9人の翻訳家 囚われたベストセラーのレビュー・感想・評価
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お金にどん欲になるのは悪いこと?
お金にどん欲になるのは悪いこと?
芸術作品を作品を金儲けの道具に使うな、これがこの映画のテーマなんだろうけどピンと来なかった。「自分の作品を金儲けに使うな」と怒るアレックスの気持ちが分からない。むしろお金に正直なエリックに感情移入できた。好きなことして、それが誰かに心を動かして、お金をいただく、幸せなことだと思う。
展開は想像と違ったけど面白い
話の流れが想像してたのと違った。最後の最後まで9人の中から犯人を予想しながら見るものと思っていたら、早い段階で犯人が判明したので驚いた。序盤は動きも少ないし、本の引用ばかりするインテリ集団に頭が疲れる。しかし、アレックスの企みが露見し、エリックが彼らを追い詰める辺りから急速に面白くなり始めた。
刑務所にて、アレックスがエリックに「自分が著者だ」告げるシーンは予想できなかったのでゾクゾクした。アレックスがやたら「著者に会わせろ」って言ってたのは、エリックがジョージズを殺害したと知ってたからなんだね。
最後の子供時代のアレックと書店経営者のジョージズが抱き合うカットが心に残る。あの一瞬の絵だけで、アレックスのジョージズに対する想いと、怒り、悲しみが伝わってくる。バリバリのミステリーというより、静かな復讐劇と楽しめた。思ってたのと違ったが、良い意味で裏切られたので満足だ。
美女のパンツは
純白デカパンツでした。Ooh…となりました。 フランス発の中盤まではソリッドシチュエーション的スリラー。 世界的ヒットをしているスリラー小説の完結編、世界同時発売をもくろむ出版社のオーナーエリックは、過去作の売り上げが高かった9カ国の翻訳家と契約し、翻訳作業を2か月で終わらせて世界同時発売をすることを発表する。 ただし、スリラー小説という素性から発売前にストーリーが少しでも流出したり海賊版に先んじて発行されないよう、9人の翻訳家を地下室に閉じ込めて徹底的に管理する。 スマホはもちろん電話など外部との接触手段は全て隔離施設に入る前に没収。 9人の翻訳家は、地下施設に軟禁されつつ各国の翻訳作業に没頭する。 ところが、出版社オーナーのエリックのもとに、作品の冒頭をネットで流出させるとの脅しのメールが届く。 背景として、ダビンチコードの原作者の作品が本当に出版前に隔離部屋で翻訳されて出版されたことがあったらしく、それに着想を得た作品とのこと。翻訳業って本当にお金にならないし自分の名前が表に出ることもないし、過酷なお仕事だなあと日本の翻訳業の方のインタビューを見て感じていたけど、どうやら世界共通らしく、各国の翻訳家さん達も鬱屈したものを皆さんお持ちのようで。 作品が流出する経路として一番疑わしいのがこの翻訳家経由であるため、出版社側は血眼になってそれぞれの個室や持っている荷物から証拠を見つけようとする。その手口は人権無視、しまいにはある女性翻訳家さんの荷物から光り輝くバイb…いろいろ出てくるが証拠らしいものはない。 どの翻訳家もほんのり怪しい。翻訳家の中に犯人はいるのか?その目的は?というところがもちろん見どころ。 途中で挿入される鑑別所?刑務所?の接見シーンや、さまざまな出来事の時系列が前後しながらストーリーが進んでいくため、今時系列のどこにいるのか、この出来事は前の出来事の前か後か、そのあたりがなかなか掴みづらい。そこがもう少しスッキリできていたら、物語への没入感も上がったように思う。 翻訳家さんたちのキャラはそれぞれ個性的だし、翻訳している作品のヒロインに見た目からなりきろうとする美女翻訳家のカテリーナさんはいかにも東欧系美女、だけにデカパン残念。中国人の爽やかマッチョ チェンさんはいい人ポジション。デンマーク語の翻訳家の肝っ玉母さんエレーナさんは色々複雑すぎる事情でちょっと気の毒ポジション。 そして、翻訳家さんではないけど私の一推しローズマリーちゃん。エリックの助手なんだけどいかにも都会的なフランス美女で、お手本のようなオシャレなショートカット。ちょっと薄幸ポジションかと思わせて…。 真相もそれに向かっていくどんでん返しもなかなか凝っていて面白かった。それだけに時系列の整理をもう少ししてくれれば。そうしたら快作になったに違いない。 作品星三つ、ローズマリーちゃんでプラス0.5
犯人の本末転倒な動機や傲慢さに感情移入できなかった
他の方の指摘にもありますが、私も冒頭のシーンは火事だけではなく、点と点を繋げる「伏線」として殺人事件を描いておくべきだったと思います。真相にカタルシスが感じられないのは、伏線が機能していないからではないでしょうか?そもそも犯人の動機に連なる「文学に対する敬意」が出版社に足りないとしても、「商業主義に塗れるよりも売れない方がマシだ」なんて言う、青臭い考えには感情移入できませんでした。
あの社長にしても翻訳家を監禁しているとは言え、単に原稿の発売前の流出を恐れての事ですし、本当に死ぬまで働かせていたり、報酬を払わない訳ではないんですし、本人たちも同意の下です。何より社長の販売戦略によって世界的な大ベストセラーにしたのですから、いきなり作家(ジジイ)に「文学に敬意の無いお前の会社とはバイバイ」なんて言われたら、そりゃキレるでしょ(笑)。そんなに金儲けしたくなかったのなら、最初から無料公開にしとけよって話ですよ。二冊も出しといて今さら?矛盾してますよね。一冊目がヒットした地点で契約終了を宣告していればまだしも、三作目が大々的に宣伝されてから言うなんてそりゃ非常識すぎるでしょ。下手したら契約不履行か何かで逆に訴えられたり、ファンの期待を裏切ったりで、批判するつもりが逆に作家の傲慢さを批判されたりして、作品自体の評価を落としかねない。そんな事になったらそれこそ本末転倒では?
そもそも主人公が偏屈で融通が利かないから起こった悲劇であり、大好きなジイさんが殺されたのも、ある意味、自業自得。今まで通りにやってたら誰ひとり不幸にならなかったのにと思うと、やはりラストも「半分以上はお前の自己中心的な傲慢さのせいだぞ」と思えて釈然としませんでしたね。
本で読んでみたい
映像だとついていけないので、小説で読みたい作品。目まぐるしくてよく分からなかった…ギリシャ翻訳家とイタリア翻訳家はあまり役割がなかったような?? ドイツの翻訳家がそこそこの年齢のはずが可愛かった。デンマーク翻訳家の「夫のために産んだけど、子供は欲しくなかった。小説家という夢の為に頑張りたかった。」と泣くシーンが印象的だった。
高評価のワケアリ
似たような映画はたくさん見てきた。
なのになぜこの映画だけが特別に評価され、愛されるのか考えてみた。
構造的には、この映画は明らかにミステリー映画の分類に入るであろう。つまり、殺人などの犯罪行為ののちに、探偵が現れ、犯人が見つかるというものだ。
だが、その定義に当てはまらない要素がいくつかある。
まずは、犯罪行為そのものがないこと。
厳密には、殺人行為があるし、機密事項の漏洩がある。特定の立場の人にとっては、莫大な損失を被る犯罪行為であるし、撮り方によっては、犯罪を軸に話を進めていくことが出来るはずだ。
しかし、そうはなっていない。
あたかも、何か壮大なプロジェクトが進行しているかのような日常を描き、そのために集められたチームが立ち上がり、一見して順調に進んでいるかのように映る。
ところが、すぐに問題が発生し、その「犯人探し」が始まる。事態を収拾するための身代金が要求され、強硬な態度で突っぱねる。すると事態はさらなる悪化をたどる。
つまり、表向きはそのプロジェクトの進行と、謎の妨害者の、地味な攻防戦を描いたストーリーになっている。
一見してメンバーの中の誰が裏切り者なのかを突き止めていくミステリーなのだと思った。しかし、それもあっさりと覆される。
きっとこの人が探偵役なのだろうと思ったプロジェクトのリーダーが実は犯罪者だった。なぜか囚われの身であり、今まで何らかの悪事の主犯格だと思っていた若者がそれを追及する側だったという主客転倒が起きる。
鮮やかに。
これが最初のツイストだとするなら、この映画では3回も4回もツイストが仕掛けられている。きっとこの鮮やかなツイストこそが、この映画の高評価の秘密なのではないだろうか。
普通はそんなツイストを仕掛ければ仕掛けるほど、映画としては破綻していく。
その時は「あっ!」と、驚かされても、あとになって「いや、やっぱりなんかおかしくないか?」と思い直すことが多いのだ。
この映画にもちょっと苦しい言い訳がいくつか出てくる。
「いや、そのカードを切るんだったら、あそこの展開まるまる要らなかったじゃん」というような言い訳だ。
ネタバレなので書けないが、地味なスト―リーに少しでも派手で、観客をハラハラさせる冒険の要素が欲しかったのだろう。その違和感がぬぐえないまま、映画が終わってしまった。
よく出来た映画だとは思う。でも、世間的な高評価ほど、いい映画とは思えなかった。
105分間騙され続ける
最近見たミステリー、サスペンスの中では群を抜いて面白かった。 序盤退屈だっていう人もいるだろうけど、スローテンポで進んで後半一気に加速して物語が紐解かれていく感じが個人的には大好きだった。
最低な出版社社長が地獄に落ちる話
今年観た映画の中で一番プロットがよく出来ている。原稿を流出させたのは誰か推理しながら鑑賞すると中盤以降プロットに振り回されて楽しくなること請け合い。 巻き込まれた人が可哀想になるが、出版社社長がここまで鬼畜だとは想定出来なかっただろうし、どう考えても悪いのは全部出版社社長なので、最後に地獄に堕ちるのをみてスカッとしよう。
こういう展開
ある有名な小説の翻訳を依頼された翻訳家達がある場所に集められた。
そこは、監獄の様な場所でそれぞれの自由を奪ってしまう。
そんな中その小説がネットで本編をバラすという脅迫が来た。
初めの方は、少し中だるみの様な感じがするなと思ったけど、後半にかけてどんどん展開が変わっていきました。
仲間との擬視暗鬼になっていく。
編集者がどんどんと悪いやつになっていく感じも面白かった。
最後のトリックや話のどんで返しもけっこう魅力的な作品だと思った。
終盤は面白いがそこに至るまでが少し退屈
本作はミステリー作品で、ベストセラー作品の翻訳達が閉じ込められて作業をしている密室空間で起きる事件を描いている。ミステリー作品なのでトリックはあり、そのトリックが明らかにされる終盤は二重三重のトリックに「そういうことだったのか」と唸りユージュアルサスペクツのような爽快感もあったが、そこに至るまでがグダってしまい勿体無い作品と感じた。「翻訳家」という珍しい職業の人たちが集まるならではの面白い描写を期待していたがほぼ無かった。
フーダニット・ハウダニットに少し驚き、ホワイダニットにほろりとくる一作
本作は架空の世界的ベストセラー小説「デュダリス」の最終巻出版前に小説の原書がネットに一部流出。
作品を人質(?)にとられ、出版社側に身代金を要求される展開となる。
容疑者は世界同時リリースに向けて、招聘された欧州を中心とした各国の翻訳家たち。
はたして犯人は誰で、何が目的なのか?
何かと世間をさわがせているラングドン教授シリーズ小説製作の裏側から着想を得たという本作。
2か月間隔離の上、情報漏洩対策として外部との通信を遮断された極限状態自体は実際にあったというから驚きである。
さらにそこへ来ての謎の人物からの情報漏洩。
極限状態は過酷さを極める。
ミステリものにはつきものの二転三転するストーリーは観ていて飽きない。
また、犯人からすべてを明らかにされ、動機を知った時ほろりとくる一作。
映画ももちろんだが、文学もまた大切な財産だと。
作家さんたちとその作品を愛する者の貨幣価値では測れない愛情を感じる作品だ。
睡魔と戦いつつ、やっと見終わった。
睡魔と戦いつつ、やっと見終わった。ミステリーなのだろうから、ネタバレは絶対に出来ないが、結末は、3分の1位見て、分かった。根拠はただ一つ、『誰が』ではなく、『誰しか』である。
それは兎も角、何故9人にしたのだろう?どこかで(眠くて、30分くらい吹っ飛んでいる)語られているかもしれないが、オリエント急行の件が出てくるので、単純にその設定にしたと確信した。だから、設定からして、最低のミステリーだと思う。全くの緊迫感がない。間抜けの40分位の映画で、映画館で絶対に見るべきではないし、感動する所が無い。勿論、ドキドキ感も全く無い。
そもそも『ダ・ヴィンチ・コード』もそうだが、現代のミステリーはミステリーとしては面白くない。現代は、事実があまりにも想像し難く『事実は小説よりも奇なり』になっていると思う。やっぱり、シャーロック・ホームズの時代でミステリー小説は終わっていると思う。アガサ・クリスティーはただの犯人あてゲーム本だと僕は思う。何故なら、ドキドキ感が無いから。『バスカビルの犬』を読んだ時はハラハラドキドキだった。
全体的に消化不良な作品
最初はミステリー系なのか、謎解き感覚で視聴したものの、途中から謎解きではないらしいことが発覚。とは言え、そこからのスピード感のある展開自体は退屈せず見れた。映画自体もコンパクトに作られているなとも感じる。
世界的ベストセラーらしいミステリー作品であるのだから多少内容についても踏み込むのかと思いきや、実際どんな作品だったのかもほとんど分からない。アレックスによる不用意な犠牲者を伴うただの復讐劇、といった印象。
登場人物も各々個性はあるのだが、どの人物に対してもこれと言った感情が一切湧かなかった。この点において消化不良を感じる人も多いのではないだろうか。
なかなかの良質ミステリー
プロットが非常に良い 途中で犯人がわかるのだが、それも話の構成として良かったと思う ミステリーかと思ったら、サスペンスかと思い直し、だと思ったらミステリーだった 2回目見直しても面白く見れると思う 何人か巻き込まれた人が可哀想だった 考察読むと、おばちゃんは仕方なかったようだ
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