「ソトヅラだけの、なんちゃってノワール映画」パラダイス・ネクスト ソビエト蓮舫さんの映画レビュー(感想・評価)
ソトヅラだけの、なんちゃってノワール映画
キャスティングだけで鑑賞チョイスしたが、
それが10分で間違いだった事に早々と気づいた。
分類でいうと、ノワール映画ということになりそうだが、
主人公の、妻夫木聡と豊川悦司の人間性や、
抱える事情や問題が、まるで見えてこない。
佳境に入るまで、時間は余るほどあるような話なのに、何も説明せず、
なぜか、トヨエツにタバコ吸わせる機会だけは、何度も与えるだけなのだ。
どこまで行っても一服の時間。タバコのCMでも撮ってたのだろうか。
妻夫木も、冒頭部分の描写から、なにか深刻な事情は抱えてそうな人間なのに、
だからこそ台湾にいるはずなのに、
やたら軽薄で、お調子者で、冒頭とは別人のような雰囲気。
クライマックスの時と、それ以前との人物像が断絶していて、
繋がりもなにもない。
なんか、男性ファッション誌を見ているような、
服装とか雰囲気とか景色だけの、ソトヅラだけの映画で、
内面的なところが空っぽに見える、「なんちゃってノワール映画」だった。
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