罪の声のレビュー・感想・評価
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「貴方はどんな人生をおくられてきたのですか?」この一言に映画の全てが含まれている。
最近よくある「史実ぽく誤解させるようなウソ映画」ではなく、本作の「史実に忠実なフィクション映画である立ち位置」こそが、映画の真髄なのである。
派手さこそないが、鑑賞者をストーリーにのめり込ませるのに十分な厚みある大河ドラマとして成立させた原作・脚本が素晴らしい。
映画では適材適所のキャスティングが完ぺきであり、その演出も素晴らしかった。
撮影・証明・音響は無難に熟して、鑑賞しやすく
例えば、電話のシーンでは受話器を近づけるにしたがい、相手方の音を大きくしたりする等すばらしい音響演出があったり
シーンを手際よく端的に切り替えたり、逆にあえて長回しにしたりと
観る人を意識した構成力と脚本を高く評価したい。
無理やり欠点をあげれば
5歳と8歳の子役の声に伸びがないので、リハーサルをもっと行い
日を改めて、撮影したりすれば、もう少し良い演技をしたのだと思う。
また、事件に巻き込まれた人々のそれぞれの人生の対比やそこに壮絶さもあったが、
悲惨な人生を表現する為に、首つりシーンは原作がそうなっていたとしても
タイミング的に
もっと違えた表現方法を考える冪だったと思う。
この映画を観た後は社会派映画である山崎豊子さん原作「華麗なる一族」をまた観たいと思った。
野木亜紀子はやっぱり、面白かった。
原作はいまひとつ、ピンとこなかったのですが、野木亜紀子だから、たぶん面白いだろうと期待して見に行った。やっぱり、期待通り、面白かった。まず最初のタイトル「罪の声」が出るところまでで、おもわず「すげえ!」って声に出してしまった。そこから、畳みかけるように、手がかりをもとに、関係者をあたっていき、真相が徐々に明らかになっていく。これぞ、時代背景通り、松本清張の社会派推理小説のスリル。「証言者だれそれ」とスクリーン上に出てくるところも、実にうまくスリルを盛り上げる。原作でもぼやっとしていたテーマ性を、はっきりと、わかりやすく明示し、よいドラマに必須の主人公の成長もきちんと描かれている。セリフもにくいほどツボを心得ていて、完全にいい意味で職人芸。大衆受けするように手堅く、ハリウッド的に作られているところが、評論家には受けないかもしれないが、面白いものは面白い。これ、好きです。
未解決事件から映し出す現代への警鐘、サスペンスとドラマを巧みに使い分ける脚本に脱帽
日本にあるいくつもの未解決事件の中でも、初の劇場型犯罪として語り継がれる「グリコ・森永事件」をモチーフにしたサスペンス。大学生の私は触りを聞いたことしかないため、ある程度の先入観は取り除かれているので、スッと入り、その結末にハッとした。
野木亜紀子らしいテンポのよさを出しつつ、前半はサスペンスの要素を押し出しながら真相を探る。知らぬ間に事件に巻き込まれ、その十字架と宿命のために奔走する曽根。その一方で、エンタメとしての消費を目的として始まった再検証に渋々立ち上がった阿久津。ふたつの線が同時に走りだし、交錯していく。ふたりが顔を会わせるとき、サスペンスからミステリーへと表情を変えていく。そこで描かれる過去と悲痛な半生。事件に荷担した被害者にも当然人生がある。その悲しみに触れていくが、そこで終わらない。一度立ち止まったことで見える真実に衝撃が走る。サスペンスとして再び動きだし、ドラマが再編される時に生まれる感動はグッと来る。
当時の全共闘や学生運動が生産したものに対し、消費された血の方が多い。そうして続く日本の今は変わっただろうか。この社会に疑問符を打ち、メッセージを刷りこんだ野木亜紀子。彼女の強い想いが台詞を超えて心に突き刺さってゆく。
本当に護らなければならないもの
実話ベースの普通に面白いフィクション映画
他人事だったけど
うさんくさい時代
久々映画、観てよかった
深淵なる罪の在処
なにかを得るために、なにかの代償を払って
わたしたちは生きています。
得るものと失うものとの均衡を逸したその差額を
ヒトは生きながらにして〈 罪 〉と名付けたとして
負うべき罪の重さに耐えられなくなって
背中からこぼれた因果の荷重を
これからの世界の担い手たる子供たちに
知らず知らずのうちに
押し付けてしまっていたとしたら
この世界は、なんて残酷なのだろう...
わたしたちはどれだけ
深淵たる螺旋の渦に身を任せたら
贖罪と忘却の彼方へたどりけるのだろう...
ヒトはだれにとっても〈いいヒト〉ではいられない。
自分がそう思っているヒトは
単に自分にとって[都合のいいヒト]ってだけかもしれない。
だったらそれで、いいじゃない?
せめて自分のまわりのヒトたちだけでも
〈いいヒト〉って...
思い思われる小さな世界でも、いいじゃない?
目に見える善良は、けして偽善じゃない。
目に見えない罪悪ほど、怖いものはない。
小栗さんが時折見せた
照れながらはにかむ笑顔に
救われた気持ちになりました
想像以上に良かったけれど小栗旬が・・・
予告を観て、どうしても観たくて。
想像以上に、良かった。
いや~、本当に良かった。
有名な俳優さんは、少ししか出ていなくて。
あとは、知ってる顔の俳優さんがチラホラ。
今思えば、小栗旬の出演料が高かった?(笑)
初めて観る俳優さんも、他の俳優さん達も。
演技が役に溶け込んでいて。
後半なんかは、今も自分の中に残っているほど。
人にオススメしちゃうう様な、好きな作品です。
レンタルで、もう一回か見ちゃうかもってくらい好きなんだけれど。
小栗旬が・・・。
小栗旬のファンもたくさん観に来てあったみたいで。
後ろで、えっ!ここで?って所で。
かなり長い時間、すすり泣きしてあって。
ハリウッド進出で、英語ができる様になったのを見せつけたいかの様な。
低い声で英語のシーンもあったけれど。
なんか映えないし。
やはり何をしても小栗旬で、正直ゲンナリ。
小栗旬嫌いじゃないし、ファンには悪いけれど。
小栗旬のシーンで、何度も現実に引き戻されて。
作品に入れているのに、止めてーって思った。
あれが小栗旬じゃなければ、もっと深みのある。
もっともっと味のある、良い作品になったと思うんだけれどなぁ。
大人が観て普通に楽しめる、とてもいい作品になっていると思うだけにすごく残念。
あの役、誰だったらよかったかな。
観終わって一週間たつけれど、いまだに考えています。
派手さはないけど面白かった
テーマは「子供たちの人生」
グリコ・森永事件はアラフォーの私にとっても記憶にある事件であったがその事件をモチーフとした映画で、あくまでもフィクションなのだがやっぱりグリコ・森永事件ってこんなんだったんじゃないのか⁉️って感じの恐ろしい映画だった!脅迫テープに使われた3人の子供たちの【その後、現在】がテーマになってる!重い内容で少し怖い。
グリコ・森永事件でおそらく自分の意志でない自分の声を使われた彼らは今どうしてるのか。例のキツネ目の男も出てきます。出てくるシーンはほんと怖かった。考えさせられる作品。
小栗旬がとてもいい。演技もよかった。街中を歩く姿はやはり目立つね。
少女の当時の親友役の演技がすごいと思ったらベテラン女優高田聖子だった。ちょい役とはいえ重要な役柄だったといえる。
星野源は歌手、俳優と二足のわらじ。凄いなぁ。
記憶の片隅より覗くどんよりした闇
主演の二人が二人なので、売れっ子集めた映画でしょ?なんて二の足踏む方もいらっしゃる様な気もしたりしますが、観た方が良い!と、思います。
僕は元になった事件の当時、クソの付く中学生だったので、あらゆる角度でど真ん中なので、より引き込まれたのは否めないのですが、主演や周囲の演者の派手じゃなくとも確かに感じる熱気であったり、押さえ目ながらしっかりと場面の感情を腹に伝えてくる音響(音楽)の素晴らしさ。お見事でした。原作の持つ魅力が大きいとは思いますが、それを映画として落とし込んだ脚本も良かったのではないでしょうか。
惜しむらくは画面かな。個人的にはどーしてもTVドラマっぽく感じてしまって、ちょいちょい入り込めなかったかな、と。後半の三者会談のシーン等は好みだっただけに、少し残念。でも、補って余りある魅力に満ちた作品である事は間違いないです。
翻弄された子どもたち
原作未読、星野源君目当てで見たのですが、久しぶりに丁寧に作られたしっかりしたドラマが観られました。
私自身子どもの頃でおぼろげな記憶のグリコ森永事件をベースにしたフィクションで、こんなのあったなと思いつつ、どこまでが本当か作り物なのか分からなくなるくらい。
事件の真相を暴くだけではなく、その事件に関わった人々、特に意図せず巻き込まれた子どもたちのその後が、断片的な情報から少しずつ大きな川のように繋がっていく物語に、幸せとは、人生とはなんだろう、と考え、あまりに過酷な運命に胸が痛みつつ、時にバディ二人の温かいやりとりに微笑み、とても良いバランスの映画でした。
日本もこんな映画作れるじゃん。
小栗旬君は色物もこなすけどさすがしっかり、飄々としてるけど目の奥に信念が感じられる新聞記者だし、星野源君は人の良いテーラーがとても自然で嫌味なく、この二人だから、そして二人が出会えたから今真実を話そうと思う人々が出てきたのは必然に思える。
それと、周りを囲む俳優陣の豪華なこと!派手ではなく、説得力のある演技で、特に同級生の女の子の話と総一郎のエピソードはこの物語に一層の深みを与えてくれる良いシーンでした。
お父さんは知ってたのだろうか、素直に育ったのは大事に愛情受けて育ったからだろう、恨みは全てを見えなくする、そんなことをしみじみ思いながら帰路につきました。
知らない間に事件に関与してしまったら、、、
原作は未読で予告がすごく気になって見に行きました。
2時間以上ある長めの映画ですが最初から最後まで次どうなるだろう?こことここが繋がって行くんだ!とかの連続で少しも飽きずに楽しむことができた。
もし知らない間に事件に関与してしまったらと考えるとすごく背筋が氷るし、その罪をずっと背負って生きてくのがこんなことなのかとすごく考えてしまった。
とてもよかったのでまた見に行こうと思います。
心の機微が丁寧に描かれていた
事件当時子供だった私は、ただ、「世の中から慣れ親しんだお菓子が消え...
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