ガーンジー島の読書会の秘密のレビュー・感想・評価
全109件中、81~100件目を表示
共感部分がない
予告編チラ見だったせいか、数十年の時を経て重大な秘密が暴かれてゆく恋愛ミステリー的な作品を想像してしまった。
なんだ、たったの4~5年前のこと。しかももったいぶってラストまで隠すほどの秘密でもなく、最初から明らかにされて、そこから紡ぎ出す展開でも良かったとも思える。
大戦中、ドイツ軍占領下、などのキーワードはあるものの、それほど切羽詰まった状況にも思えないのは、島の美しい風景と島民たちのまったりした気質が影響しているからか、ドキドキ感がない。
外から来たヒロインの気持ちはわからないでもないけど、まったくもって自由奔放。この子だったらこの島に来なくても一人で勝手に前に進んでいけるよと、背中を押すまでもない行動力があるので、それほど共感する部分がない。しかも人との関わりがどれもこれも雑な描き。
結末も想像の範囲内。やっぱりなという感じで感動もない。予告編の作り云々以前に、それほどの作品ではなかった。残念。
力強い人間ドラマ
ミステリー仕立ての上質な作品である。第二次大戦後のロンドンでは復興めざましく建物は修理や新築が相次いで綺麗なペンキも塗られているが、人の心の中に残る戦争の惨禍の傷跡はまだ開いたままだ。
主人公ジュリエットもそんなひとりで、肉親を失った以上の喪失感を心の奥に隠しつつ、明るく強気に振る舞う。アメリカ兵の恋人は型にはまった幸せが望みであり、ジュリエットのうわべだけを愛し、気が利いたふうな社交界の付き合いに彼女を引き込み、その生活が幸福で楽しいものだと信じている。
いろいろなことがうまくいかない彼女のもとに、ある偶然から住所を知った男性からの手紙が届く。聞いたこともないガーンジーという島からの手紙だ。しかしそこにはどこか彼女を惹きつけるものがある。そこで彼女は浅薄で哲学のない彼氏を残してガーンジー島に出かけるのであった。
物語の設定は前半でほぼ出来上がっていて、あとはパズルのピースをはめ込むように進んでいくシーンを気軽に楽しめる。じゃがいもの皮のパイは、想像しただけでとんでもない不味さだろうし、多分体にもよくない。イギリス料理の不味さは世界的にも有名だから、そのあたりのアイロニーも感じさせる。指輪や勲章などのキーアイテムは説得力を持って登場し、使われる。主人公が無意識に予期したとおり、ガーンジー島には彼女の心に空いた穴を埋める何かがあった。
編集者のシドニーや手紙を送ってくれたドーシー、そして郵便局の少年など、魅力的な人物が登場する。それぞれの造形はよくできていて、みんなエネルギーに満ちている。多くの犠牲を払った戦争の傷を抱えつつ、それを癒やしながら前進していく彼らの姿に、ジュリエットは大変に勇気づけられ、熱が伝染るようにエネルギーが満ちてくる。原題はとても静かなイメージだが、実に力強い人間ドラマである。
心地よさ
124本目。
観終えた後の余韻、作品自体が心地いい。
正直、重い作品かと思ってたけど、リリー・ジェームスが中和させてくれてるかと。
ナイスな配役。
てかリリー・ジェームスだけをずっと見ていたかった。
力
当たり前すぎることなのですが、もしも文字が発明されなかったら私が過去や歴史を知ることはほぼ無理な事ですし、その当時を生きていた一人一人の生き方や考え方を知ることもできないと思います。物語はエリザベスの不在をミステリー仕立てにしていましたが、ナチス占領下の辛い真実をエリザベスに関わりのあった当事者だけで公にする事は難しいでしょう。それは、戦争、紛争、震災、事故などのあらゆる悲惨な事、酷い事に言えるのではないでしょうか。だからこそ、書き手の役割は辛すぎて当事者が出来ないことを、聞き、伝え、残すこと。
時空を超えて、言葉の持つ力や本の持つ力の偉大さを改めて考えさせられました。
気持ちの良いハッピーエンド
戦争中の感動秘話を取材にいったら、実は秘密があって、というミステリー仕立てではありますが、登場人物はみな心根のいい人ばかりで、素敵な話です。
島の風景は美しく、しかし戦争の悲惨さがすべての人に影を落としている。それを乗り越えていく勇気のある人たち。
歴史とは極めて個人的なものである
「英国総督 最後の家」にしても「スターリンの葬送狂騒曲」にしても、そして本作「ガーンジー島の読書会の秘密」にしても、ここ数年のイギリス映画は、重く暗い歴史的事象とコメディとを融合させた作品が目を見張るなと思う。もちろん歴史には様々な考えや意見があるので、必ずしもコメディにして喜ばれるわけではないであろうし、映画にして受け入れられるわけでもないかもしれないけれど、一方で、コメディにするからこそ伝わるということも往々にしてあるものだ。
この作品にしても、ロンドンの文筆家がガーンジー島を訪ね、そこからその土地の歴史を紐解き記事にする、という内容であることに違いはないが、その文筆家であるヒロインのジュリエットが最終的に書いたのは一人の女性を巡るロマンスである。歴史を総合的に捉えて語るのではなく、一人の女性の人生に引き寄せることで、イギリスの国の歴史が現代の日本に暮らす私にとって一気に身近なものに変わる。歴史と言うのは、社会や国のものとして語られることが多いが、そんなはずはない。その時代に生きた一人一人の人生についてのものであり、極めて個人的なものだと再認識する。
それにしても読書会の面々は、重々しく秘密を抱えているようでありながら、それぞれに実に口が軽いこと。ジュリエットが問い質せば誰しもが存外あっけなく口を割ってくれるので、秘密が暴かれていく高揚感のようなものは薄かったように思う。もう少しミステリー的な感じで国の歴史とエリザベスの歴史を紐解いて欲しかったというのは正直な感想。
エンディングは「なんだ結局ラブストーリーか・・・」と言われてしまいそうな気もするが、いやいやあくまで歴史というのは個人のものなんですよ、と言う意味で、私は悪くはないだろうと感じた。
彼女が本当に帰るベキ場所は…。
とても素敵な映画でした。
主演のリリー・ジェームズの美しさというのは、きっと見た目の美しさだけでは無くて、多分、彼女の内面から滲み出てくる意思の強さだとか、確固とした自分自身を持っているとか、しなやかさだとかウィットだとか、そういう目に見えない処からも来ているのかナ?とも感じました。
ガンジー島の景色が、とても美しくて素晴らしかったです。
只、あの時代に、権力とお金を持った若いアメリカ人に袖を振って、貧しい島の男を選ぶ女性が実際に居たのかどうかを考えると…まあ、良い夢を見させて貰ったのかナ?という感じがしなくも無いですネ…w
あと、ストーリー展開から言うと、エリザベスという女性は、主演のリリー・ジェームズ以上に魅力的な女性でなくてはいけなかった様な気もしたりして…ww
まあ、多少の突っ込み処は有りますが、それでも、リリー・ジェームズの魅力と島の美しい風景を堪能した素敵な時間を過ごさせて頂きました…。
良い映画
第二次世界大戦直後のイギリスチャネル諸島の島、ガーンジー島が舞台。
戦争の傷跡のなか、戦争のゴタゴタした混乱のなかでの、ただの読書会、、、の話ではない。
自分の本当の気持ちに素直になる、気付く、気付けることへの大切さが分かる作品。
ラストの急展開は、私はハッピーエンドを予想しましたが、友人は悪人に豹変すると予想しました。どうなるかは、観てのお楽しみですね!?良い映画でした。
それにしても、TOHOシネマズシャンテ、シニアで満席でした。老人の社交場なのでしょうか?しかもマナーが悪い。飲食、お喋り、スマホ、居眠り、、、残念。
タイトルはファンタジーっぽいけど
中身は意外と硬派な内容。ポスターからイメージしたものとギャップがあったが、良い方に外れて面白かった。
主演はリリー・ジェイムズということで、鑑賞リストに載せた。「Baby Driver」「マンマミーア」「チャーチル」と、2017-18年は当たり年。 本作も彼女の魅力が満載。
調べたらガーンジー島は実在していて、フランスのコタンタン半島のすぐ西側に位置していた。イギリス海峡ではあるが、フランス沿岸からすぐ近くなので、1941年のドイツ軍の占領はあっという間であったろう。
物語は、戦争直後の1946年のロンドンから始まる。両親を戦争で亡くした作家ジュリエットが、とあることから文通し始めた相手ドーシー。ドーシーはガーンジー島の「ポテトピールパイ読書会」に参加していると言う。思い立ったら吉日で、ジュリエットはガーンジー島へ。そこで参加した読書会のメンバーには、何か隠し事があるようで…。自然の美しいこの島で、ジュリエットは過去を調べ始める。
美しい自然を背景に、島の人々との暖かい交流がホッとする良作です。
特に秘密はないような
「戦時中にこんなことがありました」って語ってるだけの気がすんのね。
それだけだと、全くもたないから、主人公は大金持ちからプロポーズされて受けていて、でもガーンジー島の青年に心ひかれてってのを入れてくんの。でも、なんで島の青年にひかれたんだろうね。そこが良く解らなかった。
金持ちは教養がない感じなんだよね。たぶんパーティーシーンで『トンネルを抜けたらいきなりお祭り』って字幕があったんだけど、映画だと有名小説を引用しつつやってんだろね。それを大金持ちはサッパリ理解しないって描写があんの。まあ、だからってプロポーズを断るほどじゃないと思うんだけど。
お金持ちになった人が、慌てて教養っぽいものに手を出すことがあるけど、こういう風潮を感じてなのかなとか観てて思ったね。まあ、金持ちは才覚があるんだから、教養なんかなくても気にしなくていいじゃないかと思うんだけどね。
ヒロインに共感できず
第二次世界大戦中、英国で唯一ドイツに占領された島が舞台。ミステリーと銘打っていますが緊迫感はなく、少しずつ真相が明らかになっていくと共に、読書会のメンバー達とヒロインが心を通わせていくというストーリー。英国でドイツに占領されていた島があるということ、島の子供達が英国本土に疎開していたということもこの映画で初めて知りました。家畜を没収され食料も不足し食事はポテトばかり、夜間は外出禁止などかなり厳しい生活を余儀なくされていたことも知りませんでした。島の自然が美しくいつか行ってみたくなりました。
なかなかの良作と思いますが、1つ気になったのはヒロインの思わせぶりとしか受け取れない言動の数々。仕事のパートナー、米国人婚約者、読書会の男性、3人の男性にやけに馴れ馴れしいというか誘うような目で見つめたり、人目も憚らずハグやキスしたり、、美人の自分が目立つことを分かっていて敢えてやっているのか、ただの空気読めない女なのか?(リリージェームズファンへのサービスか(笑)) そういうのが気になって☆マイナス0.5。明らかに結婚に乗り気で無さそうなのに米国人から指輪受け取っちゃうわ、「私、婚約してるの」なんて読書会で親しくなった女性(←不美人)に指輪見せて自慢?するわ、エリザベスの消息を婚約者に調べてもらって、用が済んだらハイさようなら👋みたいな感じで自分からあっさり別れを切り出す等々、ヒロインの奔放キャラに共感できない点が多かった。ストーリー自体はすごく良かっただけに非常にもったいない!もう少し恋愛シーンを控えめに描いていたらもっと良い作品になっただろうと思うと残念。ヒロインをこんな設定にする必要はなかったのではないだろうか。
映画の日だったからかほぼ満席でしたが、なぜか高齢者が多い印象。いつも不思議に思うのは一年中シルバー料金で見れるのに何故かわざわざ込み合う映画の日や水曜のレディースデーに来るお年寄り(特にお爺さん)の多い事。自分がシルバー料金で見れる年になったら絶対に避けて空いてる日に行くけどなぁ。
追記:他の方のコメントにも書いてありましたがTOHOシネマズシャンテ、やはりお年寄り多いんですね・・😅 せめて空いてる日に来場してくれたら助かるんだけど。
物語が紡ぎ出す物語
もの凄く動きがあったり、大きな何かが心に残るような物語ではないけれど、不思議とすごくよいものを観たなと思う作品
ミステリー要素もあるけれど、それほど強くなく、
でもそこに隠された人々の想いに胸が痛くなる
戦争が関わる話ではあるけれど、それほど出て来ない
それでも、心に残された傷跡がどれほど深いか気づかされる
優しい物語でした
On my way to find you
戦争中の悲しい思い出で、なかなか人に話し出せないことは、きっと世界のあちこちにあるのだ。
たとえ、他人がどう思おうと、弁明したり説明したりするより、自身でそっとしておきたいことが…。
考えるのは、戦時中でも、人の生活は必ずあるということ。
国や憎しみを超えた友情や恋愛もあったに違いない。
ジュリエットと読書会の人たちの邂逅は、閉じ込められていた思い出に、少しずつ光を当て、読書会の人たちが過去と向き合うきっかけになった。そして、ジュリエットの心境にも変化が訪れる。
戦争は悲劇だ。だが、人々はこれを乗り越えていく。
映画の物語は、悲しい。
だが、敵味方関係なく、人の善意は必ずあるということ。
昨今の、必要以上に相手を悪者にし、敵味方を煽る手法に対して、こうした物語は思う以上に秀逸に感じられる。少し違うが、ソローキンの見た桜もそうだ。
On my way to find you!
簡単なセリフの中に、多くの、そして、前向きなメッセージが込められているように感じた。
On our way to know and understand all of you!
であることを信じる。
朗読者
ロンドン空襲は知っていたけど、イギリスでナチス・ドイツに占領されたところがあったとは知らなかった。イギリスは当時ガーンジー島のあたりの防御を放棄したらしい。
エリザベスはかなり直情的な人物で、最初のドイツ軍への抗議など短慮というほかなく、一方でその後のドイツ兵との親密さへの変転が唐突な感じがした(ロバート・キャパの写真に見られるように、フランスではドイツ人と関係があった女性たちには戦後残酷なまでの試練があったようだ)。総じて英雄的すぎて血が通っていない造形が気になった。
主人公の婚約者マークは初めから気の毒なほど後々うまくいかない感が漂っていた。なので、王道とは言え多幸感あふれるラストは気持ちよく、やはりハッピーエンドもいいもんだと…。
集客狙いだろうけど、何でもかんでもミステリーのレッテルを貼るのはやめた方がいい。
最後のパンをくれる人
1946年、ロンドン在住の女性作家のもとにガーンジー島に住む男性から手紙が届き、そこに記されていた読書会に興味を抱いた主人公が島を訪れ読書会メンバーに纏わる出来事を追っていく話。
ロンドンから作家様がわざわざ来て下さった!という流れから読書会に参加したが、会の創設者のエリザベスという女性はおらず、そのことに関して口が重いメンバー達という流れから、数日間を共に過ごす中で少しずつ話を聞いて行くストーリー。
穏やかで柔らかいテイストでスリリングなものはないけれど、気持ちが通じ深く受け入れられて行くと共に、少しずつみえてくる過去と後悔や、将来への不安と覚悟が愛情と絡んで刺さってくる。
キットちゃんにしてもメンバー達にしても、過剰なアピールの描写を突っ込んで引っかき回したりお涙頂戴を押し付けてこないのも心地良い。
特筆するようなものがあるわけではないけれど、悲しく温かく優しい良い作品だった。
謎解きの終焉が彼らの真の終戦となった
1941年、イギリスで唯一ドイツに占領されたというチャンネル諸島のガーンジー島で、ナチスから身を守るための文化活動としてにわかに創設された読書会: The Guernsey Literary and Potato Peel Pie Society。
主人公の女性作家ジュリエットはロンドン在住で、戦後1946年にその読書会の存在を知りガーンジー島へ。戦争中に大陸へ連れて行かれたという読書会の創設者エリザベスの秘密に迫るミステリー仕立てながら、メインはジュリエットと彼女の真のカンパニーとなる読書会のメンバーとの触れ合い。
戦争の悲劇をしっかりと伝えつつも、ガーンジー島の絶景、本への愛情、そして何より人と人とのふれあいがポジティブな感触を持ち、幸せな気分に浸った。メロドラマなエンディングも嫌味がない。素直に感動し、泣きそうになった。
ジュリエットを演じたリリー・ジェームズの美貌、そしてその笑顔に萌えた。
【「本」が繋ぐ、人と人との縁を美しく紡ぎ出した英国感涙物語】
ー 正義感溢れるエリザベスの生き方は確かに引き継がれた。ー
・哀切な物語であるが、人の善性を描き出した美しい物語である。
・ガーンジー島の第二次世界大戦の史実は知らなかったが、物語に奥行きを与えている。大西洋をバックにした島の風景も実に美しく、この作品の趣を高めている。
・リリー・ジェームズ演じる美しい女性作家ジュリエットの成長物語でもある。
(尚、ジェシカ・ブラウン・フィンドレイ(おおっ!)演じるエリザベスも負けず劣らず、気丈で美しい。)
・本が大好きで英国風味の映画が好みの方なら、より心に染み入る物語ではないかな、と思います。
最近、心が乾いているかなあと思った方、知的好奇心を揺さぶられたい方には響く作品ではないかと思いました。
<エンドロールで子守歌のように語られる英国文学の子供向け物語が全て理解出来る方には敬意を表したい。浅学菲才な私には分からない部分が多かったのでご教示頂きたければ幸甚です。>
<2019年8月31日 劇場にて鑑賞>
ダウントンファン必見!
言葉を紡ぎ語り読み書く・・
ささいな事が人々を繋ぎ絆を深める・・
それぞれの人生のドラマが深く伝わりました
自身も戦争で愛する家族を失いながも好奇心たっぷりで真っ直ぐに生きるジュリエット
この役はリリー・ジェームズ以外有り得ないでしょう!
彼女の爽やかで眩しすぎる演技に癒され、笑顔を貰いました!
デジタルな現代にこそ感じでいただきたい、観ていただきたい!!
心がやわらかぁ~くなる素敵な作品です!
・・ポテトピールパイ、どなたかお試ししてみて下さい(笑)
全109件中、81~100件目を表示