酔うと化け物になる父がつらいのレビュー・感想・評価
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アルコールに悩む家族を描くことは大変だけど
これまでもアルコール依存の父親、あるいは母親を描いた作品はあった 実際にはとても深刻な内容、事実がそこにはあるのだけれど、映画にしたときに依存している親の描き方はさまざまであった この話が実話に基づいていて、この父親のために家族はやり直しのできない日々を30年送ってきたわけで、それを親子愛だのに美化はできないのも確かだ そんな父親ともそれでも一緒に暮らしてきて、幼い時の些細な喜びや嬉しさの記憶は消すこともまたできないのも確かだろう また実際こういった境遇に暮らす子ども、きょうだいたちは決して少なくなく、耐え切れなかった母親が自死を選ぶ話も珍しくない そういった家族をこういった形で描かれ渋川さん演じる父親の年齢に近い自分としては、職場での板挟みとか、それを自宅に持って帰れないことに共感もしているが、子どもや妻の立場からすればとても許すことのできない、いない方がいい存在に違いない
無力感・あきらめの中にある松本穂香さん、彼女だから母親と妹の間にも立つあの境遇にある一家の長女を演じられたのだと思う スナックママの安藤玉惠さんとか、飲み仲間の宇野さん、森下さんらの無責任な取り巻きも、安定した演技だった
脚本を書かれた久馬さんは大阪吉本のコント師であり、ネタを作っている方でもあったのでそういう興味もあってみせてもらいました(3月13日 イオンシネマ和歌山にて鑑賞)
誰に見て欲しい映画なのか?
なぜこれを映画化しようと思った?
何を伝えようとした?
最後まで分からなかった。
自分は母が軽度のアルコール依存です。
この父親ほどではないものの、それなりに化け物だと思って育ってきました。
だからこそこの映画に、被害者の辛さを伝えてもらえることを期待していた気がする。
でも映画の描写は、いたって客観的だった。
サキに感情移入できた人はどれだけいるのだろう。
サキの気持ちになりたいなら、終電過ぎた頃の新宿駅に突っ立ってるほうがよほど酔っ払いの悲惨さを味わえると思う。
奇行による痛み、酒の臭いやその後の行動によるにおいの不快感。そういう、視覚と聴覚だけでは得られない感覚が、どうにも伝わってくる表現ではなかったように感じた。
サキのセリフは同じ立場にいた人間からするとその通りなんだけど、そこに至るまでの視聴体験がどうにも弱い。
だから説得力がない。
役者は悪くないと思う。
各キャラクターの動きも悪くないと思う。
ただ、父親の化け物っぷりと主人公の心理描写はもっと強烈なものを残して欲しかった。
酔っ払いの映画なので当然吐いたシーンがあるわけだけど、見てる側がオェってなるくらいの(見たいわけじゃないけど)強烈さがないと、何も伝わらないのでは。
父親擁護の色が強い気がして、タイトルと内容にミスマッチがある印象でした。
バツ印
酔っぱらいオヤジと、奉仕という名の下、言われたことをただだだやる光合聖という新興宗教信者の母親と、8歳の主人公&妹という家族の様子から始まり、酒を浴びてはトラになる父親との関係を長女目線で描いた話。
原作者の実体験に基づくコミックエッセイの映画化ということで、心の声を吹き出しでみせる演出が多用されているが…重くしたくないのだろうし、ハマっている箇所もあるけれど、ちょっと間が抜けた様にも感じてしまう箇所があって、それ一辺倒ではなくアフレコの方が良かったんじゃないかと思う場面もチラホラ。
自嘲的というか自分を責めすぎというか、もっとドライじゃないと生きていけないんじゃか?と思うのは生別差か個人差か…。
自分には、飲んで忘れちゃえばとかいう感覚もなければ、彼氏との関係性も理解不能だし、面白かったけど、何でも受け入れて、流して我慢してという展開で、主人公のいい子ちゃん過ぎる性格に共感はできなかった。
化け物ではないから
何考えてこんなくだらないTVドラマを…
酒は飲んでも飲まれるな
ちょっと他人事とは思えない…。
私の家にちょっと似ている所があったのと、私自身も父親に似て、お酒でやらかして迷惑かける方の人間だったので…。
飲まない人からしたら、酔っ払いって本当に迷惑以外の何者ではない。
と、偉そうなことを言っているが、そんな事を私が知ったのは最近の話。
だから、原作者の菊池真理子さんに申し訳が立たない。
私の父親も、毎日午前様の人間で、あそこまでベロベロではないけれど、夜にも関わらず同僚を家に連れてくる人間でした。
夫婦共々よく喧嘩していたし、そのせいで私の母も宗教にハマった身。
このままじゃ嫌だなと思っていた矢先に、父親の単身赴任が決まって、疎遠になったのが逆に良かったのかもしれません。
我が家では、その辺りから父親のお酒の付き合いが減って、自炊するようになって、料理が好きな、お酒もほどほどの父親に変わったので救われましたが…。
でも、映画の父親は違う。
アルコール依存症状態で、吐くまで飲む、そして次の日何も覚えてない状態で仕事に行く。
その繰り返しは、菊池真理子さんにとって、苦痛でしかなかったと思います。
周りの人達も、アルコールが弱い父親にどんどんお酒を飲ませるからたちが悪い。
誰にも頼れない、孤立した状況の中で、彼女は自分の心に蓋をして、生きていく決意をする瞬間がとても悲しかったです。
家族を救えるのは家族だけと、心の片隅で思っているけれど、一度も謝らない父親の姿を見たら誰だって胸糞悪くて父親を嫌いになるだろうし、許そうとも思わないと思う。
血の繋がりって、本当に辛い。
家族を見捨てられないから、ズルズルと実家に暮らす2人の姉妹の姿が、我が家にダブって見えました。
今回、娘役を松本穂香ちゃん、父親やくを渋川清彦さんが演じていますが、2人の親子っぷりがとてもリアルでした。
渋川清彦さんといえば、『閉鎖病棟』で暴力的なやくを演じていた印象が強がったので、また暴力かと思ったけれど、この映画では暴力的なシーンがほとんどなかったのが救われました。
監督さん曰く、穂花ちゃんはあの狸のような顔が、シリアスすぎなくて良かったとの事。
幸せな話ではないけれど家族の話なので、彼女のポワーンとした雰囲気はとても欲しかったのだそうです。
確かに、ちょっとポーッとしている感じに救われる部分が多くて良かった。
彼女は目で訴えるような演技がとても上手いので、語らずともその表情から全てを悟ることのできる素晴らしい役者さん。
この映画は2人のナイスコンビがあったからこそ、とてもリアルなのだと思いました。
個人的には、母親役のともさかりえさんもハマり役。
最近のともさかさんは、ちょっと一癖ある面白い人の役が多いので、今回もクスクス笑わせてもらいました。
決してコメディのような楽しい話ではないけれど、家族の話だからちょっと笑える話も隠れている所がなかなか複雑。
まずは、原作を読んで彼女の実体験を知ってから読むと、より一層リアルに感じられるかと思います。
私自身、もう泥酔しないと決めてから4年が経ちますが、まだまだ他人事とは思えない、酒は飲んでも飲まれないよう、今後も気をつけようと思いました。
素敵な映画をありがとうございました(^^)
お父さん呑みすぎ!
舞台挨拶付きの先行上映で鑑賞。
普通とは違う家族の物語。
父が酔っては化け物になり母は新興宗教に熱心。
娘のサキは化け物が現れる度にカレンダーに赤ペンで×印をつける日々。
そんな父と娘の30年。どんどん増えていく×印。
サキの人生がなにもかもうまくいかないのは化け物のせいなのか。
原作は未読です。
吹き出しやワードを使った表現が私はあまり好みではなかったです。
配役はすごく良かったです!
特に母親役のともさかりえが良かったです。
宗教に逃げながらもどうしようもない旦那を突き放せない。
食卓で壊れるシーンがめちゃくちゃ切なかったです。
実話ということですがかなり壮絶です!
自分ではどうしようもないことや選べないこともあります。
本当の化け物は誰なのかと自問自答するサキ。
いやいや、サキが責任を感じることはない!と心の中でツッコみました。
そして新しいカレンダーが届き、化け物のいないサキの人生が始まります。
サキ!自分らしく生きてね!そしてもうクズみたいな男に依存しないでね!
舞台挨拶では撮影の合間に松本穂香が時間が経って毛羽だったカイロの毛をずっとむしってたって話が面白かったです(笑)
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