことや会った人をビデオで記録しあっている二人。この作品はジョナサンを主軸にしているだけに、ジョンが主人格で登場する場面はまれ。
ジョナサンの意識が無くなる、切り替わる際には暗転したりと舞台のようだ。
初めはジョンの小さな隠し事、バーで酒を飲み、彼女を作ったことから物語は始まる。
ジョナサンは探偵を使って探り、ルールを破ったジョンを非難する。その彼女-エレナ-にジョナサンは会ってしまったり、家に来たエレナにジョナサンが事情を説明しても理解はしてもらえず。
やがて、ジョンからのビデオメッセージが更新されなくなってしまう。
不安に駆られるジョナサンはエレナにメッセージをお願いするなど、接触を図るうちにエレナに恋心を抱いてしまい…
ジョナサンとジョン、1つの身体を共有する彼らはお互いに不満と嫉妬を抱えていたのだろう。ジョナサンは才能を認められてはいるものの、この生活では仕事をフルタイムですることは出来ず、新規のプロジェクトにも関われない。そして彼女を作ったジョンに対して嫉妬したりもしていた。
また、ジョンも夜だけの生活に不満を覚えていたのだろう。そしてジョナサンの真面目な仕事ぶりやルールをしっかり守る姿を疎ましく(同時に見習いたい)と思っていた末に彼女と出会ってしまったのだ。
ジョナサンはエレナとの関係を隠し続けながら、ジョンへのメッセージを残す。残し忘れた次の日からジョンからのメッセージも残り、再び共有生活が始まるのだが…
ここから主治医?も物語に絡んでくるのだが、イマイチどうしたいのか分からない存在だ。
出てきた割に、ジョンにジョナサンの隠し事をアッサリ言ってしまうし(ジョナサンが言わなかったせいもあるが、医者ならもう少し上手くやれよと言いたい)彼らをどうにかしたいと思っている割には、不安定なときに限って居ないし…まあ、彼女も分かりきってない部分が多いのだろうが……
あと、人格を消せるという例として出てきた、かつていた三人目の人格、医者が最近会っていないという息子?など出てきた割に物語には登場しない話も多かったかなと。エレナとも別れたら一切登場しないし。ジョナサンとジョンに話のフォーカスを絞ったと言えるか
ジョナサンとジョン、お互いに彼女に関することを隠していたことから壊れゆく二人の関係、それでもお互いを大切な兄弟と思っているがゆえに起こる苦悩、そして混乱と決断を描いた切ない人間の感情と絆のドラマであり、それを二重人格というギミックを用いることでスリリングさというスパイスで見せる作品なのではないだろうか。
面白いけど
見ている間は夜側を描かないことでのサスペンスがあって緊張感を持って観れるし。黒味の入れ方、音の入り方
リズムもよく見ていて面白いのだけれども
だからなんだと言われると話として特にはない。
先生の台詞だけで「あなたは強い」「本当はジョンの方が強かった」
と言われてもなんだかな。
最後のセルフはダサすぎるでしょう
なんで名前聞いたの??
他にもっとあるでしょう。
入れ替わった事の見せ方。
ジョンのくせ見せるとか、タバコ吸うとかでもいいのに
名前を聞いて言うってダサかったなーー
John•athan
日中はJonathan、夜間はJohnと、午前午後共に7時で性格が切り替わる男性。別人格の記憶はないため、録画で半日の出来事を詳細に語り合い、不測の事態に備えるという生活。
真面目で健康志向、「ドイツの列車のように」時間に正確なJonathanは、建築設計事務所に勤めており、上司からの評価も高い。
明るく奔放で細かいことは気にしない、何でも積極的なJohnは法律事務所に勤めている。
睡眠時間を入れて12時間しかない毎日…。3〜4時間ずつの睡眠では疲れて当然だよなぁと思いました。
自分のベッドで眠りについても、目が覚めるのはもう1人のベッドの方。目覚めた時に必ず自宅のベッドかどうか分からないというJonathanの不安がよく伝わってきました。コントロール不能のもう1人の自分が暴走したら…。知らない所で自分がしないようなことをしていたら…。
極端に違う性格の彼らが、ひとつの体をシェアして共存するために設けたルールが幾つかあるのですが、「彼女を作らない」という決まりをJohnが破ったことから2人の生活が狂ってきます。
同じ女性に両方の性格を愛してもらえばと思いましたが、全くの別人格なので嫉妬してしまい、そう上手くはいかないようです。兄弟で1人の女性を取り合う感じです。
観客はほとんどJonathan目線で彼(ら)の日々を知るのですが、最後まで観ると、実はJohnがいずれは乗っ取るつもりだったのかも、と思えてきました。
フランス語を勉強していたのはJonathanの方ですが、部屋を調べれば、JohnもJonathanの嗜好を知れる訳です。何気に勉強していたとも考えられます。
自分を抹消することが可能な母親代わりの先生に気に入られ、味方に付けておく。Johnが消してくれ!と泣きつけば、Jonathanも先生もまずは共存を目指して慌てるだろうし、万一Jonathanが自らの生存本能により先生にJohnの抹消を求めてしまったとしても、先生が躊躇いもなく削除するはずがない…と踏んでいたのかなと。
探偵を雇ったのには流石に想定外でキレたのでしょうか。自分のものをいつも妬んで欲しがるJonathanの性格(元々はタイプの異なる女性に気があったハズ)にうんざりしていたのでしょうか。
明るくエネルギッシュ、まるで太陽のようでありながら、実は「夜そのもの」の性格 ー妖しく魅力的で、時に暗く危険な秘め事を楽しむような内面の持ち主ー であり、本気で死ぬ気はなかったというJohn。人生の様々なチャンスは日中活動した方が有利であるのは当然で、昼間に生きたかったという願いが、恋愛を邪魔され彼女を奪われたことで決意に変わったのかも知れません。以上、うがった見方ですが、最後はそのまま捉えてJohnが昼間も覚醒するようになったと思いました。本当に鬱なら薬を出してくれる先生の元から離れられないし、単独で新天地へ旅立つ元気もないはずです。先生からもJonathanからも自由になりたかったのでしょう。
タイトルはJonathan。
各名前の意味は…
Jonathan: God has given
John: Graced by God
Athan: eternal life, immortal
深読みするとJonathanの方が生き残れそうですが、最後の最後に「勝った」のなら、それまでの流れが不自然ですね。
ビーチで降りたJonathanは、太陽の見納めをしたのかなと。
現実的には、最初から人格を1人だけにするべきでしょうか。昼と夜を逆にしたらしっくり来たのかなぁ…その場合、Johnは間違いなく夜更かししそうですが。
登場人物が少ないのに、なかなか面白かったです。
だんだん怖くなっていく。強い共感が求められる。
シナリオは、そこまで難しくない。単純な方かもしれない。
謎解きや、結末に期待すると、つまらない映画。
深く強く感情移入できる人は、
眠りに入って、次に起きる瞬間がだんだん怖くなっていく。
暗転から覚めるシーンが出る度にドキドキする。
脳がコントロールされるスリラー映画とは、
うまく言ったものだ。
世界が狭い、、 ジョナサンの行動範囲があまりにも狭すぎて ジョンと...
世界が狭い、、
ジョナサンの行動範囲があまりにも狭すぎて
ジョンとの性格の違いは、ビデオのやり取りだけでも充分伝わってきました
前半は淡々と進み、
2人がどのような生活をしてるのか
唯一無二な兄弟の関係がだんだん分かってきました
アンセル・エルゴートの顔の使い分け
凄いな、と思いました
最後タクシー運転手とのやり取りも良かった
今まで味わった事の無い、
切なく寂しい終わり方でした...
独りになったジョンは幸せになれたのかしら?まだ若い彼の、今後の行く末も気になりました
バランスとルーティンが崩壊する時…
よくありがちな多重人格のストーリーかと思いきや、なかなか洗練されていて、落ち着いたストーリー展開で良かった。
特に主役のアンセル エルゴートの演技が素晴らしい。
この肉体の主体はジョナサンなのかジョンなのか…
最後はたたみかけるようにバタバタっと強引に終わりに持って行かれた感が否めないが、そこまでもストーリー展開はよく練られていて良かったと思う。
ラストのタネ明かしはいらなかったかな、と、個人的にちょっと残念。そこは観客に委ねても良かったのでは?
もし…
子供の頃、寝ている間に、別の自分がもう一人いて、何かしてたらどうしようと思って怖くて眠れなかったことがある。
その後、相当経ってから、ミッキー・ロークとロバート・デニーロの出ていた「エンゼル・ハート」という映画(原作は、落ちる天使)を観て、やっぱり、こういう事を怖がる人はいるんだと少し安心しながら、映画が怖くて、また、一人で慄いた覚えがある。
解離性同一障害と言うと、殺人事件が伴うビリー・ミリガンだったり、何かSF的だったりすることが多いように思うが、精神科医が自分の患者を例に、アカデミックな視点で書いた自伝的小説「失われた私」は、事実に基づいていて、殺人が起きるわけではないが、サスペンスフルで、古本屋を探せばあるようにも思うので是非読んでもらいたい。
それで、この映画はというと、かなり面白かった。
まず、昼夜で人格が入れ替わること。
僕が子供の頃、思い描いた解離性同一障害がそこにあったからだ。
そして、他の小説や映画とは異なり、人格同士が補完的ではなく、対照的で、お互いの約束事を反故にしながら、それぞれの秘密を膨らませていくことだ。
本当は、この補完的な人格ではない状況は、医学的に、また正確には、解離性同一障害とは呼ばないのかもしれないが、昨今の多重人格ものに食傷気味だったので、ある意味、新鮮だった。
エンディングに向かう場面も秀逸だ。
主たる人格だと思っていたジョナサンが、それまでビデオでしか見ることがなかったジョンに徐々に侵食されていく。
観る側は、ブラックアウトする画面を挟んで、相手に対して発せられるメッセージを聞きながら、これはどっちだ?と混乱していく。
こうしたストーリーにはありがちな人格統合ではなく、一方の人格が他方の人格に駆逐されていくのだ。
最後に、サービス精神だと思うが、本人が名乗って、「ああ」と思わされるが、別にこれは無いままで、観る側に判断は委ねても良いように思った。
あなたはいったいだれですか
朝7時からと夜7時から、各々12時間ずつ仕事もプライベートも異なる2つの人格を1つの体で共有する男の話。
その日の出来事をビデオメッセージで相手に伝え、恋人は作らず一日4時間ずつ睡眠をとるという暮らしの中、基本昼の人格ジョナサン視点で物語は進み、夜の人格ジョンはビデオメッセージで登場する。
マジメで堅いジョナサンと、世間には曝せないことはわかっているけれど窮屈な生活抜け出したいジョンがすれ違い、それぞれ秘密を持っていく流れだけで、サスペンスといえばそうだけど、ちょっと変わヒューマンドラマという印象。
最後は結構慌ただしく展開していき、流れはわかるけれど明確に語られることはない締め方で、自分は少し哀しさや寂しさを感じた。
難しい?それともわかりづらい?
何の情報も、前もって入れずに映画を観ると、その内容の不思議さに注目している自分がいることに気づき、さらに、この映画のシナリオをさっぱり把握していないことにも気づがされる。
Welcome to the suburbs.
It's been a while, huh?
At least,you wouldn't have to cock for a change.
...............
Remember when we were 13,
and you figured out how to jerk of〇?
You were so excited to teach me.
I'm sorry you're unhappy.
Do what she says.And feel better,okay?.......Please.
ただこの映画には不思議な何かがあり、個人的には、いつも、小難しい映画には、すぐに拒否反応のような感情が湧いてきて退屈なものと決めつけてしまい、映画を観るという、いたって単純な作業さえできなくなってしまうのだが.....!今作はそうでもない。
2重人格というトリッキーな内容の中に、3人を要した脚本家の方たちの努力なのか、また主人公のジョナサンとジョンの二人を演じきっている、今年25歳になるのに、まるで清潔感の塊のようなハンサムガイ、アンセル・エルゴートの何とも言えない演技から来るのか.......?
シナリオが進むにつれて、あることに気づく。それは、ビデオレターでお互いのことを話すわけなのだが、ジョンのほうはなぜか、ビデオでしか登場はせず、ジョナサンの日常だけが、スクリーンには流れる?それは........先が読めてしまうかもしれない。
カトリック教会の七つの罪の一つで、それがあることにより二人のこころや生活のリズムのバランスが、徐々に崩壊していく様子を描いている。いたって強烈なイメージなしに。
過去にピューリッツァー賞 ニュース速報報道部門にノミネートされているアメリカの新聞紙、ヒューストン・クロニクルのコメント「この興味深く、念入りに仕上げられたインディーズのSci-Fi物語は控えめな「ブラックミラー」のエピソードの雰囲気を持っている。」これはイギリスのサイエンスフィクションのアンソロジーで、その「Be Right Back」のことを指しているのか?また映画サイト、Punch Drunk Criticsのコメント「 サイエンスフィクション、ボディホラー、心理的スリラーとして部分部分において、ビル・オリバーのこの映画は、往年のジキルとハイド氏の魅力的な工夫を凝らしたものである。」
amazon.comではレンタル配信が始まっていて、レビューはそこそこ支持されている。
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