「主演2人の愚痴り合いが魅力的」デッド・ドント・ダイ とみしゅうさんの映画レビュー(感想・評価)
主演2人の愚痴り合いが魅力的
ジム・ジャームッシュの映画は「パターソン」しか観ていませんが、アダム・ドライバーの演技が実に素晴らしい大傑作でした。
本作もアダム・ドライバーが出演していると知って、必ず観ようと心待ちにしていたのです。
ゾンビ映画といえば、いくつか気になるテーマがあります。
1. ゾンビが誕生するきっかけは?
2. 誰がゾンビになるか(殺されてしまうか)?
3. 誰が生き残るか?
4. ラストはどうなるか?(ゾンビが根絶される、ゾンビの原因が解明され解決に向かう、ゾンビの大群から逃れて安全な場所へと向かう、など)
5. ゾンビは何を象徴しているのか?
本作はブラック コメディという体裁をとっており、しかもメタ視点が取り入れられています。
上記の1と5は、かなり露骨な形で観客に提示されます。
現代的かつ普遍的なテーマだなぁという印象です。
斬新な映像が見られるとか、意表を突く展開になるとか、そういうタイプの映画ではないなと思いました。
メタ視点の部分はニヤリとしてしまったし、「え?この展開はこれで終わりなの?」という肩透かしを喰らうところもありましたが、なんだか嫌いになれない魅力があります。
なんといっても、ビル・マーレイとアダム・ドライバーの2人がすばらしかったです。
2人ともただただ愚痴っているだけなんだけれど、それだけでなんだかおかしくて、このコンビでスピンオフを作ってもらえないかなと思いました。
必見という映画ではないけれども、こういう映画が劇場でかかる状況は悪くないなと思います。