ガーンジー島の読書会の秘密のレビュー・感想・評価
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主人公の決断、元気になります⭐️
こんな時期だからこそ、見て良かったと思わせてくれた映画です。
戦時下の事情を引きずっている人々の群像劇なので、
辛い過去が露わになってくるのは、あんまりな場合は
嫌だな、と思っていましたが、皆さんのレビューの通り
とてもいいラストになっていました。
道は自分で決めるもの、というラスト、特に良かったですね。
二本立て二本目。基本ハズレのないパルシネマだが、こいつは久々個人的...
あらゆる意味で最高の映画です、一日で二度観たから
Rich content rather than its title
読書会というのをちょっとやってみたくなった。
文通の高揚感
良い作品だ。
作家が、文通を通じて知ったある島の読者会。その読書会の名前の面白さから、興味を抱き訪れた島。しかし、そこで出会った人々が、口を開かない秘密は、戦争で、夫や娘、親友や恋人、それぞれ大切な人を失った複雑な喪失感と残ったもの達が、今なお苦しみ、そして互いに救い合う絆に固く閉ざされていた。そんな人々の魂を開放する唯一の自由は島の読者会だった。
よそ者に過ぎないが、何かに突き動かされる作家は、助けになりたい気持ちで、人々の因果関係を丁寧に向き合い解き明かす。しかし、その結果、人々の最後の望みである女性の悲劇の報せを自らが報告してしまう事になり、何事も救えなかった存在として島を去る。塞ぎ込む毎日を過ごすが、マネジャーのシドニーに促されてその事を原稿に書き上げた瞬間、やはり戦争で両親を失い、本を読む事に心の安心と自由を求めて逃げ込んだ自分が、その人々との絆の中に、まるでジグソーパズルのピースが、見事にハマるかのように、運命の自分の居場所がある事に気付く話だ。
印象的なのは、「文通の力」。想いが綴られた手紙で、伝え合う時に覚える高揚感が、懐かしく描かれている。
さらに、原稿に向かい想いを綴るタイプライターの音が、迫力のある音で連打され、気持ちの強さが伝わってくる。書き終えた時に、改行の時に鳴るあの音が「チン!」と心地良く、スピード感とともに高揚感が伝わってくる。
最後に、登場人物達が、優しく上手に描かれて、じわじわ愛着が湧いてくる。
物語が、婚約という「制約」の上に進み、
でも、心の声である「自由意志」に従う事で、
解き放たれる高揚感の表現も一役買っている。
同じ波止場の2つのプロポーズにその対比が観れる。それを支えるシドニーの「存在」を隠し味に使うところまでよく出来ている。
「高価で、大きく硬そうな婚約指輪」にしたのは、抗うことが難しいものに立ち向かう様を表現したかったのかもしれない。言葉が、自由意識の象徴であり、その言葉が行き着くべきところへ誘ってくれる様が、テーマとしてよく描かれている。
素敵な物語でした。
小さいけれど強く光る粒々が集まったような
ガーンジー島に行ってみたくなる
SNSが普及した現代では、もう味わうことのできないかもしれない、アナログのよさを感じさせる優しい映画。
ガーンジー島の素朴な自然美がこの映画のテーマを引き立てていた。
鞄を携え島に入る主人公は、まるで金田一耕助を彷彿とさせるものがあったが…新たな事件は起こらず、その存在によって閉鎖的な人々の心を次第にほぐしていく。
しかし、今まで胸にしまってきたことを割と簡単によそ者に話してしまってる気がして、見ている方としては釈然としない気がした。
彼女の存在がそうさせたのは解るが、そうさせるほどの魅力が、いまいち観る側としては伝わって来なかったし、そこに至る読書会のメンバーの心理描写があってもよかったのでは。
また、途中から結末が予想できてしまう展開になっており、読書会のメンバーが秘してきたエリザベスのくだりが予想外だっただけに、それとは対照的で少し残念だった。
What reading did to the people. 本が結びつける運命
意外とヨーロピアンの人って読書をするイメージがあります。昔バックパッカーだった頃、よく読書をしてるヨーロピアンを見かけました。あっちの本ってピンキリで物によると紙質とかメッチャ悪かったりするのですが、ボロい本をバックの中に突っ込んで持ち運び暇があると読んでて、読み終わると安宿に置いてって、宿の本棚から次の本を持っていく。そんな感じで旅人の中で本が巡りめぐっていて、だいたい誰でも読書してた記憶があります。フとそんな事を思い出しました。
というわけで「ガーンジー島の読書会の秘密」。リリー・ジェームズが出てるという事と第二次世界大戦あたりのストーリーのようだという情報以外知らずに観たのですが、これがもう良くできた作品でした。
先ず大戦中に島とはいえイギリスの領土がドイツに占領されていたって事にビックリしました。帰宅して検索するとガーンジー島ってイギリス本島よりフランスに近くって、あの位置なら確かに占領されててもおかしくないです。イギリスは持ちこたえたイメージがあったのですが、場所によっては占領されてたんですね。そりゃ普通の島民ならナチスを嫌っていて当たり前です。
その島で読書会を思い付いたエリザベス。分け隔てなく人と付き合えるのが彼女の長所だったんでしょうね。だから皆に好かれていた。イギリス人とかドイツ人とか関係なく、人を見て判断できたのでしょう。最終的にそのエリザベスの性格が災いしてナチスに捕まる事になるので、読書会の皆が後悔を持っています。あー、もどかしい。
そこへジュリエットが現れて、エリザベスの事を調べ初めて読書会の皆がまた向き合うようになるのですが、ジュリエットが訪れなかったらずっとエリザベスを待ち続けていたのでしょうし、本を通して皆の時間がまた動き出す運命の物語。何ともいい話でした。
リリー・ジェームズって正直ロンドンの華やかな感じより、島での素朴な感じが似合ってると思います。ドレス姿も勿論素敵なのですが、島でキットと駆け回ってる方が雰囲気にあってましたね。フとした表情や仕草がとっても良い娘そうです(これでもし私生活が荒れてたりしたらショックなのでゴシップは検索するまい)。
全編を通して美しい島の自然が映し出されます。観てて堪らなく何処かの島に行きたくなりました。ああいう自然が豊かな島で本を読みながら過ごせると素晴らしいだろうなぁっなんて妄想を膨らませてしまいます。現実はなかなか日々の生活から抜けられないので、こういう作品のジンっと来るストーリーと自然の映像美はいい気分になれますね。
と同時にまた本を読みたくなります。何処かで読書会やってないかな?
しっとりした映画です。 それぞれの登場人物、全ての人の気持ちになっ...
文字や形にする大切さ
この作品を通して改めて自分の気持ちや考えってのを言葉や文字や形ににし、相手に伝えることの美しさ大切さを感じさせてくれる。また相手にだけではなく、時として文字や形にすることで自分自身にも迷いや不安を拭わせてくれ、確信に繋げるツールとして非常に大切なんだと言うことが改めて感じさせてくれる。
ただ作品内の情景やストーリー性はありきたりで、良くも悪くも地味な印象を受けた。
決して悪い作品ではないが、個人的には普通といった印象で若干退屈にも感じた。
本が好き
な人には全力でお勧めしたいしそうでない方も是非。とても素敵な物語です。それにしても主役のリリージェームズの可愛いこと。『イエスタデイ』に続き良い作品に出てるなぁ。ツンデレ編集者役のマシューグッドも良かった。
見応えがあり、良い作品でした。
どこに書いてあるんだ?
ゴテゴテして入り組んでいるけど、すごく素敵な物語を、控えめな演出で見せてくれる映画だった。"Literary"に繋がりを持った人達を描いた物語は、二つの古典文学をモチーフにしています。シェイクスピアの"ロミオとジュリエット"、シャーロット・ブロンテの"ジェーン・エア"。
ナチス・ドイツの上陸を許し、占領されてしまったガーンジー島。正義感に溢れ気の強いエリザベスと、心優しいクリスティンの恋はロミオとジュリエット。
男女平等の意識を強く持つジェーン・エアは、宣教師セント・ジョンの妻になる事を拒み、火事で片腕を失い盲目になったロチェスターに求婚します。尻ごみをするロチェスターに「愛の前に何ものも障害にはならない」と彼を諭します。
マークからのプロポーズを反故にし、女王の様な指輪を返したジュリエットは、マークからのプロポーズを受けた埠頭で、ドーシーに「結婚する?」と、言い放ちます。女性からのプロポーズをはじめとした、進歩的で自立した生き方を求める姿はジェーン・エアを彷彿させます。
島から戻ったジュリエットは、自らを乗り越えるために。すなわち、あの島で魂の繋がりを持った人々を吹っ切るために、約束を破って小説にします。書き終わった原稿。作家としてのジュリエットの心は高揚していましたが、同時に、深い深いふっかーい喪失感を覚えます。本に挟まれていた「押し花」は、ジュリエットに「本心を押し殺して生きて行けるのか」と問いかけているみたい。ガーンジーでの日々と、ロンドンでの生活。ドーシーとマーク。どう生きたいのかの答えに迷いがあるはずも無く。
"On my way to find you"
いや、"On my way to find MY LIFE" の途中で出会ったのが"The Guernsey Literary and Potato Peel Pie Society"であり、ドーシーであり。だから、ガーンジーに戻らなければ。
"The Guernsey Literary and Potato Peel Pie Society" の原稿と共に届いた手紙には、ジュリエットの、自分の信じる道を進み続けたエリザベスの様に生きると言う決意が語られていました。読書会でジュリエットが見せたジェーン・エアの解釈は彼女自身の価値観、生きたい生き方だと、ドーシーには分っていました。海岸で、ドーシーの自宅で、ジュリエットからの愛を感じていたドーシー。いや、何にもまして、この島と読書会で繋がった人達への愛。そして文通で理解した、手紙で判ったジュリエットの人柄。
ジュリエットがマークとの結婚を受け容れる事は無い。ドーシーは確信し島を飛び出します。Mr.エベン、どこにも書いてないよ、そんな事。書いて無いけど、ジュリエットの想いと決意は、この手紙の文面に溢れている。この胸に伝わって来る。
もう、島の風景が最高。画は文句ないです。と、役者さんが残らず最高です。読書会に押しかけてアイソラのジン飲みたいよね。
良かった。とっても。俺、リリー・ジェームズでこれが一番好きです。
味わい深い
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