劇場公開日 2019年6月21日

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ジョナサン ふたつの顔の男のレビュー・感想・評価

全25件中、1~20件目を表示

3.5NYらしさを感じさせないNY映画

2019年6月30日
PCから投稿

興奮

知的

舞台はNYなのだが、主人公ジョナサンは可能な限り世間との繋がりを持とうとせず、自宅と職場で世界がほぼ完結している。だからこの映画にはNYのランドマークや名所みたいな風景はまったく登場しない。ただ、夜になるともうひとりの自分に身体を明け渡すので、そっちのバージョンだと『タクシードライバー』みたいな映画ができるのかも知れない。

ジョナサンのマンションがあるのはルーズベルト島で、マンハッタンの脇、イーストリバーに浮かぶ細長い小さな島で、これまでも映画の中で見てきたフォトジェニックな場所だが、これまた無記名かつ没個性な場所として映し出されているのが面白い。

場所の無記名性という意味では、セリフの中に「JFK空港」という言葉がなければ、NYという設定すら気づかなかったほど。つまり、ジョナサンの「自分を世間から切り離したい」という想いがそのまま街の描写に繋がっているのだなあ。あの浜辺の現実感のなさも含めて、すべてを心象風景だと捉えて観直すもの面白そうだ。

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村山章

3.5派手さはないが、巧さとセンスが光る

2019年6月27日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

これらのドッペルゲンガー的な筋書きは小説や映画などで何度も消費されてきたものだが、しかし本作はその路線をただ繰り返す凡庸な作品のように見えて、しかし自ずと光の角度を変え、ミニマムな世界観の外へと連れ出してくれる。

派手さはないが、旨さとセンスはある。恐れ多くもそれほど高い期待値ではなかった私などは、このじわりと洗練されていく展開に「なかなかやるな」と感心させられもした。それゆえ最初の期待は低ければ低いほどいいし、事前に過度な情報や先入観を持つことは厳禁とも言える。

この手の作品はキャスティングでつまずくパターンも多いかと思う。繰り返しの描写によって基調トーンが形成されるので、この「繰り返し」に耐えうるだけの透明感と、癖のない柔らかさは不可欠。その点、アンセル・エルゴートは最適のチョイスだと言える。彼の素の魅力を味わう上では「ベイビー・ドライバー」以上に名刺代わりとなりうる作品である。

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牛津厚信

3.5スリラー?

2024年3月6日
PCから投稿
鑑賞方法:VOD

私がこの作品をカテゴライズするならヒューマンドラマかな。
殺人が起こるわけでもなく、犯罪を犯すわけでもない。
先天性の多重人格の青年の人格ジョナサンとジョンの対話の物語。
印象的には「五番目のサリー」に近い。
だが、本作は自らの領分と存在に関わる物語ながらも驚くべき静かさを維持してエンディングまで迎えるのが大きく異なる。

開始直後、映し出される2人がまず同一人物とは分からないくらい見事。
髪型などの差異はささいなことで所作がまるで違う。
ビデオレターも彼らの仕組みを理解するまでは、さながらカメラ通話かのよう。

この作品で不確かなのは「ジョン」「ミナ博士」が信用しきれないことと、「3人目の人格」の経緯が不明なこと。
ジョンの生活は彼の報告と町で出会う彼の知り合いの話で非常に断片的。
しかも些細なものではあるが、嘘や申告しないことも多く、強かに羽目を外すタイプ。
2人が母親のように慕い、頼りにする博士はジョナサンの視点ではジョンに傾倒した感触があり、2人の思慕と対称的とは言い難い印象を受ける。

これらをどう判断するかであの静かな物語の結末の感触は変わるのかも。

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昭和ヒヨコッコ砲

5.0ジョースター

2022年6月27日
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言いたいだけやろ

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ミスター

4.5まるでフランス映画のような静けさと

2022年4月10日
iPhoneアプリから投稿

二つの人格を丁寧に丁寧に描く手法は、一人の演者がやってるとは思えないくらいで、まるで別人にしか見えない。

ここまで違うと、彼女が、
顔は全く同じだが違う人間だろうと感じるのではないかと思う程、ヘアスタイルだけでなく仕草も趣向も生活スタイルも全くの別人。

多重人格
とは言え よくある虐待から起こる後天的なものと違い、赤ん坊の時からの先天性の多重人格。
しかも、それを精神科医が脳をコントロールすべく耳の後ろに昼と夜の棲み分けのための機械を埋め込んで、そしてそれはもう一人のかつていた誰かを消した過去にも繋がる。

昼間しか知らない男と
夜しか知らない男

この部分は非常にSFなのにも関わらず、予告など一切の情報なしに見た私はSFだった事すら、あまり印象に残らないくらいに ひと の精神面を深く描くもののように感じて見終えた。

精神科の女医は、彼をコントロールする機器を埋め、夜の彼の声を聞くために睡眠時間を削り続けた。
彼女にとって彼らは言わば治験者であり、ジョナサンは(たぶんジョンも)彼女を母と慕い感謝し更に医師として完全に身を委ねているが、事実としては実験材料であるのは間違いない。

そしてそれは彼女の子どもが彼女のそういう所業を許されざるもの と感じている事からも 見て取れる。
そういう点は非常に宗教的と言っていい。

映画の素材として昼夜に分けた事が面白いのだが
出来れば日にち単位にしてあげたら良かったのに、と思ってしまう(そうするとジョナサンは会社に毎日出勤出来ないけれど)

ジョンに別れを強要したジョナサンがその彼女と付き合う

ってこれはもう
別人格なんだからめちゃくちゃ怒るのはジョナサンも御承知
だからこそ言い出せないんだけれど
彼女と会ってる時に、彼が突然 やって来てドアをノックし見つかってしまうのではないかと 思うくらいに
別の彼は確固として存在した。ベッドが二つ必要なほどに。

ジョナサンが存在している時にジョンは存在しない。
ビデオ越しに時間差でする言い争いは
見てる者には臨場感を持って編集されまるで二人存在するかのようだ。

お互いの自我が 成長とともに範囲を広げ
女医が たぶん ジョンの人間性のほうにより惹かれている。

それを感じ取るジョナサンの不安

そしてラスト
交互に激しく入れ替わり
運転手はもはや 何がなんだかわかるはずもなくとまどう

その姿を見る側も混乱し 戸惑い
迷いなく立つ彼の口から出る名前に 驚愕し

第三の人物ではないか?

いやいや ジョナサンをも取り込んだのか?

かつて消された彼か?

と素直に 結末の衝撃をすら 受け入れ難いのである。

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asica

2.0思ってたのと違うような…

2022年2月3日
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鑑賞方法:VOD

何か観たことあるような…「水曜日が消えた」っぽい。このような一人の中に人格が複数ある作品は双方の間で大きな争いになるようなイメージがある。また予告を見た印象からネガティブな内容の映画かと思ったが、思ったよりそんなことはなく。むしろお互いの愛を強く感じる映画だった。
メインは日中の方のジョナサンであるが、夜のジョンの方が活発でそちらメインのシーンなども観てみたかった。しかしビデオカメラで撮ったシーン以外一切なく、徹底されていてそれもまた面白い。
主役のアンセル・エルゴートの二役演じ分ける難しい役をこなし今後注目したい俳優。

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ともーみ

3.52度観たい

2021年1月17日
スマートフォンから投稿
鑑賞方法:CS/BS/ケーブル

怖い

難しい

何の予習もなく鑑賞しましたが、終わってみれば感慨深い映画でした。
こういう展開は個人的には好きです。
静かに観て、考えさせられた映画でした。

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bigsuke

2.0人を理解することの難しさ

2020年5月26日
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鑑賞方法:CS/BS/ケーブル

WOWOWにてあらすじのみ見ての視聴。
楽しみポイントは主演の方の演技。
あとは映像(ビデオ)の使い方がおもしろい。
テーマは「人を真に理解することは難しい」かな…。
ながら観だったので詳細を追えていない部分もあるかま、この先観ることはないと思う。

脳内タイマーの設定は斬新かつ絶対やられたくない。
主治医の先生は、きちんと診てくれているのか、彼女自身何をしたいのか分からない。やけにジョンの肩を持つなと思ったら後半の伏線になっているが、理解しづらい。

二つの人格があったとき、どちらも「人」として扱うべきだろうが、弱い方(作品内の言葉を借りれば)だけを特別視するのはおかしいのでは。
人の秘密を勝手に話す行為は信じられない。

物語の進め方としてジョナサンに感情移入させるようななっているからか、人の職場を荒らすジョンに対しては良い感情を持てない。

主演以外はみな淡々と進み、まるで世界から切り離されたかのような感覚になる。同一人物の中に複数の人格があっても、それはどこまでいっても「他人」なのかな。

印象的なセリフは特に無し。

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うむぼんず

3.5二重人格

2020年5月18日
PCから投稿
鑑賞方法:CS/BS/ケーブル

主人公は二重人格の一人で、1日を半分ずつ分けて生活していた。
主人公のジョナサンは昼間でパートの仕事に精を出す真面目な男、夜間のジョンは自由奔放だった。
二人は毎日ビデオでその日の出来事を報告し合っていたのだが・・・。
肉体を共有する男たちが面白い。

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いやよセブン

3.5【「スプリット」ミニマル・ノーマルバージョン】

2020年5月18日
スマートフォンから投稿
鑑賞方法:VOD

悲しい

単純

知的

今作品の物語設定は、"似たような作品が多い"が捻り方が、良い。

もう少し、しっかり描いてくれたらなあ、と思ったのは、
・ジョンとジョナサンを幼い頃から診療しているミナ博士と、二人の関係性。

・二人の過去と、もう一人いた筈の人格がどうなったのか?そして、そこから今の二人の生き方がどのように形成されたのか?

哀愁漂う作品の世界観はとても良いし、相手を思い合うジョンとジョナサンの苦悩する姿も良い。
"サイレントSF"としても面白みはあるが、如何せん、作品にもう一つ深みがなかったかなあ。

何となく"映画館で観たら、印象が随分変わったのではないかなあ"、と思った作品でもある。

〈"余計なお世話なのは、重々承知の上で"
アンセル・エルゴートさん 「ベイビー・ドライバー」以来、作品に恵まれていない気がする。少し心配である。〉

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NOBU

3.5よくできたストーリー

2020年3月19日
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先が予想ができないストーリーで自分にとっては見たことないものだった。

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Chi

3.52つの人格が次第に対立していく様は緊張感があってどうなるのか読めな...

2020年1月14日
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鑑賞方法:DVD/BD

2つの人格が次第に対立していく様は緊張感があってどうなるのか読めないサスペンスフルな展開だったが、ある意味予想を裏切るラストだった。

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原っぱ

2.0斬新な脳タイマー

2019年7月23日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:映画館

12時間毎に切り替わる多重人格者のサスペンススリラーですが淡々と進む展開で面白みがなく内容も分かり難い。脳タイマーの独自性と斬新性は感じるがラストも盛り上がり無く終了。残念ながらこの作品の良さを感じる事が出来なかった。
2019-155

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隣組

3.5二重人格のニューウェイブ

2019年7月6日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:映画館

一つの体に二人の人間(二つの人格)が存在する。昼は内向的で規則正しい生活を送るジョナサン、夜は活発だが生活はルーズな感じのジョン。脳にタイマーが埋め込まれていて、午前7時と午後7時に規則正しく入れ替わる。

彼らはお互いの存在を認知しており、毎日ビデオでメッセージを交換しあう。まるで双子の如くなくてはならない存在だったが、「恋人をつくらない」というルールが破られたときからバランスが崩れ始めた。

端正で清潔感のある「ベイビー・ドライバー」のアンセル・エルゴートはジョナサン役にぴったりはまっていた。そして二人が恋するスキ・ウォーターハウスが魅力的。そりゃ好きになるわな。

辛口の結末が切なく、結構シリアスなドラマだが、好きな作品と言える。

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エロくそチキン

2.5サスペンス的な展開は期待できない

2019年7月1日
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鑑賞方法:映画館

二重人格の男が、昼と夜で人格を入れ替え、ビデオレターでお互いの報告をするという生活。
序盤、昼夜入れ替えの生活ってどんなんだろうと想像することに精一杯で、伏線を見逃してるかも!?と少し心配になった。他にも何か隠されているのでは?と思いながら観ていったが、そんな設定や伏線はなかった様子。
なかなか面白い設定と展開だとは思ったが、最後に驚きや感動が待っていたわけではなかった。少し期待はずれだったかも。

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kenshuchu

4.0アンセル・エルゴートを堪能。

2019年7月1日
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悲しい

知的

幸せ

まさに一人二役。二人のスリリングな関係に、アンセル・エルゴートのイノセントな演技が冴え渡る作品。
小さなスケール感ではありますが、作品の温度がアンドリュー・ニコル監督の『ガタカ』的で切ない余韻が心地よかった。

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HIROKICHI

3.0難しかった

2019年7月1日
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鑑賞方法:映画館

目の保養がてらいった自分がアレですが、話がちょっと自分には難しかった。

いや、今回は客のマナーが最悪だったのが悪かったのかも。
隣の方のスマホの何度も聞こえるバイブ音(電源切れよ!)、後ろの二人組のおばちゃんの会話、ここでいうことではないですが、最近は本当にマナーの悪い方が多い!まさかカリテでこんな経験するとはな。

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サメちゃん

4.0見方によって全く形を変える多重人格ドラマ

2019年6月26日
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怖い

知的

彼らはひとつ部屋で暮らしている。
ジョナサンは朝7時に目覚めてランニングの後仕事に行き、夕方までには帰宅、家で食事をとり、眠りにつく。ジョンは夜7時に目を覚まし、夜間の仕事やジムでの運動の後、朝7時までに眠りにつく。
二人の生活は交わる事はない。一日の出来事全てを、ビデオレターとして相手に残し、情報を共有している。
隠し事は禁止、嘘を吐かない、恋人は作らない。ルールに従った規則正しい生活共有。
しかしある日、ジョンに恋人ができ、それをジョナサンに隠していた事が発覚する。ルール違反をなじり、恋人との別れを強要するジョナサン。
互いへの信頼の綻びが、徐々に二人の関係や生活バランスを崩していく。

一人の女の存在が、二人の男の関係を壊していく。ドラマとしてはありきたりの設定だ。しかしこの愛憎の拗れが、この作品では、一人の人間の内側で繰り広げられる。
一つの体をきっかり一日の半分ずつ共有する、正反対の別人格。互いを気遣い、相手の好物を買い、女の存在に揺れ動く二人の関係は、二人が口にする兄弟の域を越えて、まるで同姓の恋人同士であるかのようだ。
ビデオを残さなくなったジョンを、戻らないと表現し、「寂しいよ、帰ってきて」と呼び掛けるジョナサン。一日空いたビデオレターに、「大丈夫か?」と心配を覗かせるジョン。確かにここにいる筈なのに、ビデオを介してしか存在を確かめられない。
別の個体としての個性と意識を持ち、自分の生き方を見出したいのに、肉体はゼロ距離、しかも互いに抱き締めて愛情を伝える事もできない。共依存と脱却の間でもがき苦しむような、二人の関係。

映像は、常にジョナサンの視点で流れていく。ジョンの姿は、彼の残したビデオレターの中にしか現れない。だからこそ、そのビデオが途切れてしまうと、ジョナサンにも観客にも、ジョンの行動や思考は全く窺い知れなくなってしまう。
自分の認知できない間に、何が自分に起こっているのか、知り得ない不安。明日の目覚めは訪れるのか、眠りにつく事への恐怖感。
プツリと物語を断ち切るフィルムの暗転が、効果的にジョナサンと共に観客をも追い詰めていく。

二人の別人格を、服装や髪形だけでなく、表情や語り口を駆使して巧みに演じ分ける、アンセル・エルゴートの演技は
必見。
登場人物も少なく、殆どが自宅や職場、ビデオを介した二人の会話で進んでいく。よくある筋立てとごく狭い範囲の映像構成なだけに、その表面だけを追うと、つまらなく感じてしまうかもしれない。
しかし、観客が何処に注目し、どんな感情移入をするかによって、サスペンス、スリラー、心理劇、ラブストーリー、ヒューマンドラマ…。様々な表情が浮かび上がってくる作品であるように思う。

ラストシーンの解釈も、人により全く変わるだろう。台詞のままに捉えれば、ごく単純な結末なのだが、作中、何に焦点を当ててるのか…と思うような、不思議なアングルで切り取られるシーンがあったりもするので、もしや何かの伏線情報が…と、深読みして、もう一度じっくり見直し、考えたくなってしまうのだ。
私にとっては、多面的で謎めいた、不思議で面白い触感の作品だった。
もっぺん見ようかな…。

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しずる

3.5語り合いたいラスト

2019年6月26日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:映画館

ジョナサンとジョンを見事に演じ切るアンセル・エルゴートでした
一人の体に二つの人格、ルール違反するまではうまくいってる感じだったのに、途中からお互いへの愛情、嫉妬、嘘からの小さな綻びがラストに向けて急展開していきます
予告ではサスペンスかと思いましたが実際はそうではなく、全てを観せないでストーリーが進んでいくので、その余白部分を想像させられてとても楽しめました
ひたすら真面目で地味なジョナサンが切なかったです
観終わったあと誰かとラストを語り合いたくなる、そういう作品です

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小町

3.5日本サブタイトルは不要

2019年6月23日
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119.常に一人格のみを描いているため、効果的なラストとなっている

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movie