「「ジョーカー」、「天気の子」との同時代性」パラサイト 半地下の家族 tadさんの映画レビュー(感想・評価)
「ジョーカー」、「天気の子」との同時代性
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定職につけず、日光があまり届かない半地下の家で暮らす家族。
長男が金持ちの家の家庭教師として雇われたことをきっかけに、父親も母親も妹も、家族全員が金持ちの家に入り込んで生活を始めた。すなわちパラサイト、寄生。
雨の夜、金持ち一家が不在のすきに広いリビングで好きなだけ飲み食いすれば、かりそめながらリッチな気分になる。半地下の家から脱出できたように感じる。
しかし、当然と言うべきか、物語は暗転する。
金持ちの家には地下室があり、闇金に追われる男が隠れ住んでいた。
半地下の住人と地下の住人との戦い。そして、地上の住人と半地下の住人とを隔てる格差。格差の見えない壁は「におい」として何度も示される。
そして地上の住人がにおいに露骨な嫌悪感を示した時、半地下の住人は地上の住人を殺し、自らは地下に下りていく。
格差があからさまになり、壁を乗り越えて向こう側に行く希望も抱きにくい時代。「ジョーカー」や「天気の子」との同時代性も感じる。
予備知識なしで見たので展開が予想できず、退屈する暇がなかった。
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