罪の声のレビュー・感想・評価
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エンドロールで流れた振り子がとても沁みました
犯人が誰という視点ではなく、ひとつのカセットテープに狂わされた人達の姿がとても衝撃的で心の奥深くに刺さるような気持ちになりました。
憎きカセットテープの音声が、唯一残された娘の音声という救いようのない虚しさを考えると涙が止まりませんでした。
家族が裏テーマだと思うのですが、どのフォーカスに当てても心の奥には家族を想ってこその行動なため、どこかやるせない憎みきれないところがもどかしかったです。
展開にハラハラしながら見れて、さすが野木亜紀子さんの脚本だと思いました。素晴らしかったです。
野木亜紀子はやっぱり、面白かった。
原作はいまひとつ、ピンとこなかったのですが、野木亜紀子だから、たぶん面白いだろうと期待して見に行った。やっぱり、期待通り、面白かった。まず最初のタイトル「罪の声」が出るところまでで、おもわず「すげえ!」って声に出してしまった。そこから、畳みかけるように、手がかりをもとに、関係者をあたっていき、真相が徐々に明らかになっていく。これぞ、時代背景通り、松本清張の社会派推理小説のスリル。「証言者だれそれ」とスクリーン上に出てくるところも、実にうまくスリルを盛り上げる。原作でもぼやっとしていたテーマ性を、はっきりと、わかりやすく明示し、よいドラマに必須の主人公の成長もきちんと描かれている。セリフもにくいほどツボを心得ていて、完全にいい意味で職人芸。大衆受けするように手堅く、ハリウッド的に作られているところが、評論家には受けないかもしれないが、面白いものは面白い。これ、好きです。
なんかつまらない
ミステリー好きなので、時間もあり観にいってみました。んーなんだろう、正直個人的にはあまり面白いと思えなかった。みなさんの演技はとても上手だったと思います。個人的に納得いかないところは、なんで闘争中の時に一目会っただけで次会った時に両方とも忘れずに覚えているんだよという点。ただの感想です。
ネガティブには、なります。
テンポよく1つ1つ進んでいき、どんどん引き込まれていきました。
これは犯罪に利用された人たちの物語。
一人は知らずに生き、二人は壮絶な人生を歩まされた。
同情では言い表せられない。本当に酷いものだ。
身勝手な大人たちのせいで人生を無茶苦茶にされた子たち。
既に年相応まで成長した女の子が一番不幸に感じた。
あの悲痛な叫びは、本当に心が痛む。
曽根俊也の母親が亡くなった時、妻と娘がありがとうと言う中、息子の俊也だけがありがとうと言わなかったのが、悲しすぎる。
一体、実の母に対して何を思いながら看取っていったのか。
そして達夫は最後、どこに行ったのかな。
もしかしたら、この世から姿を消したのかもしれないとも思ってしまう。
最後までハッピーな気分にはなれないので、これを見たら、ポジティブな作品を観ることを勧めます。
私は先にとんかつDJアゲ太郎を観といて本当に良かった。
未解決事件から映し出す現代への警鐘、サスペンスとドラマを巧みに使い分ける脚本に脱帽
日本にあるいくつもの未解決事件の中でも、初の劇場型犯罪として語り継がれる「グリコ・森永事件」をモチーフにしたサスペンス。大学生の私は触りを聞いたことしかないため、ある程度の先入観は取り除かれているので、スッと入り、その結末にハッとした。 野木亜紀子らしいテンポのよさを出しつつ、前半はサスペンスの要素を押し出しながら真相を探る。知らぬ間に事件に巻き込まれ、その十字架と宿命のために奔走する曽根。その一方で、エンタメとしての消費を目的として始まった再検証に渋々立ち上がった阿久津。ふたつの線が同時に走りだし、交錯していく。ふたりが顔を会わせるとき、サスペンスからミステリーへと表情を変えていく。そこで描かれる過去と悲痛な半生。事件に荷担した被害者にも当然人生がある。その悲しみに触れていくが、そこで終わらない。一度立ち止まったことで見える真実に衝撃が走る。サスペンスとして再び動きだし、ドラマが再編される時に生まれる感動はグッと来る。 当時の全共闘や学生運動が生産したものに対し、消費された血の方が多い。そうして続く日本の今は変わっただろうか。この社会に疑問符を打ち、メッセージを刷りこんだ野木亜紀子。彼女の強い想いが台詞を超えて心に突き刺さってゆく。
星野源、小栗旬。そして脚本の野木さん。 間違いない!!
《朝が来る》に続き、とてもとても良かった。 巻き込まれた子供達‥ 総一郎さんの問いかけは頭から離れないシーンでした。 色んな人にオススメしたいと思いました。
本当に護らなければならないもの
めちゃくちゃ面白かった‼️有名な未解決事件の真相を追う小栗旬と星野源が作品の軸なのですが単なるドキュメンタリーを見ている感情は全く湧いてこない。 彼らが探していたものが単なる事件の真相では無い事が見ている者を映像に引き付けたのかな。 結局、ありきたりの事に繋がりますが、だからこそ衝撃的だ‼ 忘れているんだよね‼みんな当たり前の事を‼️ 金、保身、エゴ、享楽がはびこる社会のなかでわたしも、あなたも、社会も、勿論‼️国家も‼️ まず一番護らなければならないものを考えなさいって言われた感じだ。 わたしは、、、偉そうに言えませが。
実話ベースの普通に面白いフィクション映画
グリコ森永事件をベースに、週刊誌記者の取材を通して明らかにされる当時の謎、そして関係者のその後。 映像化された実話の中で巧みにフィクション展開される事件直後の子供たちの様子が、あたかも実際にそうであったかのような錯覚に陥るのが面白い。 観終えた今、当時実際に声を使われた子供のその後が気になって仕方ない!
他人事だったけど
とても良い映画だった。 この事件は当時、小学校の頃だったと思う。 テレビのニュースで表面的に怖いと感じた記憶がある。 自分にとってはどんなニュースも一過性なもので、どちらかといえば、穏和な日々を過ごしてきている。 映画を観て、もしかすると一方で閉ざされた生活を送らざるをえない人が、どこかにいるかもしれないと。それをふと思い、背筋が寒くなった。
うさんくさい時代
原作を読んだ上で観ました。犯人側の家族についてのその後とか、あまり考えないでしょ?今なんか、すぐネットに晒されて、家族共々モンスター扱いされちゃって。 聡一郎と望の人生を思うと、切なくなります。グリコ森永事件をモデルにしたフィクションではあるが、実際の脅迫電話にも子供の声が使われていたわけです。こういう話も、あり得る。 映画と原作とは少し異なるが、おもしろかった。 で、こういう事で最終的に得する奴って誰?
久々映画、観てよかった
小栗旬さんと星野源さんのストーリーが少しづつ交差していき、終始テンポ良く物語が進んでいき、観ていて飽きない。 ちゃんと最後まで見れるし、納得できる。 新聞記者としての情熱をフツフツととりもどしていく絶妙な役を小栗旬さんが演じきっており、素晴らしい俳優さんだなと思った。 他のキャスト方もみんなそれぞれの役とハマっていて、引き込まれていく感じがした。 壮絶な人生と幸せな人生な人生は紙一重だなぁ、と思いました。 悲しくて悔しいシーンにつらくて泣けてしまった。 元となった事件は、全く知らなくてもこの作品を楽しむことが出来ました。 良い時間でした。
深淵なる罪の在処
なにかを得るために、なにかの代償を払って わたしたちは生きています。 得るものと失うものとの均衡を逸したその差額を ヒトは生きながらにして〈 罪 〉と名付けたとして 負うべき罪の重さに耐えられなくなって 背中からこぼれた因果の荷重を これからの世界の担い手たる子供たちに 知らず知らずのうちに 押し付けてしまっていたとしたら この世界は、なんて残酷なのだろう... わたしたちはどれだけ 深淵たる螺旋の渦に身を任せたら 贖罪と忘却の彼方へたどりけるのだろう... ヒトはだれにとっても〈いいヒト〉ではいられない。 自分がそう思っているヒトは 単に自分にとって[都合のいいヒト]ってだけかもしれない。 だったらそれで、いいじゃない? せめて自分のまわりのヒトたちだけでも 〈いいヒト〉って... 思い思われる小さな世界でも、いいじゃない? 目に見える善良は、けして偽善じゃない。 目に見えない罪悪ほど、怖いものはない。 小栗さんが時折見せた 照れながらはにかむ笑顔に 救われた気持ちになりました
正義を言う人の悪
事件の関係者と知ってしまった俊也。
記者として記事にすることになった阿久津。
この二人の線がどこで一点に結ばれるか。
前半はそこが見所たったが、
やっぱあんたかい!
思った通りの人がうっかり繋げてしまう。
そんな顔してたもんな。
けどあの人居なけりゃこの映画成り立たないから、最重要人物だな。
結ばれた線が、今度は二人によって手繰り寄せ、ほどかれる。
なんとも言いがたい過去に、胸が締め付けられる。
この人たちの現実を見て、それでも『奮い立つ』とか言ってられるか?
正義を言う裏で人がどんな目に遭っているか。
それを想像することができる人なら、正義なんて言葉に逃げないだろう。
望ちゃんの同級生も、言うなれば30年以上の犠牲者の一人だろう。
想像以上に良かったけれど小栗旬が・・・
予告を観て、どうしても観たくて。 想像以上に、良かった。 いや~、本当に良かった。 有名な俳優さんは、少ししか出ていなくて。 あとは、知ってる顔の俳優さんがチラホラ。 今思えば、小栗旬の出演料が高かった?(笑) 初めて観る俳優さんも、他の俳優さん達も。 演技が役に溶け込んでいて。 後半なんかは、今も自分の中に残っているほど。 人にオススメしちゃうう様な、好きな作品です。 レンタルで、もう一回か見ちゃうかもってくらい好きなんだけれど。 小栗旬が・・・。 小栗旬のファンもたくさん観に来てあったみたいで。 後ろで、えっ!ここで?って所で。 かなり長い時間、すすり泣きしてあって。 ハリウッド進出で、英語ができる様になったのを見せつけたいかの様な。 低い声で英語のシーンもあったけれど。 なんか映えないし。 やはり何をしても小栗旬で、正直ゲンナリ。 小栗旬嫌いじゃないし、ファンには悪いけれど。 小栗旬のシーンで、何度も現実に引き戻されて。 作品に入れているのに、止めてーって思った。 あれが小栗旬じゃなければ、もっと深みのある。 もっともっと味のある、良い作品になったと思うんだけれどなぁ。 大人が観て普通に楽しめる、とてもいい作品になっていると思うだけにすごく残念。 あの役、誰だったらよかったかな。 観終わって一週間たつけれど、いまだに考えています。
派手さはないけど面白かった
当時を知らないので新しい事件として観ました。 事件がたって30年すぎ、その事件を調べるのがテーラーや当時を知らない新聞記者で別々に事件を調べていくなかで繋がっていき事件の真相にたどり着く。 じわりじわりと核心にせまり引き込まれた。 ヒューマンサスペンスという事で声を使われた子供たちのその後が切ない。 小説を未読だからわかりませんが事件の関係者がたくさんいて、その人物像が省略されてるのかと感じた。 それでもストーリーや俳優さんの繊細な演技でおもしろく観れました。 今なら防犯カメラやら科学捜査など当時にはない進んだ捜査がされ小さなほころびからきっと未解決にはならなかった事でしょう。
テーマは「子供たちの人生」
グリコ・森永事件はアラフォーの私にとっても記憶にある事件であったがその事件をモチーフとした映画で、あくまでもフィクションなのだがやっぱりグリコ・森永事件ってこんなんだったんじゃないのか⁉️って感じの恐ろしい映画だった!脅迫テープに使われた3人の子供たちの【その後、現在】がテーマになってる!重い内容で少し怖い。 グリコ・森永事件でおそらく自分の意志でない自分の声を使われた彼らは今どうしてるのか。例のキツネ目の男も出てきます。出てくるシーンはほんと怖かった。考えさせられる作品。 小栗旬がとてもいい。演技もよかった。街中を歩く姿はやはり目立つね。 少女の当時の親友役の演技がすごいと思ったらベテラン女優高田聖子だった。ちょい役とはいえ重要な役柄だったといえる。 星野源は歌手、俳優と二足のわらじ。凄いなぁ。
記憶の片隅より覗くどんよりした闇
主演の二人が二人なので、売れっ子集めた映画でしょ?なんて二の足踏む方もいらっしゃる様な気もしたりしますが、観た方が良い!と、思います。 僕は元になった事件の当時、クソの付く中学生だったので、あらゆる角度でど真ん中なので、より引き込まれたのは否めないのですが、主演や周囲の演者の派手じゃなくとも確かに感じる熱気であったり、押さえ目ながらしっかりと場面の感情を腹に伝えてくる音響(音楽)の素晴らしさ。お見事でした。原作の持つ魅力が大きいとは思いますが、それを映画として落とし込んだ脚本も良かったのではないでしょうか。 惜しむらくは画面かな。個人的にはどーしてもTVドラマっぽく感じてしまって、ちょいちょい入り込めなかったかな、と。後半の三者会談のシーン等は好みだっただけに、少し残念。でも、補って余りある魅力に満ちた作品である事は間違いないです。
翻弄された子どもたち
原作未読、星野源君目当てで見たのですが、久しぶりに丁寧に作られたしっかりしたドラマが観られました。 私自身子どもの頃でおぼろげな記憶のグリコ森永事件をベースにしたフィクションで、こんなのあったなと思いつつ、どこまでが本当か作り物なのか分からなくなるくらい。 事件の真相を暴くだけではなく、その事件に関わった人々、特に意図せず巻き込まれた子どもたちのその後が、断片的な情報から少しずつ大きな川のように繋がっていく物語に、幸せとは、人生とはなんだろう、と考え、あまりに過酷な運命に胸が痛みつつ、時にバディ二人の温かいやりとりに微笑み、とても良いバランスの映画でした。 日本もこんな映画作れるじゃん。 小栗旬君は色物もこなすけどさすがしっかり、飄々としてるけど目の奥に信念が感じられる新聞記者だし、星野源君は人の良いテーラーがとても自然で嫌味なく、この二人だから、そして二人が出会えたから今真実を話そうと思う人々が出てきたのは必然に思える。 それと、周りを囲む俳優陣の豪華なこと!派手ではなく、説得力のある演技で、特に同級生の女の子の話と総一郎のエピソードはこの物語に一層の深みを与えてくれる良いシーンでした。 お父さんは知ってたのだろうか、素直に育ったのは大事に愛情受けて育ったからだろう、恨みは全てを見えなくする、そんなことをしみじみ思いながら帰路につきました。
バイプレーヤー祭り
バディものインタビュー映画。
主演二人が一般人を訪ね歩くが、それに扮する俳優陣と
その背景となるプロダクションデザインが素晴らしい。
老いぼれた団塊世代を容赦なく断罪する事で、前時代の清算と訣別を為す。再現度の高い昭和の風景と共に。
西日本各地の景色の美しさと泥をすすり闇に蠢く底辺のコントラスト。
板長のキャラが絶品!
親世代の罪に子供世代が挑む
『罪の声』
グリコ森永事件のWikipediaにも挙がっている幾つかの犯人説が合わさってて、不気味なリアルさがある。
本当に真相はこうだったんじゃないかと思う程の説得力があった。
主題歌が映画の内容(特に聡一郎の境遇)とハマりすぎて泣けた。
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