「ネタバレもあるが、主演のエレン・ペイジに一言。」CURED キュアード Naakiさんの映画レビュー(感想・評価)
ネタバレもあるが、主演のエレン・ペイジに一言。
この映画を評して、今までのゾンビ映画として位置付けるよりは、どちらかというと社会派ドラマとして成立しているというかたもおられる。つまりゾンビ菌自体を、映画の題名通り、25%の感染者を除いて、感染を克服したような世界観を描いているからだと思うのだが......。
アイルランドの映画と聞いて、暗い映画を想像してしまったので、二の足を踏んでいたのだが、観終わって、面白い映画の印象が強いうえに海外向けに作ったのかどうかは知らないが、分かりやすく、また聞き取りやすい英語を使っていたのだが、もともとは、ゲール語を使い、イギリスの植民地の為にやむを得ず英語を使わなければならない経緯があるのだが、それとは別にりシナリオ自体が元感染者に対する社会の風あたりや主人公の暗い顔つきを見ているとテンションがどうしても下がるけれども、そんな中でも主人公と甥の関係が、映画を少しは和らげている。
Are you one of the Cured ?
-Yeah.
Will you be sick again ?
-I don't think so.
Is it nice to be back ?
-Yeah. It is.
1時間くらいは、何とも憂うつにするもので特に、主人公のセナが見るnon-linear narrative形式のフラッシュバックがそのものとなり彼を苦しめるものとなる。
NPRというアメリカの非営利ラジオ局の人がこのように言っている。「この映画は、興行的には疑いはないが、まっとうなゾンビ映画を政治色を出すことによって興味をそがれた。」なぜかと思っていると最後のほうに余計なシナリオが散見した。それもそのはずでアビー役のカナダ人俳優で、しかも政治色の強いエレン・ペイジが主演を務め前回観た「Into the Forest(2015)」では、今回と同様に映画製作にかかわり、原作が小さな本屋から口コミだけでベストセラーになった小説が原作の映画を見事にA box-office bombにし、つまらない映画としたアンポンタン監督のもと制作者の一人が彼女だったのを思い出させる余計なシーンが登場する。
1時間を過ぎたところから、ゾンビ映画らしくなっていくのだが.......?
I did tell you, Conor.
It's not your world any more.
イギリスの日曜版新聞紙Sunday Times (UK)の記者は、「血に濡れたものから作られた世界観があまりにも細かく描かれたせいで、荘厳なものよりは、どちらかというと安っぽいホラー映画という印象を残した。」と投稿している。
たとえが悪いかもしれないが、序盤だけを見ているとハンセン氏病患者と健常者の関係をベースにしているのではないかというようなことを邪推してしまうし、またアイルランドとイギリスの関係のようにも見えてくる。
アイルランドと言えば"IRA"と切っては切れない関係があるのは、ご存知の方は多いと思われるが、映画もおのずと見る機会は多くなるのだが、そんな中でもこの映画の特徴として、設定にある意味、意外性だけで持っていると言えば、言い過ぎになるのか...?