パラサイト 半地下の家族のレビュー・感想・評価
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“○地下”の家族、人々
予告は見ずに評価が高いという記事を読んで観に行った。
ストーリーは、半地下住みの家族が身分を偽ってお金持ちの家に雇われる(侵入)。
侵入する前の生活で内職を雑にしていて、勤勉な家族ではないのかなと感じた。(安い給料だからかも?)
侵入する際やした後の計画はとても緻密で完璧なのだが、父親は徐々に感情を押さえきられなくなっていて見苦しかった。この時のお芝居が凄く上手だと思った。金持ちのほうの父親もこの異変に気づきつつある描写も良かった。
「なにか起きそうだな」「この家には秘密がありそうだな」という付箋を感じ取ってしまったのでどんでん返しのような衝撃は受けなかったけれど、“完地下”の住人のなんとも言えない不気味さと気持ち悪さの後味が残った。
訴えかけてくるものを途中までは邦画の万引き家族をイメージしながら観ていたけれど、終盤からサイコスリラーみが増してくるので2つのテイストを感じられて面白かった。
韓国社会の貧困層(半地下、半地下にさえ住むことの出来ない人々)と富裕層の対比で訴えかけてきたと思えばサイコスリラー的はらはらどきどきもある、この2つを1つの映画にしていて凄いなと思った。
結果的に予告見ないでよかったなと思った。
"上" "下"関係
貧困層と富裕層の「対比」の表現が何ヵ所にも散りばめられており、見事であった。
富裕層の家からひたすら階段を降りたところにある半地下に住む家族、雨とともにひたすら階段を降りる貧困層家族、ソファの上で寝る富裕層の夫妻とテーブルの下に潜む貧困層の家族、富裕層の家の中に貧困層が見つけた地下シェルターなど…
また、
岩の置物(富裕層の象徴として)がとりついて離れないという長男のセリフなど、
「比喩」表現も巧みであった。
少なくとも、ここ最近見たなかでは断トツに洗練された傑作であった。
善人達による狂気
本作を観賞してまずストーリー展開の見事さに舌を巻いた。物語は大きく二つに分かれており、一つは平民の主人公一家がいかに富豪の家庭に入り込んでいくのかをコミカル且つ、緻密に描いていく。もう一つは前家政婦夫妻の意外な登場により、物語は混沌とした世界へと突き進んでいく。
その展開が絶妙で、その間の登場人物の意識の推移を見事な演出技術と、俳優の演技力で丁寧に描いていく。心理描写は韓国映画が得意とする分野で、それが本作でも遺憾なく発揮されている。
本作を観て気が付くのは、登場人物に悪人が一人もいないことだ。平民で失業中の主人公一家は、生活の為に詐欺行為を行って職を手にする。それでも仕事には決して手を抜かず雇い主に献身的に尽くす。富豪一家も彼等を丁重に扱い、卑下するような態度は取らない。
普通の映画であれば富豪が貧民を馬鹿にして虐め、それに対して貧民が怒りを爆発させるような展開にするだろう。しかし本作はそうではない。登場人物は全員善人なのだ。
そのキャラクター設定が観客に意外さと、戸惑いを与える。従来のこの手の作品展開とまるで違うからだ。その部分こそ脚本と演出を担当したポン・ジュノが狙った部分なのだと思う。
その善人がふとした言動で相手を傷つけ、少しずつしかし確実に不満と怒りを蓄積させていく。例えば富豪の家に隠れることになった主人公に、彼が居るとは知らずに富豪が妻に体臭の話をする。その時でも富豪は彼の働き振りを誉めた後で、彼の体臭が気になると言う。
同じ夜、豪雨に襲われ山の手に住む富豪宅は、子供のキャンプゴッコに振り回される。しかし山の手から流れ落ちる豪雨は主人公の住む平民街に流れ込み、彼等の半地下の住居は完全に浸水してしまう。
富豪達はこの災害に何ら関与していないが、知らぬ間に主人公は怒りを溜め込んでいく。同じ四人家族で、互いが家族を大切にした生活をしているにも関わらず、その差は大きい。彼等の違いは一体何か? それは富の違いだけだ。状況が入れ替われば主人公も富豪のような生活が出来るかも知れない。
前家政婦が現れ、誰も知らない地下シェルターに夫を隠していることが分かった時もそうだ。彼女は投資に失敗して多額の負債を抱え、借金取りから逃げる為に夫を匿っている。
この三家庭に共通しているのは、喩え問題がある夫婦であっても相手を捨てることはしない。妻が家事下手でも、夫が失業しても、夫が借金を背負っても、夫婦で助け合いながら生きている。そしてその問題解決に、この三家庭が関わっている。それぞれの上下関係は富の差による。富豪が主人公の家族に自分の家庭の問題点を解決させ、借金を抱えた夫婦は主人公の家族に支配される。
この支配構造はまさに現在世界の縮図である。私達先進国に住む人間は、後進国の人々から知らぬ間に様々な物を取り上げている。そして彼等は私達が知らぬ間に怒りを溜め込んでいる。その怒りはテロ集団を生み出し、世界を混乱に陥れている。
先進国の人は援助をしていたはずなのに、テロを仕掛けられたと怒りを露わにする。しかしその援助は彼等が本当に求めた物なのか? 彼等の誇りを傷付けていないか?
本作のクライマックスは、その怒りが爆発するシーンだ。地下室夫婦が主人公の息子に重傷を負わせ、娘を殺害する。主人公は富豪を殺害する。そして地下室へ隠れる。その父親の為に、一命を取り留めた息子は大金持ちになって富豪宅を購入し、父親を地下室から救出しようと決心する。何をするにも全ては金次第。本作は世界の歪みをこの三家庭を通して描くことで、身近な問題として観客に突き付けてくる。
20年ほど前、シュリという韓国映画が公開されて話題になった。シュリは朝鮮民族の抱える南北断絶の悲哀を中心にした緻密な物語と、ハリウッド映画並のスケール感で世界的にも高い評価を得た。その後も韓国映画界は非常にレベルの高い作品を発表し続けたが、何故か世界的な評価を得られることはなかった。何か意図的に排除されているような気がして釈然としないところもあった。しかしその偏屈した考えも、この作品の登場で改めざる得なくなったようだ。
本作はカンヌで最高位のパルムドールを受賞し、アカデミー賞の外国映画賞も確実視されている。見事な脚本と演出、演技、カメラワーク等、本作はまさに一級作品として、その世界的な評価も当然の傑作だと思う。
計画よりも無計画
富裕層と貧困層の格差を描いた秀作であることは間違いない。それは“臭い”であったり“雨”であったり、“地下”であったり、注意深く比較しないと気づかない細部にもこだわりがあったように思う。『スノーピアサー』なんてのも格差社会を描いていたけど、むしろ直喩に近かったかもしれないし、今作ではそれが両家族の中の愛や生命力によって芸術的にメッセージ性を高めていたと言えば褒めすぎか・・・
ストーリー展開はコメディ色も強いのに、笑っていいのか悪いのか。素直に笑えない人は格差社会に問題意識を持ち始めている人であり、そんな社会問題もすっ飛ばしてある意味達観した人には十分笑えるのだろう。まずはWi-Fiが無いと生きていけないキム一家の様子で笑い、貧乏な割には全員スマホを持っている韓国事情もわかり、動画を見てピザ店の箱組立作業をするつつましさにも納得する。
それだけなら大多数がキム一家に同情するのだろうけど、ギウが家庭教師採用の際にわざわざ大学入学証書を偽造したり、妹の名前や経歴詐称、父親を運転手にするため脱ぎ捨てた下着で現運転手を解雇させたり、挙句の果ては長年勤めていた家政婦ムングァンを結核だと貶める行為によって、キム一家のダークサイドを見せる。せめて家政婦くらいは残しておけば、一緒にめでたく就職ということで落ち着いたはずである。しかし、高級住宅で暮らしてみたいがためのやり過ぎ感によってセレブ家庭の好感度と均衡がとれるのだと感じました。
しかし、格差社会の描写は“臭い”に始まり、“雨”をどうとらえるかで重く訴えかけてくる。雨はダソンの誕生日キャンプが中止をもたらすが、彼はむしろ楽しんでいて庭にテントを張ったりもするし、リビングから見る雨の庭園は富の象徴とも言うべき美しさ。しかし、町では洪水をもたらし、キムの半地下住居はひとたまりもない。汚水、瓦礫、パニック、天災も貧困層だけを狙っているかの描写だった。避難所の様子も日本を襲った災害を思い出さずにはいられなくなってくる。
そして“地下”。貧困層の半地下もそうだったけど、驚愕の完地下生活をしている描写。それも元の住人が北の核を恐れて作ったシェルターの忘れ物だったのだ。雨は上から落ちてきて下へと溜まる。そして汚いものは全て洗い流して最下層へ・・・
幸せな家族という視点で観れば、最初に給料をもらって焼き肉を食べているキム一家の喜びの表情もこの上ないものでした。格差の間には見えざる一線があり、見えざるヒエラルキーが存在しているのですが、この幸せそうな家族が虐げられることもないし、嫉妬から雇用者を憎むこともない、何とかして共存しよう努力しているのも微笑ましい。だが、手段に無理があったため、やがて阿鼻叫喚の地獄絵図を産むことにもなった。
計画するより無計画のほうが幸せ・・・だったかのような言葉も頷けるものの、キム父を演ずるソン・ガンホが放った言葉「計画がある」が何だったのか。まさかパクさんを殺すというわけじゃないだろうし、ちょっと引っ掛かります。地下から現れた化け物の臭いによって鼻をつまむパク。「一線を越えた!」。これを見たキム父が娘を刺されたこともあって殺害に至ったのだろう。娘が刺されたシーンには涙が止まらなかった・・・
【追記】2月10日、オスカー作品賞獲得記念でリピート
「是枝監督とは親しいんだよ」というポン・ジュノ監督の言葉にハッとした。序盤に出てくる便所コオロギを見て、書くことを忘れていたのに気づきました。ポン・ジュノ監督も『海街diary』をも観ていると思うのですが、なぜか是枝作品にもカマドウマ(便所コオロギ)が出ていました。こんなところにも接点があったのですね!!!
雨の日に現れた元家政婦。殴られたような跡も残っていたのですが、夫にどうした?と訊かれ「後で説明する」と言ってたのに結局言わなかった。1回目は気にならなかったのになぜだか理由が知りたくなった・・・桃アレルギーが悪化したのかなぁ・・・
上記「計画がある」というのは結局「無計画でいること」でした。スッキリ。
テントの子供がモールス信号を解読したのに何も行動を起こさなかったのは、多分、幽霊だと思ったからなのでしょうね・・・それしか考えられません。
格差社会への「怒り」
自分第一主義で、人を代替可能な存在としか思ってない上流階級。 そこを逆手にとって、金持ち家族に寄生していく最下層家族。その様は、痛快で滑稽で、ときに醜い。
大雨が降れば浸水してしまう低地の地下街。テーブルの下。ベッドの下。そして、地下シェルター。
最下層はいつも下に、下に潜っていく。
上流階級は、そんな下層に生きる人間が身近にいることすら露知らず、「匂い」という観点から差別を行う。
とても腹立たしくて、ひどい差別だなと思う一方、
もし、自分の隣にボロボロの服を着たホームレスが座ってきたら、鼻をおさえてしまうのではないのかと考えたり。悪気のない無意識な差別は、どこでも、誰にでもありえる話かもしれない。
最下層父親による最後の反撃は、格差社会への怒りそのものだ。
どうしたら格差ってなくなるんですかね。無くさないまでも、どうやったらみんな幸せに暮らせるのでしょうか。
長い長い階段
豪邸の地下室に至る階段の長さも不思議だったが雨の中帰宅する半地下の家までの、延々続く様々な階段の美しくも哀しい高低差!昨年話題となったジョーカーの階段なんて冗談じゃない、単にフォトジェニックなだけじゃんか!
悪党コメディで始まり後半徐々にシリアスになり悲劇を迎え最後は少しの希望を見せる、全てに絶妙なシナリオにコントロールされっぱなし。役者も街や家の映像も言うことがなかった。
この監督のほかの作品を見なければという強い衝動を感じる。
だまされたと思って是非みてほしい。
良質なコメディかと思いきや…
ほとんど前情報なしで観に行って、最初はのコメディかと思いきや、、、後半からの急転直下…とてつもない展開が用意されている。前半のコメディ部分も非常に面白くて、時より客席から笑いが起こっていた。前半のフリがしっかり効いてるだけに、後半の怒涛の展開に息を呑んだ。しっかり社会風刺(韓国の実情がわからないからそうでもないのかもしれないが…)織り込まれているように感じた。
邦画も頑張れ!!!!
見終わった後にポスターを見ると…なるほど…
そんなに評価してはいけない!
まあこれだけ面白いぞ絶対観ろよと喧伝されれば観ないわけにいかなかった。ただハードルが上がったからなのかどうかなんでそこまで評価すんの?というのが正直な感想。まあ、面白いねくらいでいいじゃん。昨年の「万引き家族」に引き続きテーマも出来も似たりよたりでアラばかりが目立ってしまいこれだからカンヌはねえと思う。こんなことを求めて映画を観るわけでは無いのだ。まだ昨年のジョーダン・ピールの「アス」の方が数倍納得できるしカタルシスもあった。この映画は「ジョーカー」と同じく出口が無い辛さ。しかも回避可能な悲惨。みんなちゃんと自分の気持ちに正直にレビュー点をつけているのだろうか?
上下格差と染み着いた臭い。。。
前半のコメディチックな展開からスリリングでサスペンスな展開へ引き込まれました。そうきたか的でもあったし。臭いの違いで無意識に差別している感覚は少なからずあるかと思うし、それがとても切なく悲しくもある。。。晴々はしないがとても良かったです(;^ω^)
感想を話し合いたくなる、(早くも)今年のベスト候補!
貧しい家庭が、タイトル通り寄生虫のように富裕層の家庭に入り込んでいく。富裕層は、夫婦も子どもも洗練された見た目と心に余裕のある態度。貧困層の親子は、照明が暗く悪態をつきながら毎日を送る。明暗と高低、貧富の差をこのコントラストで描く手法がとてもよかった。
徐々に家族の信頼を勝ち取っていく姿は詐欺師を描くクライムサスペンスとして楽しみ、後半は社会派ホラーとも言える妙な雰囲気を醸し出していた。
コメディ的な笑いはあまりなく(実際笑い声も少なめ)、終始妙な息苦しさを覚える映像だった。この雰囲気づくりのうまさはさすがにポンジュノ監督。少し長いし、暗いシーンも多いのだが、全く飽きなかった。やっぱりすごいなこの人。
とても良い作品だからこそ、描き足りなかった点が惜しまれる。
格差が大きい韓国社会を反映した作品で、貧困家族が金持ち一家に取り入る話が前半、
後半はガラッと雰囲気が変わる。
他国の社会情勢を背景にした作品はそれ自体が魅力的で、物語の構成が素晴らしければさらに良い。この作品はそういった素晴らしい作品。
ただ、この作品の中では、香りが重要な役割を果たすけど、その点に関し十分に描き切れなかったのは残念。
豪雨による床上浸水で下水まみれだと中々におい取れないでしょ。パーティに行くにはそこら辺クリアする必要あるのに配慮がなかった。そのあたり説得力ある描き方なら満点なのに、ストーリーが破綻しかかっている。
「笑える」から「笑えない」へ
最初は、コミカルで、クスクス笑えるストーリーから、
格差のテーマが表れてくるにつれ、文字通り、笑えなくなってくる。この感触が最高でした。、
1つの映画で、いろいろな感情がうずまき、エンタメでありつつもしっかり考えさせるポイントもある。
俳優、キャラクターも、海外の作品だけれども、人間味が溢れていて、感情移入できました。
難しいテーマを非常にうまく表現しており、これぞ映画、という感じでした。
最高に面白く楽しくほろ苦い映画!
韓国映画の、いやもはや世界のエンタメ映画のカリスマ!ポンジュノ監督の最新作。
出だしはグエムルのような家族映画?なんか万引き家族に似てるかも?なんて分析しながら楽しんでたけど、気がつけば映画は山場に突入し、結末がどうなるのかはともかく怒濤の演出で、ウチの、田舎の劇場でも笑いにつつまれた。あの凄惨なドタバタをこんなに面白く演出するひとってスピルバーグ監督くらいじゃない?でも、面白くなっちゃうのではなく自覚的にコメディにしてるのが違うとおもう。
とにかく。行き着く先はやっぱり破滅の物語なのだけど、その先も後味よく描けてる爽やか風刺映画の傑作だと感じました。おバカ映画よりも、哲学映画よりもバランスのよい傑作を見たい方は食わず嫌いせずにみろ、であります。
弱さ突いた心理描写に圧倒、笑いや複雑な思い込み上げた秀逸作
人の弱さ見抜き作戦練る様子は、スパイのコメディサスペンスを観ているかの様に滑稽で笑い込み上げた
しかし、ある事が発覚して雰囲気は一転、おぞましい心理描写に圧倒、複雑な思い込み上げた
これまでにゴールデングローブ賞など数々の賞を受賞した、人間の感覚や心理描写が秀逸な本作が、アカデミー賞受賞果たすか楽しみだ
あまりにも濃厚すぎる132分。すごい!ヤバイよ!
どうやら2020年一発目からもの凄い映画を観てしまったようだ!それも歴史に残る怪作を
この映画はジャンルミックスの成功例と言えるだろう。しかも「大」成功だ。
ド派手なアクションがあるわけじゃないのに後半は気付いたら手に汗握っていた。
鑑賞後には謎の敗北感がある。展開がとにかくすごくて、負けた感があるからだ。(韓国映画の良さもしっかり組み込んであるし)
おそらく監督はそんな観客を見て1人静かに笑っていることだろう。なんとも悔しい!でも完全に負けた!
この作品は絶対予備知識なしで観てくれ!でないとただの社会派コメディになっちゃうから。
という事でこの作品の内容には触れません。(というかこの作品を文字で表すのはとてもじゃないが無理)
しかし言いたい事もある。なので考察(未鑑賞者は読まないでおくれ)
題名パラサイトについて。
まずパラサイトとは、寄生などという意味が。
これだけ聞けば裕福な家族に寄生するという一般的な解釈が、できる。
しかしこれは表向きの意味
実はパラサイトとは居候という意味もあります。
観た人はピン!ときたでしょう。
そう題名が半分ネタバレしているのです!
さらにもう一つ。
鑑賞後から自分はずっとこの作品について考えています。そうこれが題名の真意なのでは?
きっと監督は観客の脳裏に寄生する作品を作りたかったのではないでしょうか?
だとしたら監督の罠に見事はまりました。チクショー!
最後に、裕福一家の家が細田守監督作品「未来のミライ」の主人公の家を作りなどで連想させました。
そして、パラサイトと同じパルムドールを受賞している「万引き家族」や「家族を想うとき」そして今年の注目作「ジョーカー」,「アス」それに「天気の子」(帆高目線)など最近は貧困層を題材をした作品が増えているなと、感じました。
これは、私の鑑賞中の杞憂です。
半地下家族の家周辺で、酒に酔ってフラフラの人を追い返すシーンで予備知識なしで観ていた私は展開がすごいと聞いていたので最近観た「屍人荘の殺人」のようにゾンビがでて来たりするのか?なんて考えながら観てました。(泥酔した人が余りにも不気味に演出していたから)
期待して観ても大満足
劇場で観た予告でなんとなくのストーリーを予測すると思いますが、これはびっくり。「最後まで目が離せない」まさにそう!!!
パルムドールを獲った作品という心構えで観ても圧倒されてしまった。
これを非現実的だと言うのは野暮です、ストーリーの面白さ、グロテスクな程の貧富の差、予測不能の終わり方。
全てにおいて良い。
是非ネタバレを読まずに劇場へ。
ちょっとえげつない。
韓国映画は好きでよく見るけど、いつも何かえげつない気がする。そのエンターテインメント性が面白さなのだろうけど、ちょっとやり過ぎ感がある。
まあこの映画はそれに尽きる。
韓国の貧富の差や学歴社会も描いているし、インフラや社会制度の未熟なところも描かれているが、それが見た後にあまり残らない感じで、あー面白かったでお終いになってしまう。まあ映画とはそんな存在と捉えれば良いのだけれど。
主人公のひとりソン・ガンホは韓国映画には定番の俳優だが、私が見る韓国映画にはいつも出ている印象を受ける。他にめぼしい中年のおじさん俳優はいないのだろうかと思ってしまう。
でも娘・息子があれだけ賢ければ普通の仕事にありつけそうだけどね。お母さんも働き者のようだし。
でもそんなにすんなり行かないのが現代の韓国社会なのかな?
北朝鮮の襲撃に備えて地下に立派な居住空間があると言うのはなるほど~で、実際に見せられるとちょっとした驚きだった。
そして終わり方がうまかった。貧しい者はじっと耐えて頑張っていつか上流階級になるのを夢見る韓国社会の繰り返しで終わる。
面白さにも社会性をまとわせて。
うまくまとめたのでパルムドールなのだろうか?見ているときは知らなかったので後で驚いた。
でも私の印象はえげつなさ。かなり昔に見た「オールドボーイ」を想い出してしまった。
えげつなさにおいてはもっと上を行く映画で、原作は日本の漫画だったらしいが。
韓国映画はエンターテインメントが凄い!が今回の感想。
これぼど個性的着想の映画は、観たことがない。
日本人には、絶対このような斬新なストーリー展開の映画は撮れないだろう。
韓国の社会的背景、凄まじい格差社会、激しい競争社会、国民性、そして監督自身の突き抜けた個性や問題意識、感性を感じさせる作品だ。
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