ガーンジー島の読書会の秘密のレビュー・感想・評価
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イギリス映画伝統のストーリーテラーぶりが堪能できる
チャンネル諸島に浮かぶ小島、ガーンジー島で、ナチスの目を盗み、島民たちが秘かに愉しんでいた読書会に纏わる秘密が解き明かされていく。わざわざロンドンから島にやって来た作家の目を通して詳らかにされていく戦争秘話は、悲しく、意外性に富む内容だが、物語の主眼はそこにはない。人生の選択に悩んでいた主人公の作家、ジュリエットが、読書会に集う人々のドラマに触発され、自分にとって最も相応しい居場所を見つける、自己発見の物語なのだ。映画は前半まで、ありがちなハートウォーミングものかと思わせて、ラストの20分で一気に急展開して、あっけなく幕を閉じる。緩急を付けた脚本と、余韻を残す演出。これは、イギリス映画伝統のストーリーテラーぶりが堪能できる1作だ。
とても良いお話なのだが…
マイク・ニューウェル監督作品だからというよりは、完全に主演のリリー・ジェームズ目当てで鑑賞。
観始めていきなり、ガーンジー島の壮大な夜空に度肝を抜かれる。そしてレトロファッションに身を包んだリリー・ジェイムズとロンドンやガーンジー島の歴史ある街並みの相性も抜群だ。その他随所で絶景が映し出され、映像的になかなかの観応えあり。
ただし、ストーリーとしてはどうだろう。ちょっと出来過ぎではないか。全てにおいて予想通りに進むし、残酷さもおもむろに美談でくるんでしまい、ただの良いお話にしてしまっている印象を受ける。
そんな優等生的なストーリーで展開していくため、人気俳優陣の熱演もやや野暮ったく映ってしまうのが残念だ。
このあたりもマイク・ニューウェル監督の狙いなのだろうか。
いずれにしても、良いストーリーを良い役者陣が演じきっているだけに、個人的にはちょっともったいない感じがするかな。
薔薇派?野草派?私はローストポーク派
映画には製作国のお国柄とか国民性が出る。マーケティングの一番目は当然自国だろうから、当たり前と言えば当たり前だ。
例えばアメリカ映画だと、善悪のハッキリしたハッピーエンディング。日本映画ならグレーゾーンのビタースイート。イタリア映画なら大体、食事シーンがある。
そんな感じで、イギリス映画は、食事シーンがない作品が多いが、本作の序盤に登場したローストポークには驚いた。過去に観た映画の中の食べ物と比較しても上位に入りそうなほど美味しそうなローストポーク。
フランスが絡んでいるからできたのか?イギリス単独では無理だろ?イギリスは素でポテトピールパイが限界だろ?そうだろ?
ポテトピールパイだって、要は形の変わったローストポテトなんだから不味いわけないんだが、不味いハズと思い込み、実際に不味く作れるのがイギリスだろ?
あまりに衝撃的なローストポークの輝きに目がクラクラしたので星を少し追加しておく。
さて内容について。私は特に文句もなく最後まで楽しめたのだが、妻は面白くなかったという。自分らしくある女性の物語で最近流行りのテーマだし好きそうだと思ったのだが。
あまりに予定通りに物語が進み、驚きや発見といった映画的喜びがなかったという。
ヘミングウェイが言う「氷山理論」、本体の7、8割を隠すことで氷山は強くなる。つまり、見えていない余白があることで作品は面白くなる。これに当てはめて考えると「ガーンジー島の読書会の秘密」は確かに丸見えすぎて刺激不足ではある。
それでも私は、最終盤のジュリエットからの手紙から始まる一連のラストシーンは良かったと思うし、ローストポークでストーリーとは関係ない刺激も受けたので楽しめた。
手紙から始まる、人の本質をめぐる旅
民族、宗教、人種、等を理由、言い訳に争いが、戦争が絶えない
最も愚かしい行為が絶える事が無い、人間と言う種が更にアップデイトできない最後の議題だろう。
そんな感慨を強く思える、先の大戦後のガーンジー島の自然映像。
作家の元に届いた手紙から訪ねた島で
消息を絶った一人の女性をめぐる島民の思いが、実にうまく「当事者」「世間」といった社会の見識を擬縮している様、サスペンス感も絡め巧みな演出と成っている、後半、主人公の精神的脱皮とも思える処からの展開が、快い強さと感動が素晴らしい‼️
ガーンジー島は、フランス、ノルマンディー地区の直ぐ沖に在る島。
監督は・・・そう
「4つの結婚式と1つの葬式」の・・そう、あれも1人1人の思いの絡みかたが、よかった、沁みた。
手紙を送って見つけた愛と美しい風景に魅せられた作品
イギリスを走る2階建ての赤いバスに乗っていた慎ましい作家の女性ジュリエットが
文通していたガーンジー島の男性、ドーシーに
会いに行く!
美しい自然の風景を走る馬車とクラシカルモダンなファッションのジュリエットに
魅了されたストーリーでした。
第二次世界大戦直後の読書会のメンバーとの
交流により知った悲しい過去。
大事な人を亡くした心の傷があっても
ドーシーとジュリエットの出逢いが
未来を変えていくように見えました。
「手紙」には秘められた恋がありました。
タイプライターを打つ手元は繊細かつ
品格ある作家の女性、ジュリエットが
其処にいました。
港に迎えに来た男性とそれを待っていた女性
の姿!
歳を重ねても家族が一緒にいることの幸せを
噛みしめることができました。
1冊の本に綴られたたくさんの愛を感じる
ストーリーでした。
ポテトピールパイが食卓に並んだ場面は
格別の味をイメージしました。
安らぐところ
ガーンジー島 〜 美しい島
美しい作家ジュリエットをリリー・ジェームズが演じる。彼女のはにかんだような美しい笑顔が魅力的。
事情があり手放した書籍がきっかけとなり、ガーンジー島の住民と手紙のやり取りをするように…。
ガーンジー島で起きた過去を辿るストーリーに引き込まれた。
ーガーンジー 読書とポテトピールパイの会
ージュリエット・アシュトン
オークリー通り202番
BS松竹東急を録画にて鑑賞 (字幕版)
主食はじゃがいも
ガーンジー島…全然聞いたことなかった。どこにあるんじゃ。調べたらイギリスの南、フランス寄りのあたりの、チャンネル諸島のひとつだそうだ。立地的に、フランス領になったり、イギリス領になったりしたそうだが、イギリス領で落ち着いてたらしい。昔、ビクトル・ユゴーが住んでいて、邸宅が公開されている。イギリス本土より暖かく、夏はバカンスに適した土地とのこと。
第二次世界大戦中、ドイツ軍が乗りこんできて、ガーンジー島の住民は常に監視されていた。こっそり息抜きしに集まったら、帰りに見つかってしまい、とっさに読書会と偽った。それがお話の始まり。
ポテト・ピール・パイ、すなわち皮付きじゃがいも焼き、味付けほぼなし。せめてバターが欲しい。そうすればじゃがバターになる。でも、戦争中は無理だった。そういえば、林望の「イギリスはおいしい」という本の中で、日本人は米を主食、肉野菜などを副菜と考えているが、イギリス人はパンが主食なのか、と考察されていた。林先生としては、イギリスではパンは何かを乗せたりはさんだりするものであり、日本の米とはどうも感覚が違うと。現地の人に聞いても、やはりパンは違うみたいで、しばらく考えて「じゃがいもかな」と返ってきた。この映画を観て、すぐにこの話を思い出しちゃった。イギリスの主食はじゃがいも〜。
リリー・ジェームスがかわいくて、きれいな風景の中で輝いていた。
BS松竹東急の放送を鑑賞。
読書会!
これは最高峰の映画です。
お花
ガーンジー島で戦時下に何があったかを紐解いていく&主人公が居場所を見つけるお話。
基本は戦後の話ではあるものの、戦争の悲しさを突きつけられる。
ドーシーがくれた花と婚約者マークがくれた花の対比が印象的。
婚約者はまったく悪い人ではなく、むしろ協力してくれる等良い人なので、かわいそうではあった。
主人公にとってしっくりくる居場所がガーンジー島と読書会だったのだろう。
主人公の女優さんがとても美人。
ガーンジー島、景色が綺麗なので行ってみたい。
静かに紡がれるヒューマンドラマ
ストーリーをざっと読んだ時にヒューマンミステリーと書いてあったので少し結末を勘違いしていたけど、これはこれであり。
ヒューマンミステリというよりヒューマンドラマ。
静かに語られるエリザベスの話とガーンジー島の美しい風景に心が癒される。
戦争中のひもじさや別れを戦後に描いているから決して明るい話では無いけど、鬱々とした描写はないので安心して観れた。
最後も期待した通りの結末。ただもう一度観たいと思えたかは微妙。
ダウントン・アビーの顔ぶれ
対決、米英独!
最後が残念な映画
主題は主人公の女性作家と島の人達の交流の話です
全体的に面白かったのですが、最後の展開が残念過ぎます
主人公は色々な人に迷惑をかけて勝手に島に行ったのですが、出会ったばかりの島の男と結ばれ、落ち度どころか散々世話になった婚約者を被害者ぶって振ります
ありていに言えばとんでもないクソ女ですね
これ性別が逆だったら総叩きだったでしょう
主人公の設定のせいで最後に非常にもやもやした気持ちが残りました
ガーンジー島の美しさは目を奪われる
歴史と、本と、人との繋がり
思うように人と会えない時代だから、余計に心に沁みた。
エリザベスという女性には人を動かすパワーがある。
ガーンジー島の第二次世界大戦中の占領という歴史、そしてそこで起きたこと。それを読書会を軸にして描き、更に本を通して生まれる人との繋がりをも盛り込んである。
それと対比するように、アメリカ人の見せてくれる、戦後間もないにも関わらなず華やかな世界がある。
ただ、邦題のタイトルが残念。読書会というだけで目を惹かれる人も多いと思うので、秘密などといわずにそのまま訳した方が良かったと思う。
リリー・ジェームズが魅力的
リリー・ジェームズ見たさに見た映画でしたが、作品としてもかなりの力作でした。
最初からジュリエットとドーシーが結ばれるのではないかという雰囲気で展開していき、その通りになってしまうのはあまりにも単純すぎて何かひねりがあるのかと思っていましたが、まさかその通りになってしまうとは逆に意外でした。
エリザベスが島に帰ってきてドーシーと結ばれるハッピーエンドを期待していた私にとっては、エリザベスの最期はかなりのショッキングな話でした。戦争の残酷さを改めて感じてしまいました。よく考えれば、生きていれば戦争が終わっていたので帰って来られないはずはなかったですね。映画としては、この暗いムードの中で、ドーシーはキットを一人で育てていこうと決心して、キットを見つめるシーンで終わってもよかったのではないかと思いました。
実際にはドーシーはジュリエットと一緒になるので、それはそれで良かったかもしれないのですが、エリザベスのことを考えてしまうと、ちょっと割り切れない感じがしてしまいました。
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