ひとよのレビュー・感想・評価
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あの日みた夢 あの夜の覚悟 そうして辿り着いた“今”
タイトル『ひとよ』には
〈一夜〉と〈人よ〉とのダブルミーイングが
込められているそうです。
さて、今回は「舞台演劇」の話題を通して
本作にアプローチしようと思います。
というのは原作者・桑原裕子さんが
演劇畑の方だからです。
2021年に日本国内で初となる
公立大学で演劇やダンスを本格的に学べる
学校ができるそうなんです。
そこの学長に就任が決まっている
平田オリザさん作・演出の戯曲『転校生』(1994年)から
桑原さんの演劇人としてのキャリアがスタートしました。
この演目『転校生』は代々、
キャストやスタッフを一般の高校生から募って
〈高校生と創る演劇〉を根幹として
若き才能を育み、世に送り出してきた
いわば、演劇界の登竜門的役割を担ってきた
大変意義のある企画プロジェクトです。
そんな夢を掴んで演劇の世界に飛び込んだ桑原さん。
役者、脚本、演出をこなす
華やかな才能をお持ちの彼女でも
表現者・クリエイターとして、
また現代を生きるひとりの人間として、
色々と思い悩むところもあるのでしょう。
人間が等しく、思い悩むように…
桑原さんの舞台をみて、そう思う。
彼女の手掛ける戯曲の多くは、現代の日常を描きつつも
人間の普遍的な部分を見つめ直すような群像劇。
わたしたちのオーガナイズされた想い、苦悩を、
掬って、救ってくれるような群像劇。
そんな舞台演劇の趣きと、
白石テイストが十二分に作用して
映画『ひとよ』は完成されたひとつの作品に
仕上がっているとわたしは思いました。
家族が織り成す人間ドラマが描いたのは、人間賛歌。
親子間だけではなく一個人としてのヒトの資質を問う。
さすがのキャスティング! みんな、いちいち、巧い!
ムダのない流れ、飽きさせないメリハリの効いた構成!
白石組ここにあり!
過去の由縁を幾つも経て今という岸辺に辿り着いた
夢みた未来とはかけ離れるている今だけど
正解でも間違いでも決めるのは今の自分
過ぎ去った過去こそ笑え
明日を肯定するための今日だ
…と、映画と舞台併せて受けた心象を言葉にしてみる。
かなり偏った捉え方だけど…
桑原さんの『荒れ野(あれの)』の再演、来月観劇予定♪
今まで観た邦画の一番!
ありふれた家族の物語
今の時代の家族に必要な映画
あらすじは15年前、母は父を殺害した。それは父から暴力を受けていた子どもたちを守るためだった。子どもたちを残して去っていった母が刑期を終え帰ってくる。
長女園子役に松岡茉優、長男大樹役に鈴木亮平、次男雄二役に佐藤健、母こはる役に田中裕子。
田中裕子の母親役は「共喰い」「mother」のように大抜擢。そのあたたかみもあり、鋭さもある演技に痺れた..。シリアスな雰囲気漂う作品だったが松岡茉優、稲丸タクシーの面々のギャグ要素も飽きさせない緩急のあるものになっていた。
「あなたにとって特別な一夜は、誰かにとってはなんでもない一夜かもしれない」このセリフは今作を観る上で深く心に刺さる...。どんなにボロボロでも家族は家族、親は親、不器用なこはるなりのぶつかり方は存分に涙腺を刺激された。
家族同士の繋がりが疎らになってる現代に必要な映画だと感じた。
☆☆☆ 原作未読。 「デラぺつぴん」が復活した時にはもう買わなくな...
☆☆☆
原作未読。
「デラぺつぴん」が復活した時にはもう買わなくなってたからなあ〜(´-`)シミジミ
おっちゃん的には、同じ英知出版ならば。「デラぺつぴん」よりも、「すっぴん」とか「VIDEO BOY」の方が思い入れはあるのよね〜٩( ᐛ )و
いつもながらの白石節。どうにもこの監督の苦手な部分が個人的には多くて、観てて辛くなるのよね〜。この…
不幸の押し売り(。-_-。)
とは言いつつも、「笑って良いのかコレ?」って場面が、ちょこちょこっと入る事は入るのだけども。
…にしても一応は、家族再生の話を感動的にって作りだとは思う。ただ原作との比較が分からないので、何とも言えないところはあるのだが。あまり意味があるとは思えなかったのが佐々木蔵之介の存在。
最後の蔵之介の告白から。この男の存在は、子供達から疎まれている母親。そんな母親を通り越しての殺された父親。そして、より普遍的な意味で考えたのならば。世の中の親を代弁する立場としての存在だったのかも知れない。
しかしながら。映画を観た限りに於いて、この男の存在が上手く行っている風にはとても見えなかったのが正直なところ。
最後の佐藤健の予知能力凄いね!
あんな田舎の噂好きが集まるスナックで、大声挙げて兄弟喧嘩を始めるなんて理解出来んʅ(◞‿◟)ʃ
⁂ それと…。
2019年11月10日 TOHOシネマズ府中/スクリーン7
⁂ 結局誰の嫌がらせだった?
監督は子役にも容赦なしw
R指定有るだけあってSEX &バイオレスシーンそれなりに有りますがそれは白石和彌監督作品には無くてはならないものですから…
家族4人のストーリーと後半宮下さんのストーリーが絡まっていい感じで終焉に向かうって思ってたら…
友國は若い彼女とセットだからより魅力的なキャラになった筈なのにちょっと残念。
そこは原作?変えないで欲しかった。
田中裕子の味のある演技は独特のもので松岡茉優はいい感じで付いていっているなと。
佐藤健と鈴木亮平のちょっと距離を置いた兄弟もいい感じ。
尺の関係?奥さんのMEGUMIとの笑える様なやり取りは全カットなのは寂し。
子役に対する暴力シーンもさすが白石監督!って感じですが…
子供達が運転するシーンはいらないよね⁈
別に中学生が運転したっていいけどさ(よくはない)あのシーン終わらせるなら事故って終わらせるくらいじゃないと中途半端すぎる。
前作で演者にちょっと遠慮?している感じが有ったのが今回は無くて良かったです。
早く「孤狼の血」続編観たい!
まだ吐くよ!
これがもし自分の周りで起きたなら…それを考え無くても良いことに感謝です。
最近重たい作品ばかり観たので、少しは明るいのを観てみたい。
と、思っていたのについフラフラと観てしまったのがこの作品。あれー。
家族に暴力をふるう最低の父。
耐えかねて父を車でひき殺す母。
めでたしめでたし。
…ではなくて。
刑務所に入る母。
そして残された3人の兄妹。
母の帰宅をきっかけに、15年の間に積もった心の闇がカオをのぞかせ始める。
うん。
最近観た中で、一番重たい作品の一つです、これ。
幸いなことに、あのようなDVオヤジは身近にいませんでした。
そんな自分はシアワセな人生を過ごしているのでしょう。
しみじみと、そう思わずにはいられません。
以下、雑感です。
兄妹の母
最初から父をひき殺す気だったのでしょうか。
バックで跳ねたんですよね。
殺意があったのなら、前進で轢くんじゃないかなと。
事故で轢いた後、救急車を呼ばずに放置した。= 自分が殺した。
そういうことなんじゃないかなという気がしました。
徘徊する母を持つ娘
「私が殺してしまった」
そう言ってました。
度々の徘徊に疲れ、探しに行くことをしなかった。
結果、川に落ちるかして死んでしまった。= 自分が殺した。
これもそういうことなのかなと。
演じた俳優のみなさん
みんな素晴らしい演技でした。
佐々木蔵之介の病的なまでの陽気、そして狂気。とても印象的でした。
田中裕子が、なぜか宮本信子に重なって見えました。
最後に
この後さらに15年かけて、この家族がどう変わっていくのか気にかかります。
それぞれが自分の居場所をつくっていますように。
☆映画の感想は人さまざまかとは思いますが、このように感じた映画ファンもいるということで。
デラべっぴん復刻版
勇気でもないし、強くもなく、立派でもない!
母親を万能だと信じたあの夜
これからはなりたいものになれる
私は今誇らしいんだ
冒頭から涙腺崩壊
親子ものの話にめっぽう弱いということも災いし、エンドロールになっても涙が止まらず、映画館を出ても止まらず、しまいには号泣
子供達を傷つけてきた父親だが、そんなアホでも死ねば泣く者が生きている間は必死に耐え、父親を轢き殺した母の愛の夜
勇気などではなく、母が正しいと思い込まなければ子供たちが迷ってしまうと言った姿
反社から足を洗った父親が久々に会った息子と笑い合ったあの夜
夢だったのかと泣き崩れた父親に
誰かにとっての特別な夜は誰かにとってはなんでもない夜だという母親
私は映画を観ながら母を思いひたすら泣いた
白石監督映画史上一番と言える作品
迷いながらも精一杯愛して育ててくれた母の愛を思い出す作品
ちょいちょい入れてくるギャグがおかしくてなぜかまた泣く
思っていたよりライトなファミリードラマ
デラべっぴんに救われたかな
テーマは重い。家族内の話から世間の中の話に変わった瞬間に白昼にさらされ違う苦しみが生じる。
暴力を我慢すればよかったというのは結果論。あの状況ではいずれ誰かが死んでいる。
結局は犯罪者の家族を世間がどう見るかだけ。どう見られようと関係ないと言える精神の持ち主だとしても食べていけなくては同じこと。
端から見て普通と思える家庭でも起こりそうなテーマなだけに考えさせられる。
中盤の堂々巡りから結局どう収束させるのかに対しては、アクセントで解決。クライマックスに転じるきっかけになる佐々木蔵之介演じる堂下の存在。ただ、これがまた辛すぎる。これでもかの落差にそりゃ自暴自棄にもなるわと救われなさに同情。
俳優人は秀逸。中でも松岡茉優、蜜蜂と遠雷はいまいちだったが、今作品はうますぎの一言。演技とは思えない自然体すぎで、万引き家族もそうだったが、こういう姿が見たかったと惚れ惚れ。特にデラべっぴんのくだりで、このタイミングで復刻版って何よには、デラべっぴん世代には爆笑の域。絶対に白石監督見てただろうと思いながら。
重いテーマに笑いありで、それゆえに何気ない日常に潜む一瞬の出来事が引き起こす怖さを逆に感じました。
...夜か、夜な。
ひとよ
映画を見た後の気持ちを忘れないうちに
また思い出せるように書きます。
映画の中のそれぞれの物語は、今の自分にとっては非現実的なことで映画やドラマ、ニュースから見聞きする出来事でしかなかった。
親が殺人犯になったり、認知症で徘徊したり、家族が薬をやったり、今もどこかで起こっている現代の問題はいつ自分の身に起こっても不思議じゃない。
映画の中ではMEGUMIが今の自分に近いのかなと思いました。
そういう側になる一夜はそれ以外の人にとっては何気ないただの夜。
明日起きれば世界は180度変わっているかもしれない。
その現実とどう向き合うか考えさせられる映画でした。
「ひとよ」は「人よ」とも呼べると思いますが、人は他の人に助けられて巻き込まれて生きていくしかないと思いました。
以上参考になるか分かりませんが、劇中の録音機のようにいつでも思い出せるように残します
「近い」よっ❗
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