罪の声のレビュー・感想・評価
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72点
職人のしごと
圧倒的に面白い。ふだんわたしは天才や鬼才などと称されている日本映画・監督をけなしてばっかりだが、祈りの幕が下りる時や本作のような職人の映画を見ると、溜飲がさがる。つくづく日本映画に天才・鬼才は要らない。どこがなぜ面白いかというより映画づくりを知り・解っていて、かつご自身の映画づくりにたいして職人的忠勤よりほかの自負心がない人たちが、賞と賞賛を狙わずに映画をつくっている。アーティストよりも前に技術者=職業監督として映画をつくっている。
ぐいぐい展開する、スコセッシのような余裕の演出力と、めまぐるしく時代と場所を跨ぐ、心地よいスピード感。撮影がきれいで、場面転換の都度、空から全景・絶景がぐわーっとパンする。予算も潤沢で、グリコ森永事件を完全に置き換えた、気の遠くなるような、小道具とエピソードの数々。新旧の俳優たちの競演。フレッシュな躍動と、ノスタルジーを同時に提供する、舌を巻くほど豊かでサスペンスフルな映画だった。
宇野祥平が良かった。ギロッとするときの小栗旬もいい。星野源は悪くないけれど、プロパーで固めてもいい──ような気はした。
役者が泣くシーンばかりが印象に残る
リアルタイムであった事が今…。
子どもにも「なんちゅう犯人だ!」と言わしめたグリコ森永事件。
毒物混入を見分ける為に、お菓子に個包装がされたのを思い出す。昔は箱でそのまま売っていて、包装なんかはされて無かったが、事件辺りから一気に変わったように思う。けど最近は表面上箱で中に別途の包装されてるから、どう進化したのか?よく分からない(笑)
毒入り食べたらしぬでとか独特の表現で、あの時代を象徴するような事件だった。
この作品はあの事件に発想を得て、想像で進めてるけど、身代金も取ることが出来なかったこの犯人たちが金融で利ざやを稼ごうとしてたと言う設定はそこそこ納得できる。
そして階級闘争…分からなくもない。
曽根母の警察への怨み、消えるはずもない。
他人への迷惑…そんなん気にするなら、あんな事はしない。
国外逃亡した達雄には腹立たしい。
企業を脅迫し巻き添えを産み出し、結局はカネが目的になってしまった。
ラストの尻すぼみ感は残念。
原作よりも明快
野木マジックの素晴らしい人間ドラマ
明るい話ではないが面白い
惹き込まれた
実際にあった未解決事件というだけで興味を惹かれる。それに巻き込まれていった子供たちの悲惨な人生。心がえぐられた。しかし犯人が過激派の人というのがちょっとがっかり感はあったかな。原作ものだから仕方ないが。役者の鬼気迫る演技は良かったです。小栗旬、これでアカデミー賞最優秀とれるかと思ったのですが‥
とにかく身を乗り出して真剣に魅入ってました。
当時、子供ながら、、
エンタメだからだけど
不幸な人生を歩んだ総一郎や、当時の学生運動の掘り下げ方がなんだか浅い感じがして内容が薄っぺらく感じてしまいました。第二次世界大戦後の世界的な情勢、社会的背景などなど、社会運動に関わる人には多くの葛藤があったはず。エンタメだから仕方ないかな?
原作と違う楽しみ方ができた。
原作を読んだ時から、ずっと映像化を楽しみにしてた。あの内容を3時間といえど、どう纏めるのだろうと思っていたが、後半に力を入れて、原作になかった(?)その後のドラマが描かれて楽しめた。あえてあげるのであれば、小説の解かれていくドキドキ感がなかったのは寂しかったけど、十分楽しめた
二本立て二本目。未解決グリコ森永事件の真相に迫る。ノンフィクション...
深い深すぎる❗️
事件をエンタメとして消費してるよね、これ?
「今更、掘り返す意味あります?」と作者にこそ問いたい。
「グリコ・森永事件をモチーフとしたフィクション」という発想は構わない。
しかし、実際に滋賀県警のノンキャリ叩き上げだった本部長が焼身自殺なさった件や実際に使われた声の子供達の存在、グリコ、森永、丸大、ハウス等で苦渋を舐めた社員の方々の事を考えたら「エンタメとして消費してよいのか?」と否定的感情を拭えない。
この映画の影響力は大きいですよ?
フィクションだと断ったって「これが真相に近いんだ」というイメージが刷り込まれちゃった人は少なく無いと思うよ?
それって、ちょっとどうなんだろう・・・。史実の認識を歪めちゃってるよね。
作品内容自体は作者の仮定・憶測の類に過ぎないフィクションなのだから、いっそのこともっともっとフィクションにしてしまって「事実」と切り離してくれたなら、フラットな気持ちで楽しめただろう。
作品テーマも曖昧で、正直なところ前半は苦痛だったが、瀬戸内海をバックに阿久津と曽根が心通わせ、阿久津が「掘り返す意味」に自分なりの回答を掴みかける辺りからは「ジャーナリズムの意義や価値、哲学」にテーマを絞って観ることにしたので、ようやく物語を受け入れられた。
私自身は学生運動世代ではないが、子供の頃〜学生時代にかけて目にした小説や書籍の中には学生運動を実際に経験した方々や、活動家ではなくとも運動が身近であった方々の手になるものも多々あった。
就職後、職場の先輩諸氏には当時ヘルメットとゲバ棒を手にしていたという方々もいたので、直接様々な話を聞いた。
世間一般では安田講堂の全共闘やら浅間山荘の連合赤軍やら極端に偏った過激派の暴力行為ばかりがピックアップされがちだが、それらは運動の本質から大きく乖離していると考える。
だから、本作のような上っ面だけをなぞり、さも闘争を理解したかのような扱いで描かれる事は非常に腹立たしい。
結局、原作者の年齢では所詮グリコ・森永事件も学生運動も、明治維新や信長・秀吉の天下統一と同じくらい「昔の出来事」に過ぎないのだろう・・・。
物語、脚本は面白かったし、監督の演出も良かったと思う。
しかしながら、事実を扱う時の配慮や学生運動への感覚、随所に見られるご都合主義など、様々なノイズが不自然な関西弁と同様に鑑賞を邪魔してくれた。
「各事件の発生日時、犯人による脅迫状・挑戦状、事件報道」が史実通りだった事に、言いようのない不快感を煽られてしまった。この部分も創作にしてくれていたならと、非常に残念だ。
それにしても、古都ヨークの美しさには改めて感慨を覚えた。
知らず知らずのうちに、宇崎竜童出演作品を連続して観てしまったが75歳の年齢をまったく感じさせない程お元気で嬉しい。
港のヨーコや横須賀ストーリーの印象が強烈なのでてっきり神奈川出身だと思い込んでいたが、なんと伏見区出身なのね。京男でありましたか!
まぁ、ともかく「騙し絵の牙」はノイズ無しで楽しみたい。大丈夫だよね?
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