罪の声のレビュー・感想・評価
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リアルタイムであった事が今…。
子どもにも「なんちゅう犯人だ!」と言わしめたグリコ森永事件。
毒物混入を見分ける為に、お菓子に個包装がされたのを思い出す。昔は箱でそのまま売っていて、包装なんかはされて無かったが、事件辺りから一気に変わったように思う。けど最近は表面上箱で中に別途の包装されてるから、どう進化したのか?よく分からない(笑)
毒入り食べたらしぬでとか独特の表現で、あの時代を象徴するような事件だった。
この作品はあの事件に発想を得て、想像で進めてるけど、身代金も取ることが出来なかったこの犯人たちが金融で利ざやを稼ごうとしてたと言う設定はそこそこ納得できる。
そして階級闘争…分からなくもない。
曽根母の警察への怨み、消えるはずもない。
他人への迷惑…そんなん気にするなら、あんな事はしない。
国外逃亡した達雄には腹立たしい。
企業を脅迫し巻き添えを産み出し、結局はカネが目的になってしまった。
ラストの尻すぼみ感は残念。
原作よりも明快
野木マジックの素晴らしい人間ドラマ
明るい話ではないが面白い
惹き込まれた
実際にあった未解決事件というだけで興味を惹かれる。それに巻き込まれていった子供たちの悲惨な人生。心がえぐられた。しかし犯人が過激派の人というのがちょっとがっかり感はあったかな。原作ものだから仕方ないが。役者の鬼気迫る演技は良かったです。小栗旬、これでアカデミー賞最優秀とれるかと思ったのですが‥
とにかく身を乗り出して真剣に魅入ってました。
当時、子供ながら、、
エンタメだからだけど
不幸な人生を歩んだ総一郎や、当時の学生運動の掘り下げ方がなんだか浅い感じがして内容が薄っぺらく感じてしまいました。第二次世界大戦後の世界的な情勢、社会的背景などなど、社会運動に関わる人には多くの葛藤があったはず。エンタメだから仕方ないかな?
原作と違う楽しみ方ができた。
原作を読んだ時から、ずっと映像化を楽しみにしてた。あの内容を3時間といえど、どう纏めるのだろうと思っていたが、後半に力を入れて、原作になかった(?)その後のドラマが描かれて楽しめた。あえてあげるのであれば、小説の解かれていくドキドキ感がなかったのは寂しかったけど、十分楽しめた
二本立て二本目。未解決グリコ森永事件の真相に迫る。ノンフィクション...
深い深すぎる❗️
事件をエンタメとして消費してるよね、これ?
「今更、掘り返す意味あります?」と作者にこそ問いたい。
「グリコ・森永事件をモチーフとしたフィクション」という発想は構わない。
しかし、実際に滋賀県警のノンキャリ叩き上げだった本部長が焼身自殺なさった件や実際に使われた声の子供達の存在、グリコ、森永、丸大、ハウス等で苦渋を舐めた社員の方々の事を考えたら「エンタメとして消費してよいのか?」と否定的感情を拭えない。
この映画の影響力は大きいですよ?
フィクションだと断ったって「これが真相に近いんだ」というイメージが刷り込まれちゃった人は少なく無いと思うよ?
それって、ちょっとどうなんだろう・・・。史実の認識を歪めちゃってるよね。
作品内容自体は作者の仮定・憶測の類に過ぎないフィクションなのだから、いっそのこともっともっとフィクションにしてしまって「事実」と切り離してくれたなら、フラットな気持ちで楽しめただろう。
作品テーマも曖昧で、正直なところ前半は苦痛だったが、瀬戸内海をバックに阿久津と曽根が心通わせ、阿久津が「掘り返す意味」に自分なりの回答を掴みかける辺りからは「ジャーナリズムの意義や価値、哲学」にテーマを絞って観ることにしたので、ようやく物語を受け入れられた。
私自身は学生運動世代ではないが、子供の頃〜学生時代にかけて目にした小説や書籍の中には学生運動を実際に経験した方々や、活動家ではなくとも運動が身近であった方々の手になるものも多々あった。
就職後、職場の先輩諸氏には当時ヘルメットとゲバ棒を手にしていたという方々もいたので、直接様々な話を聞いた。
世間一般では安田講堂の全共闘やら浅間山荘の連合赤軍やら極端に偏った過激派の暴力行為ばかりがピックアップされがちだが、それらは運動の本質から大きく乖離していると考える。
だから、本作のような上っ面だけをなぞり、さも闘争を理解したかのような扱いで描かれる事は非常に腹立たしい。
結局、原作者の年齢では所詮グリコ・森永事件も学生運動も、明治維新や信長・秀吉の天下統一と同じくらい「昔の出来事」に過ぎないのだろう・・・。
物語、脚本は面白かったし、監督の演出も良かったと思う。
しかしながら、事実を扱う時の配慮や学生運動への感覚、随所に見られるご都合主義など、様々なノイズが不自然な関西弁と同様に鑑賞を邪魔してくれた。
「各事件の発生日時、犯人による脅迫状・挑戦状、事件報道」が史実通りだった事に、言いようのない不快感を煽られてしまった。この部分も創作にしてくれていたならと、非常に残念だ。
それにしても、古都ヨークの美しさには改めて感慨を覚えた。
知らず知らずのうちに、宇崎竜童出演作品を連続して観てしまったが75歳の年齢をまったく感じさせない程お元気で嬉しい。
港のヨーコや横須賀ストーリーの印象が強烈なのでてっきり神奈川出身だと思い込んでいたが、なんと伏見区出身なのね。京男でありましたか!
まぁ、ともかく「騙し絵の牙」はノイズ無しで楽しみたい。大丈夫だよね?
阿久津英士さんへ質問
2020年キネ旬ベスト7位の作品で、原作は未読です。
公開当時は最近苦手になりつつある邦画に多いサスペンス系の作品だと思い二の足を踏み見逃していたのですが、評判は良く劇場で再公開してくれたので鑑賞しました。
自分が想像していた作品とは違い社会派の人間ドラマだったので面白かったです。実際に起きた事件(グリコ・森永事件)を元にフィクションとして実に見事に練られた作品で、当時の結局この事件は何だったのか?大がかりな愉快犯だったのか?等々の疑問が残る何とも不可解な事件だと思っていましたが、この作品の様な理由付けされると、これが真実だったのかも知れないと納得させられる様な内容でした。
ただこの主人公の阿久津英士(新聞記者)がちょっと胡散臭いほどの良い人ぶりであったのですが、社会部が嫌になり文化部にまわったのは良いが、その仕事ぶりは観もしない作品の論評をそれらしく記事にしているシーンがあり、それってこの作品の全体を通して考えると人格矛盾している気がして少し引っかかった。「この人の仕事に対する矜持って何?」って思ってしまいましたからね。
ここで、この主人公に聞きたいのですが、「矜持って職務によって変わるものなの?」「もし変わるのなら職務に貴賎があるという事を認めているの?」「自分の納得出来ない職務なら仕事に対する矜持なんて捨てても良いの?」って事ですね。
犠牲になった少女が映画雑誌のスクリーンを拾い読みしているシーンなどもわざわざ入れていて「ひょっとすると今の若い少女が同じようにアンタのそのいい加減な記事を熱心に読んでいるかも知れないじゃないか!!」って、つい突っ込みを入れてしまいましたからね。
良い映画だけにこういう細部の人物描写のアンバランスが気になる作品でもありました。更にラストの重要人物に対する台詞も、甥の俊也か少女の弟の聡一郎に言わせた方が説得力があるのにと思いましたよ。
例えば私『Fukushima 50』という映画をまだ観ていません。恐らく感動作なのだろうと思うのですが、個人的に電力会社という組織そのものに引っかかりがあり観ることが出来ない状態なのですが、本作に於いても私は“今のジャーナリズム”や“ジャーナリスト”そのものに不信感を持っている人間なので、作品の良さとは別のところで本作にも少し引っかかりを感じてしまったのです。
それは、去年の『新聞記者』などにも同様の思いがあったのですが、本作の真の主人公(テープの声の子供達)は犯人に利用された側だったので、私には本作の方が納得はし易かったです。
この作品で最も光っていたのは原菜乃華さんでした。
今の時代には触れることのあまりないステレオタイプのラジカセから聞こえてきた子どもの声。
物語の始まりはホラー要素ともとれる鳥肌が立つような展開で、ぞわぞわっと静かに恐怖を感じながら観ていました。
小栗旬さん、星野源さん、市川実日子さんなど豪華な面々のお芝居が素晴らしいのは勿論のこと、この作品で最も光っていたのは原菜乃華さんでした。
この作品で、初めて彼女の存在を知りました。
電話のシーンで目から零れ落ちる涙は、感情の結晶がぽろぽろと落ちていく様に一粒一粒が貴重で、痛くて、
ごく普通の少女だった彼女が知らぬ間に事件に関与していた悲しさ、絶望感、夢と現実、家族もすべてばらばらになってしまったその様は本当に残酷だった。
離して欲しい、自由になりたい、と願った彼女は離されたことでこの世にいられなくなってしまった。
彼女にとってもそれは望んでいなかった自由。
救いようのない結末だった。
周りから鼻をすする音が多く聞こえてきたのがこのシーンでした。
脇を固める役者が決して脇ではなかった。
宇野祥平、若葉竜也、篠原ゆき子、阿部純子と
…出るわ出るわ豪華な面々。
テーマが重く、疲れてしまいそうな内容にも関わらず、実力派のキャスト陣のおかげで集中力が途切れず見続けられたと思う。
曽根の妻の話を車の中でしていたシーンで出た
「厳しいんですね」「優しいんですよ」
阿久津と曽根のこのやりとりが妙に残っている。
名言を生み続ける野木亜紀子さんらしい、深みのある台詞だと感じた。
期待を裏切らない作品
徹底された被害者視点の物語
2020年No.1
登場人物が多すぎて覚えるのが大変だったが
スーツ屋さんの伯父さんが主犯格か?と思ったらその通りで、ドン転返しがあるような筋書きではなく、推理は一本道だった。TVを観ている感じがした。
昭和の中之島が懐かしい。プラザ合意前の、1ドル200円くらいだったころの話である。ITも発達しておらず、今も謎が残る事件であった。
細かいが、仕立て屋の母親が亡くなったシーンで、鼻の孔に詰め物がないので違和感があった。せめて布くらいかけてやればいいのに。
それと犯人(主犯格)がしゃべりすぎ。かといって観念したわけでもなく、逮捕請求されるや逃亡先のイギリスからさらに逃亡?それならなんでペラペラしゃべったの?
等多少突っ込みどころはありながらも、全体としては楽しめた。
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