パラサイト 半地下の家族のレビュー・感想・評価
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なんとまあ面白いこと。
お父さん、あんなにニヤニヤしてたのに!お父さん息子と娘の前でそんなこと言われて!!ああ、もうお父さーーーん!!
後半居た堪れないこと甚だしいけど、誰が悪いわけでもないところが怖い。結局そこのレールに乗らなきゃ生きていけないという絶望。
哺乳瓶とか、逆噴射トイレのタバコとか、BBQ串と犬とか、いや〜な描き方がホントに上手いですね、ポンジュノ。
鑑賞後にアカデミー賞4冠の快挙を知る。
おめでとうポンジュノーーーー!!!
期待ほどの意外性は無く。。
アカデミー受賞当日のレイトショーで鑑賞。
ほぼ満席でした。
町山氏や宇多丸氏の評価からずっと楽しみにしていました。
前任家政婦が訪ねるまでは、映画に乗れたのですが。。
そこからの展開は 期待ほどの意外性は無く なんとなく色々死んじゃうんだろうなあと思った通りで、観賞後はただ嫌な気持ちになって終わった印象です。
前半のテイストで最後まで貧富差を風刺するような形にしてくれたほうが好きかもでした。
今の自分の感覚には合わなかっただけだと思います。
カブスカウト?カブスのスカウト?
2020年映画館鑑賞9作品目
アカデミー賞だのカンヌだのと海外の賞を獲るような作品だと観客が多くて窮屈だ
日本国の住民は権威に弱い人が多い
韓国の役者で大好きなのはソン・ガンホとペ・ドゥナ
そのうちのソン・ガンホが主演なら観ないわけにはいかない
貧乏一家が金持ちのおかげで仕事にありつきその家に住み着く話
基本的にコメディーだが庭でのホームパーティーあたりから元家政婦の夫が発狂しサスペンスになってしまった
ダウンタウンのごっつええ感じでコントの最終回がなぜかホラーみたいになってしまったがそれを思い出した
サスペンスだの格差社会だのアジア初だのと宣伝する人は必死に煽るがそのわりに笑えるところ多し
あまり期待しないで気楽に観たら面白いはずだ
たしかにソン・ガンホは体臭がキツそうだ
僕はパヨクじゃないので格差社会がどうしたこうしたを論じる気はないしそういう人たちとは全く共感できない
もちろん富裕層はでない
そのての論評は退屈で読む価値がない
そういう視点でこの作品を語りたくない
女同士だから貧乏人同士だからとそれだけで価値観を共有することはできない
いい年して富裕層を妬むようなみっともないことはしたくない
半地下ってそういうことか
日本にもこんな物件があるのかな
村上春樹が若い頃に海外で半地下に住んでいたらしいが
女優陣の芝居が良かった
パク社長の奥さん役のチョ・ヨジュンや主人公キム・ギテクの娘役のパク・ソダムや追い出されるも戻ってくる家政婦ムングァン役のイ・ジュンウンこの3人は素晴らしい
特にイ・ジュンウンがすごい
家政婦をしていたときと家政婦を辞めさせられ荷物を持って屋敷を出るときと屋敷に戻ってくるときが全くの別人という怪演ぶり
ついでに役者の名前はわからないが家政婦の夫役も迫力があってハラハラドキドキさせてくれた
パク夫妻のソファーでの愛撫はすごかったね
胸はわかるけど股間までいくかな
女優の股間まで掴むなんて三国連太郎でもやらなかっただろう
息子は絶対死んだと思ったが生きていた
でも娘は死んだのは残念だ
娘も生かしてほしかった
なぜパク社長が殺されなければいけなかったのか理解に苦しむ
理不尽だ
地下に潜むキム・ギテクを発見することができない韓国の警察が無能すぎてリアルじゃないが映画は虚構だからそれは受け入れよう
あと韓国でもお腹が空くことを「ペコペコ」って言うんだね
韓国が日本だったときの名残かな
外国の映画は日本と文化が違うので?が多い
ポスターやパッケージを観て面白そうだと観てみたら全くつまらないということがあるのが洋画の怖いところ
邦画だとこれは自分に合わないなって映画レビュー見なくてもだいたいわかるから映画館では避けられる
今回は当たりの部類だが僕はどちらかというと日本映画の方が好きだな
日本の役者が日本語で芝居する方が脳に入りやすい
万引き家族と比較するなんてナンセンス
外国の作品を悪用して邦画を全否定する人の頭の中身の方が日本のエンターテイメントより問題があると思うね
赤裸々に描かれる韓国社会の格差
半地下で暮らす家族が金持ちに"パラサイト"していく物語。金持ち家族に仕事を貰い、安定した地位を確立したと思ったが実は豪邸には隠された秘密があった。それは豪邸の地下室に"パラサイト"していた人間だった。
家族の息子は友達から貰った成功のキッカケになった石を地下室に持って行き成功を分け与えようとしたが、錯乱した男に気絶させられ、男は半地下の家族に復讐しに行った。男を止めた家族だったが、男をゴミのように扱った豪邸の主人を許せなくなった半地下の男は主人を刺殺した。
元家政婦笑
話題のパラサイトですが、ワイドナショーで松っちゃんも言ってた、状況的に全く知らない人間(元家政婦)をリスクを犯してまで家に入れるのは不自然では..問題は確かにあるのですが...
あの.."ボンジュノ"監督作品なんです!!
っていう世間の評価ほど乗れませんでした。
良い意味でコメディタッチで進む前半とガラッと展開が変わる後半みたいな取り上げられ方をしてますが、この手のほとんど救いようのない展開、ラストはメジャーどころの韓国映画ではデフォルト(チェイサーや悪魔をみた)だし、ボンジュノ上げがあまりにも過ぎませんかね..
と思いました、なにより感情移入できる(ちょっとイイ奴)が息子のみてオヤジもお袋も娘もいけ好かない人間でしかないのが決定的にダメでしたし、いけ好かない家族の明るい未来を示されても、はぁ?って感じです。
物語の詳細は解説を御覧下さい笑
この映画にハマった方は是非"チェイサー"の視聴をオススメします、何倍も面白いです!
人間の運命の底に到達した、まごうことなき傑作!
(完全ネタバレですので、必ず映画を鑑賞してから読んで下さい)
この映画は絶賛されていると思われますので、今更自分が感想を書くこともないのですが、一般的ないわゆる格差社会の貧困を描いたから評価されている、というのはこの映画を正確には評価出来ていないと感じましたので、自分なりの感想を書いておきます。
この映画『パラサイト 半地下の家族』が絶賛されている本質は、表現が
<人間の【運命】の底に到達している>
ところだと思われています。
この映画では、ラストに金持ちのパク家で殺人事件が起こるわけですが、よく見るとパク家の家族は殺されたり被害者にならなければならないような落ち度がある家族ではありませんでした。
パク家の妻のパク・ヨンギョ(チョ・ヨジョンさん)は少し抜けてはいても基本はいい人で、夫のIT社長のパク・ドンイク(イ・ソンギュンさん)はパラサイトしていた側のキム家の人々と壁を少し感じさせても殺されるまでの行為はしていません。
パク家の息子のパク・ダソン(チョン・ヒョンジュンさん)は地下の住人とどこかシンクロしていますし、娘のパク・ダヘ(チョン・ジソさん)に至ってはこの映画の主人公である貧乏家族の息子キム・ギウ(チェ・ウシクさん)を背負って瀕死の状態から最後に救い出そうとしている場面が描かれます。
いったいこの家族が殺人事件に直面し、いい人であった妻のパク・ヨンギョが最愛の夫を失う必然は本当にあったのでしょうか?‥
この疑問はパラサイトしていた側の貧乏家族であるキム家についても言えます。
貧乏家族のキム家の妹のキム・ギジョン(パク・ソダムさん)は、殺人事件が起こる直前にパク家の地下に取り残された元家政婦ムングァン(イ・ジョンウンさん)とその夫で地下の住人であるグンセ(パク・ミョンフンさん)に食事を持って行こうとしています。
つまりキム家の妹キム・ギジョンは、地下の住人に心を掛けている優しさを持っていました。
しかしこの殺人事件で地下の住人のグンセに殺されるのは、この地下の住人に最後食事を持って行こうと心を掛けていたキム家の妹のキム・ギジョンでした。
いったい彼女が殺される必然はあったのでしょうか?‥
おそらくこの映画のポン・ジュノ監督は、この場面を明確に意図してこのようにそれぞれ描いていると思われます。
ここで描かれたことは、
【良い行いをしたから救われ/悪い行いをしたから罰せられる、訳ではない!】
ということだと思われます。
つまりポン・ジュノ監督は、この場面で【救われるか救われないかは、単に偶然だよ】と表現していることになります。
そして、貧乏のキム家族も、金持ちのパク家族も、なぜそういう境遇に置かれていたかを考えれば、表層的には本人らの努力(あるいは努力不足)があったのかもしれませんが、突き詰めて考えていくと、それは結果として【偶然】の積み重ねがあったからそうなったとも言えます。
そして私たちは、その【偶然】の積み重なりを【運命】とも言い換えたりもしています。
貧乏家族のキム家の父であるキム・ギテク(ソン・ガンホさん)がなぜ最後に突発的とはいえ殺人の犯行に及んだのか?
もちろん”臭い”はトリガーであり、洪水とキム家の中への汚水の浸水は心の決壊を引き起こしたといえますが、本質は【運命】に対する暴発的な異議申し立てだと思われます。
(だからこそ、キム・ギテクはIT社長のパク・ドンイク個人への恨みが動機ではなく、殺害の後しばらく経ってから彼に謝罪の独白をしています。)
貧乏家族のキム家は、主人公の母であるキム・チョンスク(チャン・ヘジンさん)を含め、父のキム・ギテク、主人公の(息子)キム・ギウ、妹のキム・ギジョンの4人とも計画の頭が回り、【運命】に抗うためには何をやってもいいのだ、との前半のコミカルなたくましさが肯定的に描かれます。
それとの対比である最後の殺人現場は、【運命】に対する挫折をより一層際立たせ、私たち観客に、【運命】に抗う肯定感の後に、【運命】に翻弄されて挫折もしている現実の自分自身を思い起こさせて、深い感銘を受けることになったと思われます。
なぜこの映画は、(本来、表面的には悪人に見える)金持ち家族を良い人に描き、(本来、表面的には善人に見える)貧乏家族を計算高い人間に描いたのか‥
その理由は、問題をどちらの家族の個人に原因を還元するのではなく、【運命】に抗いながら翻弄されて挫折もしている人間の深さを描いたからだと思われます。
(※主人公の貧乏家族の息子キム・ギウは、妹とは違い、(おそらく)地下の住人を始末し決着しようと最後に岩を持ってパク家の地下室に向かいます。
しかし、地下の住人であるグンセに殺されたのは、彼らを始末しようとした主人公キム・ギウではなく、食事を持って行こうとしていた妹のキム・ギジョンの方でした。
このこともポン・ジュノ監督が偶然のあるいは皮肉に満ちた【運命】を描いているところと思われます。
主人公キム・ギウが、妹の死を知り殺人事件を知ることになって笑いが止まらなくなるのも、悲劇が喜劇に見える【運命】を表現していると思われます。
最後の、おそらくかなわない夢なんだろうなとも思わせる、主人公の未来への妄想をも含めて‥)
世界中でこの映画『パラサイト 半地下の家族』が絶賛されているのは、そんな私たちが甘受している(格差社会や時代をも含む)人間の【運命】の深い底にこの映画が到達しているからだと思われています。
(もちろん、その【運命】を地下と地上という<構造>としても画面に描いた素晴らしさもあるのですが‥)
表層の、個人が周りがどうにかしてないからこの問題が起こっているのだ、格差社会の貧困が描かれているから素晴らしいのだ、の分析は、この映画の本質を捉えていないと個人的には強く思われています。
そしてそんな善悪がきっぱり分かれていて、善の側に立つ主人公が善のまま、悪の側を倒すといった(個人的には底の浅いまやかしの)主張がまかり通り、そんな人間理解の浅すぎる(つまらない)作品が、勘違いの元で作られていることもまた事実です‥
そんな表層の喧騒から遥かに遠い地点に達し、この映画は、【運命】に抗い翻弄される私たちに、逆説的に勇気を与える作品になっていると思われています。
まごうことなき傑作だったと今も強く思われています。素晴らしい作品をありがとうございました。
痺れる〜!
主人公は姉の死と直面して何故笑顔だったのでしょうか?鑑賞後1時間考えても分かりません
追伸:貧困サイドのお父さん役の方、チョコレートプラネットの長田さんに似てません???友人に言ってもあまり共感されないのですが、、、
予想できない展開でした。
脚本がよくできていて、面白かったです。
ダヘ可愛かったです。
そのダヘにギウが助けてもらったときに、地下室の入り口見てるんじゃないかと。
ギウ、あれで生きてたとは、、。
細かいところが、ちょっと気になってしまったけど、全体として面白いし、ドキドキハラハラするところもあり、とても楽しめました。帰り道、気分良く帰れる映画ではないですが、映画好きにはお勧めしたいと思える映画でした。
一言では言い表せない、恐ろしく精巧で緻密な作品
話題になっていたポン・ジュノ監督の最新作ということで、鑑賞してきました。
なるべくネタバレを避けていたため、予告編と兄妹が家庭教師としてパク家に潜り込むところまでしか知らない状態で鑑賞。
結論。凄まじい映画でした。まるでジェットコースターのようにストーリーがどんどん展開していき、全てのカット・全ての台詞・全ての演技にきちんと意味がある。
緻密に練り上げられた脚本とか、「高低差」を利用した演出とか、考察の余地を残したラストとか。ポン・ジュノ監督の持ち味が存分に活かされた映画になっていたと思います。
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家賃の安い半地下に住んでいるキム一家。全員が無職で、内職で得られる僅かばかりの収入で生活を送っていた。ある日長男のギウが友人からIT社長パク氏の娘(ダヘ)の家庭教師を替わりにやってほしいと依頼を受ける。身分を偽って家庭教師として働き、ギウはパク一家から信頼を得る。そしてギウはダヘの弟であるダソンの美術教師として、有名な美術家だと偽って自分の妹であるギジョンを紹介する。ここから貧乏人のキム一家が金持ちのパク一家にどんどんと寄生(パラサイト)していく・・・。
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ポン・ジュノ監督は「兄妹が家庭教師をするところ以降は話さないで」と語っています。なので、予告編の映像も色んな映画紹介サイトでも、上記のあらすじまでは語っている人が多いです。ただ、これは映画冒頭10分ちょっとの内容ですので、これだけでこの映画の凄まじさを説明することは難しいです。
最初はキム一家がパク一家の中にどんどんと入り込んでいく様子をコメディタッチで描きます。映画館で笑い声が起こるくらい、ところどころに面白い演出が入っていて笑いながら観られます。
ただ、物語中盤のとある時点から映画のテイストが一変します。観た人には分かると思いますが、「インターホンが鳴らされた」ところからです。サスペンスのようなミステリのような、とにかく序盤の展開がどこに行ったのか分からないくらい雰囲気が変わります。まるでジェットコースターのように目まぐるしく進む展開で、全く先が読めず、あっという間に映画が終わります。
パラサイトしていくところは見所
結構面白かった。
他人を信じ込ませるところなどを見ると、簡単に人を信じてはいけないなーと思った
よかった点としては、
パラサイトしていく描写とかは、テンポよく流れもよかった
さらに、パラサイトをしていたのが自分たちだけでなかったところも
驚きが強くよかった
万引き家族に次ぐ、問題作。
[寄生虫]という名の貧困層がどう生きてどう死んでいくのか、その一部が時系列で語られていく映画。
友の手を借りながら生きていく縄をどうにか掴んだ息子、その縄を伸ばしどうにかして捕まるその家族。
結局友のことも忘れるほど富にのめり込むことになる寄生虫。しかし寄生した先にあるのは自らが生きてきた環境と上級国民との環境の格差。
富を持つものは優雅に暮らしていく中、地下に住む寄生虫は蜜を吸いながら生きながらえる。しかしその先にあるのは地獄にあるのは違いない。
途中、寄生虫同士が寄生先の奪い合いもする。その後寄生虫同士で殺し合い、落ちてきた僅かな富を奪い合う。結局はどちらの寄生虫も殺される。
これは韓国社会だけでなく日本社会、資本主義社会のどこにでも蔓延る格差社会の闇。そして縮図である。
醜くも美しく生きる姿、寄生虫に私たちがsympathyを感じたのは今の日本社会という格差社会に同じように生きるからであろう。
スノーピアサーと続き物として観る
今作の監督のポン・ジュノ監督は、2013年に撮った「スノーピアサー」で当時の韓国の右派政権によりブラックリスト入りを食い、以後迫害を受けてきたらしい。
そのため、2015年、2016年はフィルモグラフィーに空白がある。
2017年に発表したオクジャでパルムドールを争ったものの、フランスでの上映が不確定なため、逃してしまった。
その2年後、パラサイトでようやくパルムドールを手に入れる。
その波乱の始まりとなった「スノーピアサー」とはどんな物語だったのだろうか?
韓国の国家情報院(そんな部署がある事自体が異常だとは思うが)が報告していた内容では「市場経済を否定し、抵抗運動を煽る」との事だったが、個人的には、既存概念を打ち破り、自由を手に入れる名作だったと思う。
その「突き進んだ市場経済」が生み出した格差社会での2つの家族(+1)のストーリーが今作。
ギテク家族は悪びれもなく、ガードが固そうな割に、急所では全く無謀な家族に徐々に徐々に浸透していくわけだが、染み付いた体臭を軽蔑する富裕家族の浅ましい本質に気づき、その不協和音が最後に炸裂する。
長女の死の彼女の死際の吐き台詞が象徴的だった。
物語をしっとりと時に激しく綴りながら最後はほんのりと希望に終わるのは監督の優しさなのだろう。
迫害を受けながら、この作品を仕上げた監督の精神力は素晴らしい。
2020/2/10追記
アカデミー賞、3部門、しかも作品賞取りましたね。
作品の舞台裏を考えるとしみじみします。
P.s. 北のアナウンサーのモノマネが炸裂する家政婦の役者さん、僕の好きな「焼肉ドラゴン」のお母さんだったぁ〜。この感動の再会を分かち合える方と飲みに行きたいです。大阪の焼肉屋で。
面白く、悲しい、苦いものが残る
前半、お金持ちの家に1人ずつ入り込んでいくところはとっても面白い、ワクワクして観てしまうけど、不穏さがだんだん増していく。貧乏を、臭いで表現するところは、残酷だ・・・。前の女中さんが帰ってきてからホラーのようになってくる、でももっとホラーなのかと思ったらそうでもなかった。棚を動かす姿勢にギョッとしたけど、可笑しみもあって。
貧しいもの同士、結託するのではなくて殺し合うというのは悲しい。(映画無駄話で町山智浩さんもそんなようなことを言っていた。本当なら貧しいもの同士が手を取って金持ちに反撃するべきなのだ、みたいなことを。山本太郎さんも演説でヤジを飛ばされたとき相手に向かって同じようなことを言っていたなと思い出した。)
最後、息子の希望が、悲しいと感じてしまった。そうはならないだろうと思ってしまった。そう思ってしまったことに対してとても苦い後味が残った。
悲鳴
自虐にしようか悲鳴にしようか迷った。
一言で言うなら胸糞悪い映画だ。
ただ、傍らにおいた缶コーヒーに一口も口をつけなかった。そおいう引力を有した作品だった。
のっけからエゲツない描写が続く。韓国の貧困層って設定なのだけれど、どれくらい現実が投影されているのか、日本に住む俺には分からない。ただ、この家族はこの暮らしのスペシャリストなのだと言う事は伝わってきた。
物語は些細なキッカケでゴロゴロと転がり出すのだけれど、不思議な陰と陽を感じてた。
どちらが勝者なんだろう、と。
社会的成功を収めた富裕層。
彼らを騙し、まんまと報酬をせしめる者達。題名の「パラサイト」が分かりやすい形で説明されていく。
もうこの辺りでは、何が正しいのか分からなくなってくる。寄生していく家族達に嫌悪感を抱いてるのは間違いないのだけれど、騙される方にも問題はあるとも思う。むしろ、こいつら強いなぁと感心までしてしまう。
寄生というと聞こえは悪いが、人は皆何かには依存してる。彼らは人ん家の財布に依存してる稀有な例だと思われる。
そうなのだ。寄生出来てる事に感謝はするものの、全く悪びれないのだ。
自分達の立場を分かってるというか、達観してるというか…身の丈に有り余るこの幸運な出来事に感謝すらしているようにも見えて、更なる強欲を発揮する事もなかった。
妬みや嫉みを抱くこともない。
かわりに、自分達よりも下層の人間達に出会った。自分達よりも醜い人間に。
この出来事に前後して「匂い」って言う要素がピックアップされる。
自分から発せられもの、まとわりつくもの、拭いきれないものって意味あいだろうか?
結果、それに関連した事で宿主を衝動的に殺害してしまう。
彼らより下層の者と出会った事でもたらされたものは蔑みというようなもので、それを自分達が抱いた事で、自分達に向けられていた視線や状況を克明に認識したかのようだった。
ホント強烈な作品でよく出来た脚本だと思う。「金があったら私も優しくなれるよ」とか痛烈な嫌味にも思う。
このレビューのタイトルを「自虐」にしようかと思ったのは、こんな話を韓国の監督が韓国の話として創作した点だ。
どこまでが現実なのかは分からないけれど、最下層から見た視点をここまであけすけになのか、赤裸々になのか、大胆になのかはさておき、こんな話に仕立ててしまえるのだ。
年頃の娘が、大雨によって便器から噴出する汚水を浴びながら開き直って、便座に座ってたり出来るか?もう許容量を超えてる。まともな神経でいたら発狂するような環境だ。
ある意味狂わされてはいるのだろうけど、自分の力ではどおしようも出来ない。
よくぞここまで、自国の事をこき下ろせたなと思うのだけど、終盤になるにつれ「悲鳴」という言葉が過ぎる。
別に韓国の話でもない。
声を上げれない人達からの悲鳴にも似た訴えに思えてきた。作中にとてつもなく長い階段が出てくる。地の底まで続いてるんじゃなかろうかと思える程、長く1人分の幅しかないような階段だ。彼らはそこを降りて逃げてくる。そこを通る他ないのだろうと思う。逃げた先には廃棄物が山をなす場所で、帰路には電線が蜘蛛の巣のように張り巡らされ囚われたなら抜け出すのは困難に思える。その場所の更に下にある半地下の我が家には汚水が溢れ返ってる。
…なんて凄惨なメッセージなのだろうか?
どこまで行っても違う地獄が待ってるかのようだ。
物語のラストは、息子が社会的に成功を収め父親が隠れ住む地下室があるあの家を購入し、何年も会えなかった父親と再会するって幕引きだった。
ああ、そおいう希望を残すのかと。
到底実現できるような境遇でもないのだけど、人生何が起こるかは分からないしな、と。
成功した息子は垢抜けてて、これが同じ役者なのかと韓国の俳優達の底力を垣間見たりするのだけれど、それは息子が半地下の家で漠然と描いた空想だった。
希望など欠片もない。
胸糞悪い映画だった。
だけどパルムドールも納得の見事な作品であった。
匂いのちがい
だれも悪気はなかった
…とただ思う。
地上には地上の、
半地下には半地下の、
地下には地下の、
それぞれ染み付いた匂いがある。
自分以外の匂いを知らないとそれらが交わったとき、とんでもない爆発を起こす。
見えている世界に慣れてはいけない。
属しているコミュニティの常識だけを信じてはいけない。
人は理解できないものを排除する。
受けとめる覚悟がないなら交わらなければいい。
貧富の差?身分の違い?ジェンダーも多様性も?
素面のときに見る酔っ払いだってそうかもしれない。
でもそうやって避けてきた先に生まれるのは無関心か。
排除でも無関心でもなく、爆発しない共生を私は知りたい。
ものすごぉぉぉぉぉぉく目が離せない
これは久しぶりに最初から最後まで目が離せなかった!
ストーリー構成が物凄く素晴らしいと感じました。
喜怒哀楽全てが詰まった映画。
貧困生活と上流家庭の差が物凄く伝わってきました。
みんなごく当たり前のように過ごしているのにこんなにも愛の形があるのだなと伝わってきました。
ストーリー的に後半怖く感じるかもしれませんがそれはホラーの怖さではなく人間の感情の怖さでした。
愛ある殺し。
素晴らしくて震えました。
実は今日ポイントがたまっていたので無料で鑑賞したのですが、これはお金を払って見ても後悔はしない作品だと思いました。
終わり方も最高でした。
主題歌もすぐにびびっときたので帰りダウンロードさせて戴きました!
久しぶりに素晴らしい作品をありがとうございました。
上手くは書けないのですが本当に素晴らしいんです。
残り0.5点つけなかったのは
飛び散ったガラスとか雑に片付けたのに家族が誰も気づかなかったので不思議に思ったからですw
ソファとかにも飲み物とか飛び散ってそうだなぁと思って、、お父さん一回がしゃんと飛び散らしてたからw
細かくてすいませんw
でも本当見てよかったです。
「ゴギブリ」
「ゴギブリ」
この作品の重要なキーワードのひとつであると思う。
思えば、冒頭からたくさんのシーンでその伏線が散りばめられていた。特にゴギブリというキーワードが重要だと感じたのは、パク夫妻がベッドで身を重ねるシーンだ。大雨の夜の日、何を考えることもなく夫婦の愛を育む2人。その目の前にある机の下には、3人の人間が息を潜めているというのに。2人が眠りについたことを確認すると、這いつくばって豪邸を脱出。その姿はまるで人間の目を盗み家の中を動き回るゴギブリのようだ。更に、豪邸の地下に住むホームレスの存在。パク一家は、越してきて一度も彼の存在に気付くことはなかった。ひっそりと生きる彼の姿もまた、ゴキブリと重ねて見ることができるのだ。
よくわからなかった
・想像していたのは現代の格差の中、貧困層の男が金持ちの家に恨みつらみから様々な犯罪を犯していってしまう精神の破綻などなどがある物凄い暗い話なのかなと思ったらエンタメ色の強い話で驚いた。
・貧困層のあるあるがもっとあったら興味深かった気がした。見てられないほど落ち込みそうだけど。金持ちの家族が頭悪すぎて、嘘でしょと思った。勝手に宴会した後に何も気づかないのも何となく無理が。。。
・貧困層の家族が金持ちの家庭教師をし始めることから始まってあの手この手で元々の家政婦、運転手を追い出して、家族全員がその仕事をもらうっていうのがトントン拍子すぎて違和感があった。
・後半で雇い主の社長がニオイが気になると言い始めたけど、それを理由に採用しないっていうのもあったんじゃないかなぁと思った。あと、家族みんな何気にスペックが高くて驚いた。そもそも、どうしてああいう生活をしていたのだろう…韓国では常識なのかもしれない。だとすると切ない。
・ピザ屋の女性が社長?のバイトがいなくなって人手不足なのにどうして主人公?の青年を雇わないのかがわからなかった。不真面目なのかと思ったら、真面目に家庭教師をしていたし。あとから家族ぐるみで金持ちの家で勝手に飯食ったりしてたけども。
・玄関からすぐの電灯があんだけ変に光ってたらおかしいってわからないわけないだろと思った。加えて、なぜあんなとこにスイッチがあるんだろうと思った。
・最初に家庭教師の仕事を紹介した友人が石を持ってきたのが、あちらではよくあることなんだろうか…。
・すでに働いていた家政婦の夫がシェルターに夫を隠していたというのがこの映画の肝だと思うのだけど、そこでかなり冷めてしまった。開けるのも大変すぎて、あれじゃあシェルターとしてだめだろうって思った。
・ラストで妹が殺された後、お墓?がガラスケースの中で共同墓地なのが韓国では当たり前なのかなと思った。
・全般的に都合よく展開していったのが違和感凄かった印象がずっと続いた。
・後半の土砂降りで半地下の家より上が浸水してたわりに家がまだ満水じゃなかったのが驚いた。その翌日に誕生日会に行って何も言われなかったのが違和感があった。あれだけニオイとか言っててあれだったら半端ないと思うのだけど。せめて体を洗うシーンとかがあれば納得できた気もする。
・全般的にわかりやすくてテンポも要素も良かったけど、ちょっと物足りなかった。
北朝鮮ネタのキレがずるい
地下室が明らかになってから話の様子がガラッと変わって面白かったです。
貧富の差が描かれてましたが、パラサイトする側の方が幸せに見える辺りに、『貧しくとも』的な思想が自分にあると感じたり、夫婦間には何か思うところがありそうだけど、決して不仲ではないパラサイトされる側の家族が不仲に見えてしまったりと自分の中に何か刷り込みがあるなぁと気づくことが出来る作品でした。
犬はかわいく、北朝鮮ネタはさすが本場という感じでキレッキレでとてもよかったです。
全373件中、241~260件目を表示