「世界は泥棒と芸術家のもの。」永遠に僕のもの 栗太郎さんの映画レビュー(感想・評価)
世界は泥棒と芸術家のもの。
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1971年のアルゼンチン、ブエノスアイレス。実際に起きた事件がモデルというが、なにこのおしゃれ感は!
人のものを盗んで悪びれることもなく、友を裏切ってもしゃあしゃあとし、人を殺してもケロッとしている。まさしく、好きな音楽を聴きながら軽くステップを踏みながらダンスをするように、悪事をいくつも重ねていく。欲しいものはすべて自分のものなのだから罪の意識なんてないのだ。逮捕されたすまし顔の彼を、まるでアイドルを見つめる眼差しの少女まで現れる始末だ。凶悪犯でありながら、その容姿とのギャップに美しさを見つけ、神話性を求めているんじゃないのか? つまり原題の「El Angel」そのものを。
当時の時代背景(音楽、ファッション、自動車、ローテク、、)のアナログさがまたたまらない。そして、あのラストシーンの絶望。絶望なのに、なんで悲劇に見えないのだろう。
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