あのこは貴族のレビュー・感想・評価
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東京に住んでることってそんなにすごいですか?
2023年12月14日
映画館で見損ねたああああと思ってたら、Netflix様が解禁されたのですぐ観ました。
感想は、面白いけど、物語に入り込む感覚まではない、という感じでした。
結局何が言いたいのか、自分の道を自分で切り開く的な、ありきたりなメッセージしか感じることができなかったです。
主人公の華子は箱入り娘で、自分の人生すら決められない、親の描いたレールに乗って、イエスともノーとも言わない生き方していました。
そんな中で美紀と出会い、都会で自力で力強く生き抜く姿に影響されます。
そして、幸一郎と離婚して、自分なりに生き方を模索していく、という感じでした。
たしかに、他のレビューにもあるように、
華子がいつもタクシーに乗っていて、
美紀は自転車に乗っている
描写を両者の生き様と対比させる考察は『たしかに!!』となりました。
ただ、2時間の映画で伝わってくるメッセージとして弱いかなあて思いました。
東京に住んでることがそんなにすごいんかよっ!!って思っちゃいました〜〜
階級の違う二人の女
映画冒頭、私は庶民なので庶民である美紀の気持ちの方に寄り添ってしまったが、箱入り娘として育ち、何不自由ない憧れの存在のように見えていた華子にも物語が進むにつれて華子なりの生きづらさを理解した。
不自由なく育ち世間を知らないという欠点が’’家’’に囲われるかごの中の鳥の状況を生んでいく華子。
一方で田舎出身の美紀の方は学費が払えずホステスとして働くも大学を中退。お金があればそんななことにはならなかったと思ってしまうが、その後、昼間の仕事に就きひたむきに自由に働く美紀の姿がかっこよく映る。
そして、出会うはずがなかった階級の違う二人をハイスペック男子が引き寄せ、華子は自分自身を解放していく。
お金があってもなくても自分の生きたい人生を歩んでる人が一番かっこいい。
そう思わせてくれた映画。
P.S.
階級が違いすぎると女のバトルにならないのなんとなくわかる。
金持ちってナチュラルに俺様凄い!って思ってるんでしょうな
麦ちゃんが上流貴族の政略結婚に巻き込まれる話。
庶民の居酒屋も生理的に受けつけられへんけど
さらに上流もなんだかなー
そこに愛はあるのか?
あーなさそうなんで離婚します。
すみませんでした、と土下座したら
高橋ひとみのチョップが麦ちゃんに炸裂。
この場面と麦ちゃんのウエディングドレスだけで90点です。
それにしても原作の山内まり子って麦ちゃん出演の
「ここは退屈迎えに来て」もそうだけど
上手く物語をこしらえるわ。
90点
イオンシネマ桂川 20210316
パンフ購入
原作とは別物の良さ
公開された時に気になっていたものの見に行けず。
最近、原作小説を読みとても面白く、やはり映画がみたいなぁと思っていたらタイミングよくABEMAで無料配信していたので見ました。
小説であれだけ言葉で説明されていたことが、映画ではほとんど言葉にされず、仕草や映像で表現されていて。(当たり前と言えばそうですが。)
要所要所の、小説において私が大事だと感じていた部分の設定が映画と小説で多数異なっており、またラストが、そこで終わるの!?という結末だったため、小説と映画で受ける印象が大きく異なると思います。
映画だけ見ると、ラストあのまま華子と幸一郎は寄りを戻すのではないかと感じるのではないだろうか。
私は映画は映画で、別物としてとても好きです。ですが小説の物語をベースに見ていたので、華子と幸一郎があのあと飲みに行って綺麗に別れるところまで見たかったなと感じてしまいました。
小説を読まずに映画を見ていたらどのような感想を抱いたのだろうかと、無理ですが体験してみたくなりました(笑)
小説を読んだ直後に映画を見たため、小説との違いに細かく反応してしまいましたが(それが嫌だったという意味ではなく)、読んでからしばらくたっていたらそこまで気にならないのだろうか。
また小説を読んでいてしんどいなぁと感じていたところや雰囲気は映像になることでかなり中和されていたように思います。
小説よりも抽象的なので受け取りやすいかなと。小説の方がダイレクトに女性のしんどさを書き綴ってくれていて、読みごたえはあります。
門脇麦ちゃんも水原希子ちゃんも大好きで、映画の予告のイメージがあり、脳内で2人を想像しながら小説を読んでいました。
そのため実際に映画を見たら本物だ~!といった嬉しい気持ちになりました。笑
麦ちゃん演じる華子は小説のイメージよりもとても可愛くて可愛くて、品がよく、仕草や口調言動から明白に高貴な人物だと伝わってきて、とにかく美しかったです。
希子ちゃん演じる美紀は小説のイメージ通り美しく、またやはり可愛いらしかったです。小説から受ける印象よりも、人間らしくて可愛いなぁと感じました。
どんどん垢抜けていくビジュアルの変化はとても清々しく美しかったです。
小説を読んでいた時に幸一郎役がどなたかは確認せずに読んでいたため、映画を見て初めて高良健吾さんだと知りました。
高良さんもとても好きな役者さんです。
そのためか、小説の幸一郎はかなり嫌なやつという印象だったのですが、映画の幸一郎にはあまり強い不快感は抱けませんでした。
とても人間らしくて、憎みきれませんでした。
余談ですが
私は原作が小説、漫画、アニメ問わずなんでも、実写化作品が好きで、とくに実写映画化が好きです。
当たり外れはありますが、人間がその人物像(キャラクター)を表現するのを見るのが好きなんです。
原作の人物やキャラが現実世界にいたらこうなるんだろうなと納得できるような演技や世界観を見られるととても嬉しく感じます。
幸一郎はまさに人間が演じることで、こういう人いるよなぁと、血が通った姿が見られてとてもよかったです。
また、小説ではあまり描かれていなかった、美紀と平田さんが起業していく流れが映像で見られて嬉しかったです。
山下リオちゃんも好きな役者さんなので、平田さんにとても合っていて、希子ちゃんとリオちゃんのシーンは2人がきゃっきゃしてるのが可愛くて微笑ましかったです。
華子がひとり歩いている向かい側に自転車に2人乗りする女子高生がいて、華子の視線に気付いて手を振っているシーンもとても好きです。
原作にはないシーンなのに、あったのではないかと感じられて、小説の奥行きがさらに増えたように感じました。
原作にはないシーンで言うと、幸一郎と離婚するときに華子が幸一郎の母にビンタされるシーンは衝撃でした。
幸一郎しっかりしろよ!とムカつきましたが、華子も覚悟の上での離婚なんですよね。
同じ東京テアトルさんの作品で、『ちょっと思い出しただけ』も大好きなのですが。
東京の街を舞台にタクシーが行き来したり美しい風景が流れるのを見て『ちょい思』を思い出しました。
出演者みなさん可愛く美しく、とてもいい映画でした。
高良健吾がかっこよかった… でも花子と幸一郎はただ第一印象だけ良く...
高良健吾がかっこよかった…
でも花子と幸一郎はただ第一印象だけ良くて、乗せられたレールを歩くために一緒になった。恋愛の描写が最初だけで寂しかったな。
あと花子の喜怒哀楽を表に出さないお淑やかさ、これが品がいいと言うことなのかな、つまらない女に思った。
美樹と花子、それぞれ自分の道を切り開いていくとあらすじにあった。田舎者と都会ものの対比や、2人と高良健吾との関係性にどんなメッセージがあったのだろうか。2人の友人との関係だけが本物のような気がして、美しかった。
女性監督の台頭が著しい昨今。男社会はすでに踏み台でしかない。
「はちどり」や「82年生まれキム・ジヨン」、「スワロウ」そして本作と、最近とにかく女性の解放を描いた作品が目立つ。「スワロウ」以外は新進気鋭の女性監督による作品だ。
私自身不勉強で知らなかったが、女性芸術家が男性に比べて冷遇されてきた時代があった。
政治の世界や医療の現場でのそれはまだしも芸術の世界まで男尊女卑がまかり通っていた事実にショックを受けた。そんなものに縛られないことこそが芸術の世界だと思っていたからだ。だがその実態は「燃ゆる女の肖像」でも描かれていた。
それだけに今まで抑圧されてきた女流作家のエネルギーが作品に昇華されて素晴らしい作品を次々と生み出している。いずれは女流作家、女性監督という言葉も死語になるだろう。
本作の主人公華子は裕福な家庭で何不自由なく育った典型的箱入り娘で、年頃になり当たり前のように結婚を周りから急かされるものの、なかなか相手は見つからず彼女は焦っていた。
なぜ年頃だから結婚せねばならないのか、彼女自身わかってない。強いて言うなら「そういう風に育てられた」からであろう。
「年頃」の彼女は相手を探すもなかなかお目当ての相手には巡り合えない。同級生の間で未婚なのは彼女とバイオリニストの逸子だけだ。その状況が彼女をさらに焦らせる。
しかし、ようやく相応しい相手に巡り会えた。彼女よりも階層が高い良家の御曹司だ。
念願の結婚を果たした彼女だったが、やがてその結婚生活において自分の居場所がないことに戸惑いを覚える。自分の知らないところでどんどん物事が進み、自分は蚊帳の外だと感じる。
夫となった幸一郎は自分と同じく良家の生まれで「そういう風に育てられた」人間だった。家の思うがまま生きざるを得ない、そのように生きることに疑問さえ抱かない夫をそばで見続けた華子は彼の姿を通して今までの自分自身を見たのだろうか。
そして華子はかつて夫と関係のあった美紀との出会いを通して人生が一変することとなる。
美紀は地方出身の中流家庭の生まれであり、華子にとっては異質の存在であったが、間違いなく新鮮な存在だった。
美紀との触れ合いの中で華子は自分を取り巻く環境、自分を縛り付ける境遇に違和感を覚え始める。
そして美紀のある言葉が決定打となり、華子は生まれて初めて大胆な行動を取る。それは夫、幸一郎との離婚だった。
この世に生を受けて今まで自分を縛り付けてきたものにただ身をゆだねて生きてきた彼女にとって、自己を解放させる大胆な行動だった。その行動を可能ならしめたもの、それは彼女が唯一この世で自分が自分として培ってきたものである友情であった。
美紀が言うようにお金でもなく地位でもない、人が生きる上で最も大切なものは自分の気持ちを素直に打ち明けられる人がいるかどうかだ。
一年後、逸子のマネージャーの仕事をしている華子は幸一郎と再会する。けして互いを嫌いになって別れたわけではない。解放され自立した華子は今度は一人の人間として本当に好きな人を選ぶのだろう。その対象は別れた夫も例外ではない。
本作を観ていて、夫側のエリート層がえらく紋切り型に描かれていたが、これはあえて意図した表現とも思われた。今まで女性を縛り付けてきた古い慣習を単純化することで、より女性の解放をわかりやすくする効果があったと言えるだろう。
すなわち古い男社会はもはやこれからの女性を際立たせるための舞台設定でしかないということだ。
本作はそのメッセージ性の強さもさることながら役者陣、とりわけ女優陣の自然な演技に魅了される作品だった。
以前書いたレビューが全削除されたため再度掲載させてもらった。今は無きテアトル梅田にて鑑賞。
女性におすすめ
女性監督の作品だから、想像どおり良かったです。劇中で、「独身や主婦とかで対立させないように、女性が分断されない様にしないといけない」みたいなことを言っていたので、共感しました。ラストも解放感があってgoodでした。
2年前、鑑賞後の劇場から歩いて帰宅した。銀座方面から勝鬨橋の真ん中...
2年前、鑑賞後の劇場から歩いて帰宅した。銀座方面から勝鬨橋の真ん中あたりで自分はいま前向きと後ろ向きのどちらだろうと数秒考えたが、反対側を銀座方面に歩く人が見えたので心の中で手を振りながらまた歩き始めた。あのシーンの意味が少しわかった気がした。
昨夜、帰宅途中の橋でその記憶が蘇り、寝る前にもう一度配信で鑑賞した。
二度目は物語の余計な詮索をしなくてよいぶん、本来作品が持つ心地良さが増して爽やかに楽しめた。
きっと今日の帰りはあの居酒屋でふらっと瓶ビールでも呑むだろう。
上流階級の人と付き合いもないし、上流階級の人がどんな感じなのか考えたこともなかったので面白かった。
なんとなく地味な感じで、見ようか迷ったけど見てよかった。
個人的には生まれた時から貧乏で、現在も引き続き今も貧乏なので、上流階級の人と付き合いもないし、上流階級の人がどんな感じなのか考えたこともなかったので面白かった。
この映画は上流階級のあまり可愛くない結婚適齢期のお嬢様の話なんだけど、たぶんこういう感じなんだろうなと思った。
この映画は結婚適齢期からで、それまでのことは描かれていないけど、金持ちの息子や娘って、子供の頃というか大学を卒業して就職するまでくらいは最高だと思う。
いいところに住んで、いいものを食べて、欲しいものはなんでも買ってもらえて、いい教育を受けられる。
特に大学生の頃とか最高だと思う。
お嬢様はよくわからないけど、おぼっちゃまなら金目当ての女が寄ってきてもてるんだろうし、暇もあるから親の金で遊び放題できると思う。
若い頃からそんなことやっていれば、自分は生まれながらに特別な存在の貴族なんだと思い込んでも不思議ではない。
その具体例として慶応大学が出てくるけど、もし本当にそうなら貧乏人は絶対に入ってはならない大学で、もし入ったら地獄になりそう。
映画でいえばこの映画の水原希子さんとか、『愚行録』の満島ひかりさんみたいになりそうな感じがする。
もしかしたら『ビリギャル』の人も結果的になってしまったのかもしれない。
でも大学を出て社会に出た段階ではちょっと変わってくる。
社会に出てまで親の金で遊んで暮らすという訳にもいかなくなる。
息子の場合は一時他の会社に就職したりするんだろうけど、結局は親の会社を継ぐことになると思う。
その子が優秀ならいいけど、もし優秀でなかった場合はいろいろ問題が出てくる。
昔ならなんとかなったのかもしれないけど、今だったら下の優秀な人材はそんな人にはついてこないと思うし、そんな人が経営している会社には入ってこない。
下剋上が起こるかもしれないし、経営判断を誤れば最悪倒産ということもありえる。
そして娘の場合は、この映画みたいに早く結婚して後継ぎを作れみたいになりそう。
だけどどこの馬の骨ともわからないやつと結婚する訳にはいかないので、選択肢は一般人より少ない。
美人ならよりどりみどりでどうにでもなるんだろうけど、不美人だと大変なことになりそうな感じがする。
親に言われた通りの政略結婚みたいなものでは、たとえ結婚しても今の人はとても耐えられないと思う。
その辺のところに目をつけてこの映画を作ったんだろうけど、とてもよくできていて面白かった。
門脇麦さんが不美人のお嬢様にぴったりでよかった。
今まで上流階級の人はなんの苦労もなくていいなと思っていたけど、やっぱりそれなりに大変なこともあるんだなと思った。
娘の方はなんとなくわかったので、できれば『あのこは貴族 息子編』みたいなものを作ってほしいような気がした。
自分の人生を、自分の足で歩き出す!!
榛原華子(門脇麦)は、結婚を人生の既定路線と考えていた。
27歳になり周囲も次々と結婚して行く。
内心、焦る華子。
その前に婚約解消があり、
見合いも、友人の紹介する男性に会ったりするが、
中々これっと言う男性に出会えない。
しかし気合を入れた見合いで青木幸一郎(高良健吾)と出会う。
非の打ち所のない相手。
温和で華子の気持ちも気遣ってくれる。
一方で地方から頑張って勉強して入学した外部生の美紀(水原希子)
高良健吾との接点は授業のノートを貸したこと。
やがて美紀は実家からの仕送りが途絶えて、
大学を中退します。
実は私、
この映画で1番素晴らしいと思ったのは、人として失礼な人間が
1人も出てこないことでした。
水原希子と高良健吾の親密な関係に気付いた石橋静河が、
水原を呼び出して、そこへ高良の婚約者の門脇麦が現れる。
2人は喧嘩なんかしません。
門脇は水原を責めません。
しかし水原は静かに身を引くので、門脇麦と
修羅場を演じるどころか、友情のような絆さえ芽生える。
(華子を見ていると、お育ちがいい、とはこの事かと思います)
(大学は慶應義塾大学と設定されてて・・・)
内部生とは、
(幼稚舎や中学、高校から上がってきた学生のこと)
外部生とは、
(受験で大学から慶応へ入学した地方出身者を指す)
私も地方から大学に入った外部生だったけれど、
確かに内部生とは友達にはならなかった。
内部出身者には大人びててセンス良い服装でお洒落な印象。
話す内容も、知らんけど違う感じがした。
内部生の趣味はダンスにテニスにスキー。
外部生には、そんなものに時間とお金を割ける人はいない。
内部生には怠け者が多かった印象(個人の感想です)
勉強しない(レポートを出さない)
学校へ来ない子もいた。
卒業して就職となればコネを利かせた内部生は、
腰掛け程度の会社勤めとか、大学教授の秘書とか、
キャリアを生かせる職には付かないことが多い。
その点で地方出身者はガッツがあって、教師とか
公務員になった者も多かった。
(閑話休題でした)
華子は理想のお相手・高良健吾と結婚して、眼下に東京湾の見える
タワーマンションの住民になる。
そして夫は既定路線だったのか政治家への足がかりとして
議員秘書になる。
そして夫は多忙を極めて帰宅が遅くなる。
義母は跡取りはまだ?
と、華子に問い掛ける。
嫌な人は出て来ない・・・と書いておいて言うのも何なのですが・・・
高良健吾の親や祖父は嫌な人々(一族)でした。
見合いの席で、
「あなたの事は調べさせて貰った」
と、言われ、
祖父の葬儀では義母からは、
離婚した場合、生まれた子供を置いて出て行くのが当然の決まり、
その例(離婚した叔父の前妻は子供を置いて去った)を聞かされる。
これはヤバいですね。
子供は婚家の所有物?
これはキツいです。
こうしてやがて結婚に意義を感じなくなっな華子が
婚家を出て行く、
離婚するのは、当然の成り行きでした。
理想の結婚をした事により、
自我に目覚め、
良家に生まれたしがらみを捨てて、
自立した生き方へと向かう。
華子は恵まれた「貴族」の生活から一歩踏み出したのです。
大雑把に言って家が金持ちなら、頑張って勉強したり、
毎朝満員電車に揺られて働きに行かなくてもいいかもしれない。
庶民は一生懸命勉強して、いい会社に入り、
懸命に働くのかもしれない。
(人それぞれです)
それにしても美紀=庶民(水原希子)の自然体でしなやかな生き方が
一番素敵に見えました。
ぼんやり
いいところ生まれの人も、地方から出てる人もきついんですよ、と、わかりやすく教えてくれた感じ。どちらかというと、地方出の人間の方が楽しそうに描かれていたのがなんとも。
とはいえ、「あのくらいの年代はさ、年上に憧れがちじゃん?田舎から出てきてさ」はいたく共感した。嫌な日も楽しい日もありつつ、あんなキラキラ社会人になりたい。。
外と内
何故か気になっていたタイトル。
門脇さんに惹かれてたのかなとも思ってた。
静かな作品だった。
というか…日常にある音だけが描かれているようで、気負いがなかったのかもしれない。
うるさくもないし、静かすぎるわけでもない。
なんか、馴染む。
物語的には結構な別世界で、上流階級の人々が描かれる。冒頭から見た事もない空間ばかりで、東京にもこんな場所があるのかと、自分の境遇が痛々しい。
門脇さんの雰囲気が素晴らしかった。上品な事もそうだけど、だからこその息苦しさを自覚もなく漂わせてる空気があったように感じる。
メインキャストの皆様はそれぞれ素晴らしく、役を全うするというか、雑味を全く感じない。だからこそ、台詞や、それが揶揄する事柄に目を向けられたような気がする。
物語も案外、起伏に富んではいるのだけれど、作品のトーンが認識させないというか、極めてなだらかなように流れて行く。
特別な事とか結構起こるのだけれど、全然特別なような気がしない。登場人物達が直面する日常として描かれていたからなのかとも思うけど、とても繊細な演出であったように感じる。
棲み分けみたいな事が描かれてはいて、見えない壁とか国境のようなものも感じはするのだけれど、環境の差はあっても、根本的には変わらないなぁと思ってみたり…特に女性が求めるモノは共通なようにも感じた。
なんか、親ガチャとか才能のあるなしはあったりもするのだけれど、結局のところプラマイゼロなのかなぁと。
何に憧れようと、誰を羨もうと、自分の目の前にある事にしか対応は出来ず、変えていけるのも自分の目の前にある事だけなんだなぁと。
自分の問題を、いとも容易くクリアにできる環境の人はいて、その力が自分に無い事を嘆いたところで事態は好転していかないので、自分がどうにかするしかない。
問題の大小は、人によって捉え方は変わるけど、自分にとっての自分の問題は常に大問題なのである。
良い事も悪い事も、他人の物差しでは測れない。
そういった意味で人は平等とも言えるのだろう。
2人が再会し、お互いにまだ好意的であった事に救われた。今度こそ運命的な人に出会えたようにみえた。
このラストをもって、分断や区別をする壁はありはするが、地続きではあると言われたような気がする。
なんか、個々の差を描く事で、その差を取り払った時の同一性を描くような演出なのかな。
ま…その差が漫然とありはするし、それに左右されてもしまうのだけどね。
ただ…この監督のこの作品は好きだなぁ。
どこかど問われても困るのだけど、とても好き。
詩的にも思うけど、見えてるモノの焦点がブレてないようにも思う。
ダージリンでもアールグレイでも紅茶であればいいじゃない!😅
と言うわけにはいかないんですよね、貴族女性は。
何百人もインタビューして人物像を作り上げたのかなと思う位に主要登場人物が、現実にいるステレオタイプにきれいにはまっており、ノベルとは思えない。
キャラクターが自分に当てはまる層ではなかったら、どうしても共感はできないが、この映画を通してみるとそれぞれに感情移入してしまう。
自分も学生の頃は大人になったら絶対東京に住むんだと野心を持っていた。大人になった今、事実、衣食住のうち住を1番大事にしている。
女性からしたら青木は妻への気遣いがない薄情な男ではあるが、青木は青木でかわいそうな人ではあるし
貴族階級ではない人が欲しがる唯一にして最大のものを持ち合わせている華子だが、華子の人生に憧れる人は少ないだろう。
じゃあミキは?となるが、言うまでもない。
東京生活=勝ち とは思わないが
この方程式が正解と思う人の否定もしない。
個人的には
華子と美紀が初対面の日、カトラリー?か何かを落としてしまいとっさに拾おうとする美紀とすぐに手を上げる華子のシーンがとてもお気に入り
美紀が拾おうする手を止めたのが本当に良い。
あそこで拾うとただの非常識な田舎娘像が出来上がってしまい、一瞬で共感の歩みを止めてしまう。
アフタヌーンティー然り
貴族階級以外の人にとってマナーは
自然と身に付くもの
ではなく
頑張って身に付けるもの
なのだ。
本作で制作陣が伝えたかったことが階級問題だとしたら、受け取ったものは異なるが、非常に素晴らしい一作だった。
皆さん少し違うお育ちなのねぇ。分断階層と氏に育ち。
内容は、主人公二人の女性が東京という舞台で繰り広げられる静かで残酷で面白い社会構造を絶妙な衣装や環境や表現力で静かに見せる事に重点をおく不自由な貴族や平民の境目を少し幸せな気分にさせてくれる映画。印象残った台詞は『東京って棲み分けされてるから、違う階層の人とが出逢わなくなってるんだよ』冒頭の慶應大学キャンパス内で友達との会話で語られる場面。好きな場面では、橋の上でお互いの進む方向が違う貴族の華子がニケツの女の子に手を振られ振り返す場面。決して交わらない社会構造を皆見て見ぬふりをしているだけの見えない壁を絶妙に表現した分かりやすい場面だが切なくなった。最後にはお互いの希望が垣間見え成長を感じられる終わりが清々しかったです。美紀は友達と新たな一歩を踏み出し、華子は不自由な階層からの自分の決断で、身辺を一新。再び新たな自分として元旦那と会い悲しみであり喜びの様な複雑な笑顔を見せる所で終わる当たり視聴者に対話投げる様で面白かったです。
門脇麦×水原希子
『事情は分からないけど、どこで生まれたって最高って日もあれば泣きたくなる日もあるよ。でも、その日なにがあったか話せる人がいるだけでとりあえずは充分じゃない?旦那さんでも友達でも。そういう人って案外出会いないから』
最近ハマりまくってた韓国ドラマ・映画と違って現実ではまずない都合よく街でバッタリ会う偶然からの展開とは違って1回こっきり(な筈)の出会いだからこそ、よりこの物語の良さと余韻を甘美なものにしてくれたと思います。凄いよい作品でした。レビューを書きたくなるくらい。
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