劇場公開日 2019年11月8日

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「デラべっぴんに救われたかな」ひとよ さんにん@㌦㌦さんの映画レビュー(感想・評価)

4.0デラべっぴんに救われたかな

2019年11月10日
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鑑賞方法:映画館

泣ける

怖い

興奮

テーマは重い。家族内の話から世間の中の話に変わった瞬間に白昼にさらされ違う苦しみが生じる。
暴力を我慢すればよかったというのは結果論。あの状況ではいずれ誰かが死んでいる。
結局は犯罪者の家族を世間がどう見るかだけ。どう見られようと関係ないと言える精神の持ち主だとしても食べていけなくては同じこと。
端から見て普通と思える家庭でも起こりそうなテーマなだけに考えさせられる。
中盤の堂々巡りから結局どう収束させるのかに対しては、アクセントで解決。クライマックスに転じるきっかけになる佐々木蔵之介演じる堂下の存在。ただ、これがまた辛すぎる。これでもかの落差にそりゃ自暴自棄にもなるわと救われなさに同情。
俳優人は秀逸。中でも松岡茉優、蜜蜂と遠雷はいまいちだったが、今作品はうますぎの一言。演技とは思えない自然体すぎで、万引き家族もそうだったが、こういう姿が見たかったと惚れ惚れ。特にデラべっぴんのくだりで、このタイミングで復刻版って何よには、デラべっぴん世代には爆笑の域。絶対に白石監督見てただろうと思いながら。
重いテーマに笑いありで、それゆえに何気ない日常に潜む一瞬の出来事が引き起こす怖さを逆に感じました。

さんにん@㌦㌦