罪の声のレビュー・感想・評価
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あの事件を見事に昇華させた作品。
あーあのグリコ・森永事件がモチーフなのね、とすぐに分かります(相変わらずそんな基本的予備知識さえも入れずに鑑賞)。でもあの事件はあくまでもモチーフであり、この映画はフィクションとして十分に楽しめました。楽しむ、という表現で良いのかどうかわからないけど、未解決事件のミステリーを見事に社会派エンターテインメントに仕上げていると思います。 土井監督がこういう骨太なものも作るというのは意外でした。素晴らしい!個人的にはもっと硬派でも良かった位ですがそこはエンタメ性とのバランスですかね。 関西人としては主演お二人の関西弁にはどうしても引っかかってしまうものの(特に星野の源さんの京都弁かなりアレですw)まぁ関東の役者さんには関西のイントネーションはかなり難しいでしょうからそこは大目に見ます、はい。対して松重さんの関西弁は上手いなぁと思って調べたら福岡出身なんですね。なるほど。 そんな方言問題はどうでも良いです。 緻密なストーリー、80年代の空気、さらに遡って70年代初頭までの学生運動の時代性、人数は多いものの非常によく整理されていた登場人物、そして70年代、80年代を存在で表現できるベテラン俳優陣と物語を十分に引っ張れる主演の小栗旬さん星野源さん。全部イイ! あの時代を知ってるかどうかでも評価は分かれるのかなぁ。私は幼い頃に毎日全共闘等のニュースをTVで見ていた記憶があり、グリコ森永事件のあった84年にはまさにロンドンにひと月いたのでとてもリアルにあの時代を感じました。 現実の事件自体は非常に重いものだったので映画を通してあらためて振り返りいろいろ考えさせられましたが、観終わって気分がどんよりしんどくなるようなことは決してなくて、良い作品に巡り合えた幸せをひしひしと噛みしめてました。あの結末の救いの形もイイなぁ。。 ところでー 2020年も後半にきてマイベスト10上位に入るであろう邦画2作(「朝が来る」とこちら)が燦然と現れ秀作揃いの今年はベスト10を選ぶのにかなり難航しそうです。
宇崎さん、塩見さん。
あの事件かと思ったけど、もっと似せてもよかったと思いました。 あと少し広げすぎかなと。 外国まで行かず、日本だけでも良かったと覆いました。 小栗旬の演技はさすがです。 市川実日子も。 でも宇崎竜童はまだあの役には若すぎると思う。 昔、『TATTOO<刺青>あり』、がよかった。俺はまだあの演技に惚れてます。 原菜乃華もよかった。もっと出してもいいと思いました。 あと、最近観ることができるようになった「塩見三省」さん、かっこいい。 先日、NHKのドラマで久しぶりに見て、かっこよくなっていたのに驚きました。 「12人の優しい日本人」で初めて観たときは顔がでかいダサいなぁなんて思ったけど。 あんなに憂いを帯びた迫力のある俳優に変われるなんて。 田中裕子、倍賞美津子、桃井かおり、塩見さん。 年配の俳優に脱帽です。
星野源 以外は良かった
各自の言動に不自然さを感じる事が多く、なかなか入り込むのが難しかったのです…。
途中からは自身の謎解き欲求が不自然な展開への嫌悪感を上回ることができたからか、不自然さに慣れてきたからなのか、盛り上がれましたが。
細かな『なんで?』を気にしなければ、それなりに重厚な日本映画って感じで楽しめます。
小栗旬や脇役が良かったからかな。
あまり関係ないけど、ソウイチロウさんの子役は、星野源の子供時代の方がピッタリかなと思いました…。
何を伝えたいのか?
知らない方が幸せなことが多数を占める、それを知った不幸と言うテーマと、我々一般大衆も知らないこと、忘れていたことを知ってしまうテーマとの矛盾。 何を伝えたいのか、理解に苦しむ。 長々とした小説を2時間にまとめる脚本、映像編集、キャストの演技は素晴らしいが、リアリティが無さすぎる反面、史実の3人の事をどのように保護して、守ってあげられてきたのか。無責任な表現の仕方で、本当の3人を傷つけていないか、本部長のことも踏まえると、知らなくて良いことを敢えて、大衆に伝える作品で、見ない方が幸せな映画。こんな映画は初めて観た。観て後悔。3人のこと、本部長ご家族を含めて、そっとしておくべきことをジャーナリストの勘違いで、大衆に拡げてしまう自分勝手極まりない感覚ではないか。 公開日に京都でのほほんと観ている作家の神経が恐い。
面白かったがテーマがわからない
35年前食品会社を標的とした一連の企業脅迫事件は、日本の犯罪史上類を見ない劇場型犯罪となった。 大日新聞記者の阿久津英士は、既に時効となっているこの未解決事件を追う特別企画班に選ばれ、取材を重ねる毎日を過ごしていた。 一方、京都でテーラーを営む曽根俊也は、家族3人で幸せに暮らしていたが、ある日、父の遺品の中に古いカセットテープを見つける。「俺の声だー」それは、あの日本中を震撼させた未解決事件で犯人グループが身代金の受け渡しに使用した脅迫テープと全く同じ声だった。やがて運命に導かれるように2人は出会い、ある大きな決断へと向かう。 ストーリーは非常に丁寧で日本のサスペンスにしてはすごく力の入った作品。実際の事件をベースにしてるだけにリアリティは素晴らしく、本当にあったかもしれないと思わされた。 キャストもやや違和感のある関西弁を除けばいい演技だったと思う。特に宇野祥平の役作りは鬼気迫るものがあった。 ただ、全体的には冗長な面も多い。登場人物が多く、少し集中を切らすと誰が誰だかわからなくなる。また、悲壮感の多いシーンが後半続くのでちょっと鑑賞後のテンションは下がる。 1番腑に落ちないのは犯行グループの動機。意味のあることを言ってるようで、全く言ってないような気がする。ここに魅力を感じないので全体の評価は下がります。 ただ、犯行グループの
普通に面白かった
有名なグリコ森永事件の映画化。
もちろんこの事件は知っている。でも詳しくは知らなかったので、今回の内容がどこまで真実かはわからない。
ただ、この映画のタイトル、子供の声が犯罪に使われたのは事実だ。罪なのは声の主ではない。それを利用した犯人だ。それでも子供達はその罪と共に生きていかなくてはいけなかった。
3人の内2人の姉弟は最初から巻き込まれて苦しみの中で生きていた。本当に辛く悲しい人生だ。そしてもう1人は大人になって知ることになる。それはまた衝撃の事実だろう。どう消化すればいいかわからないと思う。そして真実とは何かを求めて動き出す。星野源がこの勇気ある誠実な男を見事に演じていた。
そして、最後に出てきた宇崎竜童のかっこよさと存在感が素晴らしかった。
小説をそのまま映画にした感じ
前半は、事件の真相がときほどかれる過程は、数珠つなぎで淡々と進んでいき、小説を読んでいるよう。 複雑な事件については、よくここまで考えたな、と感心。 後半は、小栗旬と、星野源のキャラクターが活きてきて、メッセージも伝わってきました。 ただ、やはり間延び感は否めず、満足であるけれど、あと一歩、という感じでした。
考えさせられる。
実際の事件を元にしているのでリアリティがあった。 大人の欲望に人生を翻弄されてしまう子供たちを思うと無念に感じた。 主役の二人よりも周りのキャストの演技が良い。人に勧めたい映画。 エンドロールの主題歌も良く余韻を楽しめた。
フィクションなのに
ギンガと名前を変えたお菓子事件と キツネ目の男の三億円犯人の 迷宮入り事件を織り交ぜたフィクション作品なのに 実際の事件とシンクロしすぎて観てるとノンフィクションのような気になってました
紐解かれるスピード
後半盛り上がるパターンってよくあるじゃないですか。 この映画は、最初からググッと引き込まれました! 悲しくて辛い場面がもちろん多いのですが、小栗旬と星野源のやり取りが、ちょっと「クスッ」とくるところもあって、とっても面白い映画でした。 マスコミに対する意見って本当に賛否両論だと思います。伝え手は心ある言葉で、受取り手は心ある目で。 リアルの世界でもこうであって欲しいと感じました。
運命とは
少しの事で運命が変わってしまう 知らなくて良いことも沢山あるのは事実ですが、それに向き合うことも必要 あまり期待していなかったのもあったのですが、予想以上に面白かったです どんな人生を歩むのか、それが運命なのか? でも、そこに導いた人を恨んでしまいますよね
日本最大の未解決事件の新解釈
予告編を観て面白そうだった上に、レビューサイトでの評価がかなり高かったので今回鑑賞いたしました。しかも個人的に好きな俳優である星野源と小栗旬のダブル主演ということで、私の期待は勝手に膨らんでおりました。 ちなみに原作は未読で、モチーフとなった実在の事件である「グリコ森永事件」についても事件の名前を聞いたことがある程度の知識でした。 結論から言えば、非常に面白かった。会話シーンが多いけどテンポが非常に良くてサクサクとストーリーが進んでいくところも良かったし、事件概要についてキチンと説明があったので「グリコ森永事件」を知らない私にも非常に分かりやすかった。事件を追う二人の男たちが、ある時点で邂逅し、共に事件解決に向かうバディものとしての面白さもあった。ただ、後述しますが終盤にある衝撃の展開があるのですが、それは「唐突過ぎない?」って感じで違和感があって、そこだけ低評価ポイントだったかなぁ…。でも、ボリュームのある原作を2時間20分の短い尺に頑張って纏めたことで生まれた違和感だったのかもしれないですね。それを考えると仕方ない部分もありますね。 ・・・・・・・・・・・ 京都で父から引き継いだ小さなテーラーを営む曽根俊也(星野源)は、妻と娘と一緒にごく普通の幸せな生活を送っていた。ある日父の遺品である小物入れの中から、「1984」と書かれたカセットテープと、英語のメモが書かれた手帳が出てきた。俊也がテープを聴いてみると、そこには幼少期の自分が不思議な文章を読み上げる声が収録されていた。手帳に書かれていた「GINGA」「MANDO」の文字を手がかりに調べてみると、その音声は30年以上前に発生した戦後最大の未解決事件「ギン萬事件」で犯人グループが使用していた音声であることが判明する。 時を同じくして、新聞記者である阿久津英士(小栗旬)は、過去の事件を再調査する企画に半ば強引に参加させられ、「ギン萬事件」について調査をすることとなった。 ・・・・・・・・・・・ 自分が戦後最大の未解決事件に加担していたかもしれないと独自に調査を進める曽根と、会社の企画で嫌々ながら「ギン萬事件」の調査に乗り出す阿久津。事件の発生から30年以上経過した平成の末期に、偶然にも二人の男が事件の真相に迫るというのは結構熱い展開です。 二人はそれぞれが持っている手がかりから当時の関係者などに聞き込み行ないます。聞き込みを行なう→別の関係者を教えてもらう→聞き込みを行なう→……という感じで、20分くらいは二人の聞き込みを見せられます。この聞き込みが繰り返されるシーンは正直「長いな」と感じてしまいましたが、ところどころ飽きさせない展開がありますし、事件の概要を観客に理解させる意味でも必要なシーンだったとは思います。聞き込みの過程で「どんな事件だったのか」がしっかり説明されるので、私のようにモデルとなったグリコ森永事件について知識が無くても全く問題はありませんでした。 そして、曽根も阿久津もとある共通の証言者に行き当たり、そこで「自分以外にも事件について調べている人間がいる」ということに気が付きます。その後二人は邂逅し、紆余曲折を経て共同で事件の調査に乗り出します。原作よりもバディものとしての毛色が強くなっているらしいですが、個人的にはそういうの大好きなんで、高評価ポイントですね。二人が持っている情報を刷り合わせて、更に真相に近づく描写も良かったです。 過去の未解決事件を通して、マスコミはどうすべきだったのか・警察はどうすべきだったのか・既に時効を迎えた過去の事件を蒸し返すことにどんな意義があるのか・自分の声が犯行に使われた子供たちがどうなってしまうのか等々……。様々な事に対する問題提起がなされる作品でもありました。この作品では、それらの問題提起に関して「映画としての回答」をきちんと提示していたので、そこも高評価です。 1つだけ不満点を挙げるなら、物語終盤で「意外な犯人」が判明するシーンがあるのですが、そこだけが非常に唐突で特に伏線も無いので気になってしまいました。何故父の遺品が入った小物入れからテープと手帳が出てきたのかも最後まで謎でした。 まぁ、多少の不満点はありつつも非常に楽しめる傑作映画だったと思います。それはレビューの点数の高さが物語ってます。最近の邦画には珍しい、重厚で骨太で楽しめる映画でしたので、オススメです!
めちゃくちゃ丁寧に作られた作品…!
雑なところが全然なくてとても丁寧に作られた良い映画だった…。
作り手からのたくさんの問題提起とメッセージが込められてるのを感じて胸が詰まった。
モチーフとなった事件を知らない+原作は未読だったのだけど、野木亜紀子さんが脚本をされているということで鑑賞。
事件や人の不幸をエンタメにして消費するマスコミと大衆への疑問。
「正義」という大義名分をかかげた暴力によって傷付けられ翻弄される、社会的弱者の立場にある人々へのまなざし。
解決しなかった事件によって人知れず痛みや何かを背負い続けた人たちへのまなざし。
(社会的弱者へのまなざしや、裁かれるべき者が裁かれないことで生まれる社会や誰かの人生の歪みや痛みは、同じく脚本を担当した野木さんのドラマ、MIU404でも描かれていた気がする。)
意図せず犯罪に加担した者たちの痛みと苦悩。
昭和(古い時代)の学生運動や暴力の価値観の否定と脱却と、過去を教訓にしようという想い。
実際は未解決らしい事件をベースによくこんな物語を生み出すなあと感動してしまった。モチーフになっているのは過去の事件だけど、提起される問題を今の時代にも十分当てはまるものにして、今の価値観で落とし所へ帰着させている(阿久津や曽根は昭和や過去の価値観を持たない今のアップデートされた価値観の持ち主だ。)
マスコミ側(当事者ではない新聞記者)と一般市民(しかも社会的弱者だったために巻き込まれた事件当事者)、双方の視点から描かれて、両者が絡み合い、最終的には共に寄り添いながら動くようになる、という物語の構図もすごくうまいし良い。
阿久津と曽根が相棒のような関係になっていくところは胸が熱くなったし、この重い物語の清涼剤にもなっていた。ラストシーンも良かったな…。
序盤はサスペンス要素が強くて物語がずっと緊迫し、底知れない恐ろしさみたいなものがあってずっと怖かった。
真実が明らかになるにつれ、「罪の声」や事件に人生を翻弄された人たちが抱えた想いが表に姿を表して切なさで胸が苦しくてたまらなかった。
誰かのことを想って、または自分の人生を守るために口を閉ざしてきた人たちが阿久津と曽根に動かされて、ずっと秘めてきたものを吐露するところは苦しかった。
事件に直接関わらなくたって、何十年を傷付いて苦悩して人たちがいた。たぶん現実だってそうなのだろう。
途中でだれることなく最後まで観れたし、エピソード積み上げとその帰着のさせ方が素晴らしい。
あと証言者をはじめ俳優さんが豪華で、うまい俳優さんばかりなのも良かった…。業界のドンみたいな人の話し方がすごく静かなのがすごくリアルな感じで怖かった。
本当に良い映画だった…。
罪の重さ
主演の小栗旬さん、星野源さん、出演されたキャストの皆さんの演技がそれぞれに素晴らしく見応えが有りました。
中でも小栗旬さんが演じられた新聞記者の、温かみの有る表情や眼差し、他者と誠実に向き合う姿に魅力を感じました。
犯罪に巻き込まれた者が背負うものの大きさや苦しみ、事件を追い取材を重ねる新聞記者の真摯さ、葛藤、内に秘めた思いがリアルに描かれており、エンドロールの切ない歌声に胸が熱くなりました。
映画館での鑑賞
面白い視点からのストーリーです。
本当にあった事件からのストーリー。 誰もがあの事件はどうなったの、犯人はのうのうと生きてるの、なんて憶測してましたが 題名の罪の声 題名からなんだろうって想像していましたが 中盤の子役の、お姉ちゃん!!の台詞と演技から、表情からの緊迫感 一気に引き込まれ、この子役の方の演技で後半は見ていて涙あり、悔しさの感情移入出来ま した。奥深い映画でした。もう1回、見に行きます。 出演者の方の演技素晴らしかった。題名もなるほどです 是非、お勧めです。
硬派な本格的社会派ミステリー
グリコ、森永事件は子供の頃に連日報道されていたのは何となく覚えてました。誰も殺されたり、大金を奪われたりしたわけではなく、迷宮入りさせた警察がだらしないと感じたくらいの事件の印象でした。 たいして気になる題材ではないですが小栗旬と星野源の初共演と言うのも気になり観賞。かなり良質な社会派ミステリーでした。野木亜紀子の脚本も光ります。全く事件を知らない人にも伝わりますし、土井監督も演出も秀逸。犯罪に加担することによって人生が狂ってしまった子供たちを描いており、単に迷宮入りした事件を追う単純なストーリーじゃないところが非常によく練られている。キャストもまたよく、個人的には宇野祥平は一世一代の好演だと思います。 一冊小説を読んだような価値を感じる珠玉の作品。
あくまでもフィクションでしかないエンタメ作品。真相に迫る映画ではない。
「日本中を震撼させた劇場型犯罪の真相に迫る!」という映画のキャッチコピーに釣られてしまいましたが、実際に観てみると、真相に迫るような作品ではなくて、正直ガッカリしました。 グリコ森永事件(映画内では架空の会社名が使われています)は当時リアルに報道に接していた世代ですが、この映画を観ながら、あの事件を思い出す事はほぼ皆無でした。 メインは犯行に使われた録音テープの声の主だった人や関係者の物語であって、事件はあくまでもエンタメ小説の題材にされている面が大きい。 作者の脳内での作り事が多過ぎて、あの事件を懐かしく知る自分には、余りピンと来ない筋書きのドラマでした。 残念ながら、心に響くような内容では無かったですね。 ただ、美しい映像と音響は素晴らしく、アンビエント映画として観てしまいました。 登場人物に共感する事も少なく、感情移入も特に出来ず、スッキリしない終わり方で締め括られた感があり、作り手側が結局は何を伝えたいのかも微妙で、メッセージ性も薄い感じがしました。 学生運動など時代背景を照らす場面も出てきますが、ここは作品内での重要な要素でありながらも描き方が物足りず、これは原作者が若過ぎるために表現しきれてなかったのでしょう。 キツネ目の男が出てきますが、自分が長くイメージしてた犯人像とは違って、惜しかった。 自分がイメージしていたキツネ目の男は、もっとガッシリとした体格で、もっと不気味な迫力を放つ男。 俳優陣は豪華で演技も良かったし、有能な監督や制作陣によるプロフェッショナルな映像美などは楽しめたのですが、肝心のメインとなるストーリーが個人的にはイマイチ納得いかない点が幾つもあって、あの事件が起こるに至った重要な動機自体が、作者の脳内で薄っぺらな質感のものに成り下がったような、お粗末な印象も受けました。 結局は何を伝えたいかという肝心な所がぼやけた印象で、モヤモヤしたままの気分で消化不良。 それが正直な感想になってしまいます。 観に行く前から良い評価レビューがやたらと多くて、実際に観たら、何だか騙されたような気分にもなりました(苦笑)。 映画はやはり自分の目で観ないと分からないものだ、と改めて感じました。
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