永遠に僕のもののレビュー・感想・評価
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キュートで残酷な天使の実話
この作品が実在の人物がもとになっていると知って驚き。
調べてみると、本当に美形。ロレンソ・フェッロは甘いベビーフェイスだが、モデルになった人物はTHE・美青年って感じで、どこか『ベニスに死す』のビョルン・アンドレセンを思わせる。
予告に惹かれて見てみたが、作品には予告ほどスピード感がなく、ラモンがスター街道を駆け上がっていく様子も、えっいきなり?ってなった。
それでも宝石店での一幕は、2人の友情を超えた何かが見えた気がしてドキッとした。
残酷だけど無邪気で、自分の欲望に忠実なカルリートスはっ魅力たっぷり。
ワイルドでハンサムなラモンとのコンビもよかった。
もっとストーリに深みと整合性があれば、より面白かったと思う。
個人的には結構好き。
うーん?
めっちゃ綺麗な顔立ちなのかもしれないけど、若い頃のレオ様とかブラピレベルかな?と期待して見ちゃったからか「神様に愛されて作られた顔!?」ってなった。
捕まった後の新聞の見出しも面白かった。
ブロンドの天使が〜とか女の顔した〜とか時代だなって感じ。
顔が綺麗なのに犯罪をするなんて!?みたいな。
顔の良し悪しなんて犯罪に関係無いのにね。
決して痛快なお話ではないのに、また観たくなる日が来るだろうなという感じがした。
ラモンの「世界は泥棒と芸術家のものだ」という台詞に象徴されるように、ガンガン盗む。とにかく盗む。
それに加えてカルリートスは人を殺すことも覚えてしまった。
最初に人を殺したとき、もしくは初めて銃を撃ち、「もっと撃ちたい」と言った瞬間から、彼の破滅は加速していったように思う。
主人公カルリートスに対しては、「何かキレイでヤバイ奴」という軽薄な印象から、ラモンに対する執着が明らかになっていくにつれて段々怖くなっていった。
この子の欲望には本当に底が無いのだと実感させられるような感じで。
カルリートスにとってラモンは、間違いなく運命の人だったと思う。
出会っていなくても相変わらず盗みは続けていたと思うけど、あんな深みにはまることは無かったかもしれない。
そもそもカルリートスは何かの目的のために盗むというよりも、お腹が空いたからごはんを食べる、みたいな普通の感覚で、行きたいところに行く、というような無邪気な気持ちで盗んでいただけだった。
そんな戯れに意味を持たせてしまったのがラモンだったのだと思う。
ただ自由に、好きなように振舞っていたいだけだったカルリートスが、ラモンと出会ったことで自由を失い、どんどん孤独を極めていく様は見ていて切なかった。
二人の関係に関しては、お話が進むにつれて、BLみたいな雰囲気が流れなくもないし、エロさも無いわけではないんだけど、絶妙なスレスレのラインで進んでいく感じだった。
そして個人的にはそれがすごく良かった。
終盤、カルリートスが一人で涙を流すシーンがあって、何故泣いているのか最初はわからなかったんだけど、やっぱり彼は最後までラモンに執着していたのだと思う。
カルリートスの両親や地元警察はなぜもっと早く二人の犯行に気が付かなかったのか、とか、撃たれたじいさんのリアクションの薄さとか、そういうところには突っ込まずに観たほうが楽しめると思うけど、音楽と映像のバランスも美しくて、作品全体に漂っている独特なコメディの雰囲気がクセになる映画だった。
ロレンソの美しさに頼りすぎたのかも
地方では観られない作品だったのでようやく観られました。
予告があまりにも印象的だったので期待が膨らみ過ぎたのかも知れませんが、予告で全て完結している感が否めなかったです。
ショタっぽい顔と体型のロレンソ・フェロなのに目つきや仕草に色気満載で目の保養になり楽しめましたが内容としてははいまひとつだったかな。
クライムサスペンスなんだけど盛り上がりに欠けた気がします。ハリウッドあたりでエンタメ要素を足したら面白くなりそうだけど、これはこれで嫌いではない作品です。
どんな物でも躊躇なく手に入れて来たけれど、親友の心だけは手にいれられなくて殺してしまい、逃亡中に流した涙は人の心だけは自由に出来ないジレンマの涙だったのかな…
悪魔の少年…
いとも簡単に人の物を盗み、人をも殺す。そこに罪悪感などない。12人もの人を殺した連続殺人犯の実話。女の子のようなカルリートス、男臭いの中にも色気があるラモンの二人は次から次へと犯罪を犯す。ラモンは金欲しさと言うのはわかるが、カルリートスは犯罪自体を楽しんでいるかのよう。それぞれ違った魅力を持つ二人の視線、距離感も妖しげに描かれ、単なる相棒の枠を超えた関係を匂わせる。カルリートスはラモンを愛していたからこそ、自動車事故で殺してしまい、永遠に自分のものにしたかったのか。若干長く感じたのと、犯罪者を美化するような終わり方は共感できなかった。歯磨きしながら、母親に銃口を向けるのは、壊れているというか、人ではなく、悪魔に違いない。二人の俳優は好演だった
単純につまらない
「美しき連続殺人犯」「死の天使」とかの宣伝文句だけど、日本で言う所の「美しすぎる議員」とかで、(まぁ、美人と言えば・・・・言えるかもだけど、過ぎるは無いなぁ)と同じ感じかなぁ。主役の男の子、勿論、整った顔立ちではあるけど、「美しき」と言うにはどうだろうなぁ。
でっ、内容だけど、実話を元にしているから文句を言っても、「だって、こう言う出来事があったんだから」となってしまうかもだが、観ていて心を引っ張られるモノが無かった。普通の少年が徐々に心を壊して殺人鬼になるとかならば、前半と後半の落差に衝撃もあるだろうが、最初から頭がイッちゃっているので、同じ事の繰り返しに過ぎない。最初の一人を殺した後は「あぁ、またか」だ。少年期独特の危うさと言うのも感じ無い。何しろ、最初から壊れているのだから。
タイトルも何が「永遠に」「僕のもの」なのかが分かりにくい。単純に考えれば、泥棒の相棒ラモンの事かもしれない。何度か二人には同性愛を連想させるシーンが有るが、ハッキリと描写されていないので、二人の関係性もイマイチあやふや。
何処かで盛り上がるのかと期待して観たが、退屈な二時間だった。
よくわからなかった
・銃弾の値段が高いから警備の甘い銃砲店に窃盗に行くっていうのが興味深かった。
・ピアノの中に金と拳銃を隠してたのが面白かった。
・街並みや家の内装、間取り、家具がオシャレだなぁと思った。
・父親?と主人公が何故一緒に掃除機の営業をしていたのかが謎だった。
・主人公が何を考えているのかが全く分からなくて気持ちが全然入らず、途中で人を殺した所も平然としているし相棒も観た感じあんまり焦ってなくて、警察も全然現れなくて都合がいいように感じた。早く逮捕されてほしくなった。
・ラモンの家族が銃を家で撃たせたりする悪いタイプで面白そうだと思ったら窃盗のセンスとかで圧倒されて主人公が一番パワーバランス的に一番上って感じに観えて物足りなかった。
・ラモンに好かれたかったような感じだったけど嫌われるようなことをするし、好かれようとして失敗してしまったみたいなシーンもなかったように思うし、印象としてよくわからなかった。
美しい少年の狂気。
私的にはイマイチ理解できて無いんですが、僕のものを指すのはラモンの事でいいのかな。
BL的な、要素はほぼないけども、双子の彼女もいたし。学校で見かけたラモンを一目で気に入って、構って殴られて、仲良くなって、一緒にコソ泥チームを組んだけど、捕まりそうなったから見捨てて、ほとぼりが冷めて会いにいって、また一緒にコソ泥したけど、いいように使われて切られそうに思ったから事故に見せかけて殺してしまった。であってるかな、、。
短絡的で人殺しに躊躇なし、芸術や音楽が好きで美しく、あとプルンプルンの唇が中性的で美しい。
バンバン殺していく様が見てるこっちを麻痺させる。
パブでねているふたりを撃ち殺す必要はなかったしね。
試し撃ちみたいにころしていくし。
現実あった出来事をなぞっているとは考えにくい。
でもって音楽がいい、映像とよくあってるし。オープニングとラストに音楽に合わせてダンスするシーンがシュールで美しかった。また観たいな。
何を手に入れたかったのか
気になっていたのに見逃して、ギンレイホールで再演してくれたので観に行くことができました!
終始、カルリートスが本当に欲しかったものはなんだろう?と考えさせられる映画だった。
主人公カルリートスは犯罪を「悪い」と思っていなくて、「自由に楽しく大胆に」行動していたら、それが強盗であり、殺人であり、犯罪だった、という、物凄く不思議な青年。ただ、美意識は高くて、良いものや美しいものを愛でるのが好きだし、でもそれを人に気楽にあげてしまう。
純粋で子供のようで、でも悪いことを平気でする違和感。母親に本物の銃を突きつけて「本物をママに突きつけると思う?」と嘘をついて天使のように笑う恐ろしさ。悪いことを悪いと感じない、むしろ自由の象徴であり冗談や遊びなのだと捉えるような不思議な価値観で、なぜそんな人になったのだろう?ともっと深掘ってほしかったなあと思った。
そして工業専門学校でのラモンとの出会い。
カルリートスが野性味を持つラモンと仲良くなる姿は、とにかく絵になる。どこか同性愛的な雰囲気を醸し出していても、決定的なシーンはあまりない。でも、カルリートスがラモンをとても求めていることはわかる。
なのに、ラモンの窮地の時に彼は助けに行かなかったのだよねえ。後から「警察の罠だったから」と話しているが、本当にそれだけなのか?でもその結果、ラモンとの信頼関係が崩れてしまい、交通事故をあえて起こしてラモンを殺してしまう。なんというか、不器用というか、それすらも彼の中では一つの「自由」だったと感じさせられた。
最終的には、カルリートスは自分と同じ世界観で生きられる人がいないから、孤独だったのかな?脱走しても家に電話して、ラモンの旧家で踊るシュールさ。本当に手に入れたかったものは結局欲しい形で手に入れられなかったから、自由に自分のものにできるようにして(つまり殺して)、そしてその思い出の地で踊り、最大の自由を表現する。刹那的で、なんとも不思議な犯罪映画だった。
カルリートスを演じるロレンソ・フェロが本当に美しくて、映画でも「マリリンモンローみたい」と言われていたけれど、私はエマ・ワトソンを思い出してしまった。
ちょっとストーリーとしては間延び感があるし、人物像がイマイチわかりづらい構成だったけど、ロレンソがとにかく良かった。
他人のものなんてない
タロウのバカ、ホットサマーナイツ、の流れから色々と期待しすぎ、た、?
もちろん主人公のカルリートスは狂ってるし、それなりに過激なシーンもあったけれど、全体的にまったりとしていたようなスピード感が足りなかったような、不完全燃焼に終わってしまった感じ。
これでもかっていうくらいシーンに合った歌詞の音楽とカルリートスの色気がギュッと詰まったシーンなどはよかった
カルリートスのようなサイコパスがやる犯罪を理解しようとしても無駄なことはわかるが、この作品内での彼の犯罪は必然性がないように思えた。どうしてもやめられない沸き立つ感情や性的嗜好、みたいなものが見えず自由奔放すぎて、のその後の感情をもう少し見せて欲しかった。同性愛者の可能性を存分に見え隠れさせた演出も、結局彼はラモンを永遠に僕のものにしたいという願望があったのだろうか?事故後を丁寧に描きすぎていてそこも薄まってしまっていた。
親目線で見てしまった。
最初とラストシーンのカルリートスのダンスや、ラモンのTVショーの歌、劇中に流れる楽曲が、良くて、とても好き^ ^。殺人後にあどけない表情で寝ている様子や、久しぶりに帰宅したと思ったら、美味しそうに母親の作ったカツレツを頬張る。最後の逮捕のくだりまで、親目線で見ると、なんとも切なく、苦しい感情に浸ってしまう。
まさかあんな事やこんな事まで・・・
今の時代では絶対通用しないであろう
やり方で盗みを繰り返す
仲間作った割に
人との協調性も無いし
単にワガママな子
善良な両親はどうなったんだろう
最後は警官に囲まれてたけど
あのまま捕まったのかな?
それとも射殺?
天使はくるくるブロンドからのイメージだけ
顔は美しいとは思うけど、
やっぱり共感出来ないな
ピストルで簡単に人を殺める天使なんて・・・
カルリートスのためのロレンス·フェロ
この映画を見て、カルロスを演じたロレンス·フェロは、この役のためにいると思いました。実在するカルロスが捕まったときの写真を見れば、本人も結構美形であることが分かると思います。予告の動画を見れば分かると思いますが、カルロスが宝石を身に着けてマリリンモンローのふりをする場面があります。そこだけ見れば、男性か女性分からないと思います。それほど、美少年です。
内容はどこまで脚色しているか分かりませんが、「盗みが天賦の才だと分かっているカルリートスが、ラモンに対してわざと気を引くように喧嘩して仲良くなります。カルリートスは、ラモン一家とともに様々な強盗をし始めます。その最中容易に人を殺すようになり…」というもので、まぁまぁ面白いものでした。カルリートスが何を考えているのかが分からない場面がいくつかあり、私にとって少し難しい映画でもありました。しかし、その思考を理解できると言うのは少し、危ない気がします。
殺人シーンは意外とアッサリしていて、R15で少し身構えていた身とし...
殺人シーンは意外とアッサリしていて、R15で少し身構えていた身としてはホッとしたような少し拍子抜けしたような感じです。
彼がどうして盗みや殺人を行う(犯す、よりもこちらの表現の方が彼の行動規則には合っているような気がします)のか、という心情面はほとんど描かれず終始淡々としています。しかし、人を人とも思わないサイコな犯罪シーンとは対照的に、ラモンと一緒にいる時や終盤のお母さんとの電話シーンでは、とても悲しそうな1人の男の子に見えます。少しだけ垣間見える彼の人間的な部分があまりに切なくて泣きそうになりました(泣いてはいない)。
彼なりに人と、そして自分を愛そうとした結果なのかなと思いました。
70年代の音楽や服装もオシャレで、映像面も良く出来ています。言わずもがな主役の子の美しさは世界遺産レベル。ギリシャ彫刻って動くんだな…
荒々しくも危なげな魅力の俳優です
劇場に貼られていたポスターを見て、なんとな~く面白そうだなぁと思い、観賞しましたw
で、感想はと言うと、なんとなく惜しい。
何かがちょっと足りない感じ。
カルリートスの無自覚な青春の暴走を描いてますが、中盤辺りから間延びした感もあるし。
悪くないんだけどなぁ~
罪悪感の欠けた少年カルリートスは様々な窃盗を平気で重ねるが、同級生のラモンに魅了され、ラモンと一緒に様々な犯罪を重ねていく。
と言うのが簡単なストーリー説明。
実際に起こった事件の犯人の少年をモデルにしているとの事で、当たり前の様に窃盗を重ねて、当たり前の様に殺人を重ねていく。
罪悪感とかが完全に欠落していて“なんで欲しい物を盗んで何が悪いの? なんで人を殺して何が悪いの?”とばかりに罪を重ねていく。
罪悪感の欠落で所謂サイコパスってヤツですが、この罪悪感の無さが淡々と犯罪を犯していって、観る側が“えっ?何でそんな事を平気で出来るの?”と思ってる間にも犯罪をどんどんと犯していく。罪悪感が無いから高揚感や盛り上がりが少なくて、逆にマイナスになってる感が多々ありかなと思うんですよね。
唯一はラモンを手に掛けて、永遠の別れとなった所にカルリートスの苦悩が垣間見えたぐらい。
ただ、ここまで罪悪感が欠落していると、不謹慎ながらにも清清しい感じがして困ったモノですw
背徳の美学と言うか、退廃の美学と言うか、滅びの美学と言うか、なんとなくそれらの言葉が思い浮かんで、青春時代のギリギリの危うさとも思える言葉が浮かぶとなんとなく亡くなったリバー・フェニックスを思い出して、「時計じかけのオレンジ」を思い出した。
それらに共通するのは主人公の美学。
リバー・フェニックスには若くしてこの世を去った為か、儚くも危なげな美しさが感じられたし、「時計じかけのオレンジ」の主人公、アレックスには破壊と暴力の美学があった。
犯罪を美徳とする訳ではないけど、それらを行う者に何かを感じる美意識があるからこそ、牽かれる物がある訳で、「ジョジョ」の第1章にあった“俺たちの出来ない事を平然とやってのける。そこにシビれる。あこがれるゥ!”ってヤツですねw
カルリートスを演じるロレンソ・フェロは作中で言っているが、唇のぷるぷるがチャームポイント。
身体はムキムキでは無いが、何処か幼さを残したムッチリ体型。
顔は女の子を思わす様なビジュアルでフェロモンムンムンの美少年。何処かBLテイストを醸し出してて、悪い事を平気でやるとあれば、そりゃあモテるでしょうw
この作品はもう、カルリートス = ロレンソ・フェロの魅力に尽きる訳な作品なんですが、それが逆にマイナスになった感が否めない。
若くて、危なげな魅力を醸し出すロレンソ・フェロではあるけど、だからと言って、ロレンソにおんぶだっこ過ぎて荷が重すぎる。
冒頭からの他人の家に平然と忍び込んで、金目の物を当たり前の様に盗む。誰も居ない家だと分かるとリビングでレコードを掛けて踊り出す。
バイクを盗んで、家の前に止めて、親には“友達から借りた”と普通に話す。
観ていて“ある意味、スゲエなぁ~”と呆れる様に感心しても、そこからラモンと出会って、ラモンの家族と共に犯罪を重ねていくが、ラモン達も呆れるぐらいに危ない事を危なげにこなしていく。
カルリートスは中性的な魅力から全編に同性愛的な要素が映し出されているけど、ラモンの気を引こうとしているだけで、他に他意がない分、ある意味純粋で、自分の物にならないのなら、ラモンを殺して、永遠に他人の物にならない様にした。
タイトルの「永遠に僕のもの」はいろんな物を盗む事で自分のものにしてきたカルリートスが唯一手に入らなかったラモンへの想いをタイトルにした訳であるが、カルリートスの魅力に依存した形の製作がこのタイトルにある程活かされてないのでは無いかと。
ラモンの自身の身体を売ってでも、成り上がりたいと言う気持ちやラモンの父親のホセがカルリートスが来訪した際にパンツがはみ出た玉袋にはビックリw
映画で玉袋を出して良いのか?wと言う驚きとそれを凝視するカルリートスに同性愛的な雰囲気があったけど、特に無し。
ラモンの母親のアナマリアも犯罪を容認するし、普通にカルリートスを誘惑しようとする。
カルリートス以外の人物や他の描写をもっと掘り下げたら面白くなる事が多々あると思うから、惜しいんですよね。
ただ、これだけの今後も楽しみな俳優なだけにこの作品が振り返った時にターニングポイントになるだけの作品になれば、面白いかなと思います。
全編に過激な要素もあるが、何処か控えめに感もあり、作品の持つ危うさが活かしきれてないのはやっぱり惜しいかな。
かと言って過激になり過ぎるのと「時計じかけのオレンジ」の二番煎じ的になるので、そこの加減が難しいんですが、良い部分が多いだけにもう少し出す所を出して、押さえる所を押さえたらたら、もっとまとまったかなと言うのが個人的な感想です。
今後、ロレンソ・フェロは気になる役者として注目していきたいと思いますので、荒々しくも次代のスターの魅力が気になる方でまだ未観の方は気になるリストに入れてみれば如何でしょうか?
内容は少し退屈
何人かレビューがあるようにロレンソ・フェロの美貌に頼りすぎだと感じた。
モデルがあるはいえ、ストーリーは期待していたぶん退屈。その場の思いつきで盗みや殺人を行う主人公は尋常ではないが、予告で煽られているほどの狂気は感じられない。
カルリートスとラモンが盗みに入った宝石店でのシーンと終盤での伏線回収?はとても魅力的だった。あと、音楽もいい。
カルリートスは盗んだ金品や殺した相手には大して興味を示さない。儲け目当てでもなければ、快楽殺人でもない。盗んだネックレスを彼女にプレゼントする、ラモンを馬鹿にした相手をこらしめる、など、彼なりの愛情の示し方であるように感じた。
寂しがり屋だと思うが、親からの愛情は十分に受けてきたようだし、彼が平気で盗み・殺人を行うようになった経緯が特に掴めない。
ラモンへの愛情?や親との関係性など、彼のジレンマに触れる部分がもう少しわかり易かったら良かった。
モデルをよく知らず考察も特にしていないので、もう一度くらい見てみたい。
世界は泥棒と芸術家のもの。
1971年のアルゼンチン、ブエノスアイレス。実際に起きた事件がモデルというが、なにこのおしゃれ感は!
人のものを盗んで悪びれることもなく、友を裏切ってもしゃあしゃあとし、人を殺してもケロッとしている。まさしく、好きな音楽を聴きながら軽くステップを踏みながらダンスをするように、悪事をいくつも重ねていく。欲しいものはすべて自分のものなのだから罪の意識なんてないのだ。逮捕されたすまし顔の彼を、まるでアイドルを見つめる眼差しの少女まで現れる始末だ。凶悪犯でありながら、その容姿とのギャップに美しさを見つけ、神話性を求めているんじゃないのか? つまり原題の「El Angel」そのものを。
当時の時代背景(音楽、ファッション、自動車、ローテク、、)のアナログさがまたたまらない。そして、あのラストシーンの絶望。絶望なのに、なんで悲劇に見えないのだろう。
殺人鬼を肯定するわけではないけれど、
この主人公が魅力的なのは確か。(元の殺人鬼もこういう人だったのか…?)
悪気が一切なくただただ本能で自分に正直に生きている。よく言えば素直。
なんなら可愛がられるタイプでもあると思う。
「人を殺したそうだな」
「勝手に死んだ」
「その前に銃で撃ったんだよな。だからお前が殺した」
「僕たち だ」
「僕たち…?」
「僕とラモンとあなた。3人でチームだ」
的なことを本心で言う、思考の持ち主。
人として1番怖いタイプの人間だと思う。
個人的に終わり方が好きでした。
家猫からジャッカルへ
1972年に20歳にして終身刑となり現在も服役中のアルゼンチン人の少年をモデルにした話。
悪びれることもなく空き巣を繰り返していた主人公カルリートスが、新たに通い始めた学校で出会ったラモンとその家族の影響もあり、どんどん凶行に及んで行くストーリー。
何かを語ったり諭したりする感じは無くてただただ彼の行いをみせていく展開で、あまり他の作品と比較するのは好きじゃないし人物像や雰囲気は違うけれど、敢えていうなら「KILLER 第一級殺人」の様なつくりかな。
犯行中は悪びれることはないけれど、親には隠したり発砲も皆の責任としたり人のせいにしたりと、試しているのか疎ましいのか本当は不安なのか…。
金儲けが目的という感じもなく、楽しいからか、あとで楽しむ為か、淋しいからか、何も考えていないのか。
彼の本意はわからないし彼を理解することは出来ないけれど、悪意があったというよりも、良心が無いというか線を引くところが違うというか、自由にやりたい様にやっただけだという感じがして、やってしまったことや結果に怖さというよりどこか物悲しさを覚えた。
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