リトル・ジョーのレビュー・感想・評価
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鮮烈に映える赤と、まさかの音楽との怪しげな融合がもたらしたもの
奇譚小説を紐解いたようなゾワッとした余韻が残る一作だ。恐怖心を刺激するホラーではないし、矢継ぎ早に展開するタイプでもない。作り手によっては、このストーリーなら短編映画くらいがちょうど良いと感じる人もいるはず。だが、逆に言えば本作を長編映画として芸術的、心理的に淀みなく奏でうる描写力こそがジェシカ・ハウスナー監督の肝なのだ。細部まで張り詰めた空気は、冒頭のラボ内で赤と青のコントラストが映し出される瞬間から冴え渡る。それ以降、日常にそっと赤を差し込ませるだけで、花の存在感や心的作用を暗に示すことが可能に。また、エミリー・ビーチャム、ベン・ウィショーらキャスト陣の巧みな心理表現あってこそ、花のしわざか、それとも精神的に追い詰められているせいか、という究極の命題がどちらに振れても成立する複層的な構造ができ上がる。雅楽の用い方も日本人には絶対着想しえないもの。発明的なマッチングにゾワゾワ感が増した。
効果音と音楽がジャマだけど
雰囲気はとても好き。限りなく現代な近未来(なのか?)、清潔だけど不穏な空気、ドント・ウォーリー・ダーリンとかビバリウムとか大ヒットしてないけど不気味なポップディストピアのイメージ。でもこれ、アリスに肩入れし過ぎて見ると超不完全燃焼な何も解決しない系ほっぽり出し映画になってしまうのかも。評価が異常に低いのはそのせいなのかなと。影響受けてるのは(と思われてるのは)もともと精神不安定な中年女性と母親から放置されがちなティーンネイジャー、ってことはほっといても変な行動取るよね?それを疑心暗鬼な目で見たら身近なものに責任押し付けたくなるよね、とハスに構えてみると、「最初から事件なんて何も無いのだよ」と思わせといて、匂わせのラストまで嫌いじゃないです。もうあとは読解力と言うか、自分の好みで回答出せばいいもんね。製作陣が何も考えてないでボヤかす映画はムカつくけど、これはちゃんと誘導路が複数あったうえで、さあどっち?と問うてくれるから、出来の良いいい映画だと思いましたよ。ただ音楽とそれに輪をかけて効果音がジャマでしたね、全然場面にそぐってない。途中外の音なのかと思って映画を止めて家の中見回りしちゃったほど。不穏な空気を出したいのかも知れないけど、無音だって不穏を作れるよ。
監督は日本推しなのか⁈
雰囲気はとても良かったのに、作中でしょっちゅう流れる太鼓や雅楽のような笛の音やらがめちゃくちゃうるさくて音量小さくしながら鑑賞(汗)
意思を持ってると思われる“リトル・ジョー”の不気味な演出や、少しずつ雰囲気が変わる登場人物たちの変わり様が作品の面白さを際立たせていたのに、監督がニホンダイスキー!なのか知らないけれど、とにかくセンスのない音響の合わせ方で全て台無し。
映像の中にもお寿司みたいなのを食べたり、招き猫が置いてあったりと日本を感じさせるものがあり、それが逆にチープさを出してしまっていたように思う。
結局、主人公も最後はリトル・ジョーの花粉にやられてしまったて事ですかね?
そうやって、人間を操って自分たちが繁殖できない代わりな人間達に栽培してもらうのが目的だったのだろうか…?
設定は面白いと思うのにもったいない作品だったなぁ。
東西問わずに独裁者に嗅がせれば?戦争なくなれり♥
化学的にはオキシトシンを増幅させるような香りを放つ植物は向精神薬の類になると思うが。つまり、麻薬だ。こんな安易な管理はありえない。
理解出来ない鑑賞者は『大麻』を思い浮かべれば良いと思う。
映画の主旨はそれだけ。だから、音楽を和風にするのは『王女メディア』パゾリーニ作をリスペクトしてるのかなぁ?
まぁ、空回りしてるけどね。
『リトル・ショップ・オブ・ホラーズ』見たくコメデイにすれば良かったかなあ!
こんな架空の毒物に一喜一憂するなら、放射性物質を考えるべきだね。
ウィルスが原因なら、マスクは駄目だってパンデミックの前に言っていた。化学者が『たかが植物の問題よ』なんて言う訳が無い。天然の毒物の殆どが植物由来である。そんなこたぁ牧野先生じゃなくても知っている。
まぁ『NATOに入れば幸せだよ』と言ってるのかなぁ?
ネタバレ
ネタバレ
最後にベトナム料理食べて紅い花って社会主義に対するアイロニーだネッ。あまりセンスのない、言い尽くされた古いギャグだネッ。
品種改良によって繁殖ができない植物。 「彼ら」は花粉によって人間を...
品種改良によって繁殖ができない植物。
「彼ら」は花粉によって人間を操り、自分たちの味方に変えていく。
ただ、本当に植物の仕業なのか、それとも人間たちの妄想なのか最後まで分からない。
植物に悪意があるわけではなく、生き残るための手段と考えられる。
単なるスリラーではなく、自然の摂理を人間がコントロールすることの弊害も訴えられている。
考えさせられる作品だ。
見たら損するレベル
人を幸せにする香りを出す植物、はあー?
そんな研究に金と人員を投入すること自体アホクサイと思うのだが。それ以上にこんな映画造って何が面白いのか、と問いたい。実にアホクサイ作品でもし映画館でこんなもの見せられたら「木戸銭返せ!」と怒鳴って出ていったことだろう。途中から倍速で飛ばし観したがそれでも時間がもったいなかった。
カンヌ狙いでエセ和風かぶれスカタンものです‼️❓
なぜか、最初から最後まで、尺八と太鼓のような、へんな音響で、まず、トホホ。
展開は、科学的のようで非科学です、失笑ものです、はー。
主演がカンヌ主演賞らしいですが、まるでコントです、トホホ。
最後まで観ましたが、かなり苦痛でした。
映画館でないことが唯一の幸いでした。
この落とし穴にはまらないように、忠告のレビューです、よろしく。
ブラックな幸せ!!
TSUTAYAで借りたDVDで鑑賞。地元のTSUTAYAには1本しか置いてなかったです!!リトルジョーという花粉によって人々がおかしくなっていくお話。まるで英国版世にも奇妙な物語。まぁ、こういう幸せならいいかなって感じ。犬のベロとベラは死んだけど?。とりあえず、評価2.5にしました!!☺ 明日、YUMMYヤミーというゾンビホラー映画借りてきたので観ます!!以上。
最後に大きな疑問符を残して終わる『リトル・ショップ・オブ・ホラーズ』リスペクトの滲んだ不思議な物語
新種の花を育成する研究所に勤めるアリスは研究に没頭する一方で、アリスの帰りを待つだけの息子ジョーは孤独を募らせていた。ある日アリスは人に幸福感を与える香りを放つ新種の植物を作ることに成功、息子に因んで“リトル・ジョー”と名付ける。確かにその花の香りを嗅いだ人間は幸福を感じるようになるが、彼らは皆奇妙な行動を見せ始める。
独特のテンポで進む不思議な雰囲気を持つ作品。明らかに『リトル・ショップ・オブ・ホラーズ』へのオマージュが滲んだ物語ですが作品トーンは全く異なり、アリスの周りにいる人達が花の香りに影響されているのか、今まで見せてこなかった内面を吐露するようになっただけなのかが判然としない不穏な空気が最初から最後まで漂っている掴み所のない作風。ジョーとのギクシャクした関係に苦悩するアリスの姿は思春期の息子との距離感の詰め方が判らない母親あるあるなので、意外と親近感が湧くのも不思議な感覚。そんな身近な現実とフィクションの境目を曖昧にするアリスを演じるエミリー・ビーチャムと、アリスに想いを寄せていて尋常でないテンポで間合いを詰めてくる同僚クリスを演じるベン・ウィショーのゆったりとした演技が導く大きな疑問符が刻む禍々しい余韻が観賞後もじんわり残ります。
美しき征服者。なーんちゃって。
Little Joeって言うイタリア生まれのクルマ用の芳香剤があるんですよねぇ。日本でも売られてます。この映画の構想って、日本人じゃないん?って思ったのは、俺だけじゃないと思います。
寿司のデリバリー。音楽が雅楽だし和楽器。ベラとベロ。何よりも、このストリーのプロットって、星新一さんとか楳図かずおさんとかが、昔書いてそうな感じ。植物やロボットや人工知能が、自分を守るために異能を発揮してヒトを思い通りに動かす、って言う類の。
不気味で不穏な世界観を持つストリーは、「世にも奇妙な物語」の一話。もしくは「トワイライトゾーン」の一話分、のコンテンツ。ちょっとダレました。ダーク・ファンタジーにしても、スリラーとしても、ホラーとしても、何か中途半端なんですが。
花粉が幸せな気分にしてくれるけど、自分が自分で無くなってしまう。それはすなわち、生まれ変わりであり成長とも解釈できる訳で。人を成長させて、自分の身を守らせるのならWin-Winじゃないっすか?人を狂わせるなんて、とんでも無い。と。こうやって世界を征服して行くんですかねぇ、って所に、少しだけゾクっとした。
雅楽とホラーの組み合わせが、結構面白かったです。
これはアートの仮面を被ったギャグ映画
映像と音楽のちぐはぐさは、不協和音にさえなりきれていなくただただ不快な音だった。
意図的に一度だけ使用する音楽ならスパイスが効いて効果的だったのかもしれないが、終始流れる尺八と和太鼓には苛立ちしか感じなかった。結果、この映画はギャグなのかと感じた。音楽、途中食事のシーンの寿司、フォーを無意味に出してくるあたり、異文化に憧れる監督の自慰行為である。
ストーリーに関しても突っ込みどころ満載。
アリスよ、そんなマスクの付け方でよく最後まで感染しなかったな。マスク上部のワイヤーは鼻の上でしっかり形作り、頬の隙間はなくすのがマスクの正しい付け方であろうに。
あとジョーが彼女と施設に潜入した時のドアロック解除のパスワードが『リトルジョー』て、、、結果ギャグ映画。
リトル・ショップ・オブ・ホラーズみたいな感じを想像してたら違ったけ...
リトル・ショップ・オブ・ホラーズみたいな感じを想像してたら違ったけど、
外堀からうめられてくような・・ジワジワ、
ゾワゾワな不穏な空気感が好きでした。
ベン君、久々に見たしな。はよQ観たいなぁ。
教祖 花「リトル・ジョー」という宗教の話
ストーリーの目の付け所は、悪くないと思うんです。でも、全体的に、ちょっと残念なんですよね。
まず、音楽…。なんですか?この日本風の音楽は…?日本をリスペクトしてくれてるんですか?でも、似合わないんですよね。妖しい雰囲気出したかったのかもしれないけど、活かされてませんでした。
それから、まるで、花が、意思を持つかのように描かれてましたが、なんだかなぁ…。動物とか、AI が意思を持つのは、あまり不自然に感じないけど、さすがに、花だと、あまり現実味がない。なんどか、大麻のようなドラッグを栽培してるように感じられました。
感染した後は、まるで、宗教のようでしたね。教祖 花「リトル・ジョー」ってね。
そして全員が感染して…どうなるの?
ベラの愛犬ベロ・・・父親はベムか?
色と音楽が全て。予告編を見たときから赤で統一された毒々しさが感じられたのですが、意外にも白衣ならぬ緑衣の研究員たちと食堂の淡い緑により、独特の雰囲気が確立されていました。そして音楽。和太鼓、尺八、笙など純日本風雅楽によって異様なまでの能世界を堪能できるのです。そーいや、寿司も食ってたなぁ。
感染モノだと予想していたのに、遺伝子操作による植物リトル・ジョーから人間への感染のみでした。人から人へは移りません。Rウイルスから品種改良を行ったとか説明されてましたが、遺伝子組替えそのものに疑問を呈したテーマがあるのでしょう。さらに不稔性(植物の受精不可能)にしたため、花粉は自己保全のために人間の脳に保護するよう命令をくだす・・・と言ってた気がする。
離婚した夫婦という設定も、自然を愛する夫と人工的植物を研究する妻とじゃ意見も違っていたためだろう。親子の溺愛という性質も植物に受け継がれたかのように、花粉が飛び交い、表面上の愛によって幸福感を得られるものだった。
ベラの愛犬がおかしくなったこと以外、それほど大事件も起きなかったが、こうやって人間の心さえ変化させる植物にも興味津々となった。もしかして、平和で従順な人間を作るのに効果的なのか?エンドロールの「ハピネス、ビジネス♪」という気持ち悪い歌がぐさりと突き刺さる。また、どことなく日本愛を感じ、黒沢清みたいな作風によって印象に残る映画となるのでしょう。数年前に流行った青いバラをもう一度見てみたかったり・・・
新型ゾンビを作り出すお花
人を幸せにする香りを放出する花の研究をする過程で、周りの人々の様子がおかしくなる…という予告からのイメージを受けて、展開が気になって鑑賞。
レビューを見なかったので
グロめのホラーだったらどうしようかとびびっていたのだが、
ホラー要素はほとんどなく、淡々と最後まで進む。
たぶん私は家で見ていたら集中できないレベルで展開が緩やかである。
恐怖ポイントとしては、
見た目も行動も一見変わらないのに、リトル・ジョーによって着実に感情を支配している点である。(映像とか行動でそこが際立っていたらもっとよかった…)
人を食べるゾンビであれば、相手が感染していることにすぐに気がついて、別人になってしまったと割り切って戦える。
一方でリトル・ジョーに感染した者たちは、普通なのである。
感染していることが分からないし、勘違いだと思える程度であるため、
目の前にいるのは知っている人間なのか、感染したゾンビなのか分からない。
その人間の情の弱い部分をついて、感染を広げようとする仕組みは新型ゾンビのようである。
(ベラは見切りが早かったが…)
前半はずっとリトル・ジョーを悪のように思っていたけど、
中盤でアリスのカウンセラーがメッセージをレコーダーに録音するシーンで、
おやそっちの話?!とちょっと期待させる。
もしかして、向き合いたくない現実を未知のウイルスのせいにして逃げているんじゃ?!
愛犬の変化を受け入れらない、反抗期の息子を受け入れられない彼女たちが
悪の対象をつくることによって精神の安定を保とうとしている話か?!
リトル・ジョーはただのいい匂いのするお花なのでは!?
……と思ったのも束の間、最初の流れのままお話は進んでいく。
映画としては単調かもしれないが、
こういった感じでところどころ考察したくなるテーマが散りばめられていて、
じっくり味わいがいのある話だった。
あと気になったテーマは
・植物に責任はない。生み出したあなたに責任がある。
・感情なんてどうでもいいじゃないか。
・幸せな気分になれるならそれでいいじゃないか。 など。
結局のところ、
最後にワーカーホリックのアリスは仕事に集中できる環境を手に入れた。
たまにしか会わない父親が気がついた息子の変化に
一緒に住んでいても気がつかない母親だったのだから、
一緒に暮らしたいという感情は本心ではなかったのかもしれない。
結果的にリトル・ジョーはアリスの一家に幸せをもたらしたのではないだろうか。
あぁ眠かった 今時、ちょっとおかしな映画に遭遇
遺伝子組み換えの技術で新種の植物を開発中の離婚ホヤホヤのシングルマザーの研究員が主役のお話し。
人を幸せな気持ちにさせる花を開発します。花の香りによって、オキシトシンの分泌を強く促すことにより、幸せになるそうです。しあわせというより、オキシトシは優しい気持ちになるわけで、幸せに感じるかは、人それぞれだと思うんだけど。嗅覚から大脳辺縁系のニューロンの説明図もたびたび出てきました。
実はその花はまだ認可されていない【Rウイルス】を使った遺伝子操作法により作られた。オキシトシの分泌を促すかどうかの実験シーンはなかったが、得体の知れない作用をめぐる心理サスペンスがメイン。植物は繁殖力は抑えられている。そのため、個体を長く維持させるために、植物自身が人間が他のことに愛情を注がず、無頓着になり、その植物の生存にだけ有利になるよう人間をコントロールするようなウイルスを出す。嗅神経を介して脳細胞内に感染させて、人間をコントロールする。それによってあたかも、もの分かりの好いいい人になったり、すぐ親離れしたり、子離れしたりするように見えるし、幸せそうにみえる。主人公も旦那に子供の親権を渡して、黒人男性と新生活を始めるシーンでぷっつり終わる。
設定は花ですが、いかにも、悪女の深情けのようなおはなしでございました。どうりで、監督は女性で、全体にサイケデリックな色使い。研究員のお揃いのライムグリーンの白衣はとても綺麗で、おしゃれでした。主役の女優さんの白衣姿はすごくキュートでした。
花よりだんごの私は、吉祥寺の餃子屋でビールを飲んでスッキリして帰りました。
まあまあだった
淡々としていてけっこう退屈した。リトルジョーの危険さが非常にさりげなくて、みんなが花粉を吸えばいいのではないかとすら思う。お父さんの一人暮らしする荒野の一軒家をもっと見たい。
4,50年前のSF短編
レトロフューチャー的セットや衣装は魅力的。
ただ、本筋のストーリーが、昔あったような、藤子・F・不二雄が描いてそうなもの。「で?」といいたくなる。
(支配されて)幸せになって何が悪いの?何も変わらないよ。というジョーの台詞が監督の本音なんだろうなあ。
そのオチ面白かったのは、半世紀前。
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