「無計画」パラサイト 半地下の家族 Miyuさんの映画レビュー(感想・評価)
無計画
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韓国ドラマ映画でよく見る、卑屈層の人間が富裕層に復讐するみ構図の映画で馴染み深いってなった。しかしそれらのよくある映画とは一線を画してパルムドールとアカデミー賞を取れたのはどうしてか考えてみると、卑屈層の人々の性格がひん曲がっていて富裕層の人々がすごくいじわる、というなテンプレ的背景がなかった分、双方に感情移入できる体制が整ってて作品に真摯に向き合えたのかなという気がした。匂いが残ってるという象徴的な会話も、いやらしく意地悪に言うのではなく、あくまで特徴として自然に話していて、だからこそ切なく、無計画こそが最善の計画という考え方には貧困層の絶望を感じた。
韓国に流れてるこの問題について考えなければ、となるような社会派映画で、リアルすぎてわたしの好みには合わなかったけど、作品としては大満足だった。便器の上でタバコ吸うシーンには監督の凄まじいセンスを感じたし、家主と寄生する家族の双方で雨の捉え方(扱い方)が全く違うってのがめちゃめちゃ興味深かったし、ラストの殺人の引き金もかなり理解しやすく、最初から最後まで話に入り込みやすかった。地下に住む夫婦の演技が必死すぎてまじでトラウマになります。笑
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