「聴覚障害でなくて超能力者、盲導犬じゃなくて無敵犬」見えない目撃者 kozoiさんの映画レビュー(感想・評価)
聴覚障害でなくて超能力者、盲導犬じゃなくて無敵犬
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聴覚障害者が音を頼りに周囲の物事を判断する様子をうまく映像化してるとおもう反面、ヒロインや介助犬がいくらピンチになっても死なないのがわかるご都合展開がどうしても馴染めなかった。
介助犬つれて目の見えない人が、はじめてくる地下鉄をガンガン階段下りたり地下道を走ったりというのはなかなかできないとおもう。
犬を先に逃すかと思いきや呼び止めちゃって結果として犬刺されちゃうくだりは、ひどすぎる。
あとあの犯人が「逃走中」のハンターばりに悠々と歩いて追いかけてくるのも不自然。そここそ走れ。
被害者が目が見えないから油断してるのかしらないが、サイコキラーが対象の力を甘く見るっていうのはありえない。全力でいくでしょ。相手はもう自分が連続殺人犯と気づいてるのに、バレることを恐れずその場に放置するのも変なはなしだ。
そりゃ主人公は死ななくて当たり前だけど、いくらなんでも無敵すぎる。警察が何人も刺されて死んでるのに犬はケロッと蘇ったり、総じてバランスが悪い。それなら犬も殺されてなきゃおかしい。犬に危害が及ぶ描写は生理的にダメなのでその時点でアウトですが。
被害者たちは「羊たちの沈黙」ばりにグロい殺され方しているのに。
ハリウッドにしてもなんにしても物語上、犬さえ殺さなきゃ人間は死んでもいいみたいな逆転現象がおきててまんまそれに当てはまる作品だった。
細かいディテールや生死の部分をあやふやにしちゃうと、それだけで興醒め。
儀式殺人のくだりは20年くらい前のアナザヘブンや沙粧妙子のようで、(中2くささはあるが)良くできているだけに残念。
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