ガーンジー島の読書会の秘密のレビュー・感想・評価
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「鷲は舞い降りた」の舞台になったとこだよね!
……と一瞬興奮したものの、あちらは同じチャネル諸島でもオールダニ島だった。そういえば住民はほぼ住んでない設定だったような。もうちょっと英仏海峡の真ん中辺りかと思っていたが、ここほぼフランス沿岸じゃん。漁業権とかどうなっているのかね…と本筋と関係ないことで盛り上がってしまったが、英国調の可愛らしい街並みとと独軍の制服というアンマッチが昔読んだ本をフラッシュバックさせてしまった。ミステリーというほど込み入った話ではないがドイツに統治された英国土、英国民も大陸の収容所へ収監されていたというあまり馴染みのない歴史背景から興味深く観れた。マンマミーアに続きまたもリリィ・ジェイムズが短絡的な選択をしているようで心配になる(5年暮らしたら後悔しそう)が今回は文筆家だしネタが多そうな所なのでまだマシかな。
戦争秘話
地図でみるとガーンジー島は英国よりフランスに近い島なのですね、第二次大戦では早々とチャーチルに見捨てられたのですからロンドンからの客人にそっけないのは分かる気もします。
夜間外出禁止をドイツ軍から咎められた時にエリザベスがとっさに思いついた口実が読書会でしたね。映画はこのエリザベスの慈愛溢れる壮絶な半生がテーマかと思われるくらい印象的です。
救世軍出身で、ドイツに投獄され37才で亡くなったマリー・オザンヌさんがモデルだったようです。
原作者のメアリー・アン・シェイファーさんはアメリカの小説家で、南極探検家のロバート・スコットの夫人の伝記の下調べで英国に赴いた折にガーンジー島に立ち寄り島の歴史に惹かれたようです、執筆中に体を壊し、姪のアニー・バロウズさんに後を託して亡くなっています。
原作ではエリザベスとドイツの収容所で一緒だったというフランス女性レミー・ジローが登場してドーシーと恋仲になりそうでやきもきさせられます、映画ではジュリエットに焦点を絞りたかったのでしょうばっさりと割愛しています。
さてエリザベスの献身的な生きざまにショックを受け、白馬の王子様のようなマークを振って心変わりしたジュリエットですがドーシーへの思いが果たして愛と呼べるのか、恋愛感情というよりキットへの母性本能や悲運なドーシーへの憐憫にあるようで素直にハッピーエンドと喜べないのは年のせいでしょうかね・・。以前ラジオでユーミンと森山良子が「女って、あなたの為よといいながら、いつかあなたのせいで・・に変るのよね」と話していたことを思い出します。
原題に秘密を付けた邦題はお見事です、皆がエリザベスのことを語りたがらない裏にはドイツ兵に寝返ったことで丸刈りにされて辱めを受けた女性の話など戦時中のヨーロッパでの醜聞が頭をよぎりましたが杞憂でホッとしました。医者と言う職業にもよるのでしょうかドイツ兵にも人間味のある人がいたという描き方も珍しい。
まさに主人公と一緒に謎解きに対峙する感覚は2時間越えの長さを感じさせません、風光明媚なガンジー島の景観と併せ、楽しめる良作でした。
タイプは空爆よりうるさいの。
主役のリリージェームスが魅力的です。
一通の手紙から恋がはじまる。手紙や本。文字から人を惹き付けるものがある。
届いた手紙から疑問に思う事を知りたくて島に行く。その人達と読書会を通して繋がっていく。戦争の統治下だった時、不自由な暮らしまた家族を失った悲しみを皆で支え合う。派手な暮らしは合わないことを知って。
自分の居心地のいい居場所があった。
豪華な指輪が似合わない島。ガーンジー島
初めに受け取った手紙から気づいていた何かは…。恋心
人に親切にする時はある種の覚悟が必要なのだ。
先の世界戦争が終わった直後のお話。とても若い女流作家の好奇心が発端で始まる。
映画の舞台は英国の島でナチスから解き放たれた住民は悪夢のようなあの時代を忘れ去ろうともがきながら暮らし始めている。そこへ、好奇心剥き出しにしてやってきた新鋭作家。謎に包まれた読書会へ招待されないのに参加し辻褄の合わぬことを発見して追及し始める。島民にとっては甚だ迷惑な話。それは、小説家だけが知らなくて、他の人々はすべてを知っていて知りながらもなんとか持ちつ持たれつで暮らしている。作家と言うのはそう言う生き物だと言えばそれで話は終わってしまう。どっこいそうじゃないのだ!
と・・・・そうなれば、良い映画になったと思うが、どうにもならないのだ。
この作家が愛する人を見つけて、戦争で失ったいくつかの哀しみを和らげてもらうためにこの島で暮らすことになる。
つまらぬ映画なのだ。
自分のことは自分で決められる時代
まずガーンジー島の景観に心を奪われる。
次に、戦時中、開放的な島の自然とは裏腹な不自由を強いられた島民が、強かに生き抜く様に爽快感を覚える。
一方で、いわれのない誤解に傷付き、島特有の閉塞感に屈託を抱えるエリザベスと母親アメリア、エリザベスに想いを寄せるドーシーの胸中を思いやる。
ジュリエットは、そんな島の歴史と人々にとって、思いがけない「異物」であった。
知るということは、時に人を傷付けることでもある。
ジャーナリズムが掲げる知る権利を少しばかり嗜めるようにして、
ジュリエットがしたためた「文学とポテトピールパイの会」は、
「異物」が島の悲しい歴史に溶け込んで病巣を癒す錠剤のように働いた。
エリザベスの生き方は、ジュリエットの心に「自分のことは自分で決める」という教訓とともに共鳴した。
映画のエンディングは、戦争が終わり、本当の民主主義がおとずれた瞬間であった。
戦禍にあって尊厳と自由をいかに獲得するべきかを、じんわりとした幸せが覆うラストに改めて考える機会となった。
良い作品でしたが
高評価が多い中、ちょい下げすみません。
映画館で観たかった作品、ようやくネットで。
素敵な景色がたくさん出てきて、大きなスクリーンで観たかったなぁ。
ちょっと下げたのは、ドーシーがイケメンじゃなかったら?を考えてしまったから。もっというと、キットのお父さんもやっぱりイケメンだったのね、と。
や、最初に出てきた時からバレバレだったけど。そうならないで、と思いながら観てたので。
指輪を受け取り大興奮はするけれど。
予感は的中。だよね、そうなるよね、っていうのがバレバレで。
なんかそこがね、と思ってしまって。
キットのためソサイエティの人達のためにも、丸く収めるためにはマーク1人が割りを食うだけで済むなら被害は最小限か?
もっともマークのどこに魅力を感じていたのかがよくわからなかったけど。
結局人間9割見た目かよ?と思ってしまう。近所の、部屋を貸していた家主が罵るシーン、それはすごくひどいんだけど、確かにそう見られても仕方ない、とも。
という、少し安直な気がしてしまったので。
美男美女の話にしなくてもよかったのにと思うのは、そうじゃない者の僻みかな(笑)
ドーシーの相手、アイソラさんでもよかったのにね?
「自分らしく生きること」が大事
イギリス+フランス合作ですが、イギリス色が強いヒューマンドラマ
舞台は、第二次世界大戦後のイギリス
ヒロイン、ジュリエット(女流作家)が読者ドーシーから、
ある本についてご存じでしたら教えて欲しいという
手紙を貰った事がきっかけで、
彼が住む、ガーンジー島で行われている読書会を
訪ねてみると・・・
ジュリエット「タイムズに(読書会の記事を)載せると言ったら
喜んでもらえるかと思って・・・」
読書会のメンバーの反応は、好意的なものとは言い難くてそれは
メンバーのひとりエリザベスが行方不明で
第二次大戦時ガーンジー島がドイツに占領されていた事と関係あるらしい
好奇心にかられ、編集者を通じて捜索し
読書会のメンバーからもエリザベスに関するエピソードを打ち明けられ
作家としてこの話を書かずにいられなかったけれど読書会の人々の
気持を慮って出版はせず彼女らに原稿を手渡す
エリザベスが占領下でも、自分らしい生き方を貫いた事に触発され
ジュリエットは自分の人生を見直し、
「自分らしく生きる事に目覚める」
*****
舞台がイギリスらしい、階級差別的な考えが根っこにあって
ジュリエットに冒頭でプロポーズした編集者のマークは・・・
ジュリエットに大量の薔薇の花束を贈る
婚約指輪は豪華なダイヤの細工もののごついもの
華やかな社交界
ジュリエットに、好んで男性名義で本を書かせる(イギリスにはホモが多いジョーク)
ドーシーを「豚飼い」と蔑む(住む世界が違う)
対するドーシーは、読書会発端のきっかけとなった(ドイツ軍に
家畜を飼う事を禁じられていたのが発覚しそうになってでっちあげで
作ったのが読書会~文化的な集会は容認されていた)豚を飼い、
血がつながっていないにも関わらず
エリザベスの残した娘を育てている純朴な男性
ドーシー「8歳の子供には、父親が必要だ」
マークが贈った薔薇の花束は、花瓶に入りきらずバケツに入れられ執筆室の外へ
執筆室のタイプライター(!)の傍に置いてある本の間には、小さな押し花
(文通して心を通わせていたドーシーのイメージか)
この対比が、ヒロインの気持ちを代弁していて面白かった
手紙やタイプライターやら文通やらの
アナログな交流や執筆風景が、時代を感じさせると共に
本を執筆する事に対する真摯さと
ドーシーと心が通い合っていく様を暖かいイメージで伝えてくれる
PCやメールでは多分、こういう気持ちの触れ合いは少ないだろうと思う
個人的に気に入ったキャラクターは、
出番が少なく、気取ってはいるけど自然体で
クールで切れ者の編集者シドニー
ジュリエットとの、会話や接し方から、プロの編集者とは
こうあるべき、というイギリス流の美学を教えてもらった感じで
嬉しかったです
「読書会」というタイトルから、本好きな人々の話だと思っていたので
予想とは外れていたけど、少女小説の様な趣のある、いい映画でした
タイトルで惑わされる。
戦争物?読書会?
美貌の記者のジュリエットがガーンジー島の読書会の存在を調査するお話。
不思議な話なのだけども、結末は純愛物💓
原題 THE GUERNSEY LITERARY AND POTATO PEEL PIE SOCIETY
kindleが139円だったので、買ってみた。
今度読んで見たい。
エンドクレジット
WOWOWオンデマンドで見ました。美しい風景の中のリリー・ジェームズを見ているだけでも心やすらぐけれど、ストーリーも心温まる。それにしても、「読書会」のできるバックグランドがうらやましいな。
特に、エンドクレジットで流れる読書会での有名なフレーズの朗読と、それに対するコメント。シェークスピアのテンペストしか分からなかったので、調べてみたら、以下の通り。
To the Lighthouse 「灯台へ」by Virginia Woolf (Amelia Maugery (Dame Penelope Wilton)),
Treasure Island 「宝島」by Robert Louis Stevenson (Eben Ramsey (Sir Tom Courtenay) and Eli Ramsey (Kit Connor)),
William Shakespeare's The Tempest 「テンペスト」(Dawsey Adams (Michiel Huisman) and Juliet Ashton (Lily James)),
Jane Eyre 「ジェーン・エア」」by Charlotte Brontë (Isola Pribby (Katherine Parkinson)),
Oscar Wilde's The Importance of Being Earnest 「真面目が肝心」(Sidney Stark (Matthew Goode)),
"The End" by A.A. Milne (Kit (Florence Keen)).
・・・・こういう映画を見る英国の人たちの文学リテラシーがうらやましい。
思わぬ秘密
一言「邦題ナイスタイトル!」
原題「THE GUERNSEY LITERARY AND POTATO PEEL PIE SOCIETY」。
直訳すると「ガーンジー島の、本&ポテトパイの会」なので、秘密という単語はない。
だけどストーリーには、秘密が隠されている。むむむ。
読書の話かなと思って見始めたら。そういう要素もあったけど。
1941年と1946年の話が行ったり来たりで、ドイツ軍に抑圧されたガーンジー島の人々の話。
「集まりは禁止。だけど文化的な物ならまあ、いいだろう」。
というのを逆手に取って、できた仲間うちの読書会。
主人公がその会を知ったきっかけが、ちょっと懐かしい。
私の祖父や伯父は、自分の蔵書には住所と名前を書いてました。
ここでも、主人公の住所・名前が入った古本を、島の人が見つけて手紙を出したのが。
取材に行くきっかけに。たかが本されど本。一冊が人の心をつなぐんだなあって。
「私たちの戦争は終わっていない。母と子が再会するまでは」。
会の老婆が主人公に訴える言葉。静かな訴えが切なかったです。
「書くべきか、書かざるべきか」。島から帰った主人公の悩む姿、出した答え。
ちょっとだほろっときました。
⭐️今日のマーカーワード⭐️
「読書が人に与える力を書きたい」。
美しいガーンジー島
イギリスより、むしろフランスに近いガーンジー島。全く知りませんでした。景色が素晴らしい。ストーリーは逮捕された読書会の発起人を探す、謎解き、ゆるーいミステリー?かと思いきや、ラストはラブストーリーへ。二人は顔を合わせる前から、文通で、心が通じていた。マークは可哀想だけど、やっぱり居心地の良い人を選んだ方が幸せ。リリー・ジェームズが思い悩み、決断、吹っ切れた女性を好演。
すんなりと物語の世界に入っていけた。こんな優しさに触れたならロンド...
すんなりと物語の世界に入っていけた。こんな優しさに触れたならロンドンなんかに戻れるはずがない。素直な心と美しい景観、心洗われるような素敵な作品だった。
シ
サスペンスではありませんでした。
第二次世界大戦直後のイギリス。手紙をきっかけに、孤島の読書会を訪ねた小説家の物語。
サスペンス色の強い映画だと想像しての鑑賞でしたが、恋愛物でした。
でも、ラブストーリーが苦手な私が観ても、それなりに楽しめた作品でもありました。
読書会のメンバーと主人公の交流が、暖かく描かれていて好感が持てます。
また、戦中戦後の世相を描いていたことも興味深く感じました。
ただ、評価はやや低め。
単純に私が恋愛物が苦手・・・と言うこともあるのですが、主人公にあまり共感を覚えなかったことが原因でしょうか?
幾つか理由はあるのですが、一番は、行方不明の女性に興味を持ち調査することに違和感を感じたこと。小説家らしい好奇心なのでしょうが、人々の古傷を抉りかねないその行動に、説得力を感じませんでした。
もう少し説得力のある理由を提示出来れば、サスペンス色ももう少し映えたように感じ、残念に感じました。
喪失体験の浄化と再統合の物語
途中までは、ナチスドイツの罪を指弾しようとしているように見えますが、そうではありません。ドイツとイギリス、どちらかが善でも悪でもなく、戦争の不条理を描くのかとも思えましたが、そうでもないようです。戦争による喪失体験の浄化と再統合の物語です。読書で結ばれた5人のメンバーとジュリエットは、各人それぞれに喪失体験を抱えていました。5人とジュリエットとが出会うことによって、最後には、やっと彼らの心の中でも戦争が終ったと考えられます。心が洗われるような感じで見終わることができる映画です。
ガーンジー島の美しい風景も見どころです。
また、これは僕だけだと思いますが、見ていて、ここ数年に見た戦争、英国がらみの映画をいくつも思い出し、懐かしい感じもしました。地雷の撤去された海岸を散歩するシーンでは「ヒトラーの忘れもの」、港では「人生はシネマティック」、ラストシーンでは「ノッティングヒルの恋人」のラストシーンを思い出します。
人々の「戦後」
ガーンジー島に行きたくなる映画。
自然や建物の景色が美しい。
本を読みたくなる映画でもあるし、じゃがいもの皮パイを食べてみたくもなる映画。
子役のイーライとキットがかわいいなぁ。
戦後直後の光と闇…までは言い過ぎだが、影と日向がそれぞれガーンジー島とロンドンで織り成されているよう。戦争はまだ終わっていない場所もあれば、終わってお祭りしている場所もある。
どっちが正しいということはないし、価値観で決めることだろう。ある登場人物のように、自分の正しいと思うこと、幸せだと思うことを見つめ直せる機会になった。指輪の対比もそう。
編集者のシドニーは登場場面は多くないながら、鬼編集と思わせて内面まで理解してくれている関係性が心地よい。
読書会のメンバーもそれぞれ個性と歴史があり、人物について深掘りができて、ヒューマンドラマとしてすごく楽しめる。
ドーシーのセーターの穴は数年前から広がりもせず持ち堪えているのは、逆にすごいことではないか…。
「私とは来世で会おう」
読書会も魅力的だけど、映画サークルがいいなぁ・・・
こんなに泣ける作品だとは思わなかった。単純に反ナチ映画かと思っていたら、恋愛パートや消えたエリザベスのミステリアスな部分など、見どころがいっぱい。ナチスだからと言って、全てが悪い人じゃないといったところも・・・
欧州連合にも加盟していない自治権を持った島。人口6万人というから、映画で見たイメージよりも大きい島なのかも。フランスの方が近い独特な島もナチスに占領されるという不幸に見舞われ、集会禁止令も出される中、仲の良いグループがたまたまナチスに見つかり、思いついたかのように読書会の帰り道だとごまかした。その名も「ガーンジー読書会とイモの皮パイ愛好会」。
古本の中にあったジュリエット・アシュトンの名前と住所が書かれていた詩集によって、島の読書会と彼女の文通が始まり、やがて彼らに会いたいと願ったジュリエットが戦後島を訪れるという物語。読書会のことを記事にするなと言われたり、島の人々の人間関係を調べたりするうちに、読書会の創設者の一人エリザベスがいないことに気づくジュリエットであった・・・
エリザベスの娘キット、彼女についての噂、憶測よりも自分で調べるという好奇心により徐々に真相が明らかになっていき、誰もが戦争による被害者であることがわかっていく。ジュリエット自身も両親を空爆で亡くし、ロンドンではトラウマにも悩まされているのです。
恋愛パートではなんとなく予想もつく流れになっていましたけど、やっぱり血の繋がらない子どもを育てているドーシーがいい。個人的には「嵐が丘」を夢見るアイソラもいいと思うのですが、人それぞれ・・・。作家としてアン・ブロンテについても書いているジュリエットだったし、イギリス文学の色んなうんちくが詰まっている作品でもありました。『劇場版ヴァイオレット・エヴァーガーデン』を観てきたばかりだったので、所々どことなく被ってしまいました。
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