「怒りの映画」パラサイト 半地下の家族 ぽこぺんさんの映画レビュー(感想・評価)
怒りの映画
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これは怒りの映画だと思った。
韓国映画らしい娯楽性に富んだブラックコメディで、笑わせたり、ゾクゾクさせたり、泣かせたりで楽しませてくれる。時計回り最高。
前半、コロコロと騙される社長一家に笑わされるが、後半の展開に、彼らは無知で無邪気な支配者の象徴なのだと分かる。まるで「パンがなければケーキを食べればいい」のマリーアントワネットみたいな。結局彼らにとって家政婦も運転手も家庭教師も、自分たちに仕える下民であって、信頼はしても決して友人にはなれないのだ。
怒りの引き金になる例の匂い。鼻をつまむ仕草がスローになった時は思わず笑ってしまったが、あの匂いというのはつまり、貧乏くささなんだろう。どんなに変装しても上手く演じても、消すことのできない貧乏くささ。主人公はそこに絶対的な断絶を感じて怒りが爆発するのだ。刃は、人はいいが紛れもない支配者である社長に向けられるが、そこにあるのは格差を生んだ社会への怒りなんだと思う。
あと、モールス信号の手紙の件は、インターステラーみたいなあり得なさで笑った。
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