パラサイト 半地下の家族のレビュー・感想・評価
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雨の訪問者
はじめは暗い救われない話なんだろうなーと思って観るのを躊躇っていたのだけれど、某ラジオで『途中ドリフみたい』と聞いて俄然気になって観に行くことに。
結果、とても観やすい。この話題になりっぷりは、昨今の伏線回収ブームに合致したんだろうなーと思いました。
話題だから観に行こうと思う人たちにも薦められるなーと思いました。
個人的には、高低差と明暗の対比が良くできてるなー(上から目線ではなくてすごいなーっていう)というのと、水の使い方が印象的だった。
雨、放尿とそれに対するバケツ水、2階のお風呂、冷蔵庫のミネラルウォーター、洪水、隠れ地下室のトイレ(の流れる水を見るシーンが特に)、雪。全部が巡って繋がっているけど場所・形が違うと全く違うもので、それは人もそうで…と感じました。
腑に落ちる感覚が無いところは、父キム・ギテクが社長に妻を愛していることを確認する(言わせる?)シーン。二度。
地位も名声も美しい妻も子供も持っている同じ男、父親という生き物として何か勝てるものが欲しかったのか。何かひとつでも抱えている嘘が欲しかったのか。
と、
あんなにスマホ・インターネットが普及してる描きかたをしてるのに、妹はじめ素性を調べるシーンが出てこないのはあの富裕家族の「シンプル」さを出すためなのかもしれないけど「普通調べるよね」って思ってしまったなー。
不快な表現がない
私には気分が悪くなる映画でした
4部門の賞を英語圏以外の国(韓国)がとったという話題で見に行きました。
表現の仕方は自由で色んな映画があって良い。この映画は今の世相を表していて共感する人々が多いのだろう。制度が変わり今回この映画が評価を得たことは喜ばしいことだが、手放しで楽しそうに「面白かった」などと言う人が多いのにはびっくりさせられる。
善良な人をだまして自分(達)が裕福になり、挙句の果てには大惨事を起こしてしまう。
そんなストーリーのどこが楽しい(面白い)のだろう。今の世の中を考えるために見る映画としたら良い映画ですね。だけど楽しむために見る映画としては最初から最後まで嫌な気分の映画でした。
軽妙鋭くダイナミックで重層的
重要なキーワード「臭い」
悲しいコメディ映画です。
社会風刺としては、それほど特別ではないと思いますし、
格差社会を描いた映画の中では、それほどメッセージ性が強いとは感じないです。
メッセージ性の強い映画を求めていた人にとっては、ちょっと物足りないかも。
しかし、「映画の力」を存分に感じさせる作品です。
ところどころに笑ってしまうようなシーンもあるし、
流石‼と思わせる伏線もたくさんあります。
個人的には、
追い出された家政婦さんが戻ってきたときに、
地下室でのポーズが最高に笑えました。
そして、今作品のキーワードのひとつは、「臭い」です。
作品の中での扱いもそうですが、
「映画」というメディア自体との関係性も感じました。
映画は総合芸術です。
最近の映像はきれいだし、
音もリアル。
ネットフリックスなどで、好きな時間で見ることもできる便利な時代になりました。
でも、
映画で、未だに表現できないのが「臭い」です。
格差社会や差別意識を「臭い」をテーマに描くことは、
映画としてとてもユニークな視点だと感じました。
P.S.韓国に住んでいた人は、「半地下の臭い」っていうものに、
なんとなくのイメージがあるらしいですね。
日本で言うと、どんな感じなんでしょうかね~。
ミニョクの石が持つ本質
「計画を立てると
人生その通りにはいかない」
寝転がり頭上を見つめて息子に言い聞かせる父親の表情は後悔不安恐怖、期待する少しばかりの希望が現実味なく貼り付いていた。
例えば半地下家族の長女ギジョンが八百屋から桃を一つくすねて華麗にその場を後にする姿。桃の産毛はアーティスティックで、香りを嗅ぐギジョンの白い肌と茶色い髪の毛が陽の光を浴びてふんわりとしたフォルムを生み出し、後ろ姿は光の中へと消えてゆく。
窓の外に見える地上で立小便をする酔っ払いを追い出すギウが放つ水しぶきはスローな躍動感で、コバルトブルーの海を臨む砂浜に寝転んだ時に水面で水かけ遊びをする者の立てる水しぶきのようなキラキラとした美しさの描写のそれに似ている。
欲なのか防衛なのかもうわからない掴み合いの中にに見える愚かな幻影のような醜さ
そして流れる皮肉にも美しい音楽
美と悪、美と醜
紙一重の描写はリアリティに溢れている。
半地下の薄暗くジメジメとした
カビ臭さや生活臭で澱んだ空間に身を寄せながら生きる4人家族。
長のギテクの人柄だが、
それは気さくでユーモアもあり、
また頼れる父親という印象だ。
母親の気迫に押され気味だが、
妻を思い、子を思う。
家庭教師の後任のための面接に行くためにスーツ姿で決めた息子を呼び止め、
おまえを誇りに思う、と言う姿がとても優しくまた寛容で美しく見える。
困る家族のために常に「計画」を考える姿。
運転手食堂で、たくさん食えと息子に自分が取りに行った肉を嬉しそうに分け与える姿。
大雨の洪水の夜に、惨事に混乱する子を誘導し、早く帰って風呂に入るんだと諭す姿、
不器用ながらにも愛情を表現する姿が、
ブラックコメディながら心を揺さぶられる。
愛おしく、大きな父親だ。
それでいてあらゆる対策に順応できる柔軟さもある。
全ては長として家族を守りたいという気持ちからくるものだろうと映った。
母のチュンスクは気が強くしっかり者、賢さが際立つ。劇中の彼女の動きを追っていると要領の良さと動きの素早さが爽快に映る。
劇中にホーガン投げの写真とメダルが出てくるが、国体のホーガン投げの選手である。
長男のギテクの頭は冴えるが共存している幼さを兼ね添えた頼りなさが長女ギジョンの計算高さとシュールさを目立たせている。
物語の鍵を握るのはギウの友人ミニョクの祖父が贈り物として持ってきた「石」
ギウは時にそれを眺め
水の中に沈む石を拾い上げ大切に抱え
時にそれを抱きしめながら寝て
そして最終的な手段の道具として
それを用いようとする
本質を揶揄するような展開に
はっとするのである。
物語は先が読めない。
気づけば物語に入り込んでいる。
観客がたくさんいる映画館の中で、
誰一人として音を立てず、
誰一人の気配もしない。
いや、違うかもしれない。
少しの音や気配はあるが、
それに気づかなかったのかもしれない。
それくらい物語に入り込んでしまうのだ。
格差社会はどこにでもある。
ふとしかきっかけで見えた打破の扉は
希望という幻影をまとった絶望の始まりなのかもしれない。大事な家族を守るために踏み出す道の不確かさは加速を増した欲のせいで姿を現すことなく、共生することへの抵抗として正体を晒すことになる。
なんと愚かで、滑稽なことなのだろう。
しかし人は反芻し、後悔する動物だ。
だが逆を返せば、致し方ない。
生きる意欲と生き抜く力が携わる者であれば、変えることのできない現状を飲み込み、腹を据えて、地下の階段を駆け上がり、高台の芝生を踏み、寝転び、空気を思いきり吸うように「生」の喜びを再び噛み締めることができるのだろう。
寄生することなく
共生しながら自存するために。
?
とても評価の高い作品ですね
しかし自分には合わないと感じました。
昨今の格差や弱者と言った社会問題に
照らして映画作品を語る風潮が増えて
いる様に思います。
確かにそう言った切口の映画もあります。
映画を鑑賞するに当たり教養があった方が
より深く接する事ができますが、思想を
反映させ理解をしようとするのは違うの
ではないでしょうか?
鑑賞後に、帰り道で自分に合わない理由を
考えていましたが結論として、この作品から
「愛」を感じないのです。
映画とは様々な見方、感じ方があって良いので
多くの人が鑑賞して議論になるのも醍醐味です
これがパルムドール?
これがオスカー?
この疑問は当分の間、消えそうにありません。
なんとまあ面白いこと。
お父さん、あんなにニヤニヤしてたのに!お父さん息子と娘の前でそんなこと言われて!!ああ、もうお父さーーーん!!
後半居た堪れないこと甚だしいけど、誰が悪いわけでもないところが怖い。結局そこのレールに乗らなきゃ生きていけないという絶望。
哺乳瓶とか、逆噴射トイレのタバコとか、BBQ串と犬とか、いや〜な描き方がホントに上手いですね、ポンジュノ。
鑑賞後にアカデミー賞4冠の快挙を知る。
おめでとうポンジュノーーーー!!!
ドリフのコントのような、テンポの良さ!
あぁ。。。やはり思ったとおりの韓国映画
アカデミー作品賞受賞との一報の前に座席予約してました。
その時はまだ映画館2名しか予約なかったのに、レイトショーで映画館はいっかほぼ満席。さすがアカデミー作品賞になった作品。
風刺の効いたストーリーで、笑いもバッチリ。
暗い話しではなく、たくましい話し。
家族の絆の強さにさすが儒教の国、と思うと同時にそれが深い闇に見えてくる。
と、思ったら、ほら、やはり、韓国映画特有の流れになったなぁ。
猟奇的。
一時期流行った 「猟奇的な彼女」の猟奇的は可愛いもので、それ以後に知った韓国映画の猟奇的は身震いするものばかり…
過去観た韓国映画は「チェイサー」が恐ろしくて記憶に深く、「スカーレットレター」は現実が恐ろしく、怖いばかりかと思ってみた「ハローゴースト」には伏線の張り巡らし方に泣かされて大号泣し、最近では「Sunny」がお気に入り。これらの作品に比べたら「パラサイト」はそれほどの感動も驚きもなかったけど、きっと色々な時事背景と解釈とウンチクがこれから山のようについてきて立派なアカデミー作になるんだろうな。
もぅ3年後くらいにまた観てもよいかな。
濁流リスペクト
驚くべきはジャンルミックス、ジャンルレスではなく、あまりにも高い水準でミックスしているため、この作品を全ての側面から語ることが可能だという点にあると思う。
個人的には社会的背景から映画を見ることが多いが、それだけでは語り尽くせていないことは分かる。
だが、それ以上の考えが纏まらない。
観賞後、何日もこの映画のことを考え続けている。
登場人物は、誰もがそれなりに誠実でズルくて間抜けで愛おしい。
演出もテンポが良く小気味いい。
何より人間の業への生温かい視線が、作品全体に安定感をもたらしている。
ただ、「リスペクト」だけは違う。
水の流れで貧富の差を見せつけるのは流石の演出だったが、その濁流に逆らっているのか、流れに身を任せてリスペクトしていないかと問われているように感じた。
少なくとも私には多少なりとも身に覚えがあり、身が寒くなった。
今年この映画を観ずして何を観る。
期待ほどの意外性は無く。。
アカデミー受賞当日のレイトショーで鑑賞。
ほぼ満席でした。
町山氏や宇多丸氏の評価からずっと楽しみにしていました。
前任家政婦が訪ねるまでは、映画に乗れたのですが。。
そこからの展開は 期待ほどの意外性は無く なんとなく色々死んじゃうんだろうなあと思った通りで、観賞後はただ嫌な気持ちになって終わった印象です。
前半のテイストで最後まで貧富差を風刺するような形にしてくれたほうが好きかもでした。
今の自分の感覚には合わなかっただけだと思います。
16どんでん返し
私には合わなかった
オスカーに値するかは?
格差と家族
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