「とても辛いことを乗り越えた時のマコノヒーの表情がすべて」ビーチ・バム まじめに不真面目 sweet back mantraさんの映画レビュー(感想・評価)
とても辛いことを乗り越えた時のマコノヒーの表情がすべて
カラッとした陽射し、青い空、青い海、波に揺られる舟の上、寝っ転がっているムーンドック。
まさにストーリーを象徴するイメージ。ムーンドックは状況に身を任せゆらゆらと漂う。
心地よい音楽が終始流れている。酩酊感。
音楽の使い方や主人公の「わかっちゃいるけどやめられない」中年オヤジ感。
“さらば愛しきアウトロー”を思い起こす。
中年になったハーモニー・コリンの憧れがムーンドックに投影されているのだろう。
ラストの燃え盛るクルーザーから逃れボートの上で見せるマコノヒーの表情。
悲しさはあるのだけれどカラッとした明るい涙。
その一瞬のためにこの映画はある。
ムーンドックはとても妻を愛していたんだと思う。
妻との細かいストーリーが盛り込まれていなくてもあの表情と涙で分かる。
辛いことや悲しいことを拒否し逃避して徹底的に快楽を求める人は
本当に辛いことや悲しいことがあった時にウジウジ、グジグジ、シクシク出来ない。
ネガティブになれないのとても辛いことだと思う。
マコノヒーのあの表情を観るだけに映画館へ出向く価値はあります。
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