罪の声のレビュー・感想・評価
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大作ではあるがやや物足りない
予告編を見た時は殺人事件を捜査する刑事物のミステリーなのかなと思って期待していたのですが実際はグリコ森永事件をベースとした物語だったのでちょっと肩透かしを食らいました。
結局半分実話、半分フィクションな訳ですからなんか中途半端さを感じてしまいました。
もちろん本作品はかなりの大作ではあるのですが、怖さ、悲しさ、せつなさみたいなものが少し物足りないと感じました。
また、登場人物が多くて全体的に少し間延びしている感がありました。
違和感も多少ありまして、そんなに小さな頃ではないはずなのにいつ誰のお願いで録音したのか覚えていないというのはちょっと変かなと感じました。
グリコ・森永事件を知らない世代の方のほうがむしろ楽しめる映画なのかもしれませんね。
途中でアイコムのIC-232というアマチュア無線機が出てくるシーンがあったのですが、私も大昔に同じ無線機を使っていたのでめっちゃ懐かしかったです。
最後に小栗旬が若い時の原辰徳に似ているのが気になってあまり映画に集中できませんでした。
さすがの野木亜紀子脚本!
滋賀県草津市のイオンシネマ草津にて、公開初日の初回上映を鑑賞。
かつて日本中を震撼させ迷宮入りしてしまったグリコ・森永事件をモチーフにした塩田武士氏のミステリー小説を小栗旬さんと星野源さんのダブル主演により映画化。
あたかも「たぶんそうだったんじゃないか劇場」的なリアリティーをもって、この未解決事件の真犯人像と事件の真相に迫るミステリー。
物語としては、小栗旬さん演じる35年前に時効を迎えていた劇場型犯罪の真相を追う主人公の新聞記者・阿久津と、幼少期にこの事件の脅迫テープに自分の声が使われていたことを知ってしまう、星野源さん扮する、京都在住のテーラー店主・曽根俊也を軸に、35年も前に迷宮入りした事件を掘り起こして一体どんな意味があるのかと自問自答しながらも、知らぬ間に犯罪に加担させられ、ある意味、被害者でもある「声」の主たちを巻き込んで事件の真相を巡る謎解きを行っていくというヒューマンミステリー的なお話し。
あいにくとベストセラー小説の原作は未読でしたが、私自身も、グリコ・森永事件については、京都府という、あの事件の顛末に関わる地域に住んでいる土地柄から、事件の当時はすごく怖かった印象が残っていますが、一体どの様に、この事件を料理されるのか楽しみにしていましたが、さすがに野木亜紀子さんによる脚本担当の作品だけあって、見事なバディムービーとして昇華させてくれていました。
あくまでも原作者の憶測によるフィクションであるのは分かりながらも、とても重厚なストーリーに、長尺な事もつい忘れてしまうほどお話しに引き込まれてしまいました。
お話しの展開や内容が内容だけに、「グリコ・森永事件」の真相とは謳えなかったのも理解出来ましたが、劇中の事件の犯行グループの行動のあらましはあの事件そのままでしたので、未だにあの事件をよく覚えている私からすれば、よく些細についてまでも調べ上げてあって、スリル溢れる内容にもなっていて面白かったです。
小栗旬さんの自然体な演技や、星野源さんもさすがにミュージシャンだけあって音感に鋭いのか、京都弁を上手く駆使してられて素晴らしかったです。
また端役に至るまで、中高年代の昔ながらのオールド映画ファンには懐かしく嬉しい豪華キャストだったのも堪らなかったですね。
私的な評価としましては、
現実のグリコ・森永事件を知らなかった世代でも楽しめるミステリー映画になっていたことでしょうし、 勿論、あの事件を鮮明に覚えている世代にとっても楽しめる作りの映画になっていましたので、文句なしの満点評価も相応しい作品かと思いました次第です。
この国の大人たちは未来を信じている
観終わった後に不思議とそんな感想を抱いた。
子供が出てくる作品を続けて観たからかもしれない。
信じている、というより、祈っているという言葉が近いかもしれない。
入れ替わり立ち替わり様々な人物が登場するが混乱することもなく、いつのまにか没入させられていた。
パズルのピースが次々にハマっていきダレもない。
最後までハラハラしながらのめり込んだ。
たったワンシーンで登場人物の背景を伝えてみせる説得力のある演技も多く、時にはほっと一息つかせるような緩急もあり、飽きずに楽しめた。
子供たちの未来を祈る大人がいる、だからきっと、まだ、大丈夫。
そんな、希望を感じさせてくれる映画でした。
過去の欠片を丁寧に紡いで辿り着く答え
実際の歴史的事件を下地に、あくまでフィクションとして描かれた本作ですが、造りが非常に丁寧で細部まで矛盾がなく、且つ、大袈裟になり過ぎない物語になっているため、これが真実ですと言われても信じてしまいそうなくらいです。
ミステリー的要素よりも、時効を迎えたとはいえ日本中を巻き込んだ事件の真実が明らかになるにつれて変わっていく登場人物の心理描写に重きをおいて描かれていました。
真実を知らない方が幸せだった人もいれば、知ったことで少しは傷が癒えた人もいて。動機を聞くと「そんなことで」と思うけど、それは時間が経った今だから、当事者じゃないから感じることで。
令和の時代に見るとなお、昭和という時代の異常性が際立ちます。
でもラストは、哀しみや虚しさの中に少しの希望を感じることができ救われました。
真実を追う意味
昭和に発生した大企業への脅迫事件。テーラーの俊也は事件に使われた音声が幼少期の自分の声であることを知り…。
グリコ・森永事件をモチーフとした作品。関係者の証言をたどり事件の様相に迫っていく作品で、D・フィンチャーのゾディアックの様な作品が好きな人にオススメです。
フィクションだがノンフィクションのような作り方
未解決のグリコ森永事件を題材にした塩田武士のフィクション作品。
子供の声で身代金の運び先を指示され、警察が追ったが犯人逮捕出来ず時効を迎えた。その声のカセットテープを自分の家で見つけた星野源が自分だと分かったところから物語は始まっていく。
本当にノンフィクションかと思うほどの説得力あるストーリーだった。
土井監督はもちろん、脚本が逃げ恥の野木亜紀子だったのも良かったのだろう。
テイラーの星野源、新聞記者の小栗旬、上司の古舘寛治、伯父の宇崎竜童、・・・出演者、みんな素晴らしかった。
エンディング曲のUru「振り子」もこの作品にマッチして良かった。
ホントに素晴らしい作品でした。
流転
ストーリーの骨子が、ミステリーというよりは、声 Voice をめぐる人生の後悔に焦点があたり、より悲しさが際立つ構成で。
新聞記者さんとテーラー屋さんの話しが中心なんだけれど、間違いを犯しそれを是正出来ないまま、他者にその傷を背負わせることになってしまうという人生の哀切に焦点が絞られている。
流転の人生に、幸あらんことを!
中途半端はいけないよ
ヨークの撮影が素晴らしかった。映画を見るのはああいうシーンが見られるところだね。
もう一ついいのは、エンデイングに流れるUruさんの歌!
前半はイマイチだなぁ・・・
小栗旬が「何のために報道するのか?」みたいなところに行き始めた頃から、引き込まれていくかな・・・
学生運動闘争とか、一つ一つが物足りなくて、中途半端、事件の動機の背景を網羅したにすぎない感じがした。
まあ、星野源、小栗旬を見たい方の映画だと言っていいかな。
予告動画ではもっと緊迫感があると思ったのだけれど、少々肩透かし感が残った、残念。
もう少し言えば、大道具や小道具、美術の統一感にかけていた(私個人の感想)。
映画の楽しみはセットにもあるからね。堤幸彦監督の映画みたいな、ああいう絵は見応えがある。
脇役もいい
この事件については鮮明に覚えています。色々な解釈があって良いと思います。犯人は捕まって居ないのだから…。
タイトルを見ると、声が犯罪の加担をしていると読み取れますが、私はあえて、罪つくりな声って思いました。
この映画は、少ししか写らない脇役の方も、重要な証言をもっているので、見逃してはいけないと思います。
この事件を知らない若い人達も、昔の事件を調べてから観ると面白さが倍増しますよ。
観てから調べるか、調べてから観るか
原作以上
原作はイマイチだったが、映画は良かった。原作は事件に、映画は人物に重点を置いている
原作の出来事の順番の入れ替えや、場面のメリハリのつけ方が良く小説より話が分かりやすい。
事件を追う動機も映画の方が納得出来る。小説よりも2人でいる時間が長いので、2人のバディものといえる
小説同様アラも目立つ
都合よくヒントを得られすぎ
昔の事をはっきり覚えていすぎ
テープの隠し場所がすぐ見つかりそう
素人が探して犯人が分かったのに、今まで真相が解明出来なかったのか
これらの点も、事件よりも人々に視点を当てたと思えば、作品として成り立っていた
子供が犠牲の上に成り立つ映画
大人になってから叔父の手帳とカセットテープを見つけ、過去脅迫事件の片棒を担いでしまったと気付いた男性と、些細なきっかけでその事件を追いかける事になった男性記者2人の話。原作未読。
実際にあった「グリコ・森永事件」などの大阪・兵庫企業脅迫事件を元ステージにして、今では時効になりながらも事件のしがらみに踠いている人達を映し出していた。
まとめづらい事件なのだが、あらゆる方面の推測などを上手く取り入れ分かりやすくしているのは好印象。
マジ内容本気にしそうな人いるでしょうね。
また、娘を持つ男性として星野源を採用しているが、娘を可愛がる姿があまりにも無さ過ぎる。
彼のパパらしき姿を期待しただけに。
まあ、スラスラと話進み過ぎの行き詰まりがない真相追求映画。
良い脚本を無難に作った感はあります。
グリコ・森永事件
80年代中頃、すでに社会人だった私は、この不可思議な事件の記憶が鮮明に残っています。
この映画は史実に忠実なドキュメントというより、それを題材に原作者なりの発想で再構築し、小栗旬&星野源という名プレイヤーの起用によって一級のエンターテイメントへと昇華させた作品と感じました。
事件は結局、終息宣言により2000年に完全時効となりましたが、当時滋賀県警の本部長だった方が捜査ミスの責任から官舎で焼身自殺、という切なくやりきれない思いが残っています。合掌。(週刊紙には本庁や幹部連から厳しく責任を追及されたパワハラとか、失態責任を全て負わされた事への抗議自殺とかの憶測記事もありましたが真相は不明です)
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