「コメディチックからの急展開にゾッとする」パラサイト 半地下の家族 りんたろさんの映画レビュー(感想・評価)
コメディチックからの急展開にゾッとする
人生最高とは言い難いが、そんじょそこらの映画では味わえない満足感が得られる。
当時からめちゃくちゃ気になってたけど見られない事情があり、レンタル開始して満を辞して視聴しました。
当然アカデミー賞を受賞したという前評判ありきで見るわけだから、必然期待値は高まる。
しかし、高すぎたハードルのせいで見劣りしてしまったジョーカーの例があるので、なるべく過度な期待はしないよう心掛けました、
さて、映画はかなりテンポがよく、飽きがこない。2時間強の長さだが、まったく気にならない。
相手の家族にうまく取り入り家庭教師として潜り込む。それができたら、別の兄妹もうまいこと潜り込ませる。
そんか家族の作戦がスルスルとハマっていくのが気持ちいいし、軽妙な会話が面白い。
あまりにもうまくいくのが不自然で、どう考えてもこの後なんらかの不具合が生じることが目に見える。
そんな感じでいよいよ中盤。
あからさまに調子に乗りすぎた展開になり、いよいよ一波乱起きるぞと思いきや、一気にホラーチックでゾッとさせ、惹きつけられていく。
クライマックスは、怖さと、どこか切なさが混じるラスト。ちゃっかり伏線も回収。
アカデミー賞受賞と納得してせざるを得ない完成度でした。
ただ、満点を上げ損なった理由を1つあげるとするならば、自分が深読みしすぎて、最後、もう一発どんでん返しがあると期待してしまったから。
映画は素直に見ないとダメだね。それが今回の教訓。