「2019-78」トールキン 旅のはじまり かいりさんの映画レビュー(感想・評価)
2019-78
フロドには、サムがいて、ピピンがいて、メリーがいることが、そうだったんだ、と、、、。
こないだサリンジャーを演じたばかりのニコラス・ホルト君が、今度はトールキン。
すみません、そこまで期待せず、『ライ麦畑の反逆児』も良かったからいくかーくらいのテンションだったんですが、素敵でした。
気付いたらエンドロールだったし、
気付いたら目から水が、、、。
孤児のトールキンと3人の裕福な家庭の青年が出会う。
彼らの友情が素敵。
トールキンが3人を妬むこともなく、
3人がトールキンをいじることもない。
互いが互いの才能を認め合って、ちょっと羨ましながらも、楽しい時間を過ごして、、、
特に素晴らしいなと思ったのが、トールキンが奨学金をもらえなくなり、退学になりそうなとき、この3人は親に頼んでお金出してもらうという考えがハナから頭にないこと。
トールキンの立場に立って、トールキンが出来る最良の手を考えてる。
もちろんトールキンもねだるなんてことはない。
これが本当の友情だし、本当の友達の手助けだと思った。
戦争のシーンも、お涙頂戴的な描かれ方ではなかった(それを否定しているわけではありません)。
友人のお母さんと、若い頃よく通った紅茶店で、その頃の思い出にふけるというシーン。ここ、、、目から水が止まらなかった。
助かっても精神的な病を負ってしまった友人の名前を子供に名付けたというトールキン。
一生の友情でしたね。
敷居が高そうに見えて、とても観やすい映画でした。
指輪物語で描かれていた仲間との友情や愛が、トールキンの中で自然に生まれたものだったというのがよくわかりました。